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1991-10-02 第121回国会 衆議院 厚生委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年十月二日(水曜日)     午前十時三分開議 出席委員   委員長代理理事 野呂 昭彦君    理事 粟屋 敏信君 理事 石破  茂君    理事 加藤 卓二君 理事 丹羽 雄哉君    理事 網岡  雄君 理事 池端 清一君    理事 遠藤 和良君       岩屋  毅君    小沢 辰男君       岡田 克也君    片岡 武司君       北村 直人君    古賀 一成君       近藤 鉄雄君    坂井 隆憲君       鈴木 俊一君    住  博司君       戸井田三郎君    萩山 教嚴君       三原 朝彦君    宮路 和明君       山口 俊一君    山下 徳夫君       伊東 秀子君    岩田 順介君       岡崎 宏美君    沖田 正人君       川俣健二郎君    小松 定男君       五島 正規君    外口 玉子君       土肥 隆一君    永井 孝信君       石田 祝稔君    大野由利子君       児玉 健次君    柳田  稔君       菅  直人君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 下条進一郎君  出席政府委員         厚生大臣官房総 大西 孝夫君         務審議官         厚生大臣官房老 岡光 序治君         人保健福祉部長         厚生省健康政策 古市 圭治君         局長         厚生省保健医療 寺松  尚君         局長         厚生省社会局長 末次  彬君         厚生省児童家庭 土井  豊君         局長         厚生省保険局長 黒木 武弘君         厚生省年金局長 加藤 栄一君         社会保険庁運営 奥村 明雄君         部長  委員外出席者         大蔵省証券局流 高木 祥吉君         通市場課長         大蔵省銀行局保         険部保険第一課 北村 歳治君         長         文部省高等教育 喜多 祥旁君         局医学教育課長         労働省婦人局婦 藤井 龍子君         人福祉課長         労働省職業安定 戸苅 利和君         局庶務課長         厚生委員会調査 高峯 一世君         室長     ――――――――――――― 委員の異動 九月二十五日  辞任         補欠選任   岡崎 宏美君     田中 恒利君   柳田  稔君     米沢  隆君 同日  辞任         補欠選任   田中 恒利君     岡崎 宏美君   米沢  隆君     柳田  稔君 十月二日  辞任         補欠選任   野田  毅君     萩山 教嚴君   野呂田芳成君     北村 直人君   平田辰一郎君     近藤 鉄雄君 同日  辞任         補欠選任   北村 直人君     野呂田芳成君   近藤 鉄雄君     平田辰一郎君   萩山 教嚴君     野田  毅君     ――――――――――――― 九月二十六日  廃棄物適正処理等に関する法律案浜本万三君外五名提出、参法第一号)(予) は撤回された。 同月二十四日  老人保健法改正看護婦保健婦等増員に関する請願正森成二君紹介)(第五四八号)  同(菅野悦子紹介)(第五四九号)  同(寺前巖紹介)(第五五〇号)  老人保健法改正国民健康保険への国庫負担  に関する請願小沢和秋紹介)(第五五一号)  同(金子満広紹介)(第五五二号)  同(木島日出夫紹介)(第五五三号)  同(児玉健次紹介)(第五五四号)  同(佐藤祐弘紹介)(第五五五号)  同(菅野悦子紹介)(第五五六号)  同(辻第一君紹介)(第五五七号)  同(寺前巖紹介)(第五五八号)  同(東中光雄紹介)(第五五九号)  同(不破哲三紹介)(第五六〇号)  同(藤田スミ紹介)(第五六一号)  同(古堅実吉紹介)(第五六二号)  同(正森成二君紹介)(第五六三号)  同(三浦久紹介)(第五六四号)  同(山原健二郎紹介)(第五六五号)  同(吉井英勝紹介)(第五六六号)  老人保健法改正老人医療費無料制度復活等に関する請願児玉健次紹介)(第五六七号)  同(古堅実吉紹介)(第五六八号)  難病患者などの医療生活保障に関する請願(東力君紹介)(第五六九号)  同(二階俊博君紹介)(第八二〇号)  同(宮路和明紹介)(第八二一号)  医療改善に関する請願児玉健次紹介)(第五七〇号)  同(佐藤祐弘紹介)(第六二五号)  同(児玉健次紹介)(第七四八号)  老人保健法改悪反対医療充実に関する請願児玉健次紹介)(第五七一号)  老人保健法改正等に関する請願児玉健次紹介)(第五七二号)  同(佐藤祐弘紹介)(第六二六号)  同(児玉健次紹介)(第六七二号)  老人保健法改正反対等に関する請願小沢和秋紹介)(第五七三号)  同(木島日出夫紹介)(第五七四号)  同(辻第一君紹介)(第五七五号)  同(東中光雄紹介)(第五七六号)  同(藤田スミ紹介)(第五七七号)  同(古堅実吉紹介)(第五七八号)  同(吉井英勝紹介)(第五七九号)  同(佐藤祐弘紹介)(第六二七号)  同(古堅実吉紹介)(第六七三号)  同(児玉健次紹介)(第七四九号)  老人保健法改正特養ホーム増設に関する請願外一件(土肥隆一紹介)(第五八〇号)  老人保健法医療法改正反対等に関する請願金子満広紹介)(第五八一号)  同(児玉健次紹介)(第五八二号)  同(佐藤祐弘紹介)(第五八三号)  同(不破哲三紹介)(第五八四号)  同(古堅実吉紹介)(第五八五号)  同(三浦久紹介)(第五八六号)  同(山原健二郎紹介)(第五八七号)  国民医療改善に関する請願児玉健次紹介)(第五八八号)  老人保健法改正に関する請願串原義直紹介)(第五八九号)  高齢者医療福祉充実に関する請願安田修三紹介)(第六一六号)  在旧外国人障害者年金保障等に関する請願外一件(網岡雄紹介)(第六一七号)  同外一件(池端清一紹介)(第六一八号)  同外一件(岩田順介紹介)(第六一九号)  同外一件(沖田正人紹介)(第六二〇号)  同外一件(川俣健二郎紹介)(第六二一号)  同外一件(永井孝信紹介)(第六二二号)  同外一件(森井忠良紹介)(第六二三号)  老人保健法改正反対に関する請願佐藤祐弘紹介)(第六二四号)  老人保健法改正などに関する請願木島日出夫紹介)(第六七一号)  老人保健法改正医療福祉施策拡充に関する請願外二件(田中恒利紹介)(第六七四号)  同(池田元久紹介)(第七一二号)  同(上原康助紹介)(第七一三号)  同(加藤万吉紹介)(第七一四号)  骨髄バンク早期実現に関する請願保利耕輔君紹介)(第八一九号)  療術制度化促進に関する請願松浦昭紹介)(第八二二号) 同月二十五日  あん摩マッサージ指圧師の業務と異名同質カイロプラクティック及び整体術等免許療術行為取り締まりに関する請願相沢英之紹介)(第八四五号)  保育所制度充実に関する請願相沢英之紹介)(第八九七号) 同月二十六日  網膜色素変性症に関する請願粟屋敏信紹介)(第一〇六四号)  同(遠藤和良紹介)(第一〇六五号)  同(大野由利子紹介)(第一〇六六号)  同(古賀一成紹介)(第一〇六七号)  同(古賀正浩紹介)(第一〇六八号)  同(網岡雄紹介)(第一一八八号)  同(岩田順介紹介)(第一一八九号)  同(沖田正人紹介)(第一一九〇号)  同(古賀一成紹介)(第一一九一号)  同(田中昭一紹介)(第一一九二号)  同(戸井田三郎紹介)(第一一九三号)  難病患者などの医療生活保障に関する請願片岡武司紹介)(第一〇六九号)  物療技能士資格制度に関する請願中野寛成紹介)(第一一八七号) 同月二十七日  重度心身障害者とその両親またはその介護者及び寝たきり老人とその介護者の家族が同居可能な社会福祉施設設置に関する請願粟屋敏信紹介)(第一三五一号)  同(石破茂紹介)(第一五五七号)  同(加藤卓二紹介)(第一五五八号)  腎疾患総合対策早期確立に関する請願近江巳記夫紹介)(第一三五二号)  網膜色素変性症に関する請願池端清一紹介)(第一三五三号)  同(岡崎宏美紹介)(第一三五四号)  同(加藤卓二紹介)(第一三五五号)  同(川俣健二郎紹介)(第一三五六号)  同(小松定男紹介)(第一三五七号)  同(五島正規紹介)(第一三五八号)  同(佐藤祐弘紹介)(第一三五九号)  同(永井孝信紹介)(第一三六〇号)  同(東中光雄紹介)(第一三六一号)  同(不破哲三紹介)(第一三六二号)  同(中山成彬紹介)(第一五五六号)  国立泉北病院廃止反対地域医療改善に関する請願藤田スミ紹介)(第一五五二号)  難病患者などの医療生活保障に関する請願奥田幹生紹介)(第一五五三号)  重度戦傷病者と妻の援護に関する請願石橋一弥紹介)(第一五五四号)  医療改善に関する請願児玉健次紹介)(第一五五五号) 同月三十日  小規模障害者作業所等の助成に関する請願木村義雄紹介)(第一八一一号)  輸入食品の検査・監視体制の強化に関する請願藤田スミ紹介)(第一八一二号)  難病患者などの医療生活保障に関する請願野呂昭彦紹介)(第一八一三号)  公共場所禁煙分煙法制定に関する請願岡崎宏美紹介)(第一八一四号)  同(常松裕志紹介)(第一八一五号)  同(東中光雄紹介)(第一八一六号)  網膜色素変性症に関する請願大原一三紹介)(第一八一七号)  同(木村義雄紹介)(第一八一八号)  同(田中昭一紹介)(第一八一九号)  同(外口玉子紹介)(第一八二〇号)  同(持永和見紹介)(第一八二一号)  同(米沢隆紹介)(第一八二二号)  重度心身障害者とその両親またはその介護者及び寝たきり老人とその介護者の家族が同居可能な社会福祉施設設置に関する請願粟屋敏信紹介)(第一八二三号)  同(石破茂紹介)(第一八二四号)  同外一件(野呂昭彦紹介)(第一八二五号)  同(加藤卓二紹介)(第一九五六号)  重度身体障害者終身療護保養施設設置に関する請願船田元紹介)(第一九五三号)  重度身体障害者年金者救済措置に関する請願船田元紹介)(第一九五四号)  脊髄神経治療研究開発促進に関する請願船田元紹介)(第一九五五号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 九月三十日  国民医療充実に関する陳情書(第一二四号)  白内障手術人工水晶体使用に対する健康保険適用に関する陳情書(第一二五号)  アトピー性皮膚炎対策の確立に関する陳情書(第一二六号)  看護職員確保看護体制充実強化に関する陳情書外二件(第一二七号)  重度戦傷病者死亡後、その妻に対する三号扶助料増額等に関する陳情書(第一二八号)  原爆被害者援護法制定促進に関する陳情書(第一二九号)  公的年金制度の長期的安定に関する陳情書(第一三〇号)  厚生年金海員保険格差是正に関する陳情書(第一三一号)  廃棄物処理施設建設補助金の増額に関する陳情書(第一三二号)  廃棄物処理制度整備充実に関する陳情書外一件(第一三三号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  厚生関係基本施策に関する件  医療保健福祉マンパワー確保に関する件  請 願    一 難病患者などの医療生活保障に関する請願粟屋敏信紹介)(第二三号)    二 同(大野功統紹介)(第二四号)    三 同(亀井静香紹介)(第二五号)    四 同(野中広務紹介)(第二六号)    五 同(野田実紹介)(第六六号)    六 同(山下元利紹介)(第六七号)    七 同(真鍋光広紹介)(第八三号)    八 同(上草義輝紹介)(第一〇三号)    九 同(岡崎宏美紹介)(第一〇四号)   一〇 同(御法川英文紹介)(第一〇五号)   一一 同(渡辺省一紹介)(第一〇六号)   一二 同(加藤卓二紹介)(第二一八号)   一三 重度戦傷病者と妻の援護に関する請願熊谷弘紹介)(第二七号)   一四 同(武藤嘉文紹介)(第二八号)   一五 同(森喜朗紹介)(第二九号)   一六 同(森喜朗紹介)(第八四号)   一七 同(古賀誠紹介)(第一〇七号)   一八 医療改善に関する請願児玉健次紹介)(第三〇号)   一九 同(吉井英勝紹介)(第三一号)   二〇 同(山原健二郎紹介)(第八五号)   二一 老人保健法改悪反対医療充実に関する請願小沢和秋紹介)(第三九号)   二二 同(金子満広紹介)(第四〇号)   二三 同(木島日出夫紹介)(第四一号)   二四 同(児玉健次紹介)(第四二号)   二五 同(佐藤祐弘紹介)(第四三号)   二六 同(菅野悦子紹介)(第四四号)   二七 同(辻第一君紹介)(第四五号)   二八 同(寺前巖紹介)(第四六号)   二九 同(東中光雄紹介)(第四七号)   三〇 同(不破哲三紹介)(第四八号)   三一 同(藤田スミ紹介)(第四九号)   三二 同(古堅実吉紹介)(第五〇号)   三三 同(正森成二君紹介)(第五一号)   三四 同(三浦久紹介)(第五二号)   三五 同(山原健二郎紹介)(第五三号)   三六 同(吉井英勝紹介)(第五四号)   三七 老人保健法改正などに関する請願木島日出夫紹介)(第五五号)   三八 老人保健法改正等に関する請願児玉健次紹介)(第五六号)   三九 同(寺前巖紹介)(第五七号)   四〇 同(佐藤祐弘紹介)(第八六号)   四一 同(山原健二郎紹介)(第八七号)   四二 同(小沢和秋紹介)(第一二九号)   四三 公的骨髄バンク早期実現に関する請願佐藤謙一郎紹介)(第五八号)   四四 老人保健法改正医療拡充等に関する請願新村勝雄紹介)(第五九号)   四五 消費者サイドに立った食品行政に関する請願楢崎弥之助紹介)(第六〇号)   四六 同(楢崎弥之助紹介)(第八八号)   四七 老人保健法改正反対等に関する請願藤田スミ紹介)(第六一号)   四八 同(児玉健次紹介)(第一〇八号)   四九 同(金子満広紹介)(第一三〇号)   五〇 老人保健法改正特養ホーム増設に関する請願堀昌雄紹介)(第六二号)   五一 同(正森成二君紹介)(第六三号)   五二 同(岡崎宏美紹介)(第一〇九号)   五三 同(土井たか子紹介)(第一一〇号)   五四 老人保健法改正等に関する請願正森成二君紹介)(第六四号)   五五 老人保健法医療法改正反対等に関する請願山原健二郎紹介)(第六五号)   五六 老人保健法改正無料化復活等に関する請願岩垂寿喜男紹介)(第七九号)   五七 療術制度化促進に関する請願外三件(増子輝彦紹介)(第八〇号)   五八 同(上草義輝紹介)(第一一一号)   五九 同外三件(浜田幸一紹介)(第一四三号)   六〇 看護婦確保対策に関する請願増子輝彦紹介)(第八一号)   六一 あん摩マッサージ指圧師の業務と異名同質カイロプラクティック及び整体術等免許療術行為取り締まりに関する請願三塚博紹介)(第八二号)   六二 同(片岡武司紹介)(第一一二号)   六三 公共場所禁煙分煙法制定に関する請願竹内勝彦紹介)(第一〇〇号)   六四 同(原田憲紹介)(第一四四号)   六五 国立腎センター設立に関する請願鳥居一雄紹介)(第一〇一号)   六六 老人保健法改正保健婦等増員に関する請願岡崎宏美紹介)(第一〇二号)   六七 同(吉岡賢治紹介)(第一四五号)   六八 重度身体障害者終身療護保養施設設置に関する請願田口健二紹介)(第一三九号)   六九 重度身体障害者年金者救済措置に関する請願田口健二紹介)(第一四〇号)   七〇 腎疾患総合対策早期確立に関する請願加藤卓二紹介)(第一四一号)   七一 脊髄神経治療研究開発促進に関する請願田口健二紹介)(第一四二号)   七二 難病患者などの医療生活保障に関する請願中西啓介紹介)(第一五八号)   七三 同(岡田克也紹介)(第一七二号)   七四 同(宇野宗佑紹介)(第二〇一号)   七五 重度戦傷病者と妻の援護に関する請願中西啓介紹介)(第一五九号)   七六 同(越智伊平紹介)(第二〇二号)   七七 同(新井将敬紹介)(第二四四号)   七八 老人保健法改正特養ホーム増設に関する請願外一件(後藤茂紹介)(第一六〇号)   七九 公共場所禁煙分煙法制定に関する請願西中清紹介)(第一六一号)   八〇 同(矢追秀彦紹介)(第三〇六号)   八一 老人保健法改正保健婦等増員に関する請願永井孝信紹介)(第一六二号)   八二 重度身体障害者終身療護保養施設設置に関する請願山元勉紹介)(第一七三号)   八三 重度身体障害者年金者救済措置に関する請願細川律夫紹介)(第一七四号)   八四 老人保健法改正などに関する請願木島日出夫紹介)(第一八八号)   八五 老人保健法改正等に関する請願金子満広紹介)(第一八九号)   八六 同(小沢和秋紹介)(第二九〇号)   八七 同(金子満広紹介)(第二九一号)   八八 同(木島日出夫紹介)(第二九二号)   八九 同(児玉健次紹介)(第二九三号)   九〇 同(佐藤祐弘紹介)(第二九四号)   九一 同(菅野悦子紹介)(第二九五号)   九二 同(辻第一君紹介)(第二九六号)   九三 同(寺前巖紹介)(第二九七号)   九四 同(東中光雄紹介)(第二九八号)   九五 同(不破哲三紹介)(第二九九号)   九六 同(藤田スミ紹介)(第三〇〇号)   九七 同(古堅実吉紹介)(第三〇一号)   九八 同(正森成二君紹介)(第三〇二号)   九九 同(三浦久紹介)(第三〇三号)  一〇〇 同(山原健二郎紹介)(第三〇四号)  一〇一 同(吉井英勝紹介)(第三〇五号)  一〇二 老人保健法改正反対等に関する請願金子満広紹介)(第一九〇号)  一〇三 老人保健法医療法改正反対等に関する請願金子満広紹介)(第一九一号)  一〇四 老人保健法改正等に関する請願吉井光照紹介)(第一九五号)  一〇五 国民医療改善に関する請願山原健二郎紹介)(第三五七号)  一〇六 同(児玉健次紹介)(第四一二号)  一〇七 老人保健法改正に関する請願清水勇紹介)(第三五八号)  一〇八 同(堀込征雄紹介)(第四一三号)  一〇九 老人保健法改正等に関する請願東中光雄紹介)(第三五九号)  一一〇 同(小沢和秋紹介)(第三九五号)  一一一 同(金子満広紹介)(第三九六号)  一一二 同(木島日出夫紹介)(第三九七号)  一一三 同(児玉健次紹介)(第三九八号)  一一四 同(佐藤祐弘紹介)(第三九九号)  一一五 同(菅野悦子紹介)(第四〇〇号)  一一六 同(辻第一君紹介)(第四〇一号)  一一七 同(寺前巖紹介)(第四〇二号)  一一八 同(東中光雄紹介)(第四〇三号)  一一九 同(不破哲三紹介)(第四〇四号)  一二〇 同(藤田スミ紹介)(第四〇五号)  一二一 同(古堅実吉紹介)(第四〇六号)  一二二 同(正森成二君紹介)(第四〇七号)  一二三 同(三浦久紹介)(第四〇八号)  一二四 同(山原健二郎紹介)(第四〇九号)  一二五 同(吉井英勝紹介)(第四一〇号)  一二六 老人保健法改正医療福祉施策拡充に関する請願外五件(岩垂寿喜男紹介)(第三九三号)  一二七 重度戦傷病者と妻の援護に関する請願植竹繁雄紹介)(第三六九号)  一二八 同(片岡武司紹介)(第三七〇号)  一二九 医療改善に関する請願児玉健次紹介)(第三九四号)  一三〇 脊髄神経治療研究開発促進に関する請願(松前仰君紹介)(第四一一号)  一三一 医療改善に関する請願外一件(串原義直紹介)(第四七八号)  一三二 難病患者などの医療生活保障に関する請願唐沢俊二郎紹介)(第四七九号)  一三三 老人保健法改正看護婦保健婦等増員に関する請願正森成二君紹介)(第五四八号)  一三四 同(菅野悦子紹介)(第五四九号)  一三五 同(寺前巖紹介)(第五五〇号)  一三六 老人保健法改正国民健康保険への国庫負担に関する請願小沢和秋紹介)(第五五一号)  一三七 同(金子満広紹介)(第五五二号)  一三八 同(木島日出夫紹介)(第五五三号)  一三九 同(児玉健次紹介)(第五五四号)  一四〇 同(佐藤祐弘紹介)(第五五五号)  一四一 同(菅野悦子紹介)(第五五六号)  一四二 同(辻第一君紹介)(第五五七号)  一四三 同(寺前巖紹介)(第五五八号)  一四四 同(東中光雄紹介)(第五五九号)  一四五 同(不破哲三紹介)(第五六〇号)  一四六 同(藤田スミ紹介)(第五六一号)  一四七 同(古堅実吉紹介)(第五六二号)  一四八 同(正森成二君紹介)(第五六三号)  一四九 同(三浦久紹介)(第五六四号)  一五〇 同(山原健二郎紹介)(第五六五号)  一五一 同(吉井英勝紹介)(第五六六号)  一五二 老人保健法改正老人医療費無料制度復活等に関する請願児玉健次紹介)(第五六七号)  一五三 同(古堅実吉紹介)(第五六八号)  一五四 難病患者などの医療生活保障に関する請願(東力君紹介)(第五六九号)  一五五 同(二階俊博君紹介)(第八二〇号)  一五六 同(宮路和明紹介)(第八二一号)  一五七 医療改善に関する請願児玉健次紹介)(第五七〇号)  一五八 同(佐藤祐弘紹介)(第六二五号)  一五九 同(児玉健次紹介)(第七四八号)  一六〇 老人保健法改悪反対医療充実に関する請願児玉健次紹介)(第五七一号)  一六一 老人保健法改正等に関する請願児玉健次紹介)(第五七二号)  一六二 同(佐藤祐弘紹介)(第六二六号)  一六三 同(児玉健次紹介)(第六七二号)  一六四 老人保健法改正反対等に関する請願小沢和秋紹介)(第五七三号)  一六五 同(木島日出夫紹介)(第五七四号)  一六六 同(辻第一君紹介)(第五七五号)  一六七 同(東中光雄紹介)(第五七六号)  一六八 同(藤田スミ紹介)(第五七七号)  一六九 同(古堅実吉紹介)(第五七八号)  一七〇 同(吉井英勝紹介)(第五七九号)  一七一 同(佐藤祐弘紹介)(第六二七号)  一七二 同(古堅実吉紹介)(第六七三号)  一七三 同(児玉健次紹介)(第七四九号)  一七四 老人保健法改正特養ホーム増設に関する請願外一件(土肥隆一紹介)(第五八〇号)  一七五 老人保健法医療法改正反対等に関する請願金子満広紹介)(第五八一号)  一七六 同(児玉健次紹介)(第五八二号)  一七七 同(佐藤祐弘紹介)(第五八三号)  一七八 同(不破哲三国君紹介)(第五八四号)  一七九 同(古堅実吉紹介)(第五八五号)  一八〇 同(三浦久紹介)(第五八六号)  一八一 同(山原健二郎紹介)(第五八七号)  一八二 国民医療改善に関する請願児玉健次紹介)(第五八八号)  一八三 老人保健法改正に関する請願串原義直紹介)(第五八九号)  一八四 高齢者医療福祉充実に関する請願安田修三紹介)(第六一六号)  一八五 在日外国人障害者年金保障等に関する請願外一件(網岡雄紹介)(第六一七号)  一八六 同外一件(池端清一紹介)(第六一八号)  一八七 同外一件(岩田順介紹介)(第六一九号)  一八八 同外一件(沖田正人紹介)(第六二〇号)  一八九 同外一件(川俣健二郎紹介)(第六二一号)  一九〇 同外一件(永井孝信紹介)(第六二二号)  一九一 同外一件(森井忠良紹介)(第六二三号)  一九二 老人保健法改正反対に関する請願佐藤祐弘紹介)(第六二四号)  一九三 老人保健法改正などに興する請願木島日出夫紹介)(第六七一号)  一九四 老人保健法改正医療福祉施策拡充に関する請願外二件(田中恒利紹介)(第六七四号)  一九五 同(池田元久紹介)(第七二一号)  一九六 同(上原康助紹介)(第七二二号)  一九七 同(加藤万吉紹介)(第七一四号)  一九八 骨髄バンク早期実現に関する請願保利耕輔君紹介)(第八一九号)  一九九 療術制度化促進に関する請願松浦昭紹介)(第八二二号)  二〇〇 あん摩マッサージ指圧師の業務と異名同質カイロプラクティック及び整体術等免許療術行為取り締まりに関する請願相沢英之紹介)(第八四五号)  二〇一 保育所制度充実に関する請願相沢英之紹介)(第八九七号)  二〇二 網膜色素変性症に関する請願粟屋敷信君紹介)(第一〇六四号)  二〇三 同(遠藤和良紹介)(第一〇六五号)  二〇四 同(大野由利子紹介)(第一〇六六号)  二〇五 同(古賀一成紹介)(第一〇六七号)  二〇六 同(古賀正浩紹介)(第一〇六八号)  二〇七 同(網岡雄紹介)(第一一八八号)  二〇八 同(岩田順介紹介)(第一一八九号)  二〇九 同(沖田正人紹介)(第一一九〇号)  二一〇 同(古賀一成紹介)(第一一九一号)  二一一 同(田中昭一紹介)(第一一九二号)  二一二 同(戸井田三郎紹介)(第一一九三号)  二一三 難病患者などの医療生活保障に関する請願片岡武司紹介)(第一〇六九号)  二一四 物療技能士資格制度に関する請願中野寛成紹介)(第一一八七号)  二一五 重度心身障害者とその両親またはその介護者及び寝たきり老人とその介護者の家族が同居可能な社会福祉施設設置に関する請願粟屋敏信紹介)(第一三五一号)  二一六 同(石破茂紹介)(第一五五七号)  二一七 同(加藤卓二紹介)(第一五五八号)  二一八 腎疾患総合対策早期確立に関する請願近江巳記夫紹介)(第一三五二号)  二一九 網膜色素変性症に関する請願池端清一紹介)(第一三五三号)  二二〇 同(岡崎宏美紹介)(第一三五四号)  二二一 同(加藤卓二紹介)(第一三五五号)  二二二 同(川俣健二郎紹介)(第一三五六号)  二二三 同(小松定男紹介)(第一三五七号)  二二四 同(五島正規紹介)(第一四五八号)  二二五 同(佐藤祐弘紹介)(第一三五九号)  二二六 同(永井孝信紹介)(第一三六〇号)  二二七 同(東中光雄紹介)(第一三六一号)  二二八 同(不破哲三紹介)(第一三六二号)  二二九 同(中山成彬紹介)(第一三五六号)  二三〇 国立泉北病院の廃止・反対、地域医療改善に関する請願藤田スミ紹介)(第一五五二号)  二三一 難病患者などの医療生活保障に関する請願奥田幹生紹介)(第一五五三号)  二三二 重度戦傷病者と妻の援護に関する請願石橋一弥紹介)(第一五五四号)  二三三 医療改善に関する請願児玉健次紹介)(第一五五五号)  二三四 小規模障害者作業所等の助成に関する請願木村義雄紹介)(第一八一一号)  二三五 輸入食品の検査・監視体制の強化に関する請願藤田スミ紹介)(第一八一二号)  二三六 難病患者などの医療生活保障に関する請願野呂昭彦紹介)(第一八一三号)  二三七 公共場所禁煙分煙法制定に関する請願岡崎宏美紹介)(第一八一四号)  二三八 同(常松裕志紹介)(第一八一五号)  二三九 同(東中光雄紹介)(第一八一六号)  二四〇 網膜色素変性症に関する請願大原一三紹介)(第一八一七号)  二四一 同(木村義雄紹介)(第一八一八号)  二四二 同(田中昭一紹介)(第一八一九号)  二四三 同(外口玉子紹介)(第一八二〇号)  二四四 同(持永和見紹介)(第一八二一号)  二四五 同(米沢隆紹介)(第一八二二号)  二四六 重度心身障害者とその両親またはその介護者及び寝たきり老人とその介護者の家族が同居可能な社会福祉施設設置に関する請願粟屋敏信紹介)(第一八二三号)  二四七 同(石破茂紹介)(第一八二四号)  二四八 同外一件(野呂昭彦紹介)(第一八二五号)  二四九 同(加藤卓二紹介)(第一九五六号)  二五〇 重度身体障害者終身療護保養施設設置に関する請願船田元紹介)(第一九五三号)  二五一 重度身体障害者年金者救済措置に関する請願船田元紹介)(第一九五四号)  二五二 脊髄神経治療研究開発促進に関する請願船田元紹介)(第一九五五号)      ――――◇―――――
  2. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 これより会議を開きます。  委員長の指定により、私が委員長の職務を行います。  厚生関係基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土肥隆一君。
  3. 土肥隆一

    土肥委員 私は、きょうは、民間福祉法人の施設整備に関する全体的な質問をさせていただきます。  ゴールドプランが出発いたしましたスタートは、消費税の見直し等のやや政治がかった問題でスタートしたと聞いておりますけれども、しかしながら、行政当局がこの日本の超高齢化社会を迎えるに当たって十カ年戦略を立て、目標値を立てて、施設及びその他の福祉サービスの目標値を定めて、これを年次達成しようという意気込みについては大いに賛成するところでございます。しかしながら、この十カ年戦略、いわゆるゴールドプラン、本当にゴールドに終わればいいがなというのが私の懸念でございまして、これはぜひとも達成しなければならない最低限の目標ではないか、このように思っております。  そのときに、そういう状況の中で、民間福祉法人の果たす役割が極めて高いというふうに私は考えておりまして、その民間福祉法人とそれから国及び地方行政とのあり方、特に施設整備に当たっての関係を明確にしておかないと、民間福祉従事者あるいは福祉法人と国との間にいろいろな、さまざまなトラブルやそごを来すことがあるのではないかというようなことを懸念して、きょうの質問をさせていただくつもりでございます。  まず、今、全国に社会福祉施設があるわけでございますけれども、その中で民間施設が占める割合というのがどれぐらいになるかということについて、前もって厚生省の方から資料をいただいておりますが、時間を節約する意味で、私の方からこの資料を読ませていただきます。  これは、厚生省の統計をとる時期がいつも十月一日のようでございますので、平成元年十月一日現在の資料をいただいておりますが、それによりますと、全国で社会福祉施設というのが四万九千五百六十九カ所、そして公営が三万五百七十三、私営が一万八千九百九十六カ所、こうなっております。私はきょうは老人施設、とりわけ特養、特別養護老人ホームについてお聞きしたいのでありますけれども、総数は特養で二千百二十五ございまして、そのうち公営が二百五十六、私営が千八百六十九カ所。そうなりますと、パーセントでいいますと公営が二一%、そして私営が八八%、こういうふうな数字になります。これで間違いございませんでしょうか。     〔野呂委員長代理退席、石破委員長代理着席〕
  4. 末次彬

    ○末次政府委員 ただいま委員御指摘のとおりでございます。
  5. 土肥隆一

    土肥委員 そこで、この特養、あるいはついでに老健施設も申し上げさせていただきますと、老健施設は今四百三十一施設ございまして、公営が二十五、私営が四百六で、パーセントでいいますと公営が五・八%、私営が九四・二%、こういうことになります。それで十カ年戦略が完成します平成十一年、目標どおり完成したとして、その施設数の中で一体公営と私営との割合は、今経過している特養の公営二一%、私営八八%、あるいは老健施設の公営五・八%、私営九四・二%というような、大体これに近い形で推移すると考えて間違いないんでしょうか。
  6. 岡光序治

    岡光政府委員 その公私の割合につきまして平成十一年度の先まで予想するのは非常に難しゅうございますが、先生の先ほどの御指摘にございましたように、特別養護老人ホーム、老人保健施設ともに民間が非常に大きな割合を占めておりますので、恐らく同じような傾向で進むものというふうに考えております。
  7. 土肥隆一

    土肥委員 そうしますと、このゴールドプラン全体とは申しませんけれども、施設整備についていいますならば、これは圧倒的に民間主導型だ、民間福祉施設がこれを担うということになるかと思います。そうなりますと、私が冒頭申しましたように、民間福祉施設、民間法人をこれだけ活用するとするならば、やはりよほどの配慮と、それから民間福祉事業者と国あるいは地方自治体との間によき関係がつくられていなければ、到底これに民間はごたえ得ないというふうに思うわけであります。  その一つの例として、施設整備費について申し上げます。最近、私はこの施設整備を幾つか手がけたわけでありますけれども、その中で痛切に思いますのは、公的な補助金のその総建築費に対する割合が極めて低いということであります。  例えば平成元年に仕上がった一つの精薄施設でありますけれども、国、県の補助金が全建築費の四〇・七%にしかならない。あるいは、間もなくオープンする施設を私介抱えております。これは特養でございますけれども、それでいきますと建築費だけ、あと附帯設備がありますが、建築費だけに限っても三八・三%にしかならない。それから、東京都内でつくられました特養の施設を一つ厚生省の方から紹介していただきましたけれども、その場合も国庫補助金というのは四四%にしかならない。つまり、いずれの施設も公的な補助金が五割を割るということで、あとの五割は設置者である民間福祉法人が持たなければならないという実態でございます。そういう実態について、大体私が挙げましたパーセントというのは厚生省の認識として間違いございませんでしょうか。
  8. 土井豊

    土井政府委員 ただいまお話がありました平成元年度完成の精薄者施設、神戸市内の施設であろうと思いますけれども、私どもの調査によりましても公的な補助金の割合は約四五%ということに相なっておりまして、お説のような状況に相なっておると思います。実態を調べてみますと、国の基準に比べて若干面積が広いとか、あるいは国の補助単価に比べて実勢単価が上回っているといったような事情がその原因として考えられるのではないかというふうに考えているところでございます。
  9. 土肥隆一

    土肥委員 今局長がおっしゃいましたまさに実勢単価と補助単価の違い、それから基準面積を若干上回っているというふうにおっしゃいましたが、その辺が最大の関心事でございまして、これから詰めさせていただきますけれども、そうなりますと、厚生省が示しておられる法律上の基準面積、それから基準単価が一体どういう根拠で決められたのかということを詰めざるを得ないわけであります。なぜならば、平均四五%を公的補助金が持つ、そうすると、あと五五%は民間福祉法人が担わなければならないわけです。これは言ってみれば施設整備の五五%は民間のお金でやるということでありまして、いわばそれにゴールドプランが乗っかる、あるいは行政的な福祉整備計画が乗っかる、こういうことになるわけであります。  それでは基準面積とか基準単価、あるいは公的な補助率というものは一体どういうふうにして決められたのかということを聞かざるを得ないのであります。例えば特養でいきますと、今局長が基準面積よりも若干上回るとおっしゃいましたけれども、法律では一人当たり床面積が四・九五平方メートル以上、こうなっております。四・九五平方メートルというのは、この特養のお年寄りの一人のスペースとしてこれで基準として合っている、基準としてふさわしい、そういうふうにお考えになるのか。それからまた補助基準面積でございますけれども、今二十七・四平米、こうなっております。一人当たりの四・九五平米は昭和四十一年以来変更されていない。しかし、補助基準面積は徐々に上がっているということは承知しておりますが、この四・九五平米というのはお年寄りの一人の生活の何を根拠にして広さを決めていらっしゃるのでしょうか。
  10. 岡光序治

    岡光政府委員 四・九五平米のこの基準を決めました経緯等について、まず申し上げたいと存じます。  これは、昭和三十八年に老人福祉法が施行されました際に、おおむね一坪半ということで四・九五平米が定められまして、それが後、運営基準においても追認をされたものでございますが、この平米を定めました理由としましては、従前からありました養護老人ホームの居室面積の最低基準が三・三平米、いわゆる一坪であったものに対しまして、特別養護老人ホームの場合は、心身の障害があるため常時分譲を必要とする、そういう必要性がありますものですから、広いスペースが必要であるということで四・九五平米というものが定められたのと、それから病院の患者一人当たりの床面積が四・三平米である、こういったことを勘案したものでございます。  しかし、その後、四十七年に中央社会福祉審議会の老人福祉専門分科会から、ケアの充実、居住性の向上の観点から、収納部であるとか洗面所なんかを含めて一人当たり八・二五平米の居室面積を確保しろ、こういう提言がございましたので、改善を行いまして、昭和五十二年度に居室面積部分については八・二五平米、こういう水準を決めたわけでございます。これはそれぞれの一人当たりの居室面積でございますが、居室のほかにいろいろとデイルームであるとか、そのほかの居住をする場合におきましての必要な部分がございますので、そういったものを全体的に勘案しまして現行の補助基準面積は二十七・四、こういうことになっているわけでございます。  そういう意味では、私ども、四十九年度以降の特別養護老人ホームの居住水準というのは一この一人当たり八・二五平米という居室面積で居住水準が実質的に決まっておるというふうに考えておるわけでございまして、今後もリハビリテーションの必要性とか居住性の確保という観点から、内容改善には取り組んでいきたいというふうに考えておる次第でございます。
  11. 土肥隆一

    土肥委員 そうしますと、個人のお年寄り一人の面積は昭和四十一年以来変わっていない。今後も変わらない。つまり、特養における個人生活というものを考えたときに、デイルームとかパブリックな部分のスペースは広げてきた、しかし、お年寄りの個人が純粋に占めるスペースは四・九五平米でいいのだというふうにお考えだと理解しますが、どうでしょうか。最近の特養の個人のスペースの平均平米数はおわかりになりますでしょうか。
  12. 岡光序治

    岡光政府委員 最近の現実に建築をされておりますものの実績、ちょっと手元にございませんが、ただいま私申し上げましたように、現在の補助基準では一人当たりの面積が八・二五平米になっておりますので、それが基準になってつくられておるというふうに考えております。  四・九五平米と言っておりますのは、いわゆる省令上の最低基準で決めた基準でございまして、これを実は消せないでおりますのは、四十八年前に、それまでの間につくられたものがなお特別養護老人ホームで三百施設余り残っておるものですから、したがいまして四・九五平米というのを消せないでおるわけでございますが、現実にはもう最近の施設では八・二五平米が基準でございますので、最近建てられたものについては、こういった居室面積は確保できておるというふうに認識をしております。
  13. 土肥隆一

    土肥委員 施設整備で平米数あるいは基準面積というわけでありますけれども、お年寄りの生活の質というものを考えたときに、ただ面積だけで物事は決められない。お年寄りがどういう生活を享受できるかということを勘案して必要な面積というのが算定されるべきだと思いますけれども、そういうお年寄りの生活の質というようなものは、この平米数をはじき出すときの基準として考えることはないんでありましょうか。その辺をちょっと聞きたいと思います。
  14. 岡光序治

    岡光政府委員 生活の質ということは考えなきゃならないわけでございまして、これは来年度の予算要求の中身でございますが、個室の割合についても、もう少しふやしたらどうだろうかというふうなことも盛り込もうとしておるわけでございます。そういう意味では、パブリックスペースとあわせまして、個人の居室部分につきましても、国民の全体的な生活水準の動向を念頭に置きながら、それとのバランスを図る格好で内容充実をしていかなければならない。現にまたこれまでもしてきたつもりでございます。
  15. 土肥隆一

    土肥委員 実は東京都社会福祉協議会が一つの調査をしておりまして、老人ホームの個室化に対する意向調査というのが出ております。今、都民の皆さんが感じている老人ホームのイメージというのは、大部屋でプライバシーが保てない五八・八%、人間関係が難しい五八・五%、集団生活で自由が制約されがち五三・六%、マイナスイメージが上位を占めたと書いてあります。ところが、これをじゃ個室化にしたらどうですかと申しましたら、途端に数字が上がるわけでございまして、いわば八割以上の都民が個室化を希望している。逆に言えば、個室化がないから、老人ホームに入るのはどうもプライバシーや人間関係や自由な生活が許されない、したがって、プライバシーの尊重とかあるいは自由な生活あるいは社会的なイメージが上がればぜひとも入りたい、こういうふうになってくるわけであります。  そうなりますと、例えばの例でありますが、特養を個室化するというふうなことは、この意識調査からすれば非常に大事な一つの判断材料になるんではないか、このように思います。今厚生省でこの特養の個室化というようなことを言ったときに、どんな御感想を、考えを持っておられるか、お聞きしたいと思います。
  16. 岡光序治

    岡光政府委員 個室化の問題につきましてはいろいろ議論がございまして、特別養護老人ホームに入居される人についてその心身の特性を考えた場合に、処遇上の観点から、必ずしもすべての人について個室化を進めるということはどうであろうかという議論もございます。そういう意味では、全室個室にするということにつきましては割り切れておらないわけでございまして、もう少しその辺議論を煮詰めたいというふうに考えておるわけでございます。  私どもは、現在のところ定員の二割まで個室の整備を認めているわけでございますが、先生御指摘のような非常に個室化を望む声もございますし、国民全体の生活実態を念頭に置く必要がありますので、先ほども申し上げましたように、来年度の予算要求としては三割までこれを広げるということを考えようとしているわけでございます。  いずれにしましても、その処遇の問題とそれから要望と、その両者の兼ね合わせを考えながら、結局老人ホームで生活をなさる方の生活の質が上がるということを考えて、そのすべてを進めなきゃならないのじゃないだろうか、そう考えておりますので、今後ともそこのところはフレキシブルに考えていく必要があるだろうと思っております。
  17. 土肥隆一

    土肥委員 お年寄りが自分の家を離れて特養に入る。大抵のお年寄りは自分の部屋を持っており、そして自分の家を持っていて、そこを離れていわば集団生活に入っていくわけですね。そのときの気持ちを思うと、いろいろと切ない思いになるわけでありまして、自分の町を捨て、村を捨て、そして集団生活に入る。そこは四人部屋で、ないしは二人部屋もございますけれども、そしてテレビをつけるとかつけないとかというようなことについても、あるいはお互いの寝る時間についても、あるいは部屋の温度にいたしましても、エアコンがついておれば何度が自分には一番適温で、Aさんは二十五度でBさんは二十七度なんということがあるわけでありまして、そういうふうなことも考えますと、お年寄りがマイナスのイメージ、負のイメージを持って施設に入ることがないようにしてあげるというのが福祉施設の基本的な考え方でなきゃならないんじゃないか、私はこのように思うわけであります。  したがって、ことし三〇%個室化を認められるということでありますが、例えば特養が全室個室化をしたという場合も、今時点でですよ、ある福祉法人が、いわゆる最低の補助金はもらいながら、そのほかの部分は民間施設がかぶっても全部個室化したとして個室化計画を出したときに、厚生省はお認めになりますか。
  18. 岡光序治

    岡光政府委員 いわゆる職員の経費、それから入所者の生活費、これを賄っておりますのが措置費でございますが、その場合は、そういう全室個室化をした老人ホームにつきましても、ほかの老人ホームと同じように流すわけでございまして、そういう意味では処遇上の運営費の問題はなかろうかなと思っております。  ただし、先生、議論としましては、私どもはお年寄りの心身の状態に応じてお年寄りの生活の場というものを確保していかなければならない、そう考えておるわけでございまして、特別養護老人ホームの本来的な機能としましては、その心身の状態により常時日常生活の介護を要するということでございますので、そういう心身の状態にある人について全室個室化にするのがいいのかどうかというのは、これは専門家の中でもまだ意見が分かれているところでございます。そこのところはもう少し議論を煮詰める必要があるのではないかなというふうに考えております。
  19. 土肥隆一

    土肥委員 そうすれば、処遇さえ間違いなく行えば施設整備は許可なさるということですね。
  20. 岡光序治

    岡光政府委員 繰り返しになりますが、今申し上げましたように、一定の水準の処遇が保たれるならば、それは措置費は決められたものが流れてまいりますので、今二割ということで個室を認めておりますが、それ以上の整備をなさったところでも運営費は流れていくということでございます。
  21. 土肥隆一

    土肥委員 ありがとうございます。私は、もちろん職員の配置あるいは措置費との兼ね合いのことはあると思いますけれども、このゴールドプランが達成するころには、少しはお年寄りの気持ちに沿った施設整備がなされていくべきであって、それは何も個室化だけでなくて、食事にいたしましてもあるいは日常的な生活のありようにいたしましても、自分が今まで住んでいた生活とそう変わらない生活をなるべく保障して、そして一生を全うしていただくというふうな配慮をなさるべきでありまして、これからは基準面積というときには、面積の中に必ずお年寄りの生活の質のあり方というものを織り込んで考えていくべきだというふうに考えております。     〔石破委員長代理退席、粟屋委員長代理者     席〕  さて、次に進みますけれども、実は施設を整備いたしますときに補助金が出ます。例えば先ほどの例でいきますと、四五%程度しか出ませんから、それぞれの施設は莫大な借金をするわけでございます。もちろん社会福祉医療事業団からの借入金が一番多いわけでありますが、私が関係しましたものでも一億七千二百万、それから東京都からいただきました施設におきましても二億八千九百万、これが自己資金ですね、自己負担金です。それから、間もなく完成いたしますけれども、その特養でいきますと建築本体費だけでも二億六千五百万。実は御承知のように、附帯設備として例えば暖房設備費、エレベーター設備費、それから下水が完備していないところでは合併処理槽の設備費、スプリンクラーの設備費、初度詭弁の費用、これも全部自己負担が入ってくるわけです。つまり、行政はその費用の四分の三しか見ませんから、基準単価の四分の三しか認めませんから、実勢単価の差額分、そして基準単価の四分の一、これを民間が負担いたします。  どうでしょうか、一施設づくるごとに二億も三億もの借金を抱えて施設整備をする民間福祉事業者というのは、先ほど冒頭お答えになりましたように、ほぼ民間依存型になっていくこのゴールドプランにおいて、果たしてこの巨額な借金というのは担い得る額であるかどうか、これを思いますときに私は非常に暗い気持ちになるのでございます。このゴールドプランが生きるも死ぬもここで決まるということでございます。しかも、民間福祉法人は土地を無償で提供しなければなりません。造成やあるいはもう既存の建物があったら、その取り壊しの費用も自分で持たなければいけません。これには補助金はつきません。そういう状況の中で、こんなにも民間福祉法人に負担させながら、特養二十四万床あるいは老健施設二十八万床なんという施設整備が一体できるのかどうかということを考えるわけです。  まずお聞きいたしますけれども、建築本体の単価でも結構でございますが、この基準単価というのは何を根拠にお決めになるんでしょうか。
  22. 末次彬

    ○末次政府委員 一般論としてお答えいたしますと、この国庫補助基準単価につきましては、施設の種類あるいは所在する都道府県等によって異なってくるわけでございますが、一般的に施設の種類ごとに定められた基準に基づく整備を行うのに必要な基準単価という考え方で設定したものでございます。  現在のあり方につきましては、これまで厚手大蔵、自治の三省の合同調査を行いまして、その実態を反映して補助基準の見直しを行ったわけでございまして、その後、文部省の公立文教施設の補助単価の改定というのを毎年やっておりますが、その改定率に準じて毎年補助単価の引き上げを行ってきております。
  23. 土肥隆一

    土肥委員 そうしますと、明らかに実勢単価とそれから補助単価の差が半分にしかならない、実勢単価の半分以下にしかならないということの実態はどう御説明なさるのでしょうか。
  24. 末次彬

    ○末次政府委員 御指摘のとおり、一部地域につきまして実勢単価と基準単価の乖離が生じているという指摘を受けておるところでございまして、この乖離につきましてはいろいろな要素があるというふうに考えております。  私ども実態をずっと調べてみますと、この実勢単価そのものも大変ばらつきがございまして、非常に飛び離れた単価のところもございますし、おおむね国庫補助基準単価でやれるところもある。そのばらつきが何によるものか、これはなかなか一概に言えないわけでございますけれども、基本的には当該地域で建築需給のバランスがどうなっているか一あるいは標準以上の建築設計を行っているか、また仕様につきましても、外壁をタイルで張るというようなデラックスな仕様も出てきておるわけでございますから、私どもとしましてはなるべくそういう特別な要素は除きまして、基本的なところは、資材等の建築物価あるいは人件費の上昇を反映するような補助基準単価に持っていきたいというふうに考えております。
  25. 土肥隆一

    土肥委員 それはちょっと問題ではないかというふうに私は思います。そうしたら、私はある建築屋さんに聞きました。この補助単価どおりで補助基準の面積どおりにつくったら、その鉄筋コンクリートづくりの建物は何年ぐらいもつかと聞きましたら、まあ十五年ぐらいでしょうと。つまり半額なんですから。ですから、すべてを半額でつくろうと思えば、つくれないことはないと思います。しかしながら、実際民間福祉法人は、やはりつくるならいいものをつくりたい。何もぜいたくをする意味ではないですね。そして、最低基準というのはあるけれども、何とか借金に借金を重ねて少しでも快適なものにしたい、スペースもなるべく広くとりたい、こう善意でやっているわけです。したがって、その結果公的補助金は約半分にしかすぎない。  そうしたら、お聞きいたしますけれども、基準面積どおり、そして基準単価どおりでつくって構わないのですね。     〔粟屋委員長代理退席、池端委員長代理者     席〕
  26. 末次彬

    ○末次政府委員 先ほど申し上げましたように、現在の平成二年度の実勢といいますか実際できましたものにつきましても、おおむねこの基準単価でできておるところもございます。これはいろいろな要素がありまして、実勢単価は非常にばらついているわけでございますから、なかなか一概に言えないわけでございますが、例としてそういうものもあるということを申し上げたいと思います。
  27. 土肥隆一

    土肥委員 その面積、その単価でつくっても、それはいいのですね。
  28. 末次彬

    ○末次政府委員 社会福祉施設につきましては、それぞれ最低基準がございます。その最低基準に合致しているということであれば、これはもちろん差し支えないというわけでございます。
  29. 土肥隆一

    土肥委員 私はその御発言に大変憂慮いたします。先ほど、生活の質も少しずつ変えていきたい、個人面積も広めていきたい、パブリックなスペースにおけるお年寄りの多様な生活保障したいというふうな理念のもとであるならば、むしろ今の基準単価が実勢単価の半分にしかならない乖離という問題をそういうふうにおっしゃいますと、結局は言っていることとすることが裏腹になる、逆になるというふうに考えるわけであります。  そうしますと、もう少し先に話を進めさせてもらいますけれども、基準面積で基準単価によって建てでもよろしい。そのうちの四分の三を公的な補助金で充て、あとは設置者負担にするわけでありますけれども、設置者負担というものを必ず持たせる、義務づける理由は一体なんでしょうか。
  30. 末次彬

    ○末次政府委員 もともとこれは補助金という制度でございますから、事業者が事業を実施する場合に、国あるいは都道府県が事業の目的、性格あるいは他の補助事業とのバランス、こういったもろもろの要素を考慮して補助率を設定しておるわけでございます。社会福祉施設の整備につきましては、社会福祉施設公共的性格を有するという観点から、従来から四分の三を国、都道府県が補助するということになっておりまして、残りの四分の一が結果として設置者負担になっているということでございます。  それからなお、先ほどお話しございましたが、私どもこの基準単価あるいは面積につきましても、基準単価につきましてはなるべく実態を反映するように毎年調査をし、その結果に基づいて改善もやってきておりますし、これからもその改善は怠りなくやっていきたいと思っております。また、基準面積等につきましても、国民生活の向上に沿いまして、これまでも基準面積は段階的に拡大をしてきております。また、いろいろな要素も加味しながら、全体の面積も広げてきております。そういった努力は今後も必要に応じまして続けていきたいというふうに考えておりますので、一言申し添えておきます。
  31. 土肥隆一

    土肥委員 その設置基準面積、そして基準単価の四分の三を国庫補助、そしてあと四分の一、それから実勢単価の出た分を民間福祉法人が持つ。民間福祉法人というのは、民間福祉事業をすることによって何か営利的な、あるいは商売上得をするというふうな、あるいは剰余財産が出たらその法人の好きなように使っていいとかいうふうな施設でございますならば、それは公的な性格の強い民間福祉法人にある程度の自己負担を持たせることは納得できますけれども、私の経験では、福祉施設をやればやるほど借金がふえて、それで、その借金を返す財源は結局寄附金しかありませんから、寄附を取って回る以外にないわけでございます。  ですから、設置者負担分というのを課せられるときに、その設置者負担分というのは民間福祉法人の何に対して、民間福祉法人の事業者に何を期待して、期待してといいましょうか、何を目的にしてその設置者負担を持たせるのでしょうか。その設置者負担の根拠を教えてください。
  32. 末次彬

    ○末次政府委員 これも先ほども申し上げましたとおり、結果として四分の一が設置者負担になっているということでございまして、民間で社会福祉施設を整備したいという場合に、国あるいは県がそれに対して補助を行うという裏腹の関係で、四分の一が設置者負担になって残るという関係でございます。  それでは、なぜ民間社会福祉法人が施設整備を行うかということになるわけでございますが、これは社会福祉事業に対する民間の善意の方々の熱意と申しますか、そういった公的なものとはまた一味違う民間の方の社会福祉事業に対する熱意のあらわれとして、そういうものが出てくる。これに対して国あるいは都道府県が助成をする、そういう仕組みをとっている。その結果としての四分の一の自己負担、設置者負担ということでございます。
  33. 土肥隆一

    土肥委員 それではこういうふうに言ってもいいでしょうか。もし可能ならば民間福祉法人にも国としては施設整備の費用を一〇〇%出してあげたい、そういうふうに考えてもいいんでしょうか。
  34. 末次彬

    ○末次政府委員 これは先ほども申し上げましたとおり、国庫補助率というものにつきましては、その事業の性格あるいは他の事業とのバランス等々ございまして、国全体としてバランスを考え、補助率を設定しているということでございまして、補助率という物の考え方からいたしますと、やはり一定のわかりやすい率にする必要があるというふうに考えております。
  35. 土肥隆一

    土肥委員 よくわからないのですが、つまり、こういうふうに理解していいでしょうか。要するに、当然財政というものがあるわけでありますから、財政を超えて支出はできない。しかし、実際は施設整備は財政をはるかに超えて実施されておる。したがって、財政の範囲内で補助する額が補助額ということであって、実勢単価あるいはその建築をする、施設整備をしていくときどきに応じての費用とはかかわりなく、その年その年に、あるいは国の持つ財源の能力の範囲内において出せはこういう補助率になるんだ、こういう実態になるんだ、そういうふうに言いかえていいでしょうか。
  36. 末次彬

    ○末次政府委員 施設整備につきましては、先ほど来申し上げておりますように基準面積あるいは基準単価、これを掛け合わせまして一定の必要な額を出しまして、それに補助率を掛けるという仕組みをとっておりまして、これはトータルとしては、確かに予算上総額が決まるわけでございますが、その中の執行といたしましては、その基準に応じた額を支出するということでございまして、財政によって一つ一つの施設整備費が左右されるということではございません。
  37. 土肥隆一

    土肥委員 結局、国の財政あるいは補助率という国の考え方でやっているにすぎないのであって、依然として実際の単価と基準単価が倍以上違うというこの実態は、今の議論でも埋まらないわけですね。したがって、実際としては民間がその資金の半分を持っている。いいですか、土地も無償で提供して、半分持っている。そういう状況というのは依然として続いているわけでございまして、なるべく実勢単価に近づけるようにとおっしゃいますけれども、私はこれはもう近づかないと思いますね。  近づかないとするならば、それなりの考え方を改めませんと、国の基準、国の基準とおっしゃいますけれども、受ける側からいえば、いわば押しつけられた基準であって、実際は整備資金の半分しか公的補助がないということを考えましたときには、いわば押しつけられた基準を民間福祉法人側は受けとめつつ、いつも思っていることは、基準面積、基準単価でも四分の一、総建築費用では半分をいつも持たなければならないという何か一種の不当な施設整備をさせられているような、やりたくなければやるなとおっしゃるかもしれませんけれども、やりたい、福祉事業をやりたいという思いを一方で持ちながら、半分は自分の負担になってくるというような実態があるわけでございまして、私は、この補助率を上からかぶせてくるのではなくて、実態に合って変更されるべきではないかというふうに思っているのですが、その点についての御意見をお聞かせいただきたいと思います。
  38. 末次彬

    ○末次政府委員 先生おっしゃる議論、理論的には一つそういう考え方もあろうかというふうに考えておりますが、私どもといたしましては、社会福祉施設の果たす公共性、その重要な役割にかんがみまして、なるべく現実に即した公的な補助、先ほどから申し上げております基準面積あるいは基準単価に基づく補助、一定の率に基づく補助というものを行う方が望ましいのではないかというふうに考えております。  先生御指摘のやり方によりますと、それはそれでやはりいろいろなバランス問題というものも生じてくるわけでございまして、私どもとしましては、なるべく現在のやり方を実態に近づける努力を重ねていく、その方が社会福祉施設の補助のあり方としては望ましいのではないかというふうに考えております、
  39. 土肥隆一

    土肥委員 議論が分かれるところでございますが、やはりこれは私、ゴールドプランを達成するには、相当思い切った民間福祉法人に対する援助をしないと、先ほど冒頭申しましたパーセンテージで特養あるいは老健施設を整備していく上において、それは到底民間福祉法人が担えるような額ではないと思います。  例えば社会福祉医療事業団の貸付額について、特に社会福祉法人の状況をここに資料としていただいているのですけれども、この社会福祉法人に対する貸付額が五百四十九億円、これは平成二年度の統計でございますが、回収額が二百五十六億円、回収率が何と九九・七三%です。銀行あたりからお金を借りている人がどれくらいきちっと返済しているのかどうかわかりませんが、回収率九九・七%。民間福祉法人の方は、私どもの施設でも二億円、二億五千万と借金を重ねていっているわけでありますけれども、九九・七%も回収率が高いというのは私はもう驚きでございます。驚きというよりは涙なしには語れない回収率でございまして、年率が四・六〇%と安いからというふうな理屈もつけられましょうが、これを返している民間社会福祉法人の事業者の涙ぐましい努力を思うと、まあよく忠実に返しているものだと賛嘆の声を上げてしまうわけであります。  ところが、これを延滞いたしますと延滞料を取られますが、その延滞利率は幾らですか。
  40. 末次彬

    ○末次政府委員 延滞利率につきましては現在一四・六%になっておりまして、これは他の公的金融機関と同率で設定されているものでございます。
  41. 土肥隆一

    土肥委員 私は、他の金融機関と同等の一四・六%のペナルティーを科すというところに秘訣があるのだろう、九九・七%の根拠があるのだろうというふうに思います。もはや福祉施設は、この社会福祉医療事業団から二十年割賦で借りましても、返せる額を超えております。  この借入金の財源は何かといえば、これはもう一般寄附金でございます。ほとんどの福祉法人は収益事業というのを持っておりません。せいぜい駐車場を何台分か持っているといった程度でございまして、あとは寄附金で賄う、そういうまあ言ってみれば自転車操業というよりは借金に借金を重ねて、借金を返すことにきゅうきゅうとしなければならない。施設長なんというのは募金に回って、中におれない。理事たちは、これはみんなボランティアでございますから、専務理事なんというのはよほど大きな法人でない限りいないわけでありますから、金集めに回るといったって、なかなかそれはうまくはいかないわけでありまして、この九九・七%の回収率、まことに恐るべきものがあります。  私は、今後この医療事業団の福祉施設に対する貸付額、それから回収年限、それから利率についてももっと柔軟な幅を持つべきだと思います。例えば二十年を三十年にするとか四十年にするとかいうこと、それから、いわゆる返せない状況が出たときにもそれなりの配慮をすべきだと思いますが、医療事業団の貸し付けの金額あるいは回収年限を長くするというお考えはございませんでしょうか。
  42. 末次彬

    ○末次政府委員 事業団の融資につきましてはいろいろな画で活用されておるわけでございますので、この拡大については、私どももこれからも努力していきたいというふうに考えております。  事業団融資の返済年限につきましては、現在資金運用部からの借入期間が二十年ということになっておりまして、これを延長することは資金繰りの関係で難しいのではないかというふうに考えております。また、二十年を延長することが必ずしも施設、法人にとりまして有利になるかどうかという点も考えてみなければならないというふうに考えております。  この四・六%という利率につきましては、これは政府関係の融資、公的融資としましては非常に低利の利率になっておりまして、しかもこれは固定金利ということになっております。また、固定金利ではございますが、状況に応じまして、金利が非常に下がった場合にはさらにこれに機動的に、弾力的に対応できるというような仕組みもとっておりまして、こういった仕組みで今後とも運営をしていきたいというふうに考えております。
  43. 土肥隆一

    土肥委員 そうなりますと、もうますますゴールドプランは難しいですよということを私は申し上げたいと思うのです。何も民間福祉法人を甘やかすとかなんとかじゃなくて、もう少し弾力性のある、もっと温かみのある助成をしないと、これではとてもじゃないけれどもゴールドプランの達成は無理だ。民間福祉法人に相当数、八〇%以上依存しようかという状況の中で、今のような従来から変わらない方法では無理だろうと私は考えております。  ちょっと確認をしておきたいのですが、施設整備のときに、精神薄弱者の施設では敷地面積が建築面積の三倍以上なければならないという一項がございますが、これほどこから、何ゆえにこういう土地の敷地の制限があるのか、教えてください。
  44. 土井豊

    土井政府委員 精神薄弱者施設の土地の面積でございますけれども、建築面積の三倍以上ということを基準として定めておりますが、これは精神薄弱者の入所者の方々の運動場などの必要なスペースを確保しようという趣旨から、そのような広さの面積を確保すべしというような基準といたしているところでございます。
  45. 土肥隆一

    土肥委員 このことについても、なぜ精神薄弱者だけが敷地面積が三倍以上なければならないかということの議論をしなければならないわけでありますが、時間がございませんから、最後に、結局八割からの施設整備を民間に依存し、現在、建築費用の半分は民間が持ち、借金をさせ、そしていわば日本の社会福祉施設の枢要な、一番重要になります特養をやってもらおうというときに、これでは民間福祉事業者はたまったものじゃない、そのように思うのです。その上に、いわば認可とか監督とか、そういうふうな管理監督の面も、何といいますか、私の言葉で言えば、全くほっておくと何するかわからないから管理監督するんだというふうな、いろいろな社会福祉事業法の中身にいたしましてもあるいは現場の地方における監査にいたしましても、極めて厳しいものがあるわけですね。  そういう中で、ここの管理監督というのは一体何のためにするのかということでございますけれども、私としては、もっと民間の福祉事業者が伸び伸びといしかも意欲を持ってやってもらうためには、もう少し管理監督のあり方を考えなければならないと思うのですが、こういう実態の中で管理とか監督とかいう目的は何なのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
  46. 末次彬

    ○末次政府委員 これは社会福祉事業そのものの性格と申しますか、対象者の人格の尊厳を維持して、公共福祉を増進するという性格を持っております。これを発展させていくためには、民間の自主性と創意工夫を阻害しない範囲で必要最小限度の指導監督を行うということによりまして、サービスの適正と社会的信用の維持確保を図る、そういう一方で、適切な補助等によりまして事業運営の安定性を確保していくという必要があるというふうに考えております。  なお、この点につきましては、憲法八十五条との関係というものもございまして、こういった性格づけになっているのではないかというふうに感じております。
  47. 土肥隆一

    土肥委員 質疑時間が終わりました。大変短い時間でございましたけれども、営々として民間福祉法人の従事者、あるいは職員が日本の福祉を担っているわけでございます。そして、本当に善意で仕事をしているわけでありまして、そこには行政の側からいえば温かい目でもって、そして、言ってみれば相互に協力し合ってやらなければやれない仕事でございまして、そういう意味で、監督権にいたしましても、あるいは予算面にいたしましても、あるいは経営面におきましても、もっと両者が本音で語り合い、できないものはできない、そしてその中でお互いが協力してこの事業を実施していくようなそういう間柄をつくり、そういう援助もしてさしあげないと、とても民間福祉事業者はこのゴールドプランに、はいそうですか、御協力いたしましょうということにはならないだろうということを申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  48. 池端清一

    池端委員長代理 伊東秀子君。
  49. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 社会党・護憲共同の伊東秀子でございます。きょうは、今新聞等で報道されております年金福祉事業団の自主運用のあり方、そして利回り保証があったか否かという問題について質問いたします。  まず、年金福祉事業団が資金運用部から借り入れをして、事業団の自主運用、自家運用含めて、その双方に回している借入金総額は幾らであるか。さらには、六十二年度からこういった運用を年金福祉事業団では開始しておりますが、六十二年から平成三年度までの借入金利の期中平均についてお答えください。
  50. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 お答えいたします。  年金福祉事業団が公的年金資金の自主運用をやっております額でございますけれども、昭和六十一年度から自主運用を開始いたしました。いわゆる自家運用も含めまして平成三年度までの累積額、今お話のありました運用をしている額というのは十二兆六千五百億円になっております。  資金運用部からの借入金の借入利率でございますが、借り入れのたびに利率が異なるわけでございますけれども、現在の資金運用部からの借入利率は六・三%でございます。六十二年度の平均で四・六九%、それから六十三年度で四・七七%、平成元年度で四・八一%、平成二年度で五・一九%になっております。
  51. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 六十二年から平成二年度末までの自主運用の累積総額と自家運用の累積総額は幾らでしょうか。
  52. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 自主運用の累積総額が十二兆六千五百億円でございまして、自家運用、投資顧問会社の助言を受けながら事業団がみずから取引をしておりますいわゆる自家運用に充てております累積総額は一兆二百三十億円でございます。
  53. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 北海道の年間予算が平成三年度で二兆四千三百九十九億円という額ですので、一兆二百三十億円というのは大変な金額であると考えるわけですが、この自家運用に投じてきた金額をどのようなポートフォリオ、つまり資産構成割合で運用してきたかということについて伺います。  事前にお出しいただいた資料によりますと、この資産構成割合は、六十二年度では預貯金が九〇・四%で、国債、地方債、社債その他、つまり大変変動があり、リスクのある投資信託でありますが、こういったものに対しては九・六%であった。ところが、六十三年度末では預貯金の率は四二・六%、国債、社債等が五七・四%、元年度末では預貯金二〇・六%、国債、社債等が七九・四%。つまり、元年度には八割にも膨らんでいるわけです。こういった当初は一割に満たなかったものが六十三年度には約六倍、元年度末には八倍に膨らんでいった。なぜこのように資産構成割合を自家運用分に関して変動、変化させたのか、お答え願います。
  54. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 年金福祉事業団の自家運用でございますけれども、これは年金福祉事業団法によりまして、預貯金、国債、地方債等の安全確実な公社債、これらによって行うこととされておりまして、株式による運用というのは自家運用についてはないわけでございますが、今お話のありました六十二年度は、この自家運用が初めて開始されたときでございます。発足当初でもございますので、いわば試みの段階と申しますか試行段階でございまして、まず預貯金が非常に高いウエートを占めていたわけでございますが、これはあくまでも初年度だけの、初年度であるということの特殊事情でございます。  その後、中長期的視点に立って安定した運用益を得る、あるいはそのときの市況の動向によりましては売買をする、こういうことで最適な資産構成を目指しまして、国債、地方債、社債等の債券の組み入れ比率を高めてまいったわけでございます。したがいまして、平成二年度末におきまして預貯金が三四・五%、国債、地方債等が三〇・三%、社債等が三五・二%という運用資産割合になっているものでございます。
  55. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 私がお尋ねしているのは、このように年金福祉事業団法の二十七条の二の条文によりましても、  資金の運用は、次の方法により安全かつ効率的に行わなければならない。  一 国債、地方債その他確実と認められる有価証券の取得  二 預金又は貯金そういう形で書かれている。非常に安全性がたっとばれる。しかも、年金という国民にとっては非常に重大な性格を持つファンドである。そういうことを考えた場合に、こういった預貯金というのは明らかにインカムゲインをねらっているわけですけれども、リスクの必ず伴う国債、社債等に六十三年度以降急激に移行していったその理由と、どのような展望のもとに行ったかということを伺っているわけでございます。
  56. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 私が先ほど御説明いたしましたのは、六十二年度に預貯金が九〇%ということで非常に多かったわけでございますが、これが通常の形というよりは、むしろこれは発足当初の特殊事情でございました。その後、国債、地方債等につきましても、これはやはり元本も保証されますし、安定したものでございますので、そういうものの比重を高めていくということでございます。  私ども年金福祉事業団を監督いたしまして、公的年金資金の運用に努めているわけでございますが、これは高齢化社会に対応いたしますために、高齢化社会における保険料負担等をできるだけ軽減するに資する、また給付財源の確保に資する、こういうことでございまして、安定の運用というものは当然求められるわけでございますが、安定と同時に効率的でなければいけないということでございます。短期に見ますと、それぞれその価格の変動というものは当然あるわけでございますが、そういうものを前提にいたしましていろいろな投資分散を図りまして、効率的でしかも安定的な運用というものを心がけ、収益をできるだけ確保する、こういうことでございます。  したがいまして、国債、地方債三割、社債三割というのは決して危険なことをやっているということは私ども考えておらないわけでございまして、こういうふうに大体バランスをとって分散するということでやってまいりたい。また、そのときそのときの市況によりましては、こういうものも各専門家の意見等も徴しまして弾力的に考えていくということになると考えております。
  57. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 先ほどの御答弁では、六十二年度の借入金利が平均四・六九%であった、六十三年度は四・七七%で、平成元年度が四・八一%ということでありますから、当然これを上回る利益、収益を上げなきゃいけないという構造的な使命というか、宿命があるわけですね、今お答えいただいたように。  とすれば、例えば六十三年度の国債の金利を見ますと四・二七%となっておりますので、六十三年度の期中平均借入金利が四・七七%ということであれば、インカムゲイン、つまり国債を買うことでは、その配当だけを考えていたら、全くインカムゲインだけでは赤字が出てしまう。つまり、どうしても国債の売買を前提に、そこからキャピタルゲインを収益の大きな要素として考えざるを得なかった、こういうふうに考えてよろしいでしょうか。
  58. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 そのときの市況に応じて対応するということでございまして、私どもといたしましては当時は資金運用部からの借入利率を——あるいは国債の表面価格というものが若干下がるようなときもあったわけでございますけれども、そのような場合には社債でありますとかそういうものを買う、あるいは国債の価格自体もそのときの市況に応じて、表面価格だけではございませんので、そういうものを見ながら対応してまいるということでございますので、全く長期的な運用とそれからそのときそのときの売買とを完全に対置させて、こちらからこちらへ移るというようなことは、私どもとしてそういう判断をしたわけではございません。ほかにもいろいろ有利なものをそのときそのときに応じて見つけながら運用していく、こういうことでございます。
  59. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 つまり一国債に関しては、今六十三年度の例をとりましたけれども、配当による利益というのは、この六十三年度の国債の場合四・二七%である、期中平均借入金利が四・七七%であるということであれば、望めなかった。売買差益を考えたということでいいですね。簡単に答えてください。
  60. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 今申し上げました国債でございますけれども、六十三年度におきまして、低いものもございますけれども、四・八〇、四・六〇、四・八〇、五・○とか、いろいろそのときによって発行利率が違っておりますので、それはそのときそのときの国債の価格を見ながらやってまいるということになったと思います。
  61. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 お伺いしているのは、利率を幾らで買ったかじゃなくて、国債を買う。この場合に、六十三年度は急激に四二%に国債、地方債が上がったわけですけれども、国債の売買による差益を大きな収益と考えたのですねということを伺っているのだから、一言で結構ですから、イエス、ノーでお答えください。
  62. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 全く保持だけでやっているというわけではございませんで、有利な状況になれば売買もして、それもさらに有効な運用の中に含めていくということは当然の前提でございます。
  63. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 それから、今度は社債等について伺いますが、六十三年度に社債等の割合が一五%、元年度には三七・六%とふえております。つまり、この社債も、中身は通常の普通社債と転換社債とそれから事業債、外国債を買ったということでございますけれども、通常の社債の配当なんというのは非常に微々たるものであり、転換社債の場合も私が調べましたところ、一九八八年の千八の銘柄の平均直接利回りが一・九一%、八九年、これは千百六十四銘柄の平均直接利回りは一・六四%になっております。とすれば、こういった低い利回りによる配当を望むというよりも、転換社債における売買、つまりディーリングによる収益ということを考えたというふうに考えていいですね。
  64. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 今申し上げておりますように、資金の運用におきましては、長期保有によるいわゆるインカムゲイン、これも目的といたしますが、売買によりますいわゆるキャピタルゲインというものも前提にしておるわけでありまして、両者の適切な取り合わせを考えて、安定的かつ効率的に運用していくということだと思います。  今御指摘のありました元年度におきましても、そういういわゆるインカムゲインとキャピタルゲインの構成比というのは、インカムゲインが六三%、キャピータルゲインが三六%、こういうことでございますので、社債等を購入いたしましても、そのときの状況によりまして長期。に保有をしていく、あるいは市況等が有利に動いておりますときには売却をする、こういうことでございます。
  65. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 今の御答弁では大変矛盾しているわけですよね。転換社債を長期に保有しても、転換社債の一九八八年、六十三年度の平均利回りは一・九一%でしかない。とすれば、借入利息が先ほどのお答えでは六十三年度では四・七七%ですから、長期転換社債の保有では全く赤字になる。ということは、社債の売買によるキャピタルゲインを年金福祉事業団では国債と同じく考えた、これが常識的に見て数字があらわす当然ではなかろうかと思うわけです。  そこで、国債あるいは転換社債等の性格についてここでちょっと触れてみたいと思うのです。  年金福祉事業団といいますか、これは野村証券が証券・金融問題特別委員会に提出した野村証券による年金福祉事業団への補てん方法という資料によりますと、平成二年三月八日に五百億円を八十六・五九八円で購入して、同じ日に八十七・四四七円で売却して、一日にして四億一千百万円の収益が上がったという報告になっております。つまり、一日にして四億円の収益が出るということは逆の場合もあり得る、必ずリスクを伴っているということをお認めになりますね。
  66. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 考え方といたしましては、値上がりとともに値下がりもあるわけでございます。したがいまして、年金福祉事業団といたしましては、投資顧問会社の助言を得まして、市況がよいときに買うということでございます。
  67. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 転換社債の例を一つとりますと、年金福祉事業団でも買っているという銘柄を私調べましたら、固有名詞は申し上げませんけれども、例えば一つの例としまして、日立製作所の一九八八年八月の転換社債の売り値は百九十四円であった。ところが、九一年一月には百六円という約半分に値下がりしております。さらに東レでは、八九年五月では百二十九円であったものが九〇年十月では六十三円、これも半額以下に値下がりしております。つまり、このように社債においても大変損をする場合のある、リスクのあるものであるということはお認めになりますね。
  68. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 今おっしゃられました転換社債を購入しているかどうかというのは、手元に私ちょっと資料がございませんので、申しわけありませんが、存じておりません。  しかし、転換社債につきましては、転換社債だけではないのでありますが、いずれにいたしましても値上がりのときもあるし値下がりのときもある、こういうことは当然だと思います。
  69. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 それで、そういう非常にリスクのある国債や社債等のディーリング、つまり、売買差益に基づく運用ということを年金福祉事業団はおやりになってきたわけですけれども、そのときのディーリングの判断、売るとか買うとかいう判断はどのような体制で行っていたか、だれが最終的決定権を下していたか、この点についてお願いします。
  70. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 年金福祉事業団におきましては、運用につきまして資金運用事業部がございまして、二十人の職員を充てておりますが、今お尋ねの自家運用の部分については、これは担当を直接いたしております者が担当の理事、それから資金運用事業部長の下に、資金運用事業部の中に運用管理課というのがございまして、課長以下五名の職員で担当しております。それで、職員に対して必要に応じまして研修を行い、また、それなりに自己的な研修も行っておりますし、また、投資顧問会社から債券市況に対する見通しとか、金融市場の動向等についても専門的な助言を受けてやっております。  また、具体的な運用につきましては、あらかじめ基本的な運用方針を示しました上で、投資顧問会社から四半期ごとにヒアリングを行う、また、月ごとに運用状況の報告を受ける。それで運用計画を立てて、実際に債券の売買を行う場合には、その売買の個別に投資顧問会社からの助言を受け、担当者がその助言を受けた場合に、通常の場合でありますと課長と相談をいたしまして決定いたします。また、重要なものにつきましてはさらに上部に相談をする、こういうことで債券の銘柄、価格、数量等を判断いたしまして取引をしているわけでございます。
  71. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 今の御答弁にもありましたように、さらにお出ししていただいた大手四社の投資顧問会社との契約、投資顧問契約書によりましても、第四条で、年金福祉事業団の投資資産の運用は、すべて事業団の意思に基づき、事業団によって行われるものであり、事業団は投資顧問会社が提供した投資顧問サービスに拘束されないという条項がございます。つまり、あくまでも投資顧問会社は助言であって、年金福祉事業団の自主的な判断に基づいて売買を個別的に行っていたということでしょうか。
  72. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 おっしゃるとおり、助言というのは、やはりこちらも料金を払って助言を受けているわけでございますので、事前に十分打ち合わせをいたしまして質のいい助言を受け、ほぼそれを——採用できないような助言ばかりやるということでありますれば、何のために助言契約を結んでいるのかわからないわけであります。大体有効な助言を受けていると思っておりますが、最終的には年金福祉事業団において判断をし、年金福祉事業団がみずから、今度は投資顧問会社ではございませんで、決めました債券の買い入れ、または売却というものを証券会社を相手にして実施をしている、こういうことでございます。
  73. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 一般の証券会社あるいは銀行等においても、このディーリング、つまり、売買における判断というもの、一人前のディーラーを育てるのが一番困難な、重要な仕事であると言われておりますね。だから私もこの間、三社ほどの銀行や証券会社に問い合わせたところ、二、三百人のスタッフを抱えて、ディーラーがさまざまな、世界経済、日本経済といったマクロの分析、さらには産業動向、設備投資の変動状況、あるいは業種別の成長度合いの展望、どの業種が有望がとかそういった問題、セミマクロの問題、さらには、ミクロ的には個別企業の状況、個別銘柄の値動き、個別企業の利益、成長率がどうなっているかとか、あるいは新製品の開発状況はどうなっているかとか、さまざまな情報をリサーチし、さらにそれを分析する専門家が必要だ。その専門的な判断でなければこういったディーリング業務、個別売買における収益を確定的に上げることは困難であると言われているわけでございます。  今のお答えによりますと、一兆二百三十億円の、自家運用を行ってきたのは、資金運用事業部のもとにある運用管理課、課長以下五名で行ってきたということですね。とすれば、その五名の方々がどういう方々かということを伺いたいんですが、まず、課長さんは一年数カ月前まで厚生省にいられた方ということは、そのとおりでしょうか。
  74. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
  75. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 さらに、四名の課員のキャリアについてなんですが、四名の課員のうち、つまり、このディーラー業務に、売買の判断等に当たっておられると思うのですが、二名がやはり厚生省の出向者であるということは、そのとおりでしょうか。
  76. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 二名厚生省から出向しております。
  77. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 先ほどの答弁では、最終的な判断は投資顧問会社のアドバイスにより課長が下すということ、それに間違いないですね。
  78. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 通常におきましては課長が最終的な判断を下すわけでございますが、この部員の中にも非常に練達の人がもちろんおるわけでございまして、また、投資顧問からも平生種々情報を得ておるわけでございますので、そういうことに基づきまして適切な判断を下してやっていく。それで従来まで安定的で効率的な運用を確保してまいった、こういうことでございます。
  79. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 一年数カ月前まで厚生省にいられた方が、そういうマクロ経済、セミマクロ、ミクロのさまざまな情報の分析やあるいはその収集をどういうふうに行っていたか、課員四名で、しかも厚生省出身者が二名という中で、どういう形でそういった高度の専門的なディーリング業務を行っていたかということは、一般に素朴に見て非常に疑問を感じるわけですね。通常の証券会社、銀行業界でも、大変な専門的な、プロフェッショナルと言われている人が行っても失敗する。現に、後で申し上げますけれども、かなり損失が現在出ておりますが、これが本当にこの五名のスタッフで確実に、全く自主的判断で行われていたかどうかというのは、客観的に見て、そのスタッフの持つキャリアとかあるいは体制から考えて、ちょっとおかしいと思えるわけなんですね。  明らかにこれはごく常識的に考えれば、ほとんど判断ということは形だけの判断であって、形の上では助言であるけれども、実質は投資顧問会社にお任せという状況じゃなかったかということが推測されるわけでございます。何か反論がありましたらどうぞ。
  80. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 年金福祉事業団におきましては、この五人の人たちが非常に頑張っておる、また、優秀な人たちであるというふうに思っておりますが、さらに二十人のスタッフもございます。それで、各信託銀行でありますとかあるいは生命保険会社、ないしはその調査部等からも種々情報が入るわけでございますし、また、この投資顧問からの助言というのも、もちろん毎日毎日助言は入るわけでありますが、先ほどお話いたしましたように、長期にわたっての運用方針に関連する情報というものは種々受けているところでございまして、そういうところで担当の理事あるいは部長とも十分に検討をして、長期の運用方針あるいはそのときそのときの運用方針というものを確定しておきますれば、そのときそのとき個別の取引について、そのたびに国際情勢から何から全部改めて検討するということでなくても十分やれるわけでございます。  また、いわゆる金融機関のディーラーというのは御存じのとおりでございまして、何十というファンドを持って、もう一日じゅう夜も遅くまでやっておるわけでございますが、年金福祉事業団におきましてはそれほどの、抱えております運用回数というものは、それは非常に忙しくやってはおりますが、それに比べではそういう激しい買い方をしておるということではございません。
  81. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 今そういうふうに答弁なさいましたけれども、これは事実に反しているのですよ。例えば証券・金融特別委員会に提出された野村からの補てん方法による報告によりますと、六十三年の三月一日から二十三日までの間に、何と百五回国債の即日売買が九回行われている。かなりこういう激しい取引であり、しかも六十三年三月一日を例にとりますと、百三十億投入して、そして同じ日に二千九百万円の利益を上げているわけです付れとも、こういった形でわずか二十三日間、三週間の間に九回に及ぶ即日売買を行っている。  業界の専門家でも即日売買というのは非常にプロフェッショナルと言われているわけですけれども、なぜこういうようなことができたのか。具体的に即日売買を例にとって、どういうふうに、どのような手順で行っていたのかをお答えいただけますでしょうか。例えば、朝これを買おう、この百五回債を買おう、しかも最安値で買い一当日のうちに最高値で売って、きちっと収益を九回ともに上げている。こういった神わざにも近い状況がどういう形でできたのか、具体的にその手順を追ってお答えください。
  82. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 これは六十三年から平成二年に至りますまでの間の、特に大量的に、集中的に売買が行われたものを証券当局ないしは国税当局で指摘されてリストアップされたものでございます。私どもの方では、この期間におきますほかにも国債の売買をやっているわけであります。また、もちろん必ず百戦百勝というわけでもございません。そのまま状況が悪くて保有をしているというものもあるわけでございまして、ただ、この場合はその日のうちに買って売っている、こういうことでございます。  それで、五十億から七百億というのが一回の取引の元金になるわけでございますが、やはり年金福祉事業団におきましてはファンドが大きいものでございますので、ある程度一回の取引量が多額になる。これは必然的な、有効に運用しようとすればそういうことになるわけでございます。  それで、具体的な売買でございますけれども、投資顧問会社から電話による助言が、通常のその日の売買でありますと、午前中でありますとか早い時刻に入ってくる。これは売買の別、銘柄、数量、価格等を示してお話がある。これを受けました担当者が課長代理ないしは課長などを交えまして相談をして、判断をして、やはり電話で売買の別、銘柄、数量、価格を示して証券会社に注文するわけでございます。それで証券会社においては、売買の電話による出来の報告というものは当日に来るわけでございます。また売る場合は、やはり同じルートで今度は売る。売買の別の方は、今値上がりしたので売るというのが適当である、こういうお話が来て、やはり同じ過程を経まして証券会社で買ったものを今度は売却をするという指示をする、こういうことになります。その後で今度は売買報告書が整理されて回ってくる、こういう形になります。
  83. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 ところが、非常におかしいことがあるんですよ、今の具体的な手順からいいますと。  というのは、百十九回国債の場合、平成二年三月八日、これは五百億を買いまして、買い付けは単価八十六・五九八円、当日に八十七・四四七円で売却している。ところが市場の値動きを見ますと、八十七・四四七円という高値はない。高値は八十六・九三円であるということ、これがまず一つ。  それからもう一つおかしい点は、例えば百五回債、六十三年の十月十三日の売買ですけれども、この報告書によりますと、六百億を買い付けが百一・三六九円である、売却が百二・〇一八円であるという。同じ日です。そうなっているんですが、この日の市場の値動きを調べましたところ、この六十三年十月十三日は午前はいきなり高値から始まっているわけです。午前は百二・〇二円という高値から始まる。そして、午後にはどんどん下がっていきまして百一・三七円。つまり、ここに書いてあるのは百一・三六九円ですけれども、これは午後の安値として終わっている。  つまり、今御答弁いただいたのは、朝電話を投資顧問からもらって、銘柄や数量や金額を助言を受けて、そこで買い注文を出す、そしてその後の値動きを見て、また助言をもらって売り発注をするということでしたけれども、六十三年十月十三日を例にとればいきなり当日の最高値で始まっているわけで、この順序が全く逆にならなきゃおかしい。今言った答弁が全くでたらめであるということになるかと思うのですが、いかがですか。
  84. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 この国債の取引におきましては、国債の性質上、五%程度が市場で取引をされておりまして価格形成をしておる。それで、大規模の取引につきましては、それがそのまま市場に出ますと混乱要因あるいは自然な価格形成というものができないというようなことがいろいろ言われておりますが、大部分が店頭の相対取引でございますので、その場合の価格はどういうふうにして決定されるかといいますと、東京証券取引所の規則がございまして、そのときの市場価格のプラス・マイナス二%、高値で二%、低値の二%の間で相互に取引をするということでございますので、そのときそのときの売り方、買い方の対応によりまして、その範囲内に入っております取引というのは通常の取引として認められているわけでございます。
  85. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 後者の、つまり六十三年十月十三日の例を申し上げました。いきなり午前は最高値から始まっている。そして、午後にどんどん下がっていって最安値になっているわけですが、それが先ほど具体的に顧問会社から電話を受けてから買い注文をするという順序と全く合わないじゃないかという点については、どう御説明なさいますか。
  86. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 私どもといたしましては、そういう投資顧問会社から、売る、証券会社の方にそれを出しまして、それで証券会社と価格の折衝をいたしまして、証券会社としてそれを購入した、こういうことでございますので、年金福祉事業団としてはそのときの市場価格をチェックいたしまして、それがその範囲内におさまっておって、証券会社の方で、そこの証券会社の判断までは、こちらの方では裏から知るとか調べるとかいうことは知る由もないわけでありますが、それで売買が成立して、まあ買ってもらったといいますか買われた、こういうことに理解しております。
  87. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 としましたら、先ほどおっしゃった、自分たちで自主的に判断して、個別の銘柄とか、ここの買いはこの値段でということの判断は、この順序からいっても全くおかしい。最高値で始まったのにそこで買いを出して、それで売り値が最安値になるはずなんですよね、先ほどの順序からいえば。それがどうも操作としてしか考えられない。 しかもこの報告によりますと、六十三年十月十三日のみならず、今言ったような午前が高値から始まるというのはほかにも二件ほどあります。こういった矛盾から考えて、あくまでもそちらとしては証券会社と一体となった投資顧問会社、野村投資顧問会社にもそちらは契約をしておられます けれども、それに任せていた。こんな一日の値動きを細かく細かく一々指図する体制に、厚生省の出向者が三名、年金福祉事業団からの職員が二名という状況の中でできるはずがないということを私は考えるわけでございます。今の答弁がその矛盾をはっきりさせているのではなかろうかと思います。  時間もないので、ちょっと大蔵省にお伺いいたしますけれども、一兆円規模で一般の生命保険会社等がこういったディーリング業務をやる場合のスタッフ体制、簡単にお答えいただけますでしょうか。
  88. 北村歳治

    北村説明員 お答え申し上げます。  資産運用にかかわるスタッフ、機構等につきましては、資産運用の規模あるいは資産構成、運用方針等大分変わりますので、そしてまた公的機関との比較におきましても条件が相当異なりますので、全くの御参考という意味で申し上げたいと思います。  生命保険会社の運用部門は、主要なものでも、財務企画部門、融資部門、有価証券部門、国際部門、不動産部門等の部門がございます。生保会社の運用資産は、大手は大体残高で六兆から二十八兆円、それから中小の中には一兆円未満のものもございます。中身が非常に異なっているわけでございますが、そういうふうな相違をある程度ラフな形で無視いたしまして、国内生保会社二十社の平均で見た場合には、運用部門の平均人員は二百九十四名程度でございます。大手七社が大体六百名弱、それから中堅八社が百八十名前後、それから中小五社が大体五十名程度、こういう状況でございます。これを資産から逆に一兆円を分母といたしまして平均どの程度の人員かという非常にラフな数字を御参考に申し上げますと、大手と中小、大分異なりますけれども、大体四十名から六十名程度という数字が出てくるのではなかろうかと思います。
  89. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 今の大蔵省の御答弁にもございましたように、一兆円規模の運用に当たって、運用部門は平均二百九十四名をスタッフとして抱えている。それくらいのスタッフ体制で自主的な判断のもとに運用している。それぞれの会社が投資顧問会社も内部に抱えている状況の中で、さらにこれだけのスタッフを充実している。そのことを考えれば、いかに国民の一兆円という多額な年金が、全く運用体制の整わない、能力的にも人員的にも体制的にも、調査能力、分析能力などさまざまな不備の中で、しかもこのように値幅の動きの大きい、リスクの高い国債あるいは社債等のようなもので運用されているということの問題性は明らかであります。  そして現在でも、例えば私が民間の状況がどうかということを調べてみたところ、これは同じく株式のない、八八年以降九〇年五月までの債券と転換社債のみの運用の投資信託の本数を銀行局年報からとってきたのですけれども、それによりますと四十一本のうち三十一本が元本割れしている。一つ具体的に例を挙げますと、これは日興証券の報告ですけれども、例えば八九年十二月に一万円で運用を開始したものが九十一年の八月では八千七百四十三円になっている。設定来の年平均利回りはマイナスの七・八%、これが報告されております。つまり、民間であらゆる有能なスタッフ体制のもとにディーリング業務をやっても、現在の状況でマイナス七・八%の元本割れが生じている。  さらには、年金福祉事業団の報告によりますと、外貨建ての外債も購入しており、平成二年度で二百億ドル以上購入しているわけですが、その外貨の為替差損、これも米ドルを購入した平成元年十二月には、取得時の為替相場は百四十三二七五円であった。ところが、現在米ドルはどのような状況かといいますと、一ドルが百三十二・九五円でございます。カナダ・ドルにいたしても購入しているということでございますけれども、平成二年七月に百二十九・三六五七円であったものが平成三年の九月では百十七・三一円、これほどの為替差損を生じている。つまり、外債の購入も非常にプロフェッショナルな能力を必要とする。  こういった為替相場を読むというのは大変大事な、重要な、非常に難しい問題でございますけれども、これもわずか五人の体制で、あくまでも投資顧問会社はアドバイスにすぎない、拘束されないという形で年金福祉事業団が行っていた。  こういった状況を考えますと、今回の野村証券が補てんしたというふうに報告したこれは、まさしく借入金利以上の運用をしなければならないという構造的な宿命を年金福祉事業団としては負っているために、投資顧問会社あるいは証券会社に対してあくまでも最初から利回り保証を約束させた上で、つまり、平成二年度の例でいいますと五・一九%が借入利息ですので、それを上回る運用を当然の義務づけとして、そして平成二年度の収益額が、この報告にありますようにかなりの収益を、例えば平成元年度三百七十七億円の収益を上げていたというような報告になっている。これは非常に不公正であると考えるわけでございます。こういった取引の態様について年金の重要性から考えて大蔵省はどのようにお考えなのか、一言御答弁をお願いします。
  90. 高木祥吉

    ○高木説明員 ちょっと突然の御質問でございますので、正確なお答えは申しかねますが、債券の運用につきましては、国債も含めてそうでございますが、一応のルールがございまして、その中で年金福祉事業団の方でいろいろ投資顧問等のアドバイスなどもいただきながら運用しているものというふうに承知しております。
  91. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 時間が来ましたけれども、最後に厚生大臣の御意見を伺います。
  92. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 委員もお話の中でも言及されましたが、福祉事業団の財源というものは国民の大事な年金の基礎になるもので、これが長期・安定的に運用されなければならない、こういう使命を持っているわけでございます。  それについて幾つかの論点がありましたが、担当者の数が少ないということは、ある見方によればそういう見方もあろうかと思いますけれども、先ほど大蔵省が出しました人数は、各事業がたくさんある、その中で店もたくさんあって、それの総額の中で、総額に対する人員の比率でございます。年金事業団の方は、一つのオフィスでそれだけの量の大きい、一兆二百三十億円の財源を自家運用しているわけでありますから、それはフラットに比較をすることは私はできないと思います。  それからもう一つは、職員の問題につきましては、御指摘のように厚生省から出向者が多数、大部分と申しましょうか、五人のうちの三人でございますけれども、そのほかに部長という役もその上にございますし、その他関係者に相談する向きもあるようでございます。そういう点並びに職員の訓練、研修も非常によくやっているというふうに聞いておりますので、いろいろと御心配の向きもあろうかと思いますけれども、万遺漏なく対処をしておる、私はこのように信じております。  また、運用の問題につきまして、論点を私の方で取り違えておれば大変失礼かと思いますけれども、預金その他で運用する方がよくて、キャピタルゲインはいけないやに伺った面もあったかと思いますけれども、これはやはり長期・安定的に、しかも利回りをある程度確保するということであれば、これは厚生省の、また年金事業団の長年の悲願でございます。要するに預金以外の国債その他の債券の運用を拡大していただきたい、キャピタルゲインもあわせていただきたいということで六十二年からこの制度がスタートしたわけであります。さらに我々の悲願といたしましては、将来は株の方までも拡大していただきたい、そうすることによって一般の預金の金利、そういうものとあわせて、キャピタルゲインとの複合的な運用の妙によりまして安定的な資金を確保してまいりたい、こういう立場でございますので、その点の御理解をお願いしたいと思います。
  93. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 大事な年金をリスクの高いものにするということの問題性ということ、しかも、だからこそこの利回り保証というような非常に不公正な方法をとらざるを得なかったのじゃないかという疑惑を国民に持たれているということ、そういう両方あわせて今後の非常に重要な課題にしていただきたいと思います。  時間になりましたので、これで終わります。
  94. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 今断定的におっしゃいましたが、利回り保証を頼んではおりません。
  95. 池端清一

    池端委員長代理 永井孝信君。
  96. 永井孝信

    永井委員 非常に時間が切迫しておりますので、本会議に間に合いませんので、私の持ち時間を十分縮めます。それだけに、ひとつ簡潔に要領よくお答えをいただきたいと思うのでありますが、国民年金の国籍条項撤廃の実効措置について、これに絞ってお尋ねをいたしたいと思うわけであります。  昭和五十七年の一月一日付でありますが、難民条約が発効いたしました。そして、同時に関連整備法が施行されまして、その一環として国民年金法が一部改正されたわけですね。被保険者の資格要件や福祉年金の受給要件から国籍要件が難民条約の発効に伴って撤廃されたわけですね。また、昭和六十一年の国民年金法の改正によりまして、老齢年金の必要加入期間の算定に関しましては、国籍要件の撤廃までの間の未加入期間が空期間として算入をされることになりました。  このように法制上の整備は順次されてきたのでありますが、いまだに幾つかの重要な問題が残されているわけです。ここで細かいことを全部振り返って申し上げる時間はないのでありますが、年来ずっと厚生省と私どもの間で、言えばひざ詰めの交渉も行ってきたという経過が存在をしております。しかし、なかなか政府の対応というものは改善をしようとしない、そういう状況に今置かれているわけです。     〔池端委員長代理退席、石破委員長代理者     席〕  まず一つ目に、この難民条約の発効時点で、昭和五十七年の一月一日でありますが、二十歳を超えていた者で、既にその当時重度の障害の状態にあった人については障害福祉年金が支給されなかったわけですね。それらの人々は何らの救済措置も受けないままに、その後も無年金者として取り残されてしまっているわけでありますが、なぜ二十歳以上を適用除外としたのか、その理由を簡潔にお答えください。
  97. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 お答えいたします。  国民年金におきましては、おっしゃいますように昭和五十七年に国籍要件が撤廃されまして、国民年金の適用範囲が外国人にまで拡大されました。ただ、五十七年一月前に障害の状況にありました二十歳以上の者につきましては、一定の保険料を拠出した者に対しまして保険事故に該当した場合に給付を行うという、いわゆる社会保険の仕組みを持って運営されております年金制度におきましては、やはりそれ以前の対象にならない時点に発生しました障害を取り上げるということは極めて難しいということでございますので、御理解いただきたいと存じます。
  98. 永井孝信

    永井委員 どうも局長の発言がちょっと聞き取りにくいのです。もっと明確にわかるようにしてもらいたいのでありますが、要は保険方式だからだめだということなんですか。
  99. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 保険の原則として、この場合は保険方式だということでございます。
  100. 永井孝信

    永井委員 保険方式と言うのですが、それでは国民年金の発足時、無拠出制の福祉年金は昭和三十四年十一月でありますが、拠出制の国民年金は三十六年四月の実施なんですね。二十歳以上で同様の状態にあった日本人に対しましては、このときに経過措置がとられているわけです。難民条約の発効と同時に国籍要件が撤廃された。それなのになぜ在日外国人の適用の際には同様の趣旨の経過措置がとられなかったのか。どうですか。
  101. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 昭和五十七年の改正は、難民条約への加入に伴いまして国民年金法における国籍要件を撤廃したものでございますけれども、これは、三十六年に発足いたしまして長年にわたって運営されてきました国民年金制度において、対象範囲の拡大がそのときに行われて制度への加入を中途から認めたものでございますので、新たに制度を発足させた国民年金制度発足時のときとは事情が違うわけでございまして、制度発足時のような措置を講じるということは困難であると考えた次第でございます。
  102. 永井孝信

    永井委員 国民年金が三十六年の四月に実施されたときは法律の創設だ、そして国籍要件が撤廃されたときは、今の局長答弁でいうと、既に施行されている国民年金法への適用の拡大であるという趣旨を言われているわけですね。間違いないですね。  そうだとすると、当時除外された在日外国人からすれば、それまでは国民年金に加入させてもらえなかったわけですからね。加入させてもらえなかったわけでありますから、改めて国籍要件の撤廃に基づいて加入を認められたということになりますと、その在日外国人はそのときが制度の創設なんですよ。その人たちから見ると制度の創設なんです。今まで入れる者が入れないで、今度入れてやるよと言われたから入りましょう、入れましょう、これなら拡大かもしれないけれども、今までは加入しようにも入れてもらえなかった。入れてもらえなかったのを、今度は国際条約の批准に伴って国籍要件の撤廃をするというときに、初めて国民年金に加入を認められる。これはその人にとっては創設じゃないんですか。
  103. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 我が国の年金制度、御存じのとおりでございます。保険事故の発生時点において、拠出要件等の支給要件を満たすかどうかということに着目して給付を行うわけでございまして、これが社会保険方式の仕組みなんでございます。  五十七年に国籍要件を撤廃いたしまして国民年金法を改正したわけでございますが、これはもう先生御存じのように、難民条約の加入に伴いまして、外国人にも内国民待遇を実現するということで改正したわけでございます。ただ、これを制度の創設というふうにとらえますと、適用拡大と申しますものがそういうふうに受けとめられるという場合が、すべてとは申しませんが、多くなりまして、特別待遇をさかのぼって社会保険制度の仕組みに反してやっていかなければならないということになるわけでございまして、社会保険制度としては成り立ちがたい、困難であると申し上げざるを得ないわけでございます。
  104. 永井孝信

    永井委員 大臣、大臣は大臣であり政治家ですから、ひとつ大臣に私はお聞きしたいと思うのですけれども、今局長はそういう答弁をされておりますが、今障害者の皆さんで適用を求めている当時二十歳を超えておった人たち、この人たちは在日の二世、三世であって、永住権を持っているんですよ。あるいは今求めている人たちの中には、たくさん帰化した人もいるわけです。日本の国籍を持っている人もいるわけです。しかも戦前、戦争が日本の敗戦によって終わるまでは、この人たちは日本の国民であったわけです。そのとき日本の国民であって、戦争が終わって国籍が別になった。しかし、永住権を持ち、日本で生まれ、日本で育っているという人たちなんです。この人たちは、当然のこととして日本の法律によってすべてを律せられているわけですね。納税の義務を初めとして、すべて日本の国内法によって律せられているのです。一時滞留者じゃないのです。  もう一回言いますが、日本で生まれ育った人たち。戦前は、戦争が終わるまでは日本の国民であった。それが日本以外の国籍に移った。しかし永住権を持っている。極端に言えば、その人たちの中には母国を知らない人もいるのです。その人たちを国籍要件が撤廃されたのになぜ除外しなくてはいけないのか。  特に、この難民条約の二十三条によりますと「公的扶助」、及び第二十四条では「労働法制及び社会保障」において「自国民に与える待遇と同一の待遇を与える。」と明記されているわけですね。いわゆる内外人平等原則によって、そのことが条約の中に明記されているわけであります。だから、なぜその人たちだけが除外されるのかということを私たちは問題にしているわけなのです。だから適用拡大なのではなくて、本来はそのときに適用すべきだったものを適用していない、こういうことになるのでありまして、ひとつ政治家として判断を願いたいと私は思うのです。  もう一つは、同じ日本の国籍を持っている人でありますが、沖縄の場合は、沖縄が復帰する昭和四十七年の五月までは日本の治政権は及ばなかったのです。日本の国民であったかどうかということは別にして、治政権は及ばなかった。その沖縄の人たちは、昭和四十七年の五月に祖国復帰するまで、沖縄の場合は昭和四十五年の四月に、今でいう国民年金と同じ制度が琉球政府によって施行されています。そのときに当時二十歳以上の障害者の人たちは救済措置がとられているのです。そして本土に復帰した、日本に復帰した。そのときにはその人たちの経過措置は、沖縄で琉球政府のもとでとられてきた措置は自動的に認められているのです。  これが難民条約の国籍要件の撤廃にふさわしい内容だと思いますか、大臣。年金局長じゃなくて、大臣、お答えください。
  105. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 沖縄の復帰に伴いましての修正措置と申しますか、これは今委員御指摘のとおりにとったわけでございます。これは、過去に別な制度でありながら年金制度を適用しておった、それを統合したというような観点もございます。  しかし、今御指摘の方の難民の問題あるいはその他の方々で、我々としては心情的には極めて御同情申し上げるような場合もあるわけでありますけれども、先ほど来政府委員から御説明いたしましたように、ただいまのところではいわゆる保険を適用されていない期間をそのまま救済するというわけにはいきませんので、我々といたしましては、この間政令で改正いたしましたように、過去における在日の期間をいわゆる年金の期間に算入し、それからまた実際に払った掛金は、それを今度の支払いのときの掛金の中に反映していくという制度を導入することで一歩前進したわけでございまして、今委員御指摘の問題については、新しい措置を今直ちにとるということは困難ではないか、このように考えております。将来の課題として検討させていただきたいと思います。
  106. 永井孝信

    永井委員 将来の課題と言いますけれども、私がこの問題に携わってからもう長い期間が経過しているわけです。国会でも、参議院の段階で取り上げられた経過もあるのです。将来将来と言っているうちに、この障害者の人は年をとってしまうのです。  戦後四十五年たっているのです。海部総理もこの戦時中の問題については、日本軍が侵略をしたそれぞれの相手国に対して改めて謝罪の意を表明いたしました。先日国連総会で外務大臣も謝罪の意を表明しているのです。しかし、そういうことを幾ら言葉で表明してもらっても、戦前は日本の国民として兵役の義務を課せられ、すべてのことは日本国民として義務を負わされて、戦争が終わった一定期間はもちろん離れた。しかし、その人たちはその一定期間を含めてずっと日本に在留している。日本で生まれ、日本で育っている。このことを無視をして、単に国籍が違うからということで日本人と同等の扱いをしないということは、国籍要件の撤廃になるのですか。難民条約の批准にふさわしい内容になるのですか。  私はもう一回言いますが、「自国民に与える待遇と同一の待遇を与える。」ということを難民条約の二十四条ではうたっているのです。内外人平等原則とはそこから出発すべきですよ。だからこそこの在日外国人の皆さんは、戦争の反省が具体化されていない、今でもやはり差別をしているではないかということにその背景として強く不信感を持っているのです。その人たちは今も日本で生活し、日本の国に対して、当然のことでありますが税金も納めている。日本人とどこが違うのですか。だからこそ、仮に法律の改正が難しいのであれば、せめて特定の救済措置を講ずべきではないかと私たちは求めているのです。もう一回お答えください。大臣の答弁は納得できません。
  107. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 委員御指摘のように、自国民と同じような内国民待遇を与えるということは、これは原則でございます。しかし、この保険制度はやはり掛金を払っていないと資格が発生しない、こういうこともありますので、今回の御指摘の点については、直ちに委員のおっしゃるような形での解決は困難だとは思いますけれども、現在のこの状態の方々に対しましては、その障害を持っていらっしゃる方をこのまま放置するわけにもまいりませんので、福祉の問題という観点からこれをとらえまして、各般の分野における障害者の施策の推進を通じまして問題の解決に取り組んでまいりたい、このように考えております。
  108. 永井孝信

    永井委員 大臣、私は嫌ですから繰り返し同じことはもう言いませんけれども、やはり日本の政府が、あるいは日本の国民全体がかつての戦争を反省し、近隣諸国と日常的に交流を深め、友好関係をさらに実のあるものに築き上げていこうとすれば、この難民条約の批准に伴う国籍要件の撤廃にふさわしいそういう法整備をする当然の義務があると思うのです。そして、今現実にたくさんの方々がそのことに苦しんで、何の救済措置も講じられないまま生活を強いられているわけでありますから、このことについては、直ちに国民年金法の改正は無理だとすると、何らかの救済措置を考えるべきではないか。私はあえてこのことをもう一回申し上げます。  そして、国がそういうことをやらないものですから、地方自治体で、国が何かの措置をするまでは、暫定的であっても対応しなくてはならないだろうということもあって、私の地元の政令都市神戸市では、政令都市として初めてでありますが、国の改善措置が制度化されるまでの過渡的な代替措置としてということで、重度心身障害者特別給付金制度をつくって、在日外国人の当時救済の対象から漏れた二十歳を超えておった人たちに対して、年額わずか十八万でありますが、そういう支給をやっている。かつては、古くは高知市や高槻市でもそのことが実施をされています。高知市なんかもっと金額が大きいですよね。もっと大きい金額を支給しています。国の措置がなされるまでということで、そういうことを具体的になされている地方自治体のそういう実施行為についてどのように評価されますか。これは大臣がお答えください。
  109. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 今のお話、先ほど私がちょっとお答えいたしましたように、本件の問題をストレートに解決できないという前提で、地方自治体がいろいろと苦労していらっしゃる具体的な例を明示されたと思いますが、そのような問題を我々も福祉、また障害者対策というような形で今後慎重に取り上げて検討してまいりたいと思います。
  110. 永井孝信

    永井委員 大臣、この法改正ができない場合、直ちに何らかの措置をとらなければいかぬだろうと思ってやられている地方自治体の努力に対して、一応そのことを評価される立場ですか、どうですか。
  111. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 福祉の問題、障害者対策、これはもう我々としては非常に重要な問題と心得ておりますので、自治体における今御例示ありました実際の例につきましては、我々としても非常に立派なことである、このように思います。
  112. 永井孝信

    永井委員 どうも語尾がはっきりしないんですけれども、そのことは、国が今できていないけれども、地方自治体がやっていることについては評価するという立場なんですか、どうなんですか。ちょっと語尾がわからぬものだから、そこははっきり言ってくたさい。
  113. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 私も先ほど来申し上げておりますように、もう一回整理いたしますと、法改正の問題は今直ちには困難であるということが一つと、それからまた、そのようなお体の悪い方に対してこのまま放置するわけにはまいりませんので、今後国としてもしかるべき福祉の面において適切な措置を講ずるように努力をしてまいりたい、このように考えているわけでございます。
  114. 永井孝信

    永井委員 どうもちょっと話がかみ合わないんですが、福祉の面で十分に措置がとれるように努力をしていきたいということでありますから、私はあえてここで申し上げますが、仮に国民年金法の改正が直ちにできないということであれば、何らかの形で救済措置を考えるべきであるということを強く求めておきます。いいですね。そのための努力についてひとつ積み重ねてもらいたい。  これは将来、将来と言っていつまでもほっておける問題じゃありませんので、戦争が終わって半世紀近く過ぎているんですから、ここらできちっとやるべきものはやって、世界の仲間入り、経済大国にふさわしい、経済大国という言葉だけではなくて、あるいは今世界に貢献しなければいかぬという話も片方でありますけれども、世界に貢献するという前提にはこういうものはきちっと措置をされるべきだ。これが日本の福祉政策だということが胸を張って言えるようにしてもらいたい。私はこのことを重ねて要望しておきます。  時間が来ましたので、では、その無年金の在日外国人の障害者の実数というのはなかなかつかめないんですよ。私の手元に大阪だけは調査をした資料があるんですが、大阪だけわかっても仕方がありませんので、全国的にどの程度そういう対象者がいるのか、そういうものを調査してもらいたいと思うんですが、どうですか。
  115. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 在日外国人の無年金障害者の実数調査でございますけれども、障害者の方々は制度の上では既に身体障害者手帳等が交付されているわけでございますので、こうしたものを手がかりとして調査をするということが考えられるわけでございます。  ただ、その場合でも、厳密な意味で国籍等を正確に把握するとかいうことが難しい点がいろいろございますので、厳密な意味での実数調査を行うということはなかなか難しいのでございますけれども、在日外国人の無年金障害者数につきまして今後どういうような把握の方法があるか、具体的に全数をつかまえることができないということであれば、推計の方法ででもどういうことができるのか、何らかの方法で把握する道がないかどうかということを含めまして検討させていただきたいと思います。
  116. 永井孝信

    永井委員 ひとつできるだけ実態をつかむという前提で、実際とれだけの人たちがいるのかということもつかんでおかないと、対応策を立てるにもなかなか立てられないと思います。これは重要な活動の一つでありますから、身体障害者手帳を持っている人を調べるんですから、可能な限り実数に近いものを調査してもらうということをお願いいたします。  最後になりましたが、大臣、今短い時間でありますから細かい議論はできませんでしたけれども、日本の国の役割というものが今世界から多く求められている。しかし、国内にそういう問題が起きていることをまずきちっと整理をしていくことは極めて大事なことである。だから、これはそのときどきの政府の答弁で言い抜けるということではなくて、言葉の上で言い抜けるということではなくて、本当に過去の戦争を反省をして対応するということになれば、これは年金法の改正が直ちにできないまでも、特別救済措置を講ずるべきである。そのための努力をさらに要望して、終わりたいと思うのです。一言言ってください。努力をする方向だけは明らかにしてください。
  117. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 お体の悪い方に対して行き届いた対策を講じることは厚生省の一番大事な仕事の一つだと思いますし、また、今議員御熱心に御指摘がありました長い懸案の問題でもございますので、この問題の取り扱いについては我々も鋭意努力を重ねてまいりたいと考えております。
  118. 永井孝信

    永井委員 終わります。
  119. 石破茂

    石破委員長代理 五島正規君。
  120. 五島正規

    五島委員 今、永井議員の方から、戦後処理の一環としての福祉関係の問題についての御質問がございました。私も引き続きまして、この戦後処理の関連の中における問題点をお伺いしたいと思います。  今、冷戦構造の崩壊が進む世界の中で、東北アジアの緊張緩和と相互信頼の確立という問題は、日本が直接責任を持って解決しなければいけない極めて重要な課題であるというふうに考えております。この問題に関連いたしまして、戦争中いわゆる強制連行を含む朝鮮・韓国人徴用労働者問題がいまだ解決されていないという問題があるのでございます。 我が国は、ソ連に対してもシベリア抑留者の邦人の名簿とその行方についての報告を求め、ソ連側の了解を得てまいりました。また、朝鮮民主主義人民共和国に対しましても、戦後朝鮮人と結婚し、渡朝した婦人の消息についての報告を求めてきているところでございます。こうした我が国としての当然の要求を各国に求める、これは当たり前のことでございますが、こうした要求を求める以上、今度は我が国として、韓国、朝鮮から求められています戦争中の強制連行を含む朝鮮・韓国人徴用労働者の実態と消息の調査にこたえることも、これまた当然であるというふうに考えます。  ところで、きょう労働省の方にも御出席をお願いしているわけでございますが、本年三月十五日、労働省職業安定局庶務課の方におきまして強制連行朝鮮人・韓国人の名簿を調査され、九万八百四名の氏名を公表されているわけでございます。この調査はどのような資料をお使いになり、そしてそれについてはどうした官庁が協力しておつくりになったのか、まずお答えいただきたいと思います。
  121. 戸苅利和

    戸苅説明員 お答え申し上げます。  いわゆる朝鮮人徴用者の方々の名簿の調査につきましては、労働省を中心に関係各省の協力をいただきまして調査を行ったわけでございまして、労働省といたしましては、労働本省、各都道府県、それから私どもの出先であります公共職業安定所、そういったところの関係部署あるいは倉庫、図書館等々、できる限り広範に調査をいたしました。それとあわせまして、すべての市区町村に対しても調査を依頼し、そのほか私どもの職業安定行政の関係者、OBの方々ですが、そういった方々からのヒアリング、それからさらに終戦前に朝鮮人徴用者の方々を受け入れていた可能性のある事業所、約八百事業所でございますが、そういったところへの照会、その他マスコミ等で報道されたもののフォローアップ等々調査をいたしたところでございまして、今先生お話しのように、約九万人分の名簿をお届けしたということでございます。  調査に当たりましては、労働省が中心にということでやっておるわけでございますが、一応関係する各省庁すべてと連絡をとりながら調査を進めているという状況でございます。
  122. 五島正規

    五島委員 旧内務省警保局「特高月報」によりますと、一九四四年現在、日本においでになりました朝鮮人の方々の数が百九十三万六千八百四十三名、これに一九四五年になって三十三万人ふえるというふうに報告されています。また、そのうち強制連行された総数が百五十一万八千八百六名、これは「特高月報」でございますが、というふうに書かれているわけでございます。強制連行されました朝鮮人の方々だけで百五十一万八千八百という、こうした膨大な数に対して、今回公表された人数というのはわずか六%程度しかない。これでもって調査を終了されるのかどうか。もし調査を継続されるのであれば今後どのような方法で調査されるつもりか、お伺いしたいと思います。
  123. 戸苅利和

    戸苅説明員 この名簿の調査につきましては、先ほど申し上げましたように、労働省が中心となって関係各省に御協力いただきながら、できる限りの努力を積み重ねてきたというふうに私ども考えておりますが、ただ、まだ今先生おっしゃるように数が九万ということでございますので、一人でも多くの方々の名簿が把握できるようにということで、今後とも関係省庁と協力して、誠意を持って対応してまいりたいということで考えております。
  124. 五島正規

    五島委員 御苦労でございますが、ぜひ調査を引き続き行っていただきたいというふうに考えるわけでございます。  なお、この「特高月報」を見てまいりますと、高知県にも、一九四四年で九千七百九十二名の朝鮮人、韓国人労働者が徴用されてきておられます。そのうちあっせんを除きますいわゆる強制連行者の数というのが八千五百七十四名であるというふうに書かれているわけでございます。また、昭和二十一年十月二十五日に、高知県の資料でございますが、元高知県知事代理から新しい高知県知事西村氏へ引き継がれた文書によりますと、終戦の当時朝鮮人の労働者が七千三百三十五名、中国人が三十六名、台湾人が六十名いたというふうに報告されています。  ところで、昭和十七年以後厚生年金の制度が開始され、多くの事業所、いわゆる厚生年金適用事業所はそこで働く労働者を強制加入されることになったわけでございますが、徴用されてきた労働者も厚生年金に加入しているはずでございますね。お伺いします。
  125. 奥村明雄

    ○奥村政府委員 徴用されているかどうかということはわかりませんが、事業所で働いていた人は適用されていたというふうに考えております。
  126. 五島正規

    五島委員 厚生年金適用事業所である場合、徴用であるかどうかは関係なしに加入していたはずであると理解してようございますね。  少なくとも、高知県内に白滝鉱山という鉱山がございます。この鉱山では昭和十七年の一月一日から二十年の三月三十一日までの間に、二千百八名の方が適用者というふうになっているわけでございます。これらの人々の名簿につきましてはマイクロフィルムとして社会保険庁に存在しているはずでございますが、労働省、こうした社会保険庁の資料、御検討になったのでございましょうか。
  127. 戸苅利和

    戸苅説明員 関係省庁の中には厚生省も入ってございまして、私どもの方で去る三月の五日に外務省を通じまして韓国政府に提出した名簿の中でも、健康保険でありますとか厚生年金でありますとか、そういった社会保険関係の、これは事業所でつくった名簿の資料でございますが、資格取得届のつづりというふうなものもございますので、こういったたぐいのものがないかどうか、関係省庁の一つとして厚生省にもそういった旨の照会はいたしております。
  128. 五島正規

    五島委員 この社会保険関係の名簿で見さしていただきますと、たしか紋別にあります北海道の鉱山の被保険者資格取得届つづりというのが二千五百八十八名分、それから、民間の方から出されました兵庫県の鉱山が作成した健康保険被保険者資格喪失届及び厚生年金被保険者資格喪失届の百八十一名というものがございますが、このほかに社会保険庁のマイクロフィルムの中の検討というものは労働省はなさったのですか。
  129. 戸苅利和

    戸苅説明員 国の機関が保有しております各種の資料につきましては、それぞれ保有されておる省庁に調査あるいは確認をいただくということでお願いしてございまして、省庁によっては徴用された朝鮮人の方々の名簿の存在を確認された上で、私どもの方に御連絡をいただいておるところもございます。  私どもとしては、関係省庁それぞれ独自に調査をし、確認をしていただいた上で、名簿に該当する者が把握された場合には私どもの方に御連絡をいただくというふうな形で各省にお願いしているところでございまして、これまでのところ、厚生省の方からそういった資料があるという旨の連絡はまだいただいていないという状況でございます。
  130. 五島正規

    五島委員 社会保険庁の方にお伺いするわけですが、社会保険庁のマイクロフィルムに入っている資料は厚生年金の資料でございますから、もちろん強制連行された労働者なのか、あるいは徴用された労働者なのかということの区別にふってマイクロフィルムが整理されているという内容でないというふうに思います。しかし、少なくても社会保険庁、すなわち国家が保有するそういう非常に膨大な資料の中に、徴用された外国人労働者の名簿が資料として眠っているという事実は明らかなわけでございますが、この資料を整理して、徴用された外国人労働者、強制連行された外国人労働者の資料作成に協力するおつもりがあるかどうか、それをまずお伺いしたいと思います。
  131. 奥村明雄

    ○奥村政府委員 お答えをいたします。  先生お話がございましたように、厚生年金の被保険者の名簿というのは、確かに私どもの方でマイクロフィルムでもございますが、社会保険の適用に当たりましては、国籍でありますとかあるいは徴用の有無ということはもちろん要件になっておりませんので、被保険者の国籍や徴用を受けた者であるか否かについては私どもとしては把握をしていない。したがって、その被保険者の記録から先生御指摘の朝鮮人の方で徴用を受けた方を特定をするということは、困難であるというふうに考えております。  また、社会保険庁の保有しております被保険者記録等の外部への提供につきましては、公務員の守秘義務でありますとか個人のプライバシー保護の観点から、従来から本人またはその家族などの申請による場合など極めて限定的に取り扱ってきておりますので、一般的にこの名簿を提供するということは困難ではないかというふうに考えておる次第でございます。
  132. 五島正規

    五島委員 社会保険庁独自で調査することは困難である。確かに日本の強制により、創氏改名ということで朝鮮人の方々も日本名に変えられた方もおられます。したがいまして、名前だけから類推して一〇〇%名簿をつくることは困難であることはよくわかる。しかし、そのことも含めて、やはり日本の過去の植民地政策の責任というのは引きずっているわけですね。  もう一つ、そうした名簿は、まだ今の段階であれば、例えばこの白滝鉱山などの場合、名簿をお出しいただければ、その現場でお働きになった方々が現存しておられる、その方々の手によって朝鮮人労働者であったかどうかがわかるという状況にあるわけですが、その資料については守秘義務を盾にして、そういうふうな措置はとることができないんだと社会保険庁はおっしゃっておるわけでございます。事実、社会保険庁の立場としてはそういうふうになるかと思うわけでございます。  大臣にお伺いしたいと思います。  これは日本に残された非常に重要な近隣国に対する責務の問題です。この問題を考えた場合に、少なくとも公的に保管されているデータの中にその氏名がある。その氏名が公務員の守秘義務等々によって現在有効に活用されないままに、百九十万と言われている朝鮮人労働者の中でわずか九万人ぐらいしか名簿が明らかにできていない。その現状を考えた場合に、この社会保険庁に入っているマイクロフィルム、何らかの方法で、社会保険庁単独でそれをやれといっても無理であれば、例えば労働省等を含めたチームの中において、あるいはその問題について特定の条件のもとにおいて公表しながら名簿を作成していく。何らかの政治的な判断が必要なんではないか。そうしてでもこうしたデータバンクにある名簿というものがきちっと使われるということをやはりすべきではないかと考えるわけでございますが、大臣、どうでしょうか。
  133. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 社会保険庁の資料の扱いの問題でございますが、先ほど政府委員から御答弁申し上げましたように、御本人が強制徴用に遭った方かどうかということを確認する方法が極めて難しい。名前もいろいろ変わっていらっしゃいますし、また、いろいろな点で確認の方法が極めて困難であるということが第一でございます。  それからもう一つは、この名簿をその目的以外に使用することにつきましては、これはまた一つ基本的に考えなければならない問題だと思います。よく言われますのは、社会保険庁の名簿を使って、所得税のいわゆる名簿の一貫性の問題等いろいろ議論になりますけれども、それはできない。社会保険庁の方でお預かりしております名簿というものは、そのような一つの目的で我々が保管の義務があるということでございますので、限定的に、御本人がその名簿について確認をする、あるいはまた御親戚から確認の御要望がある、そういう場合に限って我々はこれを提示することができるという建前になっておりますので、委員の御指摘ではございますけれども、今直ちにこれを一般に公開される名簿として活用するということは困難ではないかと考えております。
  134. 五島正規

    五島委員 時間が参りましたが、この問題を明らかにすることは、まず今、近隣諸国との間において何よりも大きな一つの日本の責務になっている。そのことを十分お考えいただきたい。その上で、社会保険庁が困難であるとするならば、大臣が政治的決断でもってそうした資料を生かしてその名簿を作成するような方法、そのことについて何らかの政治的判断はできないかということをお伺いしているわけであって、その点について再度大臣の決意を促して、私の質問を終わります。
  135. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 委員の御指摘の熱意は十分わかりますけれども、私たちの考え方は先ほど御説明したとおりでございますので、御理解をいただきたいと思います。
  136. 石破茂

    石破委員長代理 この際、暫時休憩いたします。     午後零時四十五分休憩      ————◇—————     午後一時三十分開議
  137. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。石田祝稔君。
  138. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 私は、まず台風十九号の被害の件で、厚生省が災害救助法を持っておりますので、まず質問をさせていただきたいと思います。その前に、五十数名の方がお亡くなりになられましたので、心より御冥福をお祈り申し上げたいと思います。  さて、災害があった場合にいち早く動く法律が災害救助法でありますけれども、この災害救助法で今回の台風十九号、またその以前の台風等につきまして、現在までにとった措置について簡単に御説明いただきたいと思います。
  139. 末次彬

    ○末次政府委員 今回の台風十九号により住居に多数の被害が生じまして、災害救助法に基づく応急救助を実施している都道府県は、平成三年十月二日、つまり、きょうでございますが、きょうの正午現在で、広島、愛媛、熊本、長崎、福岡、山口、青森の七県でございます。延べ市町村数としては二十四市町になっております。  なお、現在被災者に対しまして避難所の設置、避難所におきます食品の給与等必要な応急援助を実施しているところでございますが、今後必要に応じまして、地元からの申請によりまして応急仮設住宅の供与を行うなど、適切に対処してまいりたいと考えております。
  140. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 続きまして、亡くなられた方、またおけがをされた方もたくさんいらっしゃいますが、災害弔慰金の関係でお伺いをいたします。  弔慰金は、県内の少なくとも一つの市町村が災害救助法を適用された場合、その全県単位で亡くなられた方に支払われる、また、住居が五世帯以上滅失した場合には同一市町村内で亡くなられた方が対象になる、このように聞いておるわけでありますけれども、今回も該当される方が多数いらっしゃると思います。一日も早く弔慰金、市町村の事務でありますけれども、現状把握をしていただいて支給をしていただきたい、このように考えておりますが、災害弔慰金また見舞い金等についてどういうふうになっておるのか、教えていただきたいと思います。
  141. 末次彬

    ○末次政府委員 災害弔慰金につきましては、市町村が条例に基づいて自然災害により死亡した方の遺族に対して支給をする、それに対して国が財政援助を行う、こういう仕組みになっております。  要件といたしましては、ただいま委員御指摘の二つの要件が大きなものとしてあるわけでございます。したがいまして、これが具体的にどういう状況になるかということは、現在、県を通じましてその詳細な状況を調査しておりますが、亡くなられました方の遺族のことを考えますと、県あるいは市町村を督励いたしまして、なるべく早くこの見舞い金あるいは弔慰金が支給されるように指導してまいりたいと考えております。
  142. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 できるだけ現状を速やかに把握していただいて、遅滞なく弔慰金が出るようにお願いをしたいと思います。ともかく一番早く動く法律はこれしかありませんので、ぜひとも今後とも御尽力をいただきたいと思います。  続きまして、私は年金についてお伺いをしたいと思います。  これは、きのうの新聞の一面広告でちょっとこういうのをつくってきたんですが、大臣も見えますでしょうか。これは「十月は高年齢者雇用促進月間です」「私の知恵と経験なしてはいられまい」、こういうふうな一面広告を出して高年齢者の雇用促進をうたっておるわけでありますが、今後六十歳から六十五歳、いわゆる通常国民年金をもらえる以前の方、また定年が大体今六十が主流になりつつありますけれども、その六十歳から六十五歳、また六十五歳を超えて高年齢者の雇用ということがこれから私は非常に大事な問題、また非常に重要な問題だと思いますけれども、高年齢者の雇用について、大臣の基本的なお考えをまず最初にお伺いをいたしたいと思います。
  143. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 皆さんが元気な間に掛金をかけて年金制度ができるわけでありまして、それが厚生年金の場合は六十歳、国民年金の場・合は六十五歳から支給ということになっておりますが、今委員の御指摘はその六十歳以後、そのような高齢でありながら雇用の問題に結びつけてどのような対策を講ずべきかというような御質問だと思います。  最近、非常に寿命が延びるに伴いまして、高齢者の方々でお元気な方がふえてまいりまして、その意味において、第一回の人生が第二の人生にまた変わっていくということでありますので、それだけの豊富な経験とそして見識、そういったものがまた別な世界で新しく貢献される場面が出てくる、このように想定するわけでありまして、したがいまして、高齢者にふさわしい職場の確保、そしてまたその方々が受け入れられるような環境の整備、そういったことも我々は進めていかなければならない、このように考えております。
  144. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 大臣は今非常に大事な問題で、またそういう環境を整えていくことが大事だ、こういうふうなお話であったろうかと思います。  そこで、私は年金の方からいろいろお聞きをしたいのですが、御存じのように在職老齢年金というのがございます。これは二十四万九千九百九十九円までの月収の方は、削減はされますけれども幾ばくかは年金をもらいながら働ける、こういう制度なわけですけれども一道に二十五万円以上の月給の場合は、いわゆる特別支給の分ですね、六十歳から六十四歳までもらえる分、これが全額カットということになっております。これはいろんな方から話を聞きますと、在職老齢年金の支給ということ、その支給割合が削られるということ、いろんなことからこれが高齢者の雇用のネックになっているのではないか。  と申しますのは、あなたは年金があるでしょう、余り月収を高く上げると年金が削られますよ、ですから、これくらいの給料で働いてはいかがですかと、ある意味で言えば月給を低く抑える口実に使われかねない。現にそういう事例もたくさんあるようでありますけれども、私は、これは本当に当初の目的と違った形で、働きながら、年金ももらいながらということではなくて、逆な意味で給料を抑える形になってきているのではないか。ですから、年金と給料を合わせたら、働かなくてもらう年金よりそんなにふえない。そうしたら苦労して働かなくてもいいじゃないか、こういう声が家族なんかからも出てくる、こういうふうなことも聞いております。ですから私は、この制度が高齢者の雇用のネックになっているのではないか、こういうふうに考えますが、この点についていかがでしょうか。
  145. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 この問題は二面性があると思います。一つは、今委員の御指摘のように、ちょうどマージナルなところの給料をこれから新たに取られる場合には、それが年金との兼ね合いでその制約になるという場合も出てまいります。一方、第二の人生とは申せ、相当な才能がある、経験があるという方の場合は、かなりの大きな所得を得られる場合もあります。そういった方と一般の方との所得の権衡を考える、その場合の中に年金のあり方も考えていかなければならないということでありますから、フラットに議論はできないと思います。  そこで、この在職老齢年金につきましては、高齢者雇用の促進の観点にも配慮いたしまして、平成元年の法律改正におきまして支給範囲の拡大を図りますとともに、支給割合の刻みは、従来三段階でありましたものから七段階にふやすよう改善措置を講じたところであります。  高齢者の雇用の問題は、今後の年金制度のあり方にも大きくかかわる重要な問題であると認識しておりまして、さらに年金制度においてどのような対応をしていくべきか、在職老齢年金のあり方を含め、今後慎重に検討してまいりたいと考えております。
  146. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 とにかくこれは問題になっているという側面も間違いなくございますので、その点も踏まえて、今後の非常に大事な問題、高齢者の雇用の促進にぜひとも役立てるような方途等をお願いしたいと思います。  それから、ここの月収の見直しということを私はお願いをしたいと思うのですが、先ほど元年に改正をされた、そのときにたしか標準報酬月額で二十万から二十四万、これが最高になって四万上がったというふうに聞いております。ですから、これが元年からですから、今回例えば是正というか見直しをしていただいても、三年間があくわけですね。ひとつ三年というのは、金額とかそういうものを見直していただくには適当な間隔ではないかと私は思うのです。この標準報酬月額、要するにいわゆる二十四万円までの方がもらえる、これを消費者物価でもよろしいでしょうが、何らかの指標を持って三年間分見直すということで、最高額を上げたらどうかと思いますが、この点いかがでしょうか。
  147. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 元年度の見直しにおいて上限二十万から二十四万に引き上げたわけでございますが、この考え方といいますのは、上限の値に対します、該当するような平均的な在職老齢年金受給者の報酬とそれから年金額の合計とが現役の被保険者の平均賃金を上回らない程度にするというようなことを考えて設定しております。したがいまして、そういう指標等を常時見ていなければならないわけであります。また、年金給付のあり方にかかわることでもございますが、これについては財政再計算期において、給付だけではございませんで、給付の反面には必ず負担があるわけでございますので、財政負担のあり方とあわせて、総合的な観点から見直しを行う必要があるわけでございます。  この在職老齢年金の場合の標準報酬月額の上限をどうするかということにつきましても、年金給付のあり方にかかわる問題でもありますし、財政にもかかわる問題でございます。財政再計算期において、各般の動向を踏まえながら見直しを行うということが一番適当に行えるのではないかということでございまして、そういう意味では私ども、これから次期財政再計算期に向かいまして、この問題についてはずっとフォローをしてまいって、その総合的な検討の中で対応してまいりたい、そういうふうに考えております。
  148. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 余りこれ以上申しませんが、ぜひとも見直しも考えていただきたいと思います。財政再計算となると三年先になるわけですから、この点もお願いをしたいと思います。  続きまして、この四月から発足しました国民年金基金についてお伺いをしたいと思いますが、現状は今どうなっておりますでしょうか。一番新しい数字をお願いしたいと思います。
  149. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 国民年金基金でございますが、平成三年四月から改正法が施行されました。平成三年、本年の五月一日には、四十七都道府県のすべてに地域型の国民年金基金が発足いたしました。また、別途職能型の国民年金基金でございますが、現在までに十三基金設立されております。これらの国民年金基金へ加入しておられる方ですが、八月現在で約三十万人程度となっております。
  150. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 現状はわかりましたが、これで私はひとつお考えをいただきたいことがございます。  それは、昭和六十一年の大きな改正のときに、いわゆる今まで世帯単位という考え方であった年金を個人単位に変えよう、こういうことで、例えばサラリーマンの奥さん、今まで任意加入であったのを三号被保険者ということで、奥さん自身も自分の年金を持つ、老齢基礎年金を持つようになりました。個人単位にそういうふうにやって、そのときに結局厚生年金に入っている方は、二階建ての部分は報酬比例部分が残ったわけですね。その報酬比例部分が国民年金の方にはないということで、今回この年金基金をつくって二階建ての部分をつくろう、こういうふうにされたと私は思います。  それで、平成七年ですか、年金の一元化ということもお考えで進めていらっしゃると思いますけれども、こう見ますと、いわゆる第三号被保険者の方だけがいわゆる二階建ての部分がない、こういうことになると私は思います。このサラリーマン、被用者保険に入っている方はもちろん基礎年金と報酬比例部分がある。そして一号被保険者の国民年金に加入する人も、今回で二階建ての部分ができた。そうしますと、何回も言いますけれども、サラリーマンの奥さんだけが結局二階部分がない、こういうふうな状況になっております。  ですから、私は、この国民年金基金に、発足したばかりでなんですけれども、この第三号被保険者に基金加入を認めてはどうか。そういたしますとその方も二階部分ができるわけですから、一元化に向けていわゆる二階までがそろう、こういうふうな形になると私は思うのですが、このお考えはありませんでしょうか。
  151. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 国民年金基金制度でございます。自営業者などの方、いわゆる一号被保険者は、今先生おっしゃいましたように二階部分がないわけでございますので、厚生年金とのバランスをとって国民年金基金制度を創設したわけでございます。  第三号被保険者、いわゆる被用者の配偶者でございますが、これにつきまして国民年金基金の加入を認めるということにつきましては、現実にはいわゆるサラリーマンの配偶者であります第三号被保険者が、厚生年金保険などの被用者年金の被保険者の方に扶養されております配偶者、こういう立場に立っておられるわけでございます。  基礎年金部分につきましては、確かに配偶者の年金権ということで確立したわけでございますが、被用者保険の報酬比例部分につきましては、それを分けて考えるということは難しいわけでございまして、世帯全体としての給付水準を見て、どの程度の年金給付の水準にするかということで設定されておりまして、この中には当然ながら配偶者の方の生活水準も勘案して決められておりますので、さらにその上に国民年金基金の加入を上乗せすると申しますか組み込むというのは、考え方としてなかなか筋道的には難しい問題であるというふうに考えております。     〔野呂委員長代理退席、栗屋委員長代理者     席〕
  152. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 済みませんが、ちょっとお考えが——六十一年のときは、世帯で年金権を見るのではなくて各個人に与えよう、こういうお考えで老齢基礎年金を御主人と奥さん、こういうふうに分けたというふうに私は聞いておるのですね。ですけれども、今の局長のお話だと、世帯として見るんだ。ですから、本当は個人にしたいのか世帯にしたいのか、どうも混乱しているのじゃないかと思うのですね。  ですから、当初サラリーマンの奥さんというのは任意加入で、結局、高齢になったときに、極端に言えば離婚をした、そうしたときにもう加入年数が足りない、無年金になってしまう、そういうふうなことがいろいろな問題として取り上げられて、やはり個人個人として年金権は持つべきではないだろうか。そのときに年金というものは世帯ではない、個人だという考え方で取り組まれたと私は理解をするのですね。また、この上の比例報酬部分ですか、比例報酬部分についても、諸外国はそれを半分に分けるとか、そしてそれをだんなさんと奥さんにそれぞれ与えるとか、いろいろな考え方があるようでありますけれども、世帯として考えるのか個人として考えるのか、これほどっちなのでしょうか。
  153. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 基礎年金につきまして、個人の年金権というものをこの場合徹底させたわけでございますが、被用者年金の報酬比例、いわゆる二階部分につきましては、やはり収入を稼得しております被保険者、それからその配偶者は被保険者に扶養されているという立場もありまして、その報酬をどういうふうに分けるか、あるいはさらには子供といったものもあるわけでございます。被用者保険の二階部分については、世帯全体としての給付水準を設定しているというのが今の客観的な現状でございまして、その一階部分については個人の年金権ということで考え方を徹底させたということでございます。
  154. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 これはもう答弁は要りませんけれども、ちょっと意見として聞いていただきたいと思います。  確かに老齢基礎年金の部分は個人の年金権ということで明確に分けた、それは私は非常に結構なことだと思うのです。しかしながら、それだけでは暮らせない。暮らせる年金にならないから、国民年金基金で上乗せ部分をつくったのだと私は理解するのですね。ですから、一人一人の権利また人権、そのあたりから考えたときに、個人としては老齢基礎年金の部分でそれぞれ年金権を持つけれども、それだけではもう当然足りないという認識のもとに、それでは生活できないという認識で、国民年金基金の部分を一号被保険者にはつくったのだと私は思うのですね。  老齢基礎年金だけで十分だったら、ある意味で言えばつくる必要はなかったわけですから、その意味だと、個人にとって、いわゆる自分自身の年金権という観点から考えた場合、老齢基礎年金だけでは不十分ではないだろうか。ですから三号被保険者、いわゆるサラリーマンの奥さんにも何らかの形で二階部分を認めて、そして、それぞれ個人個人が二階建てを持つような年金制度にしていくのが六十一年改正の筋ではないかと私は思います。これは意見として聞いていただければ結構です。  それから、国民年金についてお伺いしたいのです。  六十一年改正のときに第三号被保険者、いわゆる奥さんの届け、これをしなくてはならなくなりましたけれども、この届け出の状況についていかがでしょうか。ひょっとしたら漏れている人がたくさんいるのではないかと思うのですが。
  155. 奥村明雄

    ○奥村政府委員 お答えを申し上げます。  第三号被保険者の適用でございますが、平成二年度で一千百九十六万人でございまして、サラリーマン化が進みますと奥様、三号被保険者がふえるという傾向と、女性が社会進出をいたしまして三号被保険者から離脱をするというケースと両方ありますが、ここ二、三年の傾向を見ると、数がふえてきているという状況でございます。  それで、届け出漏れがあるかどうかということでありますが、どの程度どれだけの数が届け出漏れであるかというのは、具体的にはいろいろの個別のケースによりまして、三号被保険者になったりあるいはならなかったりするわけでございまして、その数はちょっと把握が困難でございます。ただ、私どもとしては、そういうことが起こりますと年金権の確保という点で大変問題がございますので、各種の手段を使いまして広報いたしましたり、あるいは事業所の事業主等を通じまして届け出が励行されるよう奨励をしているということでございます。
  156. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 これはぜひとも届け出漏れがないように、広報等お願いをしたいと思います。  これで、届け出によりまして認められるわけでありますけれども、その制度が発足をして例えば三年後に届け出をした、そうした場合に二年前までしかさかのぼって認められなかった、こういうふうなごとだと聞いておりますけれども、このことは間違いありませんか。
  157. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 おっしゃるとおり、二年前までさかのぼるということになっております。
  158. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 例えば、保険料の未納の方は二年前までさかのぼって納めることができる、こういうのが一つあります。納めてない方がさかのぼって納めることができる。これは二年間。これは私はいいと思いますけれども、この場合、三号被保険者の分というのは、いわゆる被用者の奥さんということで被用者保険から、そちらの年金の方から国民年金の方にお金は入っているわけですね。お金は入っているけれども、だれの年金か、だれの部分のお金かということは特定ができない。それを届け出をしてもらわなくては特定ができないという意味でのお金なんですね。  ですから、性格からいうと、お金を払っていない人は二年前までしかさかのぼれないということと、お金はもうずっと払っている、制度が発足したときから制度として払っているわけですから、お金はもう払い込まれております。また、債権債務の法的な考え方も、五年前までさかのぼれるというのが私は通例であると聞いております。そうすると、社会保険ですから、お金を払った人に権利は生じているわけです。五年前までさかのぼらすのが本当じゃないでしょうか、お金はもう納めているわけですから。納めてない人と同列に二年間で切るというのはおかしいのじゃないか、五年前までさかのぼって認めるべきではないか、こういうふうに私は思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
  159. 加藤栄一

    加藤(栄)政府委員 三号被保険者につきましては、被用者の配偶者の加入する制度からその費用が負担されるわけでございます。御自分が保険料を納めるということではないものでありますので、いろいろとその届け出をお忘れになる方がある可能性は、これは否定できないところでございます。ただし、今申し上げましたように、各自の年金権を確立するということでございますので、御自分でも私は年金に入っているんだということの自覚をお持ちいただくということが、やはりどうしてもお願いしなければならないことではないかと一つには思っております。  また、そういう意味からは、費用は夫の方から、夫か妻が、配偶者の方から、被用者の方から出るわけでございますけれども、そういう被保険者、ほかの被保険者の方の毎月の保険料の納付と同じ性格がこの届け出にはあるわけでございます。ただ、毎月毎月意識してやる必要はないので、身分が変わったときに一回だけなさればよろしいわけでございますので、こういう実際に保険料をお払いになる一号被保険者の方などとのバランスを考えまして、今先生のお話にもございますけれども、二年間届け出をさかのぼる、こういうことにしているわけでございまして、私どもといたしましては、御自分が三号被保険者であるということの認識をお持ちいただく、また、その届け出が一つの権利の行使の裏づけになるものでございますので、そういう届け出をお忘れにならないように、社会保険庁にもお願いをいたしまして、また、市町村にもお願いをいたしまして周知徹底に努めてまいる、これで対応していくということになると思います。
  160. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 ちょっと時間の関係で長くできませんが、局長、私は非常に重大な間違いを犯していると思います。それは制度の問題を本人の自覚の問題にすりかえているのですね。いわゆる債権債務とかと同じような考え方に立った場合に、本人はお金を納めているわけですから、それを二年前までで切るということと、これを本人の自覚に任せる、自覚の部分に変えては私はいけないと思います。その点はこれから啓蒙活動をやっていただくことはもちろんでありますけれども、制度としてどうなんですかと私は聞いているわけでして、これはぜひとも一回検討していただきたいと思います。そうしないと、なぜ二年間しかさかのぼれないんだろうということで不満がたまってくるんじゃないか。これはちょっと指摘をしておきたいと思います。  それから、育児休業が来年の四月からスタートするわけであります。このときのいわゆる雇用者と被雇用者、使われている方が育児休業をとるわけですけれども、この場合、大部分のところは残念ながら給与が出ない、無給になるんではないかと私は思います。その場合、被用者保険に入っていた方が無給になるということで、年金なんかが一号被保険者の方に入るのかどうか。例えば、奥さんがとるわけですから、御主人が自営業者の場合ですね、そういう場合にこの社会保険との関係はどういうふうになるんだろうか。この点についてお伺いしたいと思います。
  161. 奥村明雄

    ○奥村政府委員 お答えを申し上げます。  社会保険の適用につきましては、事業主と被保険者の間の使用関係があるかどうかということで判断されるのでございますが、育児のために一時的に休職しているものでありまして、就業規則などによりまして、近い将来職務に復帰するということが確実であるというようなことで、実質的な使用関係が存続をするというふうに認められる場合には、当該休職期間中におきましても、被保険者資格を喪失しないということで取り扱ってきておるところでございます。  来年四月一日に施行されます育児休業法につきましても、その休業期間中は使用関係が存続するということといたしておりますので、社会保険につきましても引き続き適用されるということになるわけでございます。その際の保険料の負担につきましては、健康保険法、厚生年金保険法の規定によりまして、事業主と被保険者がそれぞれ折半で負担をするという従来の被保険者と同じ扱いになるということでございます。
  162. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 この件で労働省においでいただいておりますので聞きたいんですが、例えば保険料相当分を、これも一つの給与の一部だと私は思いますが、こねにていてノーワーク・ノーペイという考え方で出さない、そういうふうになった場合に、御本人が事業主と本人分、両方とも負担をして納めるようになるのか。そこのところ、例えば一年間、年金に加入している方、また被用者保険に入っている方が不利益をこうむらないように実際問題としてできるのだろうか。育児休業をとった人が余り詳しく知らないので、例えば事故に遭ったとき、事故に遣って障害が残ったときとか、いろいろな場合で不利益をこうむることがないんだろうか。そこのところの事業主さんの意識というのはどうなっているのだろうか。この点について労働省の方から簡単に教えていただきたいと思います。
  163. 藤井龍子

    ○藤井説明員 ただいま厚生省の方でお答えいただきましたように、育児休業期間中も実質的使用関係が存続するものと認められることから、両保険の被保険者資格は喪失しないということで、事業主がその期間中、労働者負担分も含めて、合わせて国に納付する義務があるということになるわけでござい」ますが、この趣旨の徹底につきましては、私どもとしましても厚生省さんと協力しつつ、事業主に対して徹底してまいりたいと思っているところでございます。  なお、私どもの調査によりますと、労働者の社会保険料負担分を事業主で何らかの形で援助をされているというところが約四割ございます。また、休業期間中は事業主の方で立てかえ払いをするというところも三割ほどございます。そういった措置がなされているところから、労働者に不利益が及ぶというようなことも余りないかとは思いますが、重ねてお答えいたしますが、趣旨の徹底に万全を期してまいりたいと思っております。
  164. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 私が心配しているのは、今まで、今現在育児休業を会社として採用しているところは、非常に考え方が進んでいる会社なのです。来年の四月からはいわゆる法の強制ということになるわけですから、そういう考えじゃないところも全部一応適用になる、そういうことがございますから、意識はばらばらだと私は思うのです。高い意識の会社もあるし、余り意識のない会社ももちろん出てくると私は思うのです。そういうところが全部今度は民間で三十人以上適用になるわけですから、ぜひともここのところも注意をして指導していただきたいと思います。  年金の最後の質問としてさせていただきたいのですが、年金の支給日についてお伺いをいたします。  今、隔月十五日に支給になっておりますけれども、これが今は休日と重なった場合、後ろに倒して支給をする。例えば十五日が日曜日だったら十六日、十五日が祭日だったら十六日とか、そういうふうに後ろになっておりますけれども、私を含めてここにいらっしゃる方皆さん、給与支給日が休みに重なった場合は前の日にもらっていると思うのですよ。私は後にもらっているという人、いたらちょっと手を挙げてもらいたいのです。これはみんな前にもらっているのですよ。ですから、年金の支給日も、十五日がそういうふうな休みに重なった場合は手前に倒して払う。これは前もって暦を見れば、何月はいつ、何月はいつと決まるわけですから、その点ぜひとも前向きにお考えいただきたいと思います。
  165. 奥村明雄

    ○奥村政府委員 お答えを申し上げます。  国民年金、厚生年金の年金の支払い方法につきましては、これまでも受給者の要望を踏まえまして、また、事務処理方法の改善を図りまして、充実を図ってきているところでございます。  御指摘の年金の支払い日につきましては、支払いに関する最新のデータを可能な限り取り込んで、年金を適正に支払うという観点を考慮の上、現在の取り扱いとしているところでございます。御指摘のように、年金の支払い方法の改善を図るという立場から、いろいろな検討をしなければいけないというふうに考えておるところでございますが、具体的に改善をいたします場合には、事務処理の形態を変えますとか、あるいは関係の官署、郵政官署でありますとか日銀等との調整もございます。そうした相談を行いながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  166. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 これはぜひともお願いをしたいと思うのですよ。私は自分の立場からいって、自分が手前でもらっていて、年金をもらっている人だけ後にしなさい、これはちょっと、理屈にならぬと思うのです。とにかくひとつ前向きにお願いをしたいと思います。  続きまして、人材確保に関してちょっとお伺いをいたします。  この八月に保健医療福祉マンパワー対策を厚生省が発表をされました。そして次期の通常国会に二法案を提出される、このように聞き及んでおりますけれども、それは間違いはございませんでしょうか。大臣からひとつお願いしたいと思います。
  167. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 この前から問題になっておりますマンパワーの問題でありますが、保健医療福祉マンパワー確保のための法案につきましては、既に平成四年度保健医療福祉マンパワー対策大綱において明らかにしてありますし、当委員会の御審議の中でもお答えしているとおり、保健医療福祉マンパワー対策を強力に推進するために、次期通常国会に看護職員の人材確保を図るための法律案及び社会福祉施設職員、ホームヘルパーの人材確保を図るための法律案を提出するために、ただいま問題を煮詰めながら準備を進めているところでございます。
  168. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 ぜひとも出していただきまして、私たちもしっかり審議をさしてもらいたいと思います。  続きまして、この人材確保法の中で、待遇改善、そして労働条件の改善、福利厚生の充実、また社会的評価の向上、この四点を大きくとらえて、主な柱とされていると私は思いますが、そのうちの社会的評価の向上、いわゆる看護婦さんなら看護婦さん、みんながある意味ではあこがれる仕事、三Kとかいろいろ言われないように、そういうあこがれるような社会的評価の向上をするためには、基本的には何が必要だと考えていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。
  169. 大西孝夫

    ○大西政府委員 お答えを申し上げます。  今先生御指摘のとおり、私ども八月に発表させていただきました平成四年度保健医療福祉マンパワー対策大綱でお示しをいたしましたとおりに、保健医療福祉マンパワー対策につきまして、特に緊急に確保を図る必要があるという緊急性の高い職種、看護職員社会福祉施設職員、ホームヘルパーの各職種ごとに、今先生がおっしゃった表現とちょっと違いますが、勤務条件等の改善、養成力の強化、就業の促進、それから社会的評価の向上、こういうような側面につきまして予算、融資、税制等の総合的な対策を講じるということが重要であるというふうに考え、その方向で今後の施策を進めたいと思っております。そのうちの法的措置については、先生が今おっしゃった表現に近いわけですが、そういう点を含めながら、具体的内容について現在検討を進めているということでございます。  そこで、社会的評価の向上については、じゃ何が一番大事なのか、その点の認識をお尋ねでございますが、私どもとしましては、やはり勤務条件等の改善を進めまして、魅力ある職業にするということがまず一つ重要であると思いますし、もう一つの側面としては、職業としての重要性につきまして、医師、病院施設の経営者を初め、また広く一般の国民がそういう理解を深めていただくということが非常に重要であるというふうに考えておりまして、そういう両面からのアプローチを考えたいと思っております。
  170. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 この点で、私は社会的評価という、四つさっき述べましたけれども、待遇改善も非常に大きなウエートを占めていると思います。実は九月二十八日の新聞で「老人医療の行方と健康への展望」というシンポジウムがあった、こういう記事がずっと出ておりました。その中で、アメリカの看護婦不足をどういうふうに解消したのかということが出ておりまして、その述べられた方は、市場メカニズムをうまく働かせた。これはどういうことかというと、賃金を上げました、こういうふうなことが出ておりまして、「三、四年前から賃上げが進み、もはや看護婦不足はなくなりました。」こういうふうなことをアメリカの方が現場にいらっしゃって述べております。  それでお聞きをしたいのですが、来年が診療報酬の改定の時期になるわけですね。今までもいろんな御意見の中で、診療報酬、いわゆる看護婦さんの点数を上げても、それがそのまま直に看護婦さんの待遇改善につながってないんじゃないか、こういうふうな御意見もあったわけでして、今回のマンパワー対策大綱によれば、そういうものに配慮していく、こういうふうなことがたしか載っていたと思いますが、具体的に、極端を言い方をすれば、診療報酬としてお金が個々の病院に行って、そして看護婦さんまでちゃんと流れていく、途中でとまらないように流れていくようにどういう形で配慮をしていくのか、このことについてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのかをお聞かせいただきたいと思います。
  171. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 看護職員の方の待遇改善というのは、とりもなおさず今の人材確保法案の、先ほどの御指摘の中の最も大事な問題でございます。  そこで、先ほど働きがいのあるというお話が出ましたけれども、これも非常に大事なことでありまして、客観的な評価を高めていくということも非常に大事でございまして、私の方ではことし初めて五月十二日に看護の日を制定し、その一週間を看護週間にするなどして、まず全般的に国民の認識と看護職員に対する評価を高めるように努力をしてきたのはその一助ではあったと思います。  その他勤務条件の中で、先ほど政府委員からも御説明いたしましたように、個々の医療に従事する方々の中で看護職の方々の職場を重視して、その才能を十分に発揮できるように協力するということも私は非常に大事だと思います。間々伝え聞くところによりますと、看護職の方が本来の仕事に専念できずに、ほかの雑用に忙殺されているということも、これからはないようにしなければならない。  そういうことで全体的な条件を整えるように努力を今重ねておりますけれども、最後のお尋ねのところの待遇の問題をどのように図っていくかということでございますが、看護職は、御承知のように国家公務員の看護職もございますし、地方自治体の看護職もございます。それから一般の病院・診療所の看護職、それぞれ制度が異なっておりますが、お尋ねの看護職の待遇の改善問題は、今診療報酬というお言葉をお使いになりましたので、一般の民間の病院・診療所の中の看護職の待遇改善の問題だ、このようにとらえてお答えをさせていただきます。  この点は、委員よく御承知のように、我々は診療報酬全体の中でいかに看護職が重要な職種であるか、また今このことについていろいろな問題が出ておりますので、待遇の改善をやはり最重点的な項目として考えておりますし、中医協の御論議を経た上でなるべく早い時期にこの問題の解決を図ってまいりたい。鋭意研究と努力を重ねているところでございます。
  172. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 続きまして、いわゆる人材の数についてちょっとお伺いをしたいのですが、医療保健福祉にかかわる人が昭和六十三年に二百二十万人、それが二〇〇〇年には約三百四十六万人必要になるのではないか、こういうふうにも言われておりますが、私が聞いたところによりますと、この必要な数の三百四十六万人の算定というものは、高齢化社会に伴って当然にふえる、高齢化社会の進展に伴う当然増の数だというふうにお聞きをしております。  ということは、これから待遇改善、労働条件の改善を積極的にやっていこう、こういうお考えなわけですから、例えばそういうものも含めた必要数を算定していくべきではないんだろうか。これから高齢化社会がどんどん進展していく、お年寄りの数がふえる、それに伴って当然必要な数もふえてまいりますから、その数をもとにする。また、ある意味で言えば、一つのメルクマールとするのではなぺて、これからも先取りをした形で、労働条件等もこういう形で二〇〇〇年あたりにはなるだろう、逆に言えはこういうふうにしていくのが本当じゃないだろうか。そういうふうな観点を入れて、あるいは一つの数値というもの、目標数値というものを出していくべきであると私は思いますけれども、この点についていかがでしょうか。
  173. 大西孝夫

    ○大西政府委員 お答えを申し上げます。  今先生御指摘の三百四十六万人という数値でございますが、これにつきましては、今もお話が赤りましたように、今後の高齢化の進捗を踏まえながら、従来福祉マンパワーが高齢化人口の増加にほぼ比例して増加しているということに着目をして、今後ともそれにほぼ比例してニーズが増大していった場合、必要なマンパワーがどれぐらいになるかという仮定の計算結果でございますし、私どもとしては、マクロの労働需給との関係を考える上での一つの目安というふうに考えておりますが、明確な目標というような位置づけでは必ずしもございません。  そこで、先生御指摘のように、単に老齢人口筆からだけはじき出すのでは、正確な必要数ははじけないのではないかという御指摘はそのとおりだと思います。ただ、将来に向かって、いろんな職種につきまして、制度の変革を踏まえつつ将来の必要数をはじき出すというのは、正直に言いましてなかなか難しい問題でございますが、当面、特に看護婦看護職員につきましては、週休二日制あるいは夜勤の軽減等を考慮に入れた場合の需給見通しを改めて見直す作業を現在進めておるということで、これは近々まとまると思っております。  また、社会福祉施設職員、ホームヘルパーにつきましては、ゴールドプランの実施を前提として、その中でどれだけの人材確保が必要かという観点から、寮母、介護職員について十一万人、ホームヘルパーについては七万人を平成二年度から平成十一年度の間に確保する必要があるという意味の数字を定めております。  今後各職種につきまして、先生おっしゃるように、将来のそういう人口の変動のみならず制度的な要因、ニーズの変化等も踏まえながら、正確な数がはじき出せればそれが一番いいと思いますが、なかなか実際問題として難しゅうございますので、不断にそういう数値を追い求める姿勢は堅持してまいりたいと思っております。
  174. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 今後労働力の需給見通し等も考えました場合に、二〇〇〇年の初頭には数百万人の労働力が不足するのではないか、このようにも算定されております。そういう中で、現在ですら足りないのですが、これからはどんどんお年寄りがふえていく。そして、その中で質的な向上と申しましょうか待遇改善の部分、そういう部分もあわせて予定を立てて、それに付随する予算またはいろいろな施策等を行っていかないと、ますます人が来なくなるのではないか。そうすると余計悪循環で、足りないから仕事がきつくなる、きつくなるからまた足りなくなる、こういうふうなことにもなりかねないと私は思います。  今年中に看護婦需給計画の洗い直しもまとまる、そういうふうにも聞いておりますので、ぜひとも二〇〇〇年、平成十二年ということを大きな目標にしておるわけですから、そのあたりも踏まえていただいて、やり直しかきかないということはもちろん御認識をいただいていると思いますけれども、いま一度おくみをいただきまして、全力を挙げていろいろな人材確保についても御尽力をいただきたいと思います。  以上で終わります。
  175. 粟屋敏信

    粟屋委員長代理 児玉健次君。
  176. 児玉健次

    児玉委員 日本共産党の児玉健次です。  看護婦さん、そして看護士さんの深刻な不足を解決して行き届いた医療を築きたい、この願いは今多くの国民の中で広がっています。願いを実現するためには、現在医療活動に従事されている看護婦さんの勤務条件を思い切って改善して、働き続けることができるようにする、それが第一だと思います。そしてもう一つは、看護婦さんの養成力を思い切って改善強化する。  そこで私は、まず、あれこれの問題ではない、国自身の努力によって看護婦養成を改善強化する問題について質問したいと思います。今、全国の国立病院・療養所で准看護婦の養成施設は幾つありますか。     〔粟屋委員長代理退席、石破委員長代理者     席〕
  177. 寺松尚

    寺松政府委員 お答えいたします。  准看護婦の養成施設と申しますと、今十三カ所運営いたしております。
  178. 児玉健次

    児玉委員 その中の一つに私のおります北海道・八雲病院附属看護学校があります。これは一学年の定員が三十名。この間の三年間、八雲の附属看護学校に入った皆さんのうち、中学校の卒業生は何人いたでしょうか。
  179. 寺松尚

    寺松政府委員 お答えいたします。  御承知のように、准看護婦の養成所は中学校卒業以上ということになっておりまして、中学卒業でも結構なのでございますが、残念ながらここ三年間ばかりゼロでございます。八雲についてはそのようでございます。
  180. 児玉健次

    児玉委員 同じく八雲の附属准看護学校の場合ですが、この三年間で七十九名の人が卒業されておりますが、その人たちの中で引き続いて進学をなさった方は何名おいででしょうか。
  181. 寺松尚

    寺松政府委員 お答えいたします。  平成二年度に一名だけ就職をいたしております。
  182. 児玉健次

    児玉委員 そうなんですね。二年課程の准看護学校に入って一生懸命勉強をする。卒業されて八雲にそのまま就職して残った方は一名。ことしの一名です。学校の関係者の方は希有の例だと言われていた。残りの方は大体皆さん引き続いて進学をされます。  全国でどうなのかということを厚生省からいただいた資料で拝見したのですが、准看護学校入学者のうち、ことしの春でいいますと、全国二百九十八名お入りになっていて、中学卒が十五名、高卒が二百八十名、大臣、九四%が高卒です。そして大学、短大卒が三名いらっしゃいます。こうなってきますと、中卒の方を予想して准看護学校が存在しているという実態とは大きくかけ離れていますね。そしてその方々が、その方々というのは、准看護学校を卒業された方はどうなさっているかということですが、正看護婦になるために引き続いて進学をされる方、それがことしの場合二百七十九名中二百七名、八雲ほどではないけれども、七一・四%の方が中断することなく正看護婦のコースに入っていらっしゃいます。事実そのとおりですね。
  183. 寺松尚

    寺松政府委員 今先生の御指摘のとおりでございます。
  184. 児玉健次

    児玉委員 それで、私は厚生省に求めたいのですが、厚生省はさまざまな努力をこれまでも積み重ねられて、かつて全国に八十あった国立病院・療養所の准看護婦養成施設を、先ほどのお答えのように十三にまで正看コースに切りかえていかれた。この後どうするかという問題ですが、その職場の職員の皆さん方、関係労働組合などとも十分協議を進められながら——准看護婦さんが続けてさらに正看コースに行くと、三年でなれるものが四年かかりますね。一年間の社会的なロス。これは御本人にとっても損失だし、そして看護婦不足のもとで社会的にも大きな損失ですから、この准看護学校を正看護婦の課程に切りかえていく、この点で努力を強めていただきたいと思うのですが、いかがですか。
  185. 寺松尚

    寺松政府委員 今先生御指摘のとおりでございますが、附属准看護婦養成施設につきましては、御指摘のとおりこれまで逐次看護婦養成施設に変えてきたわけでございます。先ほども申し上げましたように今十三カ所になっておるわけでございますが、看護婦養成課程として必要な実習施設や講師の確保がなかなか困難であるという今までの実情がございます。しかしながら、やはり看護職員の質的な向上を図る観点から、今後とも、施設それ自身あるいは周辺の地元の自治体、その当の関係者の意向も踏まえまして、地域の他の医療機関の協力も得ながら、可能なところから引き続き看護婦養成課程への切りかえを図っていく努力をいたしたい、このように考えております。
  186. 児玉健次

    児玉委員 その努力は強めていただきたいと強く要望します。  次に、文部省に伺います。  ちょうどいい機会ですからお尋ねしたいのですが、ことしの三月、この社会労働委員会、当時ですが、国立病院における週四十時間勤務制、週休二日制の試行について御質問したら、文部省は、四月から試行に入るというお答えでした。全国の大学病院は、それぞれ前後がありましたが、大体四月二十日あたりから週四十時間勤務制の試行に入りました。もうすぐ六カ月になります。この後どうするのか。最近文部省は人事院とも協議なさったと聞いておりますが、この後の文部省の方針をお聞きします。
  187. 喜多祥旁

    ○喜多説明員 国立大学附属病院の週四十時間勤務体制の試行につきましては、現在、全国立大学附属病院六十六病院で実施いたしておるところでございます。ほとんどの国立大学附属病院が、御指摘のとおり、ことし四月中旬から六カ月間ということで試行を実施いたしておりまして、十月中旬には試行か終了することとなっております。  試行は診療体制の見直し等を行った上で実施しているところでございますが、試行終了により診療体制等をもとに戻しますことには患者診療に無用の混乱を生ずるおそれがございますので、文部省といたしましては、完全週休二日制の本格実施時期まで試行の継続をいたしたいということを決定いたしたところでございます。
  188. 児玉健次

    児玉委員 結構だと思います。引き続いて国立大学病院における看護力の確保のために努力をしてほしい、こう思います。  国立大学の医学部、風立医科大学で看護婦養成施設を独自に持たないところが十四あると承っておりますが、その名称を明らかにしてほしい。
  189. 喜多祥旁

    ○喜多説明員 お答えいたします。  旭川医科大学、山形大学、富山医科薬科大学、福井医科大学、山梨医科大学、浜松医科大学、滋賀医科大学、島根医科大学、香川医科大学、愛媛大学医学部、高知医科大学、佐賀医科大学、大分医科大学、宮崎医科大学、以上十四大学でございます。
  190. 児玉健次

    児玉委員 ことし三月、この問題というか、国立大学附属病院における看護婦さんの問題について質問しましたときに、おいでになった文部省の草原さんという方は私にこのように答えられました。「特に、平成三年度におきましては、この看護業務の密度が年々高まっているということもございますし、また、看護体制整備充実を図ることが重要かつ緊急な課題となっておりますことから、病棟あるいは特殊診療施設、診療科等の看護要員の確保を中心に」して努力をしていきたい。そしてその中で、文部省は附属病院の看護婦確保が従来から文部省における重点的な施策であった、こういうふうにも述べております。  今、文部省のお答えによれば、十四の国立大学の医学部と国立医科大学が看護婦養成施設を独自に持っていない。これは大きな問題だと思うのです。民間のことをあれこれ言う前に、国としては自分の範囲の中でできることからなさらなければいけない。もちろん相手は大学ですから、一般の行政機関とは違います。大学の自治ということがあるから、押しつけることはできませんよ。その大学の自主性にゆだねるということを私は当然のこととして言っておきましょう。  この八月に旭川医大病院に伺いました。ここでは看護婦さんが不足して、私が行ったときに欠員が十三名でした。それで、集中治療室を一時閉鎖するという事態も起きていた。旭川医大の関係者は、この状態を解決するためには独自の看護婦養成施設を設置する以外に道はない、こういう声が多かったですね。同様のことは各地で起きていると思う。この点について文部省はどのようにこたえようとされているか、お答えいただきたいと思います。
  191. 喜多祥旁

    ○喜多説明員 お答えをいたします。  昭和四十八年度以降設置をいたしましたいわゆる新設医科大学につきましては、設置の際に、看護婦の養成、確保は地元で行っていただくということで進めてきたところでございまして、先ほど申し上げました十四の新設医科大学には自前の看護婦養成機関はございません。当初はそれで格段の支障がなかったと我々承知をいたしておるところでございますが、近年におきます看護婦の不足ということを受けまして、地元の自治体等から、新設医科大学にぜひ看護婦養成機関を設けてほしいという要望が寄せられていることは十分承知をいたしております。  新設医科大学につきましては、附属病院の特殊診療部、集中治療部でございますとか救急部等の整備がまだ残っておりますので、やらなければならぬこともございますが、この問題につきまして今後どのように対処すべきかにつきましては、各地域におきます看護婦の需給状況でございますとかあるいはそれぞれの大学の準備状況でございますとか、あるいは言うまでもないことでございますが、国の行財政状況等を十分踏まえまして、今後の検討課題とさせていただきたい、かように思っております。
  192. 児玉健次

    児玉委員 これは国公立という扱いにはなっていないが、自治医科大学というのがあります。自治医科大学の発足の時期というのは、今文部省が言われた一連の大学が発足する時期とほとんど重なっています。自治医科大学は昭和四十九年の四月、附属病院を開設すると同時に、附属看護学校を設置されました。うちの町村に来てほしいという猛烈な誘致合戦があったという点では違いはありませんけれども、そういった中で附属病院の看護婦を自前で養成するということでスタートされた自治医大関係者の見識は、今考えてみても立派なものだと思います。  それで、北海道に限らず、かなりの方々のお話を聞いてみたんですが、看護婦養成施設を持たない国立大学の医学部や医科大学はどういうふうにしているかというと、周辺の民間病院から迎え入れる、ないしは時には国立病院・療養所から迎え入れる、そして周辺の看護婦養成施設にうちの大学に来てくれるように要請する、大変な御苦労をなさっているというのは、ある大学の看護婦募集案内を見てよくわかりますが、最後のところに遠慮がちに採用人員約四十名程度、そう言って相当これを周辺に普及させていらっしゃる。こういうことに対してその近くの病院関係者がどういう感情を持っているか、文部省、御存じでしょうか。
  193. 喜多祥旁

    ○喜多説明員 新設医科大学の事務局長あるいは部課長を集めましてヒアリング等をやりました結果によりますと、大学によりましては募集人員よりも志願者が多いというところもございますが、御指摘のように非常に募集に苦労しておるというところもあるのも事実でございます。そして、医科大学に看護婦を採用されるというので、医師会の方でお困りだというような話も伺っております。そして、先ほど言いましたように、いわゆる地元の自治体等から、新設医科大学に養成機関を設けてほしいという要望が寄せられておるということも承知をいたしておるところでございます。
  194. 児玉健次

    児玉委員 それだけ御承知であれば話が早いんで、今年文部省が言われたように、国立大学附属病院の看護婦確保、文部省としても重点的な施策としているというのですから、その点での努力のテンポを速めていただきたい。どうですか。
  195. 喜多祥旁

    ○喜多説明員 先ほどお答えいたしましたように、この問題につきましては、各地域の看護婦の需給状況でございますとか、あるいは看護教員を集めるということは大変困難でございまして、各大学の準備状況でございますとか、あるいは国の行財政状況等を十分踏まえまして検討させていただきたい、かように思っておるところでございます。
  196. 児玉健次

    児玉委員 テープレコーダーのように同じことを二度繰り返したのではしょうがないですね。  私が聞いているのは、あなたたち自身が大学附属病院の看護力確保を重点とすると言っているのです。看護教員の養成というのは大いに結構ですから、進めていただきたいですね。しかし、大学の附属病院が欠員でICUを閉鎖しなければいけない、こういうふうな事態に文部省はどう対応するか。そこのところが急がれるので、その点のピッチを急げ、そう私は言っているのです。どうですか。
  197. 喜多祥旁

    ○喜多説明員 私どもといたしましては、看護婦確保対策といたしまして必要な予算要求というのを合いたしておるところでございまして、その獲得に全力を挙げてまいりたいというのがまず第一段階でございます。
  198. 児玉健次

    児玉委員 では、その点今後ぜひ注視していきたい、そう思います。  次の問題ですが、先ほど私は看護婦不足を解決するために、一つは今言った養成力の抜本的な強化、もう一つは働き続けることができるようにするための勤務条件の改善、これを急ぐこと、その点について質問したいと思います。  いわゆる看護職員の需給見直しについて、大臣、昨年四月十九日の衆議院の社会労働委員会で、この問題で厚生省の皆さんとかなり突っ込んだやりとりをしました。そのとき、当時の厚生省の仲村局長が、需給動向の変化に対応して看護職員需給見通しを見直すことについてはやぶさかではありません、そういうふうに初めてお答えになった。そして、それを受けて津島厚生大臣が、できるだけ良好な条件でお働きをいただくということも含めて、これからの需給計画をつくっていく、こういうふうに明言されました。できるだけ良好な勤務条件のもとで働き続けてもらう、それを主眼にして需給計画をこの後つくるんだ、ここが一番ポイントだと思います。そういった立場で私は言いたいのですが、現在各県で作業が進められておりますいわゆる需給見通し、その幾つかを先日来拝見をしておるのですが、問題になっている夜勤の軽減に関して、二人夜勤の場合は五十床で婦長さんを入れて十七人、三人夜勤の場合は婦長さんを入れて二十四人、これでいわゆる二人以上そして八日以内、二・八が実現できると計算している府県が随分ありますね。この計算を幾らやってみても、年次有給休暇や生理休暇などを取得することに伴う予備要員がここからは出てこないのです。厚生省は二人夜勤、三人夜勤の数をどういうふうにするか、そのモデルについて各県に対して何らかの指導、示唆をなさっているのでしょうか。しているか、していないかを伺いたい。
  199. 古市圭治

    ○古市政府委員 前段の御質問の看護職員の需給見通しにつきましては、御指摘のとおりでございまして、そのときに津島前厚生大臣がお答えした線で作業を行っているということでございます。具体的には、この需給の見直し作業については、勤務条件として週四十時間、夜勤回数が月八日以内を考慮して数を推計してください、こうやっております。  それからもう一つ、今お尋ねの細かい数値の、どのような数で二人夜勤ができるかということにつきましては、文書に書いて出しておりませんけれども、口頭で御説明をし、また、出てきた数字について御相談させていただくという状況になっていると承知いたしております。
  200. 児玉健次

    児玉委員 この点は、この後この委員会としても大いに議論しなければいけないのですが、一つ具体的に聞きます。  二人夜勤体制で準夜勤そして深夜勤、五十床で看護婦さん十七人、全員が夜勤に参加するということでなければ、これはローテーションができないのではないですか。どうですか。
  201. 古市圭治

    ○古市政府委員 早二人夜勤で夜勤回数月平均八回、完全週休二日、週四十時間、年休二十日を前提とした場合に、婦長、が夜勤するかどうかということにもよりますけれども、婦長が夜勤をしなければ、婦長一人に加え看護職員が十六人ということでございます。
  202. 児玉健次

    児玉委員 ローテーションができないでしょう、だれかが休んだら。
  203. 古市圭治

    ○古市政府委員 その点についてはそういうことだと思います。
  204. 児玉健次

    児玉委員 まさにそうなのですね。今厚生省もお認めになったように、だれかが休んだらこれは全く回らなくなってしまう。休まないということを前提にした数を各県にもし厚生省が指導しているのだとすれば、これは各県の意見の自主性というのはどうやって出てくるのか。その点いかがですか。
  205. 古市圭治

    ○古市政府委員 ただいまの計算でやりますと十七人となりますけれども、実態として育児休業等があるわけでございますから、その分についてはその数の上に加算した数を必要数とするように、このように指導しております。
  206. 児玉健次

    児玉委員 余り細部にわたって議論はしたくないのですが、北海道のものを見てみますと、育児休業はもう来年から実施されますから、育児休業の取得は一〇〇%というので積算されております。そして、それは病院全体の予備貝になっているのです。  私が言っているのは、五十人の病棟で二人勤務で婦長一人、二・八と言いますけれども、正確に言いますよ、二人以上、八日以下ですよ、夜勤の数は。それでやっていくというと、これはぎりぎりいっぱいであって、もう張り詰めた糸みたいになってしまいますね。それでは全くこれは実態に合わない。どうですか。
  207. 古市圭治

    ○古市政府委員 計算の上ではぎりぎりの数字でございますが、それぞれ実態に合わせて、必要な場合にはその上に上積みをするということで指導しているわけでございます。
  208. 児玉健次

    児玉委員 では、時間のようですから、最後に各県の需給見通しの扱いですが、北海道ではこの九月二十四日、道議会に対して正式に報告をし、論議をしております。そして、その日、北海道の需給見通しの内容が公開されまして、大々的に報道され、道民はそれをよく承知しています。当然のことだと思いますが、今各県で作業が進められているそれぞれの県の需給見通しの扱い、これは都道府県の判断で行われるべきだと思いますが、いかがですか。
  209. 古市圭治

    ○古市政府委員 そのような御指摘のことも踏まえまして、私どもが全国的な需給見通しを立てます場合に、各都道府県で関係団体とも協議して数値を出していただく、それをまた必要に応じていろいろ質疑をしまして全国推計に持っていく、こういう作業になっておりまして、基本は都道府県の意向という数字からスタートするということでございます。
  210. 児玉健次

    児玉委員 局長、要するに、例えばAという県が需給見通しの内容をまとめた。それをその県で公開するかどうか。北海道は北海道のやり方でやったわけですが、それぞれの県の判断にまつということですね。
  211. 古市圭治

    ○古市政府委員 ただいまの全国的な看護職員の需給見通しを集計するためにお願いしたわけでございますが、そのときに各都道府県で関係団体どもいろいろ協議をして、その結果出た数字だと思います。そういうことで、審議の過程でいいろいろあった、また数字だけつくっても意味がございませんので、今後それを守っていくということから、関係団体とは数値についても、それぞれ都道府県の事情によって公開というのですか、数字はいろいろオープンで議論されるというのは構わないと思いますが、原則としては私ども全国集計のために数字を現在集めている。都道府県での扱いは、それぞれの都道府県の事情によって、将来のために役立つという判断でみんなで協議していただく、それは結構だと思います。
  212. 児玉健次

    児玉委員 終わります。
  213. 石破茂

    石破委員長代理 柳田稔君。
  214. 柳田稔

    柳田委員 今、看護職員のことが議題となって、いろいろ議論が進められたようでありますけれども、私もこの看護職員に絞って質問をさせていただきます。  政府が決めておりますゴールドプラン、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、十分だとは思いませんが、このゴールドプランを進めなければ将来の高齢化社会を支えられないという気もいたしております。このゴールドプランを進めるに当たって一番大きな問題というのは、やはり人材の確保、その人材も、患者さん並びにいろいろな人と、お年寄りと接するわけでありますから、やさしいといいますか、人の心の通う人材を多数確保していかなければならないということが大きな課題になるんではないかというふうに思います。  その中で特に看護職員でありますけれども、日本看護協会が平成元年の十月から十二月までの間に行ったナースバンクにおける求人・求職条件調査によりますと、この期間に求職者は五百三十人、これに対して求人は六百十施設から三千五百三十六人の申し込みがありました。圧倒的に求人が多く、業界全体の看護婦不足が浮き彫りにされたというふうに思います。さらに、この中で就職したのは二百十二人で、年齢構成は二十歳から六十四歳までと幅広く分布しておりまして、年齢を超えて仕事につく意欲が強いということも反面あらわれておるのも事実であります。  しかし、実際に働く条件を見てみますと、通勤時間三十分以内の希望者が半分、宿直を含む夜間勤務を避けたいという人が三分の二を占めておりまして、通勤時間と夜勤はどうしても譲れない条件で、通勤時間が短い方がいい、さらには夜勤は難しいという、どうしても譲れない問題が中にはあるというふうに感じられます。  また、週休二日制度でありますが、八割の人が希望した。しかし、実際にはその半数にも満たない厳しい勤務状況になっておる。ほとんどの方が週休二日を希望はすれども、実際に週休二日にはなっていないという現状がある。  このように、病院側が求めているのは夜勤であり、宿直のできる看護婦という条件になるようでありますが、再就職する側の条件は、今申しましたように夜勤は難しいです、通勤についてはできるだけ短い時間で通勤をしたいということやらいろいろ含めまして、再就職する側と病院側の条件とは大きく異なっておるのではないか。今後の看護職員の質、さらには量の確保をするためには、求人側にとって求職者の希望に対応できる柔軟な雇用形態、労働時間管理が提供できるかどうかが看護婦確保の大きな決め手になるんではないか。一つの例になるかというふうに思うわけであります。これ以外にも今後の看護職員確保についてはいろいろと手を打っていかなければならないというふうに思うわけでありますけれども、厚生省としては今後の看護婦確保対策看護職員確保対策にどのように取り組まれるのか、御説明をお願いいたします。
  215. 古市圭治

    ○古市政府委員 ただいま御指摘のような理由で、 求人に対して求職数というのが少ない、またその 内容がうまく合わない、ミスマッチの状況がある ということがございます。そういうことで私ども は一つの悪循環に陥っている。いわゆる労働条件 が非常にきついということで、人数が求められて いる職業に対して来る人が少ない、そこからまた 労働条件が悪化する、悪化するからまた人がいな くなる、こういうことかと思います。離職理由を 見ましても、当然考えられます結婚、出産、育児と いうほかに、労働時間への不満、夜勤回数への不 満というのもかなり大きな比率を占めておりま す。  そういうことで、どの方法で解決するというこ とではございませんが、あらゆる力を注いでいき たい。その一つといたしまして、現在ナースバン クの機能を各地域で強化をしておりますが、来年 度予算ではこれをナースセンターに格上げしまし て、専属、フルタイムの職員も入れまして各種の 事業を行っていきたい。また、場合によりまして は移動相談所も設けて、各地でそういう活躍を広 げていきたい、このように思っております。
  216. 柳田稔

    柳田委員 ほかにもいろいろと厚生省の保健医 療・福祉マンパワー対策大綱ということで述べて いるようであります。どの分の具体的施策を見て も、すべて予算の裏づけがなければできない。ま た逆に、この施策をやっていくと今以上に看護婦 さん、看護職員が集まるであろうということでさ れるんだろうというふうに思います。この中身を 見ておりまして、ごもっともだなという点が多々 あります。きょうも大蔵省の方とこかにいらっ しゃるはずでありますので、今回のこの保健医 療・福祉マンパワー対策大綱、いろいろと予算措 置を書かれております。ぜひとも早急に手を打た なければ将来に大きな禍根を残すのではないかと いうふうに思いますので、厳しい税収になるよう ではありますけれども、ぜひとも努力をしていた だきたいと思います。  それで、大臣に御決意をお伺いしたいのですが、 このマンパワー対策、大臣としてはどのような決 意で取り組まれるか、お話しを願いたいと思いま す。
  217. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 ゴールドプラン、十カ年戦略、高 齢化社会のためにぜひとも達成しなければならな い計画でございますが、この計画を実施するため には、今委員御指摘のとおり、マンパワーを確保 しなければならないわけであります。  特に、その中で看護職あるいは介護職その他の 関連の人材を確保することは喫緊の要務でありま して、一例は、先ほどいろいろと御議論がありま した看護職の問題につきましては、過去の需給の 資料が実態にそぐわないということで、さきの通 常国会のときに皆様とお約束をいたしまして、現 在全国の都道府県に調査を依頼いたしておりまし て、実際の需給計画、しかもそれは今のゴールド プランの計画の最終年の平成十二年を目途に各年 次別の需給計画、予想、これを出してもらうよう にいたしております。  そういうことで、このマンパワーの問題は、看 護職、それからその他いわゆる福祉職のそれぞれ の確保ということで極めて大事なことでございま すので、これにつきましてはそれぞれの特別の法 改正を準備いたしまして、できれば次回の通常国 会に法案を出しまして御審議をいただき、それの 成果を上げて実際の活動に入りたい、このように 考えておる次第でございます。
  218. 柳田稔

    柳田委員 ぜひとも進めていただきたいと思い ます。  先日、人事院の勧告が出まして、その中で本年 の看護職員給与の九・二%引き上げというのがご ざいました。今後の看護婦確保を考えますと、 待遇改善というのも不可欠な問題でありますの で、今回の勧告もそれを念頭に置いたものだとい うふうに考えられます。  これは国公立の看護婦さんの場合に対しての勧 告でありますが、国内の看護婦全体のことを考え れば、この国公立の看護婦さんの給与が民間の給 与をリードしていくということを考えれば、この 引き上げも妥当だ、また、すべきだというふうに 考えるわけでありますけれども、逆に官民較差と いいますか、広がり過ぎますと民間病院の看護婦 さんがさらに不足するという危惧も若干考えられ るという気がいたします。国立病院、この辺の待 遇改善はすべきなんですけれども、今申しました ように、やはり給料のいいところに流れたがると いうのも人情でありますので、民間病院の看護婦 さんに対する給与水準もさらに上げていかなけれ ばならない。官民ともに給与水準を上げていかな ければならないというふうに思うわけでありま す。  それにしても、給与を上げるということにはそ の原資が要るわけであります。病院経営にも多分 診療報酬の面、この辺で考えながら看護婦さんの 原資を確保していかなければならないというふう に考えるわけでありますが、官民ともにあわせた 看護婦さんの給与ということについては、厚生省 はどのように考えていられますでしょうか。
  219. 黒木武弘

    ○黒木政府委員 看護職員の方々の待遇面につき まして、特に民間の病院に勤務されている方の待 遇、勤務条件につきましては、診療報酬が大いに かかっていることはもう御指摘のとおりでござい まして、私どもも今回の対策大綱にも、診療報酬 上配慮するという旨明記させていただいているわ けでございます。  従来から、人事院勧告が出ますと、その状況を 見ながら、賃金の伸びを見ながら、診療報酬を考 える場合の重要な要素として考慮してきていると ころでございます。もとより、人事院勧告等を勘 案しながら、念頭に置きながら、診療報酬でどの ように配慮するかということは、これから中医協 を舞台にして議論を展開するわけでございますけ れども、私ども現下の看護問題の重要性は十分認 識をいたしておりますので、中医協の議論を踏ま えながら適切に対処させていただきたいと思って おります。
  220. 柳田稔

    柳田委員 あと、この給与のことなんですけれ ども、看護婦さんの給与というのは年をとっても 余り伸びない。それに比べて民間の給料というの は、年をとれば大分いい傾向というか、傾斜で伸 びていくという面もあるわけであります。これは 何かとりたてた理由があって給与の伸びが横ばい なのか。民間に比べますと大分給与の伸びが横ば いで、初任給は高いようでありますけれども、三 十前後になりますと今度は民間の方が高くなって しまう。クロスするような感じになっておるので すけれども、これは何か理由があってそういうふ うな給与の伸びになっているのでしょうか。
  221. 古市圭治

    ○古市政府委員 国家公務員の場合でございます が、医療職の目標というので看護婦さんの給与の 改善が問題になりましたときに、確かに若いとこ ろでは改善されているけれども、途中以上のとこ ろで伸び率の頭打ちがあるということがございま した。これにつきましては、実際に看護婦さんた ちが途中で育児、結婚等でやめていかれるという ような実態、また、それから復職するということ もあったことかと思いますけれども、先般の改定 でもそのところに注目した改善というものが行わ れているということだと思います。
  222. 柳田稔

    柳田委員 この看護職員の問題、そのほかの施 設の職員の問題、いろいろと大変な問題が多いか と思いますが、私どもできるだけ協力いたします ので、厚生省としても全力を挙げて取り組んでい ただきたいと思います。  終わります。
  223. 石破茂

    石破委員長代理 菅直人君。
  224. 菅直人

    ○菅委員 同僚議員からも看護婦養成などについていろいろと議論が出ておりますけれども、私も短い時間ですが、特に看護婦さんの養成のあり方について若干の質疑をさせてもらいたいと思います。  ちょうど予定していましたら、二日ほど前に、お手元にお配りをしていると思いますが、朝日新聞の「論壇」に聖路加看護大学の大学生の「「看護大学設置」に要望する」という記事が出ておりまして、改めてなるほどなというふうに思っていたところです。  きょうは文部省にも来てもらっておりますが、文部省の担当にまず聞きたいのですけれども、文部省として看護大学の拡大というものについてどう考えているのか、その必要性についてどう考えているのか、まず聞きたいと思います。
  225. 喜多祥旁

    ○喜多説明員 お答えをいたします。  看護婦養成機関といたしましては、大学、短期大学、高等学校、専修学校、各種学校等がございまして、それぞれがその機能を十分に果たしていくことが非常に大事なことだというふうに思っております。ただ、文部省といたしましては、看護教育の充実と、現在大変不足いたしております看護教員の養成を図ることを重点に置いた拡充が重要であるというふうに考えておるところでございまして、今後看護教育の充実とともに看護教員の養成を図るという観点から、大学学部レベルでの対応を中心に検討していく必要があるというふうに考えておるところでございます。     〔石破委員長代理退席、野呂委員長代理者     席〕
  226. 菅直人

    ○菅委員 こういう問題については、厚生省との間で、例えばトータルで何年までに看護婦の新卒者をこのぐらいにしたいから、文部省はこのぐらい担当してもらいたいとか、厚生省の管轄でこうしたいとか、そういうすり合わせのような議論はやっているのですか。
  227. 喜多祥旁

    ○喜多説明員 看護婦の養成につきましては、文部大臣が指定いたしております大学、短大等において行います場合と、厚生大臣が指定されております養成所で行われる場合がございまして、厚生大臣指定の養成所の数あるいは入学宝貝、これは文部省を一といたしますと厚生省の方が三でございまして、厚生省が非常に多い状況にございます。このようなことから、量的なものは厚生省所管の養成施設に負うところが大きいのではないかというふうに考えているところでございまして、文部省といたしましては、先ほどお答えいたしましたように、看護教育の充実と看護教員の養成を図るという観点から、大学学部レベルでの対応を中心に検討をさせていただきたい、かように思っておるところでございます。
  228. 菅直人

    ○菅委員 大臣、ぜひよくお聞きいただきたいのですが、私も厚生省の、これからお聞きしますけれども、いろいろな方にお聞きしまして、どうも看護婦養成のシステムが文部省が管轄をしている大学、短大といわゆる専修学校形式の養成所というふうに分かれている。その中で、最近は高学歴志向という表現もありますけれども、いわゆる大学卒業資格を含めた希望もかなり強くなっているというようにいろいろなものに指摘をされているわけですが、そういった全体としての養成のあり方というものが、率直なところ厚生省、文部省の間で一緒になって考えるというふうに必ずしもまだ十分できてないんじゃないか。それぞれがいわば自分のところはこれだけやる、こっちはこれだけやるという形でばらばらというか、きちんとしたトータルの議論がなされてないんじゃないかという感じがしてならないわけです。  そこで厚生省にお伺いをしたいのですが、今八十万人とか、あるいは新卒者の数が毎年正看で約四万人とかというふうに聞いておりますが、どのくらいの量的、質的な拡大を必要というふうに考えているのか、その見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
  229. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 看護職の需給問題でございますが、これはもう先ほど来お答えいたしておりますように、需給見通しが非常に従来の資料では狂ってまいりました。したがいまして、この春終わりに各都道府県に、そのような実態を踏まえまして、新しい見地から各県の事情を今調べておるわけでございます。この需給計画は平成十二年までの十カ年戦略の中の一つとして位置づけまして、現在資料を整えるようにいたしておりまして、その中で看護職がどの程度需要があり、また、どの程度不足するかということを年次別に確認する予定にいたしております。  それから、この看護職の養成の問題についてのお尋ねもございます。このことにつきましては、御指摘のように、厚生省の養成所と文部省所管の四年制の大学、短大で教育する課程と両方ございますが、そのカリキュラム等の問題につきましては、絶えず両者の間で打ち合わせをしながら、連絡は密にして、それぞれの立場で教育を進めていくようにいたしておる次第でございます。
  230. 菅直人

    ○菅委員 率直に言いまして、確かに需給見通しがどんどん狂うというか、多くなるということはあり得るとは思うんですが、どうも対応が遅いというか、こういうものは一年一年大きく狂うというよりは、ある程度の傾向は読めるわけだと思うんです。かつて医療行政の中で、お医者さんの数がヨーロッパに比べて多いとか少ないというような議論があって、かなりの医学部が増設をされた時期があったわけです。そういうお医者さんの数をどの程度にしていくかなんということも、当然社会的な流れの中で見通しを立てて拡大計画を立てるわけですけれども、聞いておりますと、看護婦さんの場合も、先ほど文部省の答弁にもありましたように、そういう教育をする人、いわゆる看護教員の不足なんということもかなりネックになっているということで、それであれば余計になかなか一挙にふやすということは難しいわけで、そういった意味では、その体制の立ちおくれということを指摘せざるを得ないように思うわけであります。  そういった点で、今大臣の方から基本的な見通しをこれから立てるというのはありましたけれども、大臣自身どこに問題があると思われていますか。つまり、今のような制度の中での拡大でいいのか。例えば具体的な数字を言いますと、私が聞いた話では、大学は今九つだと聞いております。短大が六十二だというふうに聞いております。それに対していわゆる専修学校形式の養成機関というのは、いろいろな制度があるようですけれども、少なくとも五百校とか千校という単位で、大部分はそういう形になっているわけです。そういった形の延長上でいいのか、あるいは、管轄は文部省になりますけれども、文部省管轄の大学をもっと重点的にふやすべきというふうに考えているのか、そういう点について何らかの見解があればお伺いしたいと思います。
  231. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 先ほどもちょっと触れたのですけれども、養成問題は看護婦の不足を補う大きなかぎでございます。そのために、これは文部省にすべてをお任せするとか、あるいは厚生省で何でもやる、こういうことではございませんで、両方の制度を十分活用いたしまして最大限資質の高い看護婦の養成に努めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。  そこで、平成三年度の予算において、既に委員御承知のことと思いますけれども、施設費あるいは教育の充実のための諸費用、こういう経費等につきまして、前年度比それぞれ四〇%増ということで予算の相当な増高を図ったわけでございますし、続きまして、来年度の予算要求においても高いレベルの要求を合しているわけでございます。  また、不足の問題は、今委員、何ゆえにというお話がございましたが、全体的に言えば、長寿社会になってきたために、そのためのマンパワーの中の一つとして看護職の需要がふえてきていることも一つでございますが、また同時に、おやめになる方もある。それがおやめになる理由が、先ほど出ておりましたように、家庭を持たれるとかあるいは育児のためだとかいろいろな事由もございますので、そういった点のいわゆる制度を充実していく。そしてまた、勤務される方が勤務に対する御不満があるということなどに対しては、待遇の改善を逐次図っていくということでございます。  さらにまた、今潜在的な看護婦の方が約四十万人いらっしゃいます。この方々を従来はナースバンクの制度でそれぞれの方々に連絡をするような形をとっておりましたけれども、これを今年度からはひとつ改正いたしまして、看護センターに整えまして、そしていわゆる潜在的な看護職の方々の再就職のしやすいような条件を整え、また、医療の看護のいろいろな面における新しい変革に対して対応できるような講習会等を充実するなどいたしまして、今の問題の解決に当たってまいりたい、このように考えている次第でございます。
  232. 菅直人

    ○菅委員 大臣の方から、養成の問題から、さらに進んで現在職についていない看護婦資格を持った方の再就職の促進というような問題も話が出ました。  時間ですので、最後に要望だけ申し上げておきたいのです。そういう問題もいろいろな努力をされていることはわかるんですが、例えばついせんだって成立しました育児休業法などでも、特に看護婦さんの職場というのはまさに女性の職場であるわけで、一般的な育児休業法という制度だけではなくて、例えば看護職という職業についている入全体に対しての、いわばそういう職についている、あるいはそういう資格を持っている人全体をカバーするような、プラスした制度なども考えるとか、そういった何かもっと構造的なことを少し進めないと、ただ情報をよくするとかというだけではなかなか難しいんではないかというふうに私は思います。  そういった点を一つと、一番最初に申し上げましたように、どうもややもすると、役所の管轄が違うとそれぞれがばらばらの計画で、結局国民的に見れば、当然議論されるべきところが何となくその間に落ちてしまっているなんということも往々にしてありますので、どうか看護婦養成問題に関しては教育の内答のあり方、この「論壇」に書かれていることも、例えば「ただ「看護婦不足だから大学を作る」というのではなく、「看護婦養成には大学教育が必要」という点を、まず理解していただきたい。」というふうなことも書かれておりますし、そういったことも含めて、あり方を両省でよく検討していただけるように要請をして、時間ですので、質問を終わらせていただきます。      ————◇—————
  233. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 この際、粟屋敏信君外五名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合の六派共同提案による医療保健福祉マンパワー確保に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。粟屋敏信君。
  234. 粟屋敏信

    粟屋委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     医療保健福祉マンパワー確保に関する件(案)   二十一世紀の超高齢社会に向けて、国民に対する医療保健福祉サービスの担い手であるマンパワーの果たす役割はますます重要なものとなっており、その質・量両面にわたる一層の充実を図ることが強く望まれている。しかしながら、近年、産業全般を通じた人手不足が生じており、加えて、これまでの出生率の低下により、今後は若年労働力の確保は一層困難となることが見込まれる。   特に、看護職員については、育児、夜勤等の事情で退職する人が多く、高齢化や医療の高度化が進展する中で需要が増加し、各方面からその不足が指摘されている。また、社会福祉施設職員、介護福祉士、社会福祉士、ホームヘルパー等の不足も指摘されており、その確保を図ること、は、高齢者保健福祉推進十か年戦略ゴールドプラン)を実現する上でも不可欠である。   よって、政府においては、関係各省が連携を図りつつ、速やかに次の事項について、適切な立法措置及び予算・税制・融資等各般にわたる措置を強力に講ずべきである。  一 看護職員の給与その他の勤務条件を改善し、福利厚生面の充実を図るとともに、診療報酬の在り方についても検討を行うこと。また、看護教員の養成を含め、看護職員の計画的養成を図るとともに、潜在看護職員の再就業の促進を図り、併せて、広く国民が看護への理解を深めるよう一層努力すること。  二 社会福祉施設職員について、執務条件等の改善、養成力の強化、潜在マンパワーの就業の促進を図ること。  三 ホームヘルパーについて、勤務形態を踏まえた処遇の改善、研修の推進等を図ること。  四 家庭及び地域における介護機能の向上を図るため、ボランティア活動の推進等により国民の幅広い参加を求めるとともに、福祉機器・省力化機器の開発・普及を促進すること。  右決議する。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
  235. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  粟屋敏信君外五名提出の動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  236. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 起立総員。よって、本動議のごとく決しました。  この際、ただいまの決議につきまして、下条厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。下条厚生大臣。
  237. 下条進一郎

    ○下条国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。
  238. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 なお、本決議の議長に対する報告及び関係方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  239. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。      ————◇—————
  240. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 次に、請願の審査を行います。  本日公報に掲載いたしました請願日程二百五十二件を一括して議題といたします。  まず、審査の方法についてお諮りいたします。  各請願の趣旨につきましては、既に文書表等によって御承知のところでありますし、また、理事会等において慎重に御協議いただきましたので、その結果に基づき、直ちに採否の決定に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  241. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  これより採決いたします。  本日の請願日程中  公的骨髄バンク早期実現に関する請願一件  看護婦確保対策に関する請願一件  国立腎センター設立に関する請願一件  腎疾患総合対策早期確立に関する請願二件  脊髄神経治療研究開発促進に関する請願三件  骨髄バンク早期実現に関する請願一件  保育所制度充実に関する請願一件  網膜色素変性症に関する請願二十八件  重度心身障害者とその両親またはその介護者及   び寝たきり老人とその介護者家族が同居可   能な社会福祉施設設置に関する請願七件  小規模障害者作業所等の助成に関する請願一件以上の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  242. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  243. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  244. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 この際、御報告いたします。  本日まで本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしておりますとおり、保育所における保母配置基準の改善に関する陳情書外二十七件であります。      ————◇—————
  245. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。  まず、第百十八回国会、内閣提出、医療法の一部を改正する法律案について、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  246. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 起立多数。よって、そのように決しました。  次に  厚生関係基本施策に関する件  社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人   口問題に関する件以上の両件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  247. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。  まず、閉会中委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、期間、派遣地等その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  248. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  また、閉会中審査におきまして、参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  249. 野呂昭彦

    野呂委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後三時二十七分散会