○上野
委員 綾瀬川の
橋脚かけかえに伴う
事故、そして
松戸の
国分川放水路の問題、この
二つについてきょうは、今後
事故を起こさせないためにはどうするか、その観点から
質問をいたしますが、ぜひ積極的な答弁をいただきたいというように思います。
そこで、個人的なことで申しわけありませんが、この
工事は、私どもが県
会議員のときに
計画が練られ、そして具体的に今日まで進められてきた
工事でありまして、この
工事自体が
人命、財産を守るという立場から行われておるわけでありまして、その
工事で
人命を失うというまことに残念なことでありまして、しかも
完成を目前にして大
事故になっております。それだけに、
安全対策について万全を期さなければならぬはずでありまして、その点からまず考えますと、この
二つとも共通した問題点は何かというと、まず、発注者である、
松戸の場合には県が直接の発注者でありますけれども、その監督すべき者が現地にいなかった、このことが共通した問題であります。そして、現地にいないだけではなくて通報関係、先ほども話がありましたような法律に基づく避難その他のことができないような状態に置かれておった、このことがまず問題であろうと思います。特に、亡くなられた方が七名でありますけれども、現地の
調査をしてみますと、普通なら十六名ぐらいおって仕事をしているということであります。ただ、なぜ七名だけになったかといえば、それぞれ
工事をやっている人たちが自分の住宅、宿舎が
水害に遭っているので、その
対策に自分のうちに行った、こういうことで人数が減っております。そういうことを考えますと、これは大変な
事故になっているわけでありますので、これをどうしたら起こさないで済むのか、このことがまずあります。
それで、
調査中、いろいろ言っておりますけれども、私は、まずこの
調査ということ自体問題だと思うのは、
調査委員というのは全部
建設省と言ってもいいぐらいですね。
国土開発技術センター
理事、しかしこの人も
建設省の出身。あと土木研究所の人たちが三名。
委員長には確かに
千葉工大の先生がなっておりますけれども、全部
建設省関係と言っていい、こういう状態です。ですから、
調査しているのが
建設省だというと、もう何か信頼感が今度の場合は完全にない。その点を含めて、この
調査委員の
方々がいいかげんなことにならぬように、ひとつ
建設省はお願いしたい。あの証券スキャンダルのときの大蔵省みたいな立場にならぬように、まずひとつ前もって注文をつけておきたいというふうに思います。
そこで
質問の中身は、簡単に言えば幾つか
原因があります。まず
一つは水量。
水害の場合、
台風の場合に水がどれだけ出るかという設計の基礎になる問題について誤りがある。三年間の過去にぎかのぼってやったということでありますけれども、大きな
水害はもっと前に何度もあります。もう
松戸から
市川にかけて完全に水浸しになった状態のときもある。過去においてこういう幾つかの大きな
水害が
台風ごとにあります。そういう意味で、ここに水が押し寄せるなんということは当然考えられてしかるべきなのに、過去三年間の水だけで設計をやった。こういうことから、実はこの
流入防止工のところの施設が、今結果的にも言えると思いますけれども、極めて吹けば飛ぶような施設だ、こういう状態であります。ここにポンチ絵というか図解がありますけれども、
矢板をコンクリートの中に打ち込むのではなくて、
矢板をコンクリートとびょうでとめてあるのです。それから上の方もびょうでとめただけ。そのことは何を意味するかといえば、水がぐっと押し寄せてくるその水圧といいますか、そのことは計算に入っていない。設計水深が六・七
メーターだというのでしょう。入力口全部が七
メーターですから、六・七
メーター、そこまで静かに水がたまった場合に耐えられる設計になっているのです。片方、空洞ですから、空洞に押し寄せる水の流れ、これが計算に入ってないわけですから、これは壊れるのは当たり前でしょう。だからもともと、
安全対策とかという意味では、この
防止工というのはもう完全に施設は設計上の誤り、これは明確であります。その点がまず第一。
それから
工事上の問題としても、その前に、この
トンネルの中に
防止の設備があったのですね。何か難しい言葉で書いてありましたが、バルクベッドというのが取りつけられてある。これが崩れたり水が入ったりするので撤去したと言っています。しかし、簡単に言うと、これもそれを撤去しないで強化しておけばいいのです。ところが、撤去した理由は何かと言えば、水門
工事のためにずっと下流の方から下に入ってこっちへ来るとなると
工事がやりづらいから、今のうち入り口のところで
工事をしてしまえというので取ったというのです。そういう安上がりの
工事のために安全性がいいかげんにされたということが言えます。
そういうことで、結果論もありますけれども、しかし大筋、この
安全対策に関する限り、まず極めて不完全、不十分なものであった生言わざるを得ません。そして、人間よりも
工事の進捗なりあるいはなるべく安く上げようとするのが先に立って今度の
事故を招いたと言っても私は言い過ぎでない、こう思います。したがって、この点については
調査が終わってからどうこうと言っているのじゃなくて、もう私どもでもきのう現地を見て、あるいはその前後にいろいろな事情を聞き、あるいは現地の人たちの話を聞くだけで明確にわかるのです、今度の問題の
原因が。したがって、県の責任が私は一番だと思いますけれども、これは
建設省、こういう
工事の指導をやっていることについて責任を感じませんか。