○岡田(利)
委員 時間がありませんからここではそれ以上触れませんけれ
ども、それはプロセスがあるわけでしょうね。
秘密協定、ポツダム宣言、そしてサンフランシスコ
平和条約、そして
日ソ共同宣言、五六年というのはちょうど
日ソ共同宣言の締結の年ですから、そのプロセスを示しているわけですから、そのことを
指摘しておるわけです。
これは、私も国会で長い間何回も取り上げてやってきたことが、事実をもって私の主張が証明された。実は満足しておるわけですが、やはり現実は率直に認めて、その上に立って
我が国の
北方領土についてどういう
立場でこれを
解決していくか、ここがまたこれからの新しい
日ソ外交の展開の中で非常に重要なポイントになるだろうと思いますね、現実問題としてもう四十六年たったのですから、日韓併合の期間は三十六年間ですよ。不当占領とかなんとかいって、四十七年の時間に入ろうとしているのですね。半世紀過ぎるのですから。そういう意味では、現実的
解決のために
我が国外交はどう
対応するかということの
姿勢が迫られておる、私はそう認識をいたしておりますので、この点は申し上げておくだけにとどめておきたい、かように思います。
もう
一つ、今
ロシアで最も人気がある、最大実力者と言われる
エリツィンさん、彼は代議員時代に
日本を訪問して、いわゆる
北方領土の五段階
解決論を提起いたしたわけです。そして、その後、最高議会の議長になって、今のトップクラスのメンバーでは
北方領土を現実に視察をした唯一の
指導者なんですね、ただ一人の。昨年の八月二十二日に国後を訪れて、そして色丹には波が荒れて行きませんでしたけれ
ども、そして、彼はそこで
談話を出しておるわけです。来てみて、これは絶対に返すべきでないという
談話を彼はそこで出しておるわけであります。そしてまた、
ゴルバチョフ大統領が
日本に来て、帰ったときに、今回の
ゴルバチョフ・
日本側の確認事項は私の言う第一段階そのものである、問題があるということが確認された。こう彼も主張しているわけですね。
最近の
情勢を見ますと、二段階と三段階が一緒になっていくんじゃないかという気が私はします、この
政変後。いわゆる非軍事基地化するということと、いわゆる自由往来、フリーゾーンのような形にしていく、今はノービザの
交渉をやっていますけれ
ども。そういう二段階と三段階が並行のような形でこれから進むのではないかと思う。そういう意味では加速されていく
可能性はある、こう思いますね。しかし、四段階の
平和条約の締結と五段階のいわば後世の人々に
解決を託するというのは
一つのものになるかもしらぬ、前から彼はこう言っているのでありますから、そうしますと、そう楽観的に
北方領土の問題を
考えるのはいかがなものかという気がします。
私は、そういう意味で先ほ
ども、この
北方領土をめぐる
歴史について我々は非常に冷静に現実的に
対応する必要があるという
意見を述べているのでありまして、要は問題
解決のためにどういう
知恵を出すかということにかかるのだと思うのです。
この
エリツィン大統領の従来の見解、今度斉藤さんですか、会われたでしょう。
エリツィン大統領に審議官が会われたですね。新聞の報道もありますね。
ロシア人の表現というのはああいう表現をするのですよ、大体は。肯定的だとか加速化というのは非常によく使う言葉なんですね。だから余り、加速という言葉が出てきたから積極的なんて思ったら大間違いだと思うのです。国が大きいから、言葉よりも動作の方が、どうもずれがあるような感じがしますね、私は。
そういう意味で、とにかく
エリツィンさんの示した五段階の問題について、その後の
状況の中でどう我々は理解をし
対応していくのかというのは大事なポイントだと思うのですね。
ロシアスクールの優等生と言われる兵藤さん、いかがですか。