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国務大臣(谷洋一君)
お答えいたします。
委員よく御存じのとおりに、北海道は広大な面積を有し、豊かな資源を有するところでございます。しかしながら、我が国で最も開発の可能性を秘めた地域とは思いますけれども、一方、寒冷地帯という障害もあるわけでございます。
北海道開発庁は昭和二十五年につくられまして四十年を迎えたわけでございますが、その間、道民の皆さん方の強い御支援のもとに積極的な公共投資をやってまいりました。特に私は、過去十年を振り返ってみますと、石炭産業の衰微、漁業並びに水産加工業の二百海里をめぐる状態、あるいは国有林を中心とする林業の低迷、あるいはJRが半分ぐらい廃線になる等々の他の地域には見られない大変な障害がありましたけれども、道民の皆さん方の力強い御支援、そして団結によってそれを乗り越えてきたと思います。
しかしながら、昨年の国勢調査によりますと、道の二百十二の市町村のうち七割が過疎町村でございまして、その過疎町村の地域が十七万人減少する、そして札幌周辺が十三万五千人増、プラスマイナス三万五千人減、昨年の国勢調査で減ったわけでございます。道民の皆さん方に大変な衝撃を与えておるわけでございますが、私はこの観点に立ちまして新たな北海道の
考え方をまとめていかなきゃならぬと思っております。
そこで、いろいろと問題はありましょうけれども、第一に空港の整備でございます。新千歳の整備は、これは新千歳の民間空港としての整備を急ぐとともに、それ以外の十四ございます
地方空港の整備もそれぞれ急がなきゃならぬと思っております。私、就任以来空港の陳情が一番多いということを感ずるわけでございまして、その点で空港の整備に全力を挙げなきゃならぬと思っております。
また、港湾につきましても、室蘭あるいは函館等々に大型船舶が入れるようにしなきゃならないということで、これも急がなきゃならぬと思っております。
さらに、一番大きな課題としましては高速道路の関係でございます。我が国の各ブロックに比較いたしますと、高速道路が一番おくれているように思うわけでございまして、それは何といっても広大な面積で都市が点在しておるということを
考えてみますともっともなことだと思いますけれども、それを早期に、先ほど
委員御指摘の四百三十兆円の中でどんどんやっていくことを心がけなきゃならぬと思っております。
また、道民の大きな将来を
考えてみますと、千歳の放水路事業のような、これは一方では非常に災害にたたかれまして道民の苦労していらっしゃるところがある。しかしながら、また一方では放水路導入によって不安もある。自然保護の観点もある。そういう点では
北海道開発庁ももう長年にわたって研究に研究を重ねておるわけでございますので、そういう方面の理解を深めながら、道民の理解のもとに前進をしなきゃならぬと
考えております。
一方、ソビエトの関係でございますけれども、ソビエトにつきましては、近くて遠い存在というのがソビエトと日本の関係ではなかったかと思います。そういう点で、今後は我々は大いに近い存在としてのつき合いをさせていただくことは当然でございます。
最近、大学の病院にお入りいただいていろいろと治療をしていらっしゃる方もあるわけでございますが、私は
北海道開発庁の立場から申しますと、寒冷地帯としての地域開発の手法とか、あるいは寒冷地としての土木技術の手法であるとか、そういうものは
北海道開発庁が非常に技術の向上をしておりますので、そういう点での御協力ができればまことにありがたい。そういうことで、ソビエトとの交流を図っていくことが
北海道開発庁としての仕事ではなかろうかと
考えておりますので、今後大統領が訪日されることに大いに期待を寄せておるというのが、私の偽らざるところでございます。