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政府委員(
遠山敦子君) まず、複写の
関係でございますけれ
ども、複写権センターを設立して
関係者の共同の
窓口といいますか、
権利処理の機構をつくろうという動きは前々からあったわけでございます。この複写権センターに関しましては、まだ
利用実態の把握あるいは
権利の取りまとめなどに困難な面がありまして、設立をされていないところでございますが、
昭和六十三年十月に著作者
団体、それから出版者
団体、学協会の
関係者による設立発起人会が発足いたしまして以来、鋭意
検討が行われてきているところでございます。
本来ならば、最初から一本化した形でセンターができ上がるということが望ましかったわけでございますけれ
ども、複写の問題に関しますいろいろな
権利者の
団体の
考え方がございまして、昨年には学協会と出版者
団体におきまして、
関係する
権利の集中化をさらに進めるために、それぞれ学協会
著作権協議会と出版者
著作権協議会を発足させたところでございます。
ただ、こうしたばらばらな形で今後ともいくということにつきましては、国内の
権利処理につきましても十分な対応ができませんし、
利用者にとりましても煩瑣なことでございます。さらには
外国の出版者等あるいは
コピーをする
人たちにとっての
窓口としましても十分な対応ができないわけでございまして、そのようなことから、できるだけ早く一本化するということを
目標にしていただく必要があるわけでございます。
そのようなことから、ことしの四月一日には著作者
団体と出版者
団体が著作者・出版者複写権集中処理センターというものを発足いたしまして、所要の準備を行っているところでございます。この
関係者の間におきまして、ことしの夏を目途に
日本複写権センターを設立する方向での合意が既に形成されているところでありまして、目下精力的に
検討、協議が行われているところでございます。私
どもといたしましても、その方向に向けましてできるだけの
指導、助言をしてまいりたいというふうに
考えているところでございます。
さらに、
私的録音・
録画の問題につきましては、これは
御存じのように大変長い経緯がございます。るる御説明いたしますと時間をとりますので
結論だけ申し上げさせていただきますけれ
ども、
著作権審議会では、最近のものといたしましては
昭和六十二年の八月に第十小
委員会を設立して鋭意
検討を進めているところでございます。そこに置かれました小
委員会におきまして、
制度の
内容等につきまして今御
検討が進んでおります。
ただ、この
制度の導入に関しましては、
利用者の理解あるいはメーカーの理解が不可欠なところでございます。現在、メーカーといたしましては、
経済的不利益の
実態がわからない、あるいは国際的動向でもまだコンセンサスを得ていない等の理由から、報酬請求権の導入につきましては強い反対を示しているところでございます。
私
どもとしましては、しかしながらこの問題の解決に向けまして、できるだけの
関係者の理解が深まるよう
配慮しながら、一方で法
制度の必要な
議論は
審議を尽くしていくという姿勢で現在も対応しているところでございます。