○針生雄吉君 前段で
大臣の率直な御感想を聞くことができまして心強い次第でございます。
私も三十九年度に
医学博士という
称号、
学位をいただきましたけれ
ども、まさに某
大学院ではございませんけれ
ども、温情
医学博士でございまして、顧みましてじくじたるものがございます。こう
自分の
卒業した
分野、
自分の専門の
分野の悪口を言うのは、非常にこれは恩を忘れたやからの言うことでございますけれ
ども、
医学博士の審査、授与に関しましては、現在と言わずにある時期とこう申し上げれば差しさわりがないと思いますが、専門医としてのお墨つきを授けるという意味合いがありまして、さらに悪口を言いますと、臨床の教授の副収入、アルバイト、そういうことだというふうに悪口を言われた時代がございました。そういう傾向も、各
分野での専門医の
認定制度とかあるいは専門医
制度というものが定着するにつれて、いわゆる教授の
医学博士製造業の景気も下向きになってきておるのは、これは大変結構なことだと思います。
学位というものを考えた場合に、従来の
医学博士に見られたような、つまり私が授けられたような
医学博士に見られたような、その
分野の専門の勉強をしてきたということを証明する
認定証みたいな役割を持った
学位であるとか、あるいは
学士という
学位であれば、これは学歴の
認定証に相当すると思いますし、これから生涯
教育の場で一般市民の方々がいろいろなプロセスで
単位を取って積み上げてこられた成果は、まあ御褒美であるとか勲章的な意味合いもあると思います。あるいは、留学生から非常に
要望が強いといっても、一年か二年で日本留学のしるしとして
学位を授与し
ろと言われても
大学、研究所では大変困るんだそうでありますけれ
ども、しかしそういう諸外国からの御
要望も強いということを伺っておりますが、いわばそういう意味での
学位と、それから国際的にもハイレベルで科学技術発展への基礎として大いに期待されるような堂々たる論文。あるいは文学博士とか法学博士なんかの、ちゃんとその
課程を経て
単位は取ってあるけれ
ども論文がなかなか出せない、つまり四十や五十にならないと論文が書けない、一生の間に
一つか二つぐらいしか書けないというような
分野の論文もあると思いますね。
ですから、そういうふうな立て分けをして考えてみないと、
学位授与機構において今後どういうふうになっていくかということが、何となく
文部省の御説明によるとあいまいになっているんじゃないかなというふうに感ずるわけであります。
それはそれとしまして、
学問的に高い
水準にある論文成果、そういった程度の高い論文をつくれるような
大学院制度というものをぜひつくれるように、学部
大学院にしても連合
大学院にしても
大学院大学のコースにしても、一層の施策上の御
努力を
お願いしたいと思います。
次に、別のことをお伺いしたいと思いますが、この機会に
学問の自由ということについて考えてみたいと思います。
憲法第二十三条には、「
学問の自由は、これを保障する。」とこうありますが、今回テーマとなっております
学位の存在理由あるいは存在価値の
一つとして、
学問の発展、
学問の前進といいますか、あるいは世界的なレベルにレベルアップするというような意味、そういう関連もあると思いますけれ
ども、憲法に明記されていて日本国
政府が日本国民に保障しなければならないとされている
学問の自由とは何か。これは非常に大きなテーマでございまして、それこそ憲法学博士か何かの博士論文のテーマになりそうでありますので一口では言えないと思いますけれ
ども、
大臣のお考えの一端をお示しいただきたい。