○会田長栄君 私が今の例を挙げたのは、いわゆる教職員定数改善
計画というのはやっぱり中長期的に見ても休むことなく次々と水準を上げるために
計画を作成していかなければいけないんだということを言いたくて例を出したんですよ。実際に困っているんです。困ったときには臨時免許状を出してやれ、こういうことなんでしょう。それは格差がますます広がるだけであります。だから、単年度でそのような変更をしようとすれば必ず現場に無理が出る。したがって、教職員定数改善
計画のようなものはもう中長期的に目安をつくってやっていかないと、いわゆる教員の採用問題と絡んで非常に難しい現実が出てきます。したがって、どうしても私心配しているから、
平成四年度お休みになってしまうんでないかなと。お休みにはしていきませんよと。どうぞその点は、新たな決意で
平成四年度から改善
計画を新しく策定して出発してほしいという願いがあるからこういう申し上げをしているんです。どうぞよろしくお願いしますよ。
それで、その次に文部
大臣にお伺いしたいのは、この点は私も賛成なんです、この抱負は。昔一緒に遊んでくれた
先生は忘れない。それは忙しい教員もいるけれ
ども、気の持ちようだというところがちょっと違う。ちょっと違うんですよ。前半は賛成なんです。ところが、
大臣も御承知のとおり、こういう雰囲気が学校にあったころというのは昭和三十一年までなんですね。三十三年以降というのは、そういう雰囲気が徐々に減ってきたんです。それで、文部
大臣が、そんな理屈ばかり並べてないで気持ちさえ変えれば結構差し支えないんだぞと、子供は忘れないで遊ぶよと、こう言っている。この前半の言葉というのは、私はもう
先生である限りどなたもノーと言わないです。みんな賛成ですよ。そうだと、こうなります。しかし、後段の気の持ちようだけでは、ちょっとここへ来ると幾つかの
方法が出てまいります。気の持ちようで何とか遊べるというのもいるだろうし、それは無理したら自分はどうにもならぬというのも出てくるだろうし、一々そんな子供と遊んでいることなんかないんだというのもいるだろうし、いろいろ出てくるだろうと思う。
そこで私は、文部
大臣がこんな新鮮な発想、抱負を持っているわけでありますから、昭和三十年代の後半から今日まで続けているところの学校現場の
実態の
状況というものをもう少し
関係各局の皆さんが率直に
大臣に申し上げてほしい。私は前回、昨年も
大臣に申し上げました。
一つは、今の学校の研修体制というのは並み大抵な日程ではございませんよ。教員の資質向上、これも反対する人はいないんであります。だけれ
ども、資質向上として
文部省がここ二十年やってきたことについて、もうちょっと
考え直してみませんかということにならぬと、この言葉にはつながらないんです。
一例を言います。
文部省は
研究指定校というのをつくります。
文部省が各県に
一つ研究指定校をつくる。大体各県教委当て
一つずつつくる。多いところで二つある。この
一つか二つだと思っているんですね。ところが、この方式を実は各都道府県
教育委員会はいいことだというんで、よしこの方式をとろうといって、今度は
一つが十五になるんです。十五になるんですよ。これは十五のところもあるし、十のところもあるし、二十のところもある。ところが、この二十を今度はいいことにして、市町村
教育委員会がまたふやすんですよ。
これだけじゃとどまらないんです。小中学校の、高校も含めてですが、昔は自主的な
教育研究団体というのがあったんです。ところが、小学校
教育研究会、中学校
教育研究会、高校
教育研究会に整理統合して各自主的な
研究団体はやった方がいいといって、
文部省が
指導して出発したんですね。出発した当初は、初中
局長いわく、この団体は自主的、創造的で、結成するも解散するも、あるいは中身をどのようなものを
研究しようとも、
先生方の御自由でございますと。そして結成したんです。
今、どうなっていますか。もうこの
研究会も、
研究指定校をつくってすべての実践
研究をやってもらって発表していただきましょうというところまで発展してきている。綱の目のようにこの
研究指定校があるんですよ。そして、
研究報告まである。これは一例ですよ、これは
研究指定校というシステムの中でどう現場がなっているかという一例です。
長くなるからこの辺で
質問申し上げますが、こういう
指導というものについて一度皮をむいて、文部
大臣がおっしゃっているように、
先生方が子供と一緒になって遊んで、一生忘れられないようなお互いの
関係をともに育つ
関係にしていきましょうという
状況のゆとりある学校、潤いのある学校、お互いに切磋琢磨する環境のある学校に育てていくために、私は、振り返ってみる必要があるのではないですかということなんです。そうでないとゆとりも潤いもないですよ。だから、
文部省の言う一言というのはそのように波及するということなんです。恐らく今度は、文部
大臣が抱負を語って発しましたから、これがだんだん職場に行ってもっと活発になるでございましょう。そういう意味で、これはどうか一度、一昨年
文部省が今日の子供や学校現場におけるもろもろの困難な
状況、課題というものを
教育白書で発表しましたから、それをもう一歩深みにはまってひとつ分析してみて発想の転換をしてもらいたい。そういう気持ちがありますかということをお聞きしたい。