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上野雄文君 私の持ち時間もあと四分ぐらいになってしまったんですが、最後に山火事の対策ですね、さっきもちょっと申し上げましたが、十日に日立の山火事の現場を見せていただきました。塚本部長やそれから東京
営林局長な
ども同行してくださいまして、つぶさに見せていただきました。私はカメラマンじゃないんですが、最近はカメラがよく写してくれるものですから、
それなりに被害の
状況というのは出ていると思います。(写真を示す)
私が一番気になったのは、
国有林から出火してそれで農山地帯にある家が焼けたというのは今まで何度か耳にしましたが、それならいいという意味じゃないですが、今度は勤労者の住宅団地がやられたわけですね。そうすると、今までにないことであっただけにびっくりしたのと、それほど住宅地のないところでは山際にまで押しかけていっている。今度の再建、再建という言葉を使ってはいけないかもしれませんが、新しい
計画でいくと財産売り払いやら何やらいろんなことを総合的にやらなきゃいけない。当然デベロッパーのねらいは、
国有林の土地ねらいなんていうのも、都市とくっついているところなんかはねらわれてくるんではないか。
そうすると、せっかくそういうものが行われても、災害に対する問題についてきちっとしたものが出されていないと、こういうことが今後も起こる可能性が非常に強いというふうに思うんで、それを見てきました。
現地では、四十年代につくった団地ですから道路は狭いし、びっちりしておりましたし、それから当然
考えられるべき防火のための貯水の準備が不十分であったとか、七軒燃えた団地は、停電になったら全然水が上がらないという
仕組みのまま放置されていたんですね。片方の青葉台という団地は、停電になればディーゼルが作動してそれでもってポンプアップできるという
仕組みになっているんですね。開発の
規制は建設省の方でいろいろやるんでしょうが、
林野の側として山際までやはり押し寄せてきたものについては
それなりの
対応策がないと、これからもこういう問題は起こるのではないかなということを感じました。
一つはその点です。
それから、今度の場合に、発見をしたのは営林署の方が遠くから発見されたんですね。ところが、その署員の方は相当の距離を駆けおりて、民家まで行って電話をかけて通報をしたというんで、これはふだんからそうなんでしょうが、もう二十一世紀がそこまで来ているというのに、山の現場に入っている
人たちの通信手段というのがやはり今までと
一つも変わらないような
仕組みでやっているのかなということを
考えますと、何かもうちょっと機械化して、無線ででもやれるようにというのはだれだって
考えることなんじゃないかなと思うんですね。
そういう装備の問題なんかもいろいろ
お話を伺っていて感じましたし、それから火事になってからの消火活動、これは
林野の専門じゃなくて、挙げて消防の方の仕事にお任せするしかないんだというにしても、日立の場合は、自衛隊と東京消防庁のヘリに最後のころはお願いをしたということをやらざるを得なかったということですが、その取り組みもさることながら、茨城県警のヘリコプターは来ても警察の無線だけですから、警察を通じてしか情報が入らないというようなこともあったようですね。我々県会議員
時代にこのヘリコプターを入れるのに、消防で入れようか、警察で入れようかと言ったら、通信手段は警察のを入れた方が警察電話を使えるから警察の方がいい、こういう結論で警察に賛成せざるを得ないようなことになったわけですね。ところが、実際にはやはり警察の通信網しか使えないというようなことなんかの問題点もあったなんという話ですね。
被災者は私らにこう言うんです。NHKのヘリコプターが来てホバーして
状況を見ている、あれはいろんな取材や何か、こっちの方で燃えた、あっちの方で燃えたということを見ているんだろうけれ
ども、市の方に対して何もない、それから
住民の方も、停電もしているし、だから情報がさっぱり入ってこない、そういうことに関してどうなんだろうと。
日本は国際的にも危機管理体制がなっていないという話ですが、
国内の問題についてもそういうことに対しての危機管理体制というのは一体どうなっているんだろうかという疑問を率直にぶつけられまして、私
ども返事に困ったわけです。
それから営林署の
人たちが駆けてきて発見ということでありますが、ふだんから、さっきも話があったように労働力確保の問題なんかで、けがした人の扱いなんかは一体どういう通報でやっているのか、これも自然の中にあるのかなと、こう思ったりしちゃうんですが、そういったものについて今度のこの火災の経験からどんなことをお
考えかお聞かせをいただければと思います。