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政府委員(宮本春樹君) お答え申し上げます。
先生の御
質問、三点あろうかと思うわけであります。第一点は国際ネットワークの御議論、それから二点は国際航空路線の設定に係る事業規制の問題、三点は沖縄の国際空港の整備について、そのように思いますが、順を追ってお答え申し上げます。
まず最初に、いわゆる全国バランスのとれた経済社会発展の原動力となるために、
地方からも国際路線が離発着できるように国際化された航空ネットワークを広めるべきであるという
先生の御意見には、全くそのとおりだと思っているわけであります。
我が国の国際航空需要は現在そのほとんどが
東京、
大阪地区の国際空港に集中しております。この需要に対処するために新
東京国際空港及び関西国際空港の緊急の整備を行っておりますけれども、他方、
地方拠点空港を初めとする
地方空港の国際化につきましては、各ブロックの発生・集中需要を
中心とした近中距離の国際航空需要への
対応を基本にいたしまして、地域の利便性の向上のために各ブロックの特性に応じたネットワーク形成を図ることが国土の均衡ある発展の観点からも非常に重要である、そのように
考えております。御承知のとおり、私どもは第六次空港整備五カ年
計画の
策定作業中でありまして、この作業の中でこのような観点も含めて検討してまいりたい、そのように思うわけでございます。
それから、第二点目の国際航空路線の設定に係る事業規制、デレギュレートすべきではないか、緩和すべきではないかという御意見につきましては、
運輸省におきましては
昭和六十一年六月に運輸
政策審議会の答申がございまして、これを踏まえまして国際線の複数社化、あるいは国内線のダブル化、トリプル化等の競争促進施策を講じていることは
先生御承知のとおりでございます。
現在、国際路線の設定につきましては諸
外国との
航空交渉で合意された範囲で行うことになっているわけでございますけれども、成田空港及び
大阪空港の路線につきましては、両空港とも発着枠に厳しい制約がある、そういう
状況でもございまして、航空
会社や
利用者の要望にこたえることが困難になっております。これに対しまして、
東京及び
大阪以外の路線につきましては、それに
対応する需要があり、空港制約や騒音問題等の問題がなければ航空
会社からの申請に応じて弾力的に認めてまいりたい、そのように
考えております。
運輸省としては、今後とも極力弾力的な行政運営によって競争を促進し、
利用者利便の向上を図ってまいりたい、そのように
考えております。
それから、第三点目の沖縄において国際化の進展に合わせて国際空港をできるだけ早く整備する必要があるのじゃないか、そういう
問題点につきましては、沖縄におきましても国土の均衡ある発展及び
地方の国際化の進展を図る見地から国際航空の充実を図っていく必要があるものと認識しております。従来から、その
中心となっております那覇空港について、大型機が発着可能な三千メートル滑走路の整備でございますとか、あるいはCIQの整備でございますとか、そういうことを積極的に図ってきたところでございまして、御承知のとおり、現在那覇空港には香港を初めとして四つの国際航空路線が設けられ、
平成元年の実績ですと国際旅客は約三十四万人に達している、そういう
状況でございます。
今後も国際化の一層の進展に
対応するために、国際航空需要の増大に応じてその基盤となる空港整備を図ってまいりたい、そのように
考えております。