○谷畑孝君 そこで、公共
住宅主導でひとつやっていただきたいというのが私の意見であります。それにはやはり
賃貸住宅というのが特にこれから大きなウエートを占めるようになっていくのではないか、こう思うんです。
次に、私は大阪選挙区をずっと回っておりまして、僕
たちが行くのは大体人がたくさん住んでおられるところということで、千里ニュータウンだとかそういう団地などは私の職場みたいなもので、いつもそこへマイクを持ってしゃべりに行くというようなことでございまして、その中で私いつも町を歩いたり見ておるんですけれども、私はつくづく感じるんです。やはり公共
住宅に永住できる、自分が死ぬまでそこで暮らせるという、そういう
住宅づくり、町づくりが私は大事だと思うんですね。どうしてもマイホームが欲しい、そのためのいわば腰かけであると、今まではそういう意識が強かったと思うんですね。
そこで、私は
二つの例をちょっと参考に申しますと、私が経験したことですけれども、ある雇用促進
住宅に住んでおられる皆さんからあるとき私にお話がありまして、いわゆる九州の炭鉱がつぶれて大阪にやってきた、そしてもう年は六十を超えてきた、息子は皆出てしまったと。そうすると、雇用促進
住宅からいえばこれは法律に合わないものだから、労働省からもうあなた立ち退いてくださいよと、こうしていつも手紙が入ると。そうしたら、割と昔かたぎの人なものですから、ええかげんな人だったら、そんなものほっとけてなもんでいるかもわかりませんけれども、律儀な人なもんだから、もうこれが毎日気になってしようがないんですよ。いつ自分が追い出されるかわからぬ。それで僕らも心配しましてそこへ寄ってひとつ皆さんと一緒にお話ししましょうということで、そうしたらたくさんの人が集まっていただきました。十五名、二十名ぐらい集まっていただきまして、僕がずっとお話をして、心配ないですよ、私ども一生懸命努力しますからということで一時間ほどお話ししたんですが、もうその老夫婦は本当に涙を流していただいて、僕もいろいろな人とお会いしましたけれども、本当に考えさせられたんです。
そこで、確かに法としては、雇用促進
住宅ですから雇用を促進するための
住宅であってそういうことになるんだけれども、しかしその人に出ていけということはこれは死ねということです。炭鉱を離職して九州から出てきて、そこで
人間関係ができて、もう六十を超えてきて出ていけといったってどこへ、知らない町へ行ったってこれはやっぱり僕は問題があると思う。だから、ぜひこれはもう
地方自治
団体に移管をするとか、あるいはそういう
人たちがそこで暮らせるように何らかの形で温かい光を当ててやるということですね。
最近、統一
地方選挙で皆どういうスローガンをやっているのかということでポスターを見ておりますと、地球に優しい町づくりとか、あるいは優しさ一番この町でとか、こういうのが与野党を超えてのことしの統一
地方選挙のスローガンなんですよ。そうしたら優しい町づくりというのは何かというたら、私はそういう賃貸
公営住宅でも基本的には一生涯そこで暮らせる、これが
一つ大事だと思う。
二つ目の私の経験は、最近はもう昔つくった大きなところは、千里ニュータウンでもそうですけれども、高齢化なんです。ほとんど子供がいない。老夫婦だけがちょこんと住んでおる。昔つくったものですから部屋は狭い。そうして窓にはいつも黄色い旗が立っている。昔映画でそういうのがありましたけれども、少しそれとは違うんですけれども、その黄色い旗は、いつも元気であれば黄色い旗を出す。そうしたら、皆望遠鏡を見ながら、あそこの家は大丈夫だなと、こういうことになる。そういう町づくりでいいのかどうか。
そこで、私が感じることは、これから公共
住宅を
中心にし
賃貸住宅を
中心にしていこうとすれば、やはり質のよい
住宅を提供すべきじゃないか。今までのような福祉
政策的なことでは、多少収入が上がってきたらそこを出ていかなきゃならぬ。例えば私どもの仲間のある衛星
都市の議員さんも、そこの団地で暮らしておってたまたま議員に通ったら、あんた収入高くなったから出ていけと。出ていけと言われたって、ここに選挙基盤があるのに外へ行ったらまた何言われるかわからぬ、こうなるんですね。そういう意味では、これからの
住宅の
運用の問題にしてもやっぱり変えるべきだ。
だから、例えば公平だということで常にがらんがらんで抽せんするだけでも私はだめじゃないかと思う。やっぱりそこの家族については、一人でも、収入が上がっても住めるように、空き家があったら優先的に二
世帯、
世帯といいましょうか、
一つの
住宅では二
世帯住めないかもわからないけれども、しかしそこの団地で歩いていけるようなところで住む、そういうふうな温かさも私は要るんじゃないか。そうすれば、一生涯この団地で暮らそうかいなということになって、自分
たちの団地をもっといわば
駐車場をどうするんだとか、公園をどうするんだとか、あるいは子供
たちの保育所をどうするんだとか、そういう常に子供がおる団地にすべきじゃないか。そういう意味では、ぜひひとつ
住宅政策としてもっと賃貸を重視して、そして福祉というものだけじゃなくて、多少高収入の人でもそういう団地が好きやということにもこれなろうかと思いますが、そういう人には質のいいものもいろいろ含めて私は抜本的なものが必要じゃないか。
いろいろ
質問をつくってあったんですけれども、時間がないのでございまして、十二分まででありますから、ぜひひとつその点答えていただきたいと思います。