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1991-03-12 第120回国会 参議院 逓信委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年三月十二日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月八日     辞任         補欠選任      西田 吉宏君     中曽根弘文君      野村 五男君     井上  裕君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         一井 淳治君     理 事                 陣内 孝雄君                 永田 良雄君                 大森  昭君                 星川 保松君     委 員                 長田 裕二君                 中曽根弘文君                 平野  清君                 松浦 孝治君                 守住 有信君                 及川 一夫君                 國弘 正雄君                 三重野栄子君                 山田 健一君                 鶴岡  洋君                 山中 郁子君                 足立 良平君    国務大臣        郵 政 大 臣  関谷 勝嗣君    政府委員        郵政大臣官房長  木下 昌浩君        郵政省郵務局長  小野沢知之君        郵政省郵務局次        長        上野 寿隆君        郵政省通信政策        局長       白井  太君        郵政省電気通信        局長       森本 哲夫君    事務局側        常任委員会専門        員        大野 敏行君    説明員        通商産業省機械        情報産業局情報        処理振興課長   中村  薫君        労働大臣官房審        議官       松原 亘子君    参考人        日本電信電話株        式会社代表取締        役・副社長    神林 留雄君        日本電信電話株        式会社理事・高        度通信サービス        事業本部画像・        電信事業部電報        部長       風木  修君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○電気通信基盤充実臨時措置法案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 一井淳治

    委員長一井淳治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る八日、野村五男君及び西田吉宏君が委員を辞任され、その補欠として井上裕君及び中曽根弘文君が選任されました。     ─────────────
  3. 一井淳治

    委員長一井淳治君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  電気通信基盤充実臨時措置法案の審査のため、本日の委員会日本電信電話株式会社代表取締役・副社長神林留雄君及び日本電信電話株式会社理事高度通信サービス事業本部画像電信事業部電報部長風木修君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 一井淳治

    委員長一井淳治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 一井淳治

    委員長一井淳治君) 次に、電気通信基盤充実臨時措置法案議題といたします。  本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 山田健一

    山田健一君 おはようございます。早速今議題となっております電気通信基盤充実臨時措置法案、これについて御質問申し上げたいと思います。  この法案は、またまたと言うべきか、通信放送衛星機構を通じて、一つには新しい世代通信網といいますか、そういうものを構築していく高度通信施設をやろうとする事業者に対して債務保証をする。もう一点は、高度情報化時代を担っていく人材を育成していく、そういう観点から人材研修センター、これをやる事業に対して出資をしていく、一言で言えばそういうことになろうかというふうに思うわけであります。  これからこういった二十一世紀に向けて基幹となるべき通信網整備をしていくというのは確かに非常に意義のあることだというふうに思っておりますし、大事なことだというふうに思います。これから二十一世紀初頭にこういったいわゆる新世代通信網全国的に張りめぐらしていくということについては、約二十兆円ばかりの投資が要るんではないかというようなことも言われております。それだけに、計画的にやはり整備をしていく必要があろうかというふうに思うわけであります。  特に私は、ある意味では重要な社会的なインフラ整備といいますか、社会資本としての位置づけといいますか、同じように道路だとか港湾だとか下水道だとかいろいろ整備をされてまいりますけれども、やはり高度情報化時代を担っていく一つ基幹的なこういった通信網整備していく、重要な社会的な一つインフラ整備だという位置づけをしてこれから進めていかなければいけないんではないかなというふうに考えているわけであります。  今回、急にこういう形でこの法案が出されてまいりましたけれども、やはりそういった意味では非常に大きな意義があることであるし、そういった全体的な流れの中で、大きな社会資本としての電気通信のいわゆる施設整備をやっていく、こういう観点視点というものが今求められているんではないかな、こういうふうに思うわけでありますが、まずその見解、所見についてお尋ねをいたしたいと思います。
  7. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) 山田先生指摘のように、この電気通信網道路であるとか鉄道などほかの社会資本と同様に、豊かな国民生活を実現していく上で絶対に必要不可欠なインフラであると私も認識をいたしております。先般の公共投資基本計画におきましてもこうした通信網社会資本としての重要性に着目いたしまして、高度情報化社会に向けた情報通信基盤整備必要性というものが指摘をされているところでございます。道路とか鉄道電気等分野では既に一般会計の補助であるとか減税措置等各種支援措置によりましてその整備が図られてきているのも事実でございます。  しかし、調べてみますと、この電気通信事業に対しましては特段の支援措置がないものでございまして、そういう意味先生指摘のように、これからのインフラ一大分野としていろいろな支援がなければこれは発展していくことがなかなか難しいと思うわけでございます。そういうような意味におきまして今回の高度通信施設法案を提出させていただき、国民生活に必要不可欠な社会資本をつくり上げていくという意味での内容の法律であるわけでございます。  今日までこういう高度通信施設に対します税制上のいささかの減税措置テレコム税制ということで実際にあったことは事実でございますが、これはごくわずかなものでございますから、先生が御指摘のように一大社会資本としての対策では私はなかったと思うわけでございまして、今後そういった意味でこの社会資本整備の大きな柱であるという認識でもって対策を講じていきたいと思います。
  8. 山田健一

    山田健一君 基本的な考えは全く一緒だという前提で以下質問をさせていただきたいと思います。  確かに社会的な一つの重要な資本整備をしていくという立場からいえば、こういう必要な重大な政策施策の一環ということになりますが、やはり今いろいろ言われておりますけれども、こういった電気通信にかかわる高度通信施設整備によって同時にやはり地域間の、あるいは中央と地方のそういった情報格差是正していくものでなければならぬというふうに私は思うわけであります。いろいろ資料等を見せていただきましたけれども、依然としてやはり情報格差ということが指摘をされております。やはり何といっても大都市圏中心に依然として情報集中をしておる、この傾向が続いているわけであります。  つい先般もありましたように、来年度の予算で公共事業として初めて電気通信格差是正事業というものが十億三百万ですか、ことしはやっと取り入れられた。それなりに大変大きな意義があることでありますけれども、やはりこういった地方大都市圏、これの格差是正というものを目指していかなければならぬだろうというふうに思っておりますし、今回出されたいわゆる電気通信基盤充実法、これは一体どういうふうにその観点からいえば格差易正につながっていくんだろうか、こういうふうに思っているわけでありますが、これについてはどのようにお考えでございますか。
  9. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) 先生指摘地域間格差是正の問題でございますが、まず現在の状態を見てみますと、こういう高度通信技術を十分にマスターした人材地方に満足な状態では確保されていないという現実もあるわけでございまして、ぜひ地方においてもそれだけのすばらしい知識、技術を持った方を育てていきたい。そしてまた、地方において中小企業に勤務をされている方々がいささかの時間でも割いて、そこでいろいろ勉強をしていただく、そういうことがまた地方地域間格差是正する大きな一翼を担うことになるのであろうというふうに私は考えておるわけでございまして、いわゆる人材全国に行き渡らせるということが大きな柱になっておるわけでございます。  それと、ハードの面からいきますと、電気通信事業のいろいろな施設というものはどうしても大変膨大な費用が要るものでございますから、そのまずイニシアチブを私たちがとって、後はまた民間の方々の協力を得てこれを進めていく。そうしなければ、最初からすぐ利益につながらないようないろいろな施設というのは企業としてはなかなか取りつきにくいものでございますから、そのまず取っかかりを私たちが進めていこうではないかという考え方、それによって地域間の格差是正していきたいというような、大きな二つの柱をつくろうということでこの法案を提出させていただいております。
  10. 山田健一

    山田健一君 確かに今大臣おっしゃいましたように、一つ人材の面といいますか、ソフト面全国的にそういう不足をしておる状況の中でそういった研修を通じて養成をしていこう、これはそれなりに理解できるわけであります。  問題はハード面といいますか、施設整備の面で立ち上がりを支援をすることによって地域間格差是正していく、この辺がどうも我々の感覚とすれば、やはりこういった施設整備というのはどうしても需要がある大きなところ、大都市圏中心にやっていく、あるいはまた地域的にはそうであります。ユーザーの方でいいますとやっぱりまず専用線企業専用線からいって公衆網へ広げていく、こういうことが今までの一つのパターンでありまして、全国的に張りめぐらされていく。でき上がれば同じような条件だろうと思います。その過程でやはりどうしても経済原理が働いてまいりますから、採算性があるあるいは需要がある、こういったところで整備が進められていく、こういう傾向というのは現実にあると思うんです。  私のところ、お恥ずかしい話ですが山口県でも、ついこの前もいろいろ話をしておりましたら、自動車電話がなかなか使えないという地域がまだ随分ございまして、電話つけてもこれはあんまり役に立たぬぞというような話もあったりいたしまして、普及をしていく過程で、先ほど言いましたように、この電気通信分野で言えばどうしても大きな都市圏中心にやっていく、こういうことになるわけだろうと思うんです。  そういった意味からいえば、どういうふうにその過程でいわゆる地域間格差是正が図られていくのかなということがやはり一つの大きな疑問としてあるわけであります。この点についてはいかがでございましょうか。
  11. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) この法案構築いたそうとしている高度のネットワークというのは、ただいま先生お話しのとおり従前アナログ電話とは比較にならないほど大量の情報を、しかもインテリジェント機能を持ったネットワークとしていろんな高度のサービスを提供しよう、こういうものでございますだけに、当然のことながらやはり一番最初にこうしたニーズ現実のものになってくるというのは、大都会あるいは大企業が先発するということは否めないことだろうと思います。  事業体にとりましても、やはり一つのビジネスであります限りは採算性ということを考えなきゃこれはどうしようもないわけでございますから、したがいましてこの発端はどうしてもこうした大都市に偏らざるを得ない。しかし、まず大都市でスタートしてそれがだんだん地方に及んでいく。ただいまお話しのような自動車電話現実にそういう姿をたどっておりまして、御指摘山口あたりにしても年々加入数は累増の一途をたどっているような状態になっているわけでございます。  私どもとしては、大都市にとどまって足踏みをしている状態ではこれは大変まずいんじゃないかと。そういう意味で、今回の法律でもってその地方への波及期間というものをできるだけ短くして、地方にもこうしたシステムを十分活用してもらうようなそういうインセンティブをこの法案は予定をしてスタートしたいと、こういうことでございます。  具体的には、例えばこうした方針という、全国普及のためにこの法律にも国が定める指針というのもございますが、こうした点でも全国普及をできるだけ素早くやってもらいたいというようなことを念願したいと、こう思っておるわけでございます。そうした意味合いで、御指摘のような方向に確かになることは否めないけれども、その弊害をできるだけ取り除いていって全国に均てんをさせたい、こういう趣旨でございますから、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
  12. 山田健一

    山田健一君 大体わかったような気もいたしますけれども、こういった高度通信施設整備といいますか、そういう非常に大事な基幹通信網整備していくという大きな仕事を抱えておるわけでありますから、地域間格差是正ということを一つの大きな柱にして極力このタイムラグが余りないような施策をぜひ展開していただきたい、こういうふうに思っております。  同時に、やっぱり私たちもこういった高度情報化時代あるいは高度な通信施設を持って新世代通信網を形成していく、こういうことが一体どう我々の生活にかかわってくるのかなということを常に考えているわけであります。  私たち社会党基本政策委員会として情報通信産業政策委員会という委員会を持っておりまして、実は去年の秋以降二回ばかり地方シンポジウムを開催いたしました。こういった高度情報化時代が我々の生活にどういう影響を与えるのか、暮らしやそしてまた仕事はどうなっていくのか、あるいはまた地域から情報を発進するというようなことも言われておるけれども、それは具体的にはどうなのか、こんなことをいろんな角度からシンポジウムをやって勉強しておるところでございます。  やはり押しなべて地域にとっての情報化というのが、各省庁は今、それはもちろん郵政を筆頭に通産でもそうでありますし、農林水産省に至るまでそれぞれ縦割りでいろんな情報化対応がなされておる、こういう現状の中で、それぞれ各県なりあるいは地域が競って地域指定を受けるべくやる。やってみたけれども、それじゃ一体どう変わったのか。余り地域の実情といいますか、ニーズにこたえていないんじゃないかというような声も地域から出たりする点もございまして、これはやっぱりしっかり受けとめてやっていかなきゃいけないなということを今痛感いたしております。  したがって、今回の場合のこういった高度通信施設整備していく、これもやはり社会全体のニーズに、国民生活の実需にこたえていく、こういった観点が一番求められているんではないか。ややもすれば技術開発といいますか技術を追求していく、そういったところにどうしても視点が置かれがちであります。  そういった国民生活をにらみながら、料金的にもやっぱり低廉で中小企業も利用できる、そしてまた身体障害者、お年寄り、社会的な弱者を含めてそういった人たちのハンディがいろいろカバーできる、そういった意味でのこういった通信施設が有効に役割を果たしていく、こういうことになっていけば本当にいいんだがなというふうに考えているわけであります。そういった意味では、均衡のとれたこれからの施策推進というものをぜひ要望しておきたいと思います。  次に参りますが、先ほど来お話が出ておりますけれども、この法案で、皆さんからいただいた資料の中にも「高度情報社会構築する上で、高度で多様な電気通信サービスを支える新しい通信網構築」、こう必要性が訴えられているわけであります。したがって、それに基づいて今回出された法案の第二条の定義、「高度通信施設」とはこういうことだと、実は三つほどここに書かれております。  これは大変読んでわかりにくいんですね、はっきり言って。「移動する事物の瞬間的影像デジタル信号により伝送する役務を提供することを可能とする電気通信設備」、これを読んだだけですぐぱっとぴんとイメージがわかない。あるいは、先ほど森本局長が言われておりましたように、インテリジェント化していくんだ、あるいはマルチメディア化、大容量化、こういうことを目指していきながら二十一世紀に向けていわゆるブロードバンドISDNですか、要するに広帯域ISDNをこれから構築していく、こういうことになるんでありますが、こういうことを整備することによって一体何がどう変わっていくのか。  国民の側にしてみればそういうイメージといいますか、施策を展開する方にしても一つビジョンといいますか、二十一世紀に向けてのビジョンというものが示されていないから我々にとってもなかなかわかりにくい。高度通信施設整備する、いろいろそういった時代の要請に対応していくんだというふうに言われてもなかなかイメージがわいてこない、こういうことになるんではないかなというふうに思っているわけであります。  そこら辺について、いわゆる二十一世紀に向けてこれだけの新世代通信網整備していく、その場合どうなるんだというビジョンについてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
  13. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 最近の新しい技術を取り入れて電気通信が行き着くところ、目指すところというのはどういうものだろうかという先生お尋ねかと思うのであります。  今日これだけ各種のメディアが現に進行しているとはいえ、やはり送る情報の量の問題でいろいろ制約がある、あるいは伝送速度の問題でいろんな恨みがある。電話網で例えばレントゲン写真遠隔地に送ろうとすると、十数時間というような随分時間をかけて、しかもその間回線を占有するわけでございますので大変なコストもかかってしまう。そういう意味では、これからの二十一世紀には伝送いたします情報の量とかあるいは質とかにかかわりなく、どんな遠隔地の間でも瞬時にして必要な情報を思うときに欲するときに送達する、しかもそれにはコスト従前社会よりは極めて低廉な形で送達ができる、こういう状況を、いわば距離と時間を克服できるそういう時代というものを実現することになるのではないかと考えておるわけでございます。  この結果、今先生から御指摘ございましたように、私どもとしてはこうしたネットワーク構築されるということになりますと、今日日本としての大きな問題でございます都市地方との間の格差あるいは東京一極集中問題等も、相当こうした高度の通信網を使って地方との是正問題というのが大きく前進をするのではないかと期待をいたしておるわけでございます。  とりわけ、さっきも話出ましたが、医療とか文化とかあるいは教育とか、そうした面で地方との情報格差というのが大変言われているわけでございますが、今申しましたような形で遠隔診断が可能になる、あるいは地方地場産業というものがいろいろ発展できる、そういう意味でまずは地方都市格差是正、それから第二点目には大企業中小企業との格差是正。もちろん大企業にありましても、全国各地に分散いたしております事務所だとか工場だとかが高度の通信網に結ばれれば、何も全部が東京あるいはその近辺に立地しなくても、各地工場を持ちながらあたかもそれが一つのビルの中に入っているような形で大企業自体も存立が可能になってまいりますし、地場中小企業も何も東京に進出しなくともそれぞれ根を張りながら全国にさまざまなアクセスが可能になる、画像通信が可能になるわけでございます。  今二条の問題がございました。「移動する事物の瞬間的影像デジタル信号により」というのは、まさに法律的用語でまことに恐縮でございますが、これは実は放送法にも同じ規定を置いて、要するに動画が送れる。今のISDNネットワークではこれはせいぜい静止画で、しかも相当時間のかかる形になるわけでございますが、そうしたことが可能になることで中小企業の活躍の場というのはもっともっと広くなるだろう。  さらに、これも先生の御指摘もございましたが、やはり家庭とのアクセスが可能になるわけでございますので、これだけ社会進出されている御婦人も、結婚だとか出産だとかいうことである時期家庭にいざるを得ないというような状況も、例えば能力を持ったデザイナーの方が子供を育てながら精密画でアパレルのメーカーの本拠とか卸売とデザインの打ち合わせが在宅のままできるとか、老人あるいはハンディキャップのある方も社会参加が十分可能になるというようなことで、私どもとしては大変大きな期待をこの情報通信ネットワークに抱いておるということでございます。  大変長くなりましたが、概略の御説明をさせていただきました。
  14. 山田健一

    山田健一君 今局長から御説明いただいたわけですが、そういうことを取りまとめた、新世代通信網整備によってどうなるという郵政省としての一つビジョンは示されておりますか。
  15. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 二十一世紀に向けて、ただいま申し上げましたようなバックグラウンドという点については幾つ勉強もし、先生方、各界の方の御意見を聞こうということで幾つかのまとめた資料もございます。  例えば一つは、通信政策懇談会ということで、「九〇年代の通信政策ビジョン」、これは去年の四月でございますが、新しい世代ネットワークのあり方がどうなるだろうか、あるいは高度情報社会インフラというのはどういうふうに考えられるだろうか、さまざまな側面からのレポートもございます。さらにまた、去年の十二月でございますが、本法案にも関連をいたします光ファイバーというところに着目いたしまして、将来日本システムが全体に光ファイバー構築をされるということになれば、そういう都市の姿というか光ファイバーが入ったような状態をどう構築していくか、そういう意味光ファイバーシティー推進懇談会というようなものもレポートがまとまっておるわけでございます。  こうしたレポート等によっていろいろ問題点指摘されるところを税制だとかあるいは法律面だとか等でいろんな検討を加えまして、今回こういう法案を提出させていただいたところでございます。
  16. 山田健一

    山田健一君 確かに私も、「九〇年代の通信政策ビジョン」なりまた光ファイバーシティー懇談会、今御指摘になりましたけれども広帯域ISDN構築をされていってどういう形になるのか、こういうことについてはこの「通信政策ビジョン」の中にもきちっとそのイメージが描かれているとは決して言えない。全体的に九〇年代がどういう方向でこれから整備されていくのか、またその必要があるのかというような御指摘は確かにあったというふうには思うわけであります。  聞けば、実は去年の十月から広帯域ISDNに関する調査研究会が発足をして検討が行われておる。あるいはまた、平成元年九月にISDN推進協議会が設置をされまして今検討が進められておる。本来であれば、一つビジョンなり、あるいはいろんな審議会に諮問をして答申を得る。今進められておるこの調査研究会にしても二年がかりで、平成二年、平成三年度の二年間で一つの調査研究の報告を得る、こういうことになっているわけでありますが、それを待たずして今回はこの法案が実は出されているわけであります。  現実考えてみると、本来の郵政の対応の仕方といいますか、この前の質問でも私申し上げましたが、随分たくさんいろんな研究会や調査研究会等が設置をされて、いろいろと新しい時代に向けて勉強が行われておる。そして、一つ方向性が示されようとしておる。それはそれで確かに結構なんでありますが、それを受けて法案化に進んでいくというのが言ってみれば今までの一つのパターンなんでありますが、広帯域ISDNに関する調査研究会もことし、来年と調査研究が進んでおるという段階で今回こういった形の法案が出された。その意味では従来とやや趣が異なるなという感じがいたしておるわけでありますけれども、急がなければどんどん現実が先行していっておるという状況も一方ではあるのかなということを思ったりもしておるわけであります。  その意味からいえば、むしろ現実が先行して行政の方が後追いになっておるのではないかなという気もしないでもないわけでありますが、今回こういった広帯域ISDN構築に関して調査研究会が設置をされ、一方でその調査研究がされる過程でこういった一つの新しい世代電気通信施設整備中心とするこの法案が出されたということについてはどのように理解をすればいいんでありましょうか。
  17. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 確かに先生指摘のように、広帯域ISDNに関する調査研究会は発足したばかりで、まだ来年もう一年以上かけて結論の予定というふうに承っております。  ただ、先生も御指摘ございましたけれども、ここでやっておる研究会のターゲットといいますか目標といたしますところは、こうした新しい高度サービスの上に花の咲くアプリケーションといいますか利用のあり方、こういうものの本格的な検討をいたしたいということでございまして、今回の法案でお願いしておりますのは、いわばそのベースになりますといいますか基礎になりますネットワーク整備、これについて政府の支援措置をお願いしたい。こうしたネットワークができますれば、大変高度でありますだけに従前電気通信の利用にはなかった新しいサービスなり新しいアプリケーションというのが生まれるであろう、その辺を広帯域研究会の方ではこれからよく詰めて花を咲かせたい、こういうことでやっております。  両者両々相まって、もちろんタイミングはそれぞれずれることもあり得ると思うのでありますが、日本の今の現状を見たときに、御指摘のようにもう事業者も立ち上がっておりますし、世界各国もこの高度の通信ネットワークを一日でも早く完成させる必要がある、大変大きな戦略的なターゲットにもいたしておる状況にもございます。そういう意味合いで政府等の支援、立ち上がりをひとつぜひ容易にしたいということでこの法案をお願いしておるところでございます。
  18. 山田健一

    山田健一君 今お話がありましたように、確かに世界各国で今新しいこういった新世代通信網構築といいますか、そういう方向に向けて取り組みが行われておりますし、光ファイバー等々についてももう既に投資が開始をされておるというような状況もあったり、あるいは交換機についてももう現実にいろいろ実験が、ATM方式を導入してNTTが始めておるというような状況もあるやに聞いておりまして、かなり現実の方がどんどん先行していっておるような気がいたしております。そういった意味では、政策官庁としての郵政省一つのこういった電気通信分野における指針を示していく、あるいは施策を、あるいはまた立ち上がりの支援をしていく、こういったことをかなり時代の先を読みながらやっていかなきゃならない、そういう時代に来ておるのかなという気が今いたしておるところであります。  ところで、お話がありましたように、各国とも今そういった方向に向けて取り組みがなされておりますけれども、この広帯域ISDNに関連をして、現在CCITTの作業部会で標準化作業が行われておるというふうに聞いております。来年九二年秋に一定の勧告が出される、こういう方向のように聞いておりますが、これに向けて日本としての開発の状況なり、あるいはこの広帯域ISDNのいわゆる実用化のめどといいますか、その辺をどのようにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
  19. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 御指摘ございましたように、広帯域ISDNについて国際的に標準化していこう、つまり各国てんでんばらばらに開発するのではなくて、お互いのネットワークが世界的にもつながるようにしていこうということで、かねてから標準化ということについてCCITTが大変一生懸命取り組んでおるところでございます。  御指摘広帯域ISDNを実現するには、どうしても一番肝心なかなめになるのはやはり高度の交換機でございまして、先ほど先生の御指摘がありました二条の一項三号にございます、「異なる形式又は伝送速度を有する電気通信信号を統合して伝送交換することを可能とする電気通信設備」ということで、マルチメディア交換機とわかりやすく呼んでおりますが、ICCITTの世界ではATMということで非同期転送モードのいわば交換技術ということでございます。これは、ちょうど去年松山で会合が行われまして、基本的な勧告ということでいわばこのATMのベーシックな部分の合意が国際的になされた、来年九二年には世界的な形できちんとした勧告が整うという予定になっております。  我が国でも、御案内のとおり、たくさんの通信機メーカーが一生懸命この問題に取り組んでおります。その一番中心的な存在をなします通信事業体としてのNTTも当然のことながらこれについて努力をいたしておりまして、ごく最近のことでございますが、このATM技術を実用化しようということで、NTTがこうしたものを発注しますというときにはいろんな手続を踏んで、内外無差別、世界的にも参加もしてもらう、つまり透明性を持った手続で募集をするという格好でやっておりますが、その中で共同開発のパートナーというものをもう既に選定したようでございます。この一月に入りましてからATMの共同開発パートナーというものを具体的に選定したと承知をいたしております。今の予定では、一九九五年ごろにはこのATMの技術を用いて現実に公衆サービスに供与したいという予定だと承知をいたしております。
  20. 山田健一

    山田健一君 ありがとうございました。それでは、今のISDNに関連をしては、現状といいますか、大体そういう状況で動いているということについては理解をさせていただきます。  続いて、臨時措置法案という名前がついておるように、今回のこの法案は十年間の時限立法、こういうことになっております。これから二十一世紀に向けてこういった高度通信施設整備していきながら新しい世代通信網構築していく、我々はこういう一つの大きな課題に向けて進んでいっておるわけでありまして、その意味からいえば十年間、これで二十一世紀に到達をするわけでありますが、それで果たしてこの役割が十分果たしていけるのか。先ほども大臣の御答弁がありましたように、二十一世紀に向けて重要な社会資本としての位置づけをもってこういった整備をしていく、こういうことになれば十年で事足りるのかなという気が一方でいたします。  そしてまた、先ほどNTTの話がございましたけれども、いわゆるNTTのISDN構想といいますか、「21世紀サービスビジョン」、これが出されております。これを見ますと、高速・広帯域ISDN構築に一九九五年から着手をして、完成は二〇一五年。約二十年間の計画で進められているわけでありまして、その意味からいえば確かにそのぐらいかかるだろうな。果たしてこの支援措置、立ち上がりをということで言われるのかもしれませんけれども、この支援措置十年間、それだけやっておけばもう事足れりということになるのかどうなのか。その辺を考えれば十年間の時限立法というのは果たして適切なのかなという気がするわけでありますが、この点についてはいかがでございましょうか。
  21. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) NTTもこうした高度のネットワークの完成を一応二〇一五年をターゲットとしておるということは御指摘のとおりでございます。  今回の法案では、これは人材の育成を含め全体を十年間というふうにいたしたわけですが、十年後の状態というのはおよそどんな感じになるかと私どもそれなりに検討をいたしておるところでございますが、諸般の資料あるいは事業者の動向等踏まえますと、ちょうど十年後の二〇〇〇年にはこうした高度のネットワークが大体地方の主要都市、県庁所在地クラスのところぐらいまでは行っているであろう。そうすると、あと残りで家庭のところまで行くという、そういうちょうど全体の計画の中間期というものをこの法律に予定している十年というのが迎えるタイミングになるだろう。  そういう意味で、御指摘ございましたように、大変巨額の経費がかかる、しかも相当長期の事業でございますので事業者だけの企業意欲というだけに任せるにはやはり現実の問題さまざまな障害があるであろう、できるだけ立ち上がりを容易にいたしたい、そういうことで今回十年という時限を整備したわけでございます。その後の状況について果たしてそれで足りるかどうかというのは、何せ高度の技術発展の著しい中身でございますので、十年前後たてばどうなるかということについて私どもとしてもう一遍改めて検討をしてみたい、こういうふうに考えておるわけでございますが、当面十年の間のこうしたスキームで立ち上がりは一まず可能ではないか、こう考え法案の御審議をお願いしているところでございます。
  22. 山田健一

    山田健一君 今おっしゃることはわかるんです。かなりいろんな速いスピードで動いておりますんで、十年後にはもう一度状況等々勘案をして再検討するということでありますが、今くしくもおっしゃいましたように、一般家庭まで全体に行き渡っていく、先ほどお話がありましたように光ファイバーがずっと行ってかなりいろんなサービスが受けられるという状況になるには、これは二〇〇〇年を超えて、二〇〇〇年ぐらいでほぼ地方の主要都市をということでありますが、そういうことになりますと一般家庭を含めての波及をさせていくということについては別途改めてまたそういった支援策といいますか、今のいわゆる自動車電話等でいえば今回やったと。そしてまた、格差是正策がとられておるというようなことになっておるわけであります。  これと同じように、これからとりあえずそういった基幹部分はやる。そして、将来のそういった家庭に対する一般の普及についてはまた新たに別途その時点で手だてを考えていく、こういうふうに今お考えになっておられるわけでありますか。
  23. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) ちょっと私の答弁の仕方が正確を欠いたかもしれませんが、十年までの間は家庭に入らないということではありませんで、まずこうしたネットワークのエリアというのが前提になると思うのであります。このエリアの存在が今申したようなステップで行くわけでございますので、その間には各家庭大都市あるいは地方の主要都市には当然家庭でのニーズがあれば家庭での利用というものもこの十年間にはもっと早く可能になっていると思うのであります。  御指摘のように、これで足りるかということでございますので、何せこういう技術進歩の著しい分野だけに当座十年ということにいたして、これで一まず私どもの助成措置としてはスタートをしたいと思っておりますが、十年待たずとも新たな情勢が生まれれば新たな対応をしなきゃならぬことは当然のことだと考えておるわけでございます。
  24. 山田健一

    山田健一君 おっしゃいますようにいわゆるハード面、これでいえば確かに今お答えのようにとりあえず十年間そうやってやってみるんだということで、これはそれなりに理解できるわけであります。  しかし問題は、同時にソフトの面といいますか人材研修、育成、こういうことになりますと文字どおり今お話があったように日進月歩、どんどん飛躍的に発展をしておる電気通信あるいは情報産業、こういった状況の中で人材を育成していくということになれば、十年間で切ってしまうのは、むしろ継続的にどんどんどんどん新しい分野が広がっていっておるわけでありますから、その意味から言えば逆に、特に人材の育成という観点から言えば十年間の時限立法というのはどうもなじまないんではないかなという気がするわけであります。このソフトの面での十年間の時限立法、これはどのようにお考えになっていらっしゃるわけでありますか。
  25. 白井太

    政府委員(白井太君) 今回お願いをいたしております法案は、いわばこの事業というものが民間の事業者の方によって行われるということを前提にいたしまして、その民間の方が行う事業についていわば国として弾みをつけるというようなことをねらいとして法律案をつくらせていただいておるわけであります。そのような意味で、いわば一般に言う振興策というのがこのような十年の臨時措置法というような形をとるものが多いというようなことも参考にしたりしてこのような格好になっておるわけでございます。  ところで、人材研修につきましては、まさに先生がおっしゃいますように、技術というのは本当に日進月歩でございますので、これは十年たてばその進歩がとまるとかということではもちろんございません。ただ、私どもなりに言わせていただきますと、この十年の間にできるだけ全国にくまなく研修センターというものを設置したいと考えております。  箇所数としては、できればこの十年の間に少なくとも三十カ所ぐらいは整備をしたいというのが私どもの希望でございますが、三十カ所仮にこの十年の間に整備ができますと、その研修センターというのは自後ずっと安定的に地域の人々の勉強の場として研修活動というのを続けていくことになるわけでございますので、あとは研修内容について毎日の日進月歩の技術というのをきちっとフォローしていく、あるいはそういう日々進歩する技術というものを内容にした研修内容にするということを心がけてまいりますれば、かなりの程度の目的は達することができるのではないかというふうに期待をしておるわけでございます。
  26. 山田健一

    山田健一君 今ちょうど人材研修の関係について白井さんの方からお答えをいただきましたけれども、あわせてお尋ねをしたいと思うんですが、確かに今いろんなソフトが不足をしておる。とりわけ人材の面でということで、今回も人材研修センターという構想が打ち出されているわけでありますが、現実にこういった電気通信分野でこうした人材不足というのは現在一体どの程度あるのか、そしてまた今回こういった研修センターをやる、いわゆる電気通信基盤法を実施することによってどの程度この解消が図られ、改善がされていくのか、ここの見通しについてあわせてお尋ねをいたします。
  27. 白井太

    政府委員(白井太君) 現在通信とかあるいは放送関係で人手が不足していると言われておる数字は、私どもの調査によりますと、両方合わせて大体九万人ぐらいが不足しているということになるようでございます。これをこのままにしておきますと、私どもの試算によりますと、十年たちますとこれが二十数万、それも二十六、七万というようなオーダーの数字になるように試算をしておるわけでございます。また、これとは全く別に、大学卒業者の理科系の人の人材不足といいますか、理科系の方々の不足数というものは十年後には四、五十万に達するというような計算をなさっておられる方もいらっしゃるようでございます。どの数字が正しいかどうかは別にいたしましても、かなりの人数の人材不足ということが言われることは間違いないように思っております。  ところで、私どもが今回この法案でお願いしたいとしております人材研修事業というのは、各地域におきまして職場で実際仕事をしておられる方が少し職場を離れて、自分の仕事の上でどうしても必要な知識を勉強するというようなことのために比較的簡易に利用していただけるような研修センターというのをイメージとして浮かべておるわけでございます。  そのような意味では、例えば学校教育であります大学とかあるいは専修学校というような本当に系統だった勉強というところまではちょっと望めないかとも思います。また、きょう労働省の方もお見えでございますけれども、労働省が取り組んでおられます職業訓練のようなきちっとした系統的な研修というところまではいかないというような面もあろうかとは思います。ただ、それだけに非常に身近な勉強の場所ということで、またあしたからの、あるいはきょうの仕事に直接必要な知識の勉強をするという意味では今回お願いしている人材研修センターそれなり意味が必ずあると思っておるわけでございます。  ところで、先ほど十年の間にできれば三十カ所ぐらいの施設整備をしたいと考えているということを申し上げましたが、私どもとしては多少の歩どまりも考えまして、この研修センターで直接人材の育成をするという人数としては歩どまりを考えますと二万人くらいの方はこのセンターで育成されたというような成果を上げたいというふうに思っております。これらの方は当然それぞれの職場にお戻りになりますと、この情報通信関係の仕事をされるいわばリーダーのような恐らくお立場に立つことになるかと思いますので、そのような方がそれぞれの職場で企業研修のリーダーというような形になりまして、研修の効果が同じ職場の方々にも影響を及ぼしていただけるというような意味で間接的な研修効果というのも決して無視できないものがあろう。  それやこれやを含めますと、多少欲張った言い方をさせていただきますと、私どものこの研修センターでこれからの十年の間にできれば十万人ぐらいの方々に直接間接の研修効果が及ぶようなことを考えたいというふうに思っております。そういたしますと、二十数万人の不足ということから考えますとかなりの乖離があるのではないかというあるいは御指摘になろうかと思いますが、研修センターですべてをやってしまうということは現実問題としてはとても無理でございまして、私どものお願いしているセンターとしてはその辺がほどほどの数字ではないかなというふうに考えておるところでございます。
  28. 山田健一

    山田健一君 いや、将来十数年後に二十数万人不足をする、間接的な研修効果を考えれば十万人、決して乖離があるというんじゃなしに、そんなにたくさん効果があるかなという気もむしろしないわけでもないのであります。言ってみれば約半分ですね。それだけの研修の効果が上がれば、陰に陽にいろいろ各分野でも今行われているわけでありますから、大変大きな役割を果たしていくんではないかというふうに期待をするわけでありますが、今もお話がありましたが、身近な勉強の場所としてしっかり職場のリーダーとなるような研修をやるんだと。どうも全国三十カ所で果たして身近な施設になっていくかなという気もしないでもありません。  特に施設整備をやっていかれる場合に、きょう労働省の方においでいただいております。御苦労さんです。労働省でも、今白井さんの方からも御指摘がありましたように、職業訓練なり研修センターなりそういう形で人材育成が取り組まれております。今回のこのいわゆる電気通信基盤法による人材研修事業とそして労働省のいわゆる所管といいますか、現実にこういった技能者の養成をやっていくという取り組み、現実に進められております。  これは、私のところでまたこれ恐縮なんですが、情報処理技能者養成施設というのを雇用促進事業団が主体で設置をして、研修センターを設置をしてやっていく、こういうことになっておりますね。これもやっぱり研修センターなんですね、研修センター。これは高校卒業者だけじゃなくて在職者も含めてやっぱり指導していく。地域のそういうものを求めている状況からいえばすみ分けといいますかね、この辺が全く見当がつかない。  さらに、いわゆる郵政の場合も今回のあれでいけばあっせんの事業も行うというようなことまで入っておるわけでありますが、いわゆる労働省のサイドとして今回のこの基盤法によって進められる研修センターと労働省サイドで進められておる研修センター、どういうふうに理解をされ、実際のそこら辺の線引きといいますか区分けというのは、我々の方とすれば、国民の方とすればどう理解をすればいいのか。それぞれの立場で行われておりますけれども、その辺の明確な一つの区分があるのかどうなのか、そういうことも含めて労働省の考え方というものをお示しいただきたいと思います。
  29. 松原亘子

    説明員(松原亘子君) 先生指摘のように、労働省は産業のいかんを問わず労働者の能力の開発全般を所管いたしているわけでございます。そういうことから、特に最近では情報化が非常に急速であるとか技術革新の進展が著しいとか、また国際化ですとかサービス経済化だとか、いろいろ産業経済が大きく変化いたしておりますので、そういう変化に対応し得るような人材を積極的に育成して供給していくということで施策推進いたしているわけでございます。  今御指摘のこの法案と密接に関連するような事業といたしまして、私ども幾つかの公共訓練施設というものを設けてやっているところが関係するかと思います。  一つは、技術もわかり技能もわかるといいますか、知識を持ちかつ手にわざを持ったそういういわゆるテクニシャンと言われている人たちが非常に最近足りないと言われておりますことから、私どもは職業訓練短期大学校というものを公共職業訓練施設として設けまして、そこでそういう技能者――技能者といいますか、技能と技術のわかるそういう人たちを育成しておるというのが一つございます。  それからもう一つ、高度技能開発センターというものを全国一カ所、最近開校したばかりでございますけれども、設置をいたしまして、ここでは専ら在職者の方々、それも非常に高度な技術、技能の研修をやる施設として最近開校をいたしました。そこでは指導者の方も大学とか大学院で教えておられる教授の方々ですとか、民間企業で働いておられる高度の技術者に講師になって来ていただいて、そこで在職者を中心研修をやっているというようなこともやっております。  いわゆる公共職業訓練施設ということでやっているものでございますけれども、今先生が御指摘になられました情報処理技能者養成施設、これは雇用促進事業団が設置をいたし、職業訓練法人に運営を委託するということでやっているものでございます。最近非常にソフトウエア技術者が足りないということが言われておりますということから、六十二年度からこれを計画的に設置をいたしてきております。  ただ、ここで養成する目標といいますか、技能のレベルの目標は、情報処理技術者試験というのがございますけれども、それの第二種情報処理技術者というものをパスする程度を目指しておるということでございまして、レベルから言いますとそんなに著しく高いレベルまでを目指しているものではないというものでございます。  ところが、今回の法案に基づきます人材研修事業は、電気通信システムの設計者ですとか、電気通信主任技術者ですとか、放送番組の制作従事者といったような電気通信分野での非常に高い専門‐的技術的な業務に従事する人を育成するというようなことでございますので、私どもといたしましては、私ども労働省がやっております訓練施設の訓練対象者と今回の人材研修事業研修対象者とは大分対象が違うというふうに認識をいたしております。  ただ、私どもの持っております公共訓練施設などで養成しました、もちろんコンピュータ・カレッジ、先ほど申し上げました情報処理技能者養成施設ですか、ここの卒業生がその後いろんな経験を積む、また能力がどの程度かということにもよりますが、そういった能力や経験に応じまして今回のこの法案人材研修事業で養成される電気通信システム設計者などになっていくということは当然あるわけでございますが、今申し上げましたように対象層が、入ってくる入学者といいますか、入ってくるときの対象レベルといいますか、そういうものが違うものであるというふうに私ども認識をいたしているわけでございます。
  30. 山田健一

    山田健一君 ありがとうございました。大体そこら辺のすみ分けでといいますか、対象者といいますか、レベルといいますか、その辺も随分内容を異にしているんだなという気が今いたしております。  時間が参りましたんで、最後に一点だけお尋ねをしたいと思います。  今回これに伴っていろんな支援策が講じられているわけでありますが、去年のいわゆる円滑化法案のときにやっぱりありましたけれども広帯域ISDNを含めて通信・放送共同開発事業ということでこれは入っておりました。今回もまた広帯域ISDNという形で支援措置が講じられるということになっているわけでありますけれども、ここら辺の関係についてダブルで適用されていくことになるのか、そこら辺はどうなっているのか、ちょっとその点について最後に一点だけお尋ねをしておきたいと思うんですが、わかりますか。
  31. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 去年にお願いしました通信・放送開発事業分野支援というのは、一言で申せばベンチャービジネスを支援していただこう、こういうことでございます。今までないビジネスをその地域に展開させる。今回の私どもお願いしております法案は、インフラそのものでございます、冒頭からお話しございましたように。  したがいまして、そういう意味で、例えば同じ広帯域のような問題をとりましても、広帯域技術を活用した新しいサービス企業化する、これはベンチャーの方でお願いする。新しい円滑化法で支援を願う。今回の法案は、こうしたネットワーク全国展開を本法案支援しよう、そういう点が違うところと考えておるところでございます。
  32. 山田健一

    山田健一君 わかりました。終わります。
  33. 及川一夫

    ○及川一夫君 そもそもというところから入りたいところですが、せっかく研修センターの問題で質疑が交わされましたので、最初にその辺から触れさせていただきたいと思います。  まず、この研修センター、今労働省の方もお話しになられたように、ここで研修をする対象というのはズブシロから入るのか、それとも一定のレベルを持った者から始めるのか、そういうものによって研修センターの施設の中身も違ってくるだろうし、教壇と机と黒板は必要でしょうけれども施設内容なんかも相当私は違ってくるように思うわけです。  しかも、ここでの研修センターは、先ほどからの議論をずっと聞いていますと、わかりやすい言葉で言えばネットワークづくりというものを主体にした技術者の養成あるいはレベルアップということを考えての研修のようですね。しかも、訓練とこうおっしゃるが、一体どのぐらいの規模でということは、先ほど二万名とこうおっしゃられている。おおむね十年間でそのぐらいいけばというお話でした。一年につき二千名ということになるわけですが、当面は二カ所でしょう。そして、十年かかって三十カ所、こういうわけ。  そして、その研修センターごとの事業費は幾らかということをお聞きしておったところ、私の手元に来ている資料では年間十二億円ということを言われた。十二億円ということならば、常任的な教官というんですか先生、あるいはNTTやNHKに委託をするというか、これは有償でやるということになっているようですから、そういう問題を含めて果たしてこれ年間十二億円の規模で処理できるのかどうか。額の方からいうと大した訓練じゃなさそうじゃなとこう思ってみたり、あるいはその施設の内容というふうに渡された資料によれば研修室であるとか、実習室であるとか、実践指導室というようなことが主なる施設になっておって、どんな機械を入れてやるのかなどは一切ここからはかいま見ることができない。  こういう状況でして、研修センターというのは中途半端にやるとむだ遣いになるんです、これは。その地域にとって利用価値がなければパーになるんです。ですから、やるんならきっちりしたものをやって、その地域社会あるいは地域企業集団から歓迎されるような利用価値の大きいものをきちっとつくる。たとえ三十カ所を二十カ所に、二十カ所を十カ所にしても、むしろそういう立場に立った研修センターにしないと、一口に技術技術と言うけれども技術の内容もハイレベルから低レベルまでいろいろあるわけです。そんなことを考えると、研修センターに対する郵政省法案として提案をしている基本的な物の考え方についてどうしても理解ができないなと。  意欲的なようにも見えるけれども、具体的な内容になるとしり込みというような形のものが考えられるんですが、局長、これはいかがですか。
  34. 白井太

    政府委員(白井太君) いろいろな言葉で説明させていただきますので混乱しないようにしなきゃいかぬと思うんですが、私どもが今回の法案でお願いしております一番の特色というのは、実務に携わっている人が実際の毎日の実務で役立つような勉強をしていただくための場を提供するというのが一番の基本でございます。  ところで、実務というふうに一口に言いましても、それぞれ情報通信関係のお仕事をなさっておる方もいろいろな方がございます。例えば、通信事業をやっている会社に勤めておって、その通信事業そのものを実務として通信事業に携わっておるという方もおられますでしょうし、放送会社に働いていて番組の制作の仕事をしているという方もいらっしゃるかもしれません。それから、場合によりますと、製造会社などで自分の会社のネットワーク仕事の責任者として働いておるというような方もおられるかとも思いますし、それからさらには地域で、例えば私どもがやっておりますテレトピア計画などの立案者といいますか、あるいは運用責任者というようなことで仕事をなさっておられるというような方、いろいろな方々が実際にはおられると思うわけでございます。  それで、そういう方々研修を受けようとする動機といたしましては、やはりもう少し上級の技術を身につけたいということもありますでしょうし、あるいは自分の会社でネットワークを今度広げるということになったけれども、そのネットワークを広げる上で必要な技術について勉強しておきたいというような方もおられるでしょうし、事情はかなりさまざまだと思うわけでございます。  そこで、私どもといたしましては、研修センターというのは例えば一年間を通じて系統的に訓練をするとか教育をするというようなことではなくて、幾つかの科目、私どもとしては最大四十科目ぐらい、四十コースぐらいになろうかと思いますが、いわばパッケージにした独立の研修プログラムというのを用意いたしまして、その研修プログラムの中でそれぞれの方が御自分の必要にあわせて、自分はこのコースとこのコースと二つ研修を受けるとか、自分はもうかなり系統立ったものに近いような研修を受けたいから六コース、十コースの研修を受けるとか、いろいろな選択を自由にしていただくというようなことをできるだけ可能にしたいと思うわけでございます。  そのようなことをやるということになりますと、次の話のいろいろな設備が要るではないかというようなことで、まさにそういう面で大変お金がかかるので、ある意味では国としてこの法律案に基づく支援策を講ずることにしたいというわけでありますが、十二億円と言ったのは実は毎年の金ではなくて、最初のスタートするときの、特に施設関係の整備に必要なお金として大体十二億円が要るだろうというふうに見ております。年々の運営費としては、できれば二、三億くらいの規模でこのセンターの運営を行うということでいいんではないかというような計算をいたしております。十二億円の中には土地代は入れておりません。したがいまして、土地代がそれに加わるということになりますので、土地代プラス十二億円くらいが最初要るお金だと。それからは年々二、三億くらいで運営をしていくということでどうだろうかというのが私どもの現在考えているイメージでございます。
  35. 及川一夫

    ○及川一夫君 これは責任あるところからいただいたものだけれども、出所不明になっています。書き方としては事業主体は第三セクターで公益法人でいくとこう書いて、それで標準的規模としては事業費約十二億円を想定、こう書いてある。そうすると、土地代とは私はどうしても理解できないですわね。そして、二、三億円でやりたいというんだけれども、ますます正直言ってわからなくなったんですが、いずれにしてもこの法律が成立をした後、具体的に内容をお決めになるはずですわね、二カ所とこうおっしゃるわけですから。その際に十分ひとつ私が申し上げたことを考えていただきたい。せっかく支援をするのにそれがむだになるようなことであってはならない。  それから、言葉としては非常にきれいに聞こえるんだけれども、訓練というのはそんなにたやすいものじゃありません。一から十まで違った人を一堂に会してがたがたと訓練をやろうと言ってみたってやりようがない。やっぱりある一定のレベルの人を集めながらやっていかないと効果が上がらないというようなこともあるわけでして、そういった点ではその施設の内容などを含めて大変僕は問題があるんじゃないかと思いますが、ひとつ検討していただきたいというふうに思います。  なお、労働省には大変恐縮なんですが、主務大臣の一人になっているわけですね、労働大臣が。そうすると、今郵政省がお答えになっている内容は大変技術的な知識というものが必要とされる内容になってまいりますんで、労働省が果たす役割というのは、主務大臣として果たす役割というのは何なのかということをひとつ教えていただきたい。
  36. 松原亘子

    説明員(松原亘子君) 先生指摘のように、郵政省電気通信分野に関連しましては産業政策を所管するという立場から技術的な事項も含めて所管をされているわけでございますが、一方労働省の方は産業横断的に働く人々の能力を高めていくという分野を所管をいたしているわけでございます。  今回の人材育成事業というのはこの電気通信分野における専門的技術的な業務に従事する人々の能力の向上ということが最終目標であるわけでございますので、そのためには郵政省が持っておられます技術的な分野も含めました産業政策の立場からのノーハウにあわせまして、これまで私ども電気通信というふうに特定したものも若干ございますが、広く労働者の訓練をいろんなレベルでやってきております。カリキュラムなどもいろいろ開発をしてきたものもございます。そういったような労働者の能力を育成するという立場からの経験、その両省のお互いの経験なりノーハウ、そういったものを持ち寄ってこの事業をやっていくのがこの適正な運営といいますか、本来の目的の達成に最も適当であるということから労働省も共同でこの事業をやるということで主務大臣になったわけでございます。
  37. 及川一夫

    ○及川一夫君 わかりました。  そこで、この法案の持つ基本的な問題についてひとつお伺いしたいんですが、これまで郵政省所管として各種支援策というものが打ち出されてきていますね。私の記憶によればテレトピア構想も一つでありますし、民活法というものがございますが、その中で五つほど項目が挙げられてこれまた支援策を講じておられるということであります。そのほかにもテレコムプラザの問題であるとかいうものがございます。そして、今回は電気通信分野における基盤の充実ということで支援策を打ち出されている。  これらを並べてみますと何かダブっているような感じがせぬでもないし、二言口ぐらい違っただけで支援策が出てくるのかなと思われるような内容も率直に言って私の感じでは持っているわけですが、この辺いかがですか。
  38. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) ダブっているところが皆無であるかというと、そうではないというのがいささか正直なところだろうと思います。いずれにいたしましても、本法案先生おっしゃいました前段階の情報化施策推進していくというのがその以前の問題でございまして、したがいまして先生おっしゃられましたように、ニューメディアの導入によりまして地域社会の活性化を図る例のテレトピア計画であるとか、あるいはまたハイビジョンの導入によりまして活気と潤いのあふれた都市づくりを行うハイビジョンシティー構想であるとか、そういうものを今までるる進めてきました。また、円滑化法などは先般審議されて成立したわけでございますが、そういう角度から情報化施策を協力的に推進をしていこうというものであったわけでございます。  本法案につきましては、これらの個別の施策とは別に、二十一世紀に向けて情報化を支える物的それから人的基盤の充実をねらいとしておるものでありまして、具体的には新しい基幹通信網整備それから人材の育成というために必要な措置を講じようとするものでございます。ですから、先生指摘のように、全然すべてが別かというとそういうものではない、やはり一つ一つ積み上げてきて今回の法案の提出になってきたということでございます。
  39. 及川一夫

    ○及川一夫君 大臣の答弁として全部違う、こういう答えが返ってくるかと思ったらダブっている点もありますとこう素直に認められたのでやむを得ないんですけれども、率直に言って、例えば民活法の中で電気通信高度化基盤施設というものの支援策があるわけですな。今回出てきた法律案は電気通信基盤充実、こうなっているわけですね。しかも、内容的には「高度」ということが一条、二条に入っていますよね、言葉として。だから、電気通信の高度化という意味では今回の法案も前に決めた電気通信高度化基盤施設ももうまるっきり同じじゃないかと。ダブルで支援策がいくのかいかないのかというところまで言う気はありませんけれども、恐らくダブルでは私はいかないだろうというふうに思っているんです。  そうすると、いろんなところにいろんな支援をすることは原則的に別に忌避するものではない、ある意味では歓迎してもいいという立場に立つんですが、何か言葉の使い分けで同じであるものを同じでないように見せかけて、そして支援策を打ち出すというのは郵政省の担当局長がかわるたびに一つ一つ法律が出てくる、支援策が出てくるような感じがして何か嫌なんですよ、率直に言って。そうでなくても電気通信であるとか情報産業にかかわる問題はわかりにくいということをよく言われる。使っている方は便利だから使うというだけの話であって、それが構造的に一体どうなっているかとか、将来的にこれはどう発展していくのかとか、そんなところまで考える必要はないからそれはそれで終わっているんでしょうけれども、しかし我々の場合にはそうはいかないじゃないかと。  どちらにしたって税金というものを使う。いろんな意味国民が拠出してくれた金を有効に使うという意味合いでいくと、余り言葉の使い分けで支援策が出てくるということになると、しかも内容的に例えば今度の支援策を受けるような設備の充実というのは一体どのぐらいの規模の会社を言うんだろうか、あるいはどのような内容を持った設備のものに対する支援策なのかというのがよく理解できない。まさか一億二億でネットワークづくりをするなんという発想に立っておったら大変なことですわな、これは。やっぱり少なくとも三けたぐらいの億という単位の金はどんなことがあったって、どんな小さくとも私は必要だと思う。  そういう前提に立ちますと、俗に言う大企業か中企業か小企業かというそういう議論に発展をしていって、結果的に言えばNTTでもこれは支援策を受けるのか、大企業だけではないか、金を持っておるものだけがいろんな支援策を受けるだけじゃないかと、こういうふうに僕はなりがちだと思うんですね。その辺のことについてひとつ大臣いかがですか。私の気持ちわかっていただけますか。
  40. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) 先生の御指摘の点は私も十分理解するわけでございまして、言葉の順番からいけば高度化があってなお一層進んで充実があるというような感覚で私はこの法律を受け取っておるところでございます。  また、先生指摘のように、そうなると大企業がこれをハードの面では受ける状態があるぐらいであって、中小企業ではそういうものを受けるだけのまだスケールまた資本的なものがないんじゃないかという御指摘がございましたが、私もそういうことにならないようにこの点は注意をしていきたいと思います。  人材の育成ということは、大企業であればいろいろ研修所も御自身で持っているでしょうけれども中小企業においでは特段にそういうものがないものでございますからこの研修センターをつくっていきたいということでございます。先生の御指摘されていらっしゃいますそのポイント、いわゆる中小企業に重きを置いた方向で進めていくということは頭に入れていきたいと思います。
  41. 及川一夫

    ○及川一夫君 問題は、中小企業と言われる範囲をこういう事業の中でどこまで求めるかというのはあるんですけれども、とにかく投資額はそんじょそこらのような簡単な金額ではないと思うんです。だから、中小の方がやられるといったって、かなり固まってやらにゃできない仕事ですから大変だと思うんですよ。そういうことは大臣も御理解いただいているようですから、十分ひとつこれが運営については御配慮を願いたいということ。  それから、もう一つ僕が不思議だなと思っているのは、今回のものは十年間の臨時措置法になっているんですよ。今まで十年間とか何年間という期限をつけたものがあったかなということを、そこまでちょっと調べなかったんだけれども、実際問題として内容的に言えば、今までの支援策を整理をしてみると研究というのが一つあるんですよね。それから、開発事業ということを前提にして、それが円滑に進められるようにという円滑法というのが要するにある。それで、この基盤整備というか充実というか、そういうものもあるわけですけれども、今回十年というふうに区切る理由はわかります。いつまでもお国を頼っちゃいけませんよと。どっちにしてもこれは未来永劫的な事業の性格を持ちますから、そういった点では国に依存することもある一定期間というふうに言われる点はよくわかるんですが、ただ事業事業なだけに、しかも労働力が不足をしている、二十万人だ二十六万人だという想定をされる以上、出生率がどんどん上がっているというんならまだいいんだけれども、それもまたお国の立場から見ても一つ問題点でしょう。  そんなふうに考えると、支援策ですからいつまでもというふうにはならないが、果たしてこれがどの程度利用されるのかというようなことを考えてみると、今から十年でいいのかどうか。先ほど山田委員の方からも指摘をされましたけれども、この種問題についてやはり時限的にいくならいく、いかないならいかない。しかし、必要でないときにはやめるというようなことで私は対応すべきではないのかなというふうに思っているわけです。その点はどうですか。
  42. 白井太

    政府委員(白井太君) 率直に申し上げまして、私どもとしてはできるだけ長くこういうような必要な支援策というのは講じていけることができるのが望ましいということは一般的には申し上げられるわけでありますけれども、国の財政によって支援策を講じるということでもありますので、一般的な振興法に多く見られます形として臨時措置法というようなものが非常に多いということも考えまして、本来民間の方が行う事業について国として弾みをつけるところにねらいがあるということに思いをいたしまして、今回お願いしたような十年の臨時措置法案ということで出させていただいたわけであります。  先ほど来いろいろお話が出ておりますように、もちろん今から十年先のことを、今度は十年先から何を始めるかというようなことはなかなか的確なことも申し上げかねるということもあるわけであります。私どもとしては時々刻々やっぱり社会の情勢というのが変わっていくということを十分頭に入れまして、いろいろな本当に真に必要とするような施策というのを機を逸せずに講じていくということが必要ではなかろうかというふうに考えております。
  43. 及川一夫

    ○及川一夫君 さらにお聞きしたいのは、今のところこれがどういう利用度になるのかということは見当つきませんけれども、これまでテレトピア構想とか民活法でいろいろ支援策をやってきていますわね。その実績というものを見たときに、郵政省からいただいた資料によると、テレトピア構想では平成元年度で八十九億円の無利子融資を行っている、それから日本開発銀行等からの融資として十二億円、八十七地域指定があって百九十四システムで稼働していると、こういうふうになっているわけです。これは利用度からいうと局長は高いと見られますか、それとも低いと見られるか。  同時に、民活法は五つの項目がありますが、支援実績として無利子融資が平成元年度で約十四億円、日本開発銀行等からの融資で三十七億円と、こういう実態になっていますわな。これも当初想定したものから見ると、利用度というか支援に頼る率としては高い方と見られているか低い方と見られているか、これはどうですか。
  44. 白井太

    政府委員(白井太君) 最初に、ただいまのお尋ねと少しずれるわけですが、先ほど大臣の方からお答えありましたことにちょっと若干補足して申し上げさせていただきます。  いわゆる民活法と言われますのは、いわば一定の施設を民間の事業者の方の能力を活用して整備することによりましてその地域地域づくりといいますか、町づくりをしようというのが法律のねらいだったのではないかと思います。で、この法律を利用していろんな施設整備するということにつきましては、当然のことながら通産省も運輸省もあるいは農水省もいろいろな計画を出されて、それを法律の中身に盛り込んだわけでありまして、私どもの省としては電気通信あるいは放送にかかわるいろんな施設整備をすることによって町づくりをしようということにさせていただいております。したがいまして、これらは言ってみれば個々の施設整備して町づくり、地域づくりをしようとするのがねらいだということになるわけでありまして、今回お願いしておりますのは、今度はいわば基盤といいますか、これからの情報通信時代を支える共通の土台を全国的に整備したいというのが法律案の根底にあるということだと思うわけでございます。  ところで、いわゆる町づくりの施策としてのテレトピア構想でありますとか民活法に基づく施設整備の実績の評価でありますが、いろいろな見方があろうかと思います。まず、テレトピアにつきましては、実はこの民活法のちょっと前に郵政省のプロジェクトとして発足をさせたものでありますけれども、八十七地域が現在指定されておると申し上げましたが、このうちの九つのシステムというのはつい先日追加指定をさせていただいたものでございます。この後もぜひ自分のところをテレトピア地域として指定してほしいという御要望がまだかなりございまして、その辺について私どもとしてもいろいろプロジェクトの中身などについて検討させていただいておるというものもまだたくさんございます。  そういうようなことからしますと、だんだんそういう御要望が次から次へと出てまいりますということを考えますと、かなり人気があるという言い方が正しいかどうかわかりませんが、地域づくりというか町づくりには一つのアイデアとして大いに利用していただいているんじゃないかと。その金額が多い少ないの議論はあるいはいろいろあるかもしれませんが、先ほど先生お話しになった数字は平成元年度単年度の数字でありますので、そんなに少ないとかというようなことにはならない、まあまあ有効に活用していただいているというふうに申し上げていいんじゃないかと思います。  それから、民活法の施設につきましては、民活法全体ではいろいろな各省のプロジェクトというのが幾つもあるわけでありますが、そのうちの郵政省分としては、先ほど先生がこれもおっしゃいましたような無利子融資で十四億円、それから開銀等からの融資が三十七億円ということで、これが郵政省関係の平成元年度単年度の金額であります。これももちろんいろんな見方があり得るとは思いますが、私どもそれなりに活用されているというふうに申し上げていいのではないかというふうに見ております。
  45. 及川一夫

    ○及川一夫君 せっかくつくった制度です。できる限り利活用が多いほどいいわけで、多いということはそれだけ情報産業部門とか電気通信事業に対して民間的にいわば参画をしてくるという意味合いになるんでしょうから、数の評価は当面はともかくとして推進されるようにお願いをしておきたいと思います。  そこで、今回の法案仕事通信放送衛星機構にやらすというお話ですね。昨年の逓信委員会でも難視聴問題の機械に対する保証の問題の仕事とかいろいろ、何となく通信放送衛星機構とは一体何だろうという議論になりましたね。いろいろ聞きたいことがあるんだけれども、時間の関係もあるから一つだけこの問題では聞いておきたいんですが、これまで触れなかった問題として、通信放送衛星機構は特殊法人である、そういう前提に立って五十四年の参議院の逓信委員会の附帯決議では業務の拡大が打ち出されております。五十八年の三月だったと思いますが臨調の答申が出て、いわばこの種問題は特殊法人じゃなしに民間化の方向が打ち出された。そして、五十九年には民間化の条件整備を進めろという、そういう行革の実施方針になっておりますね。  そこで、僕は思うんですけれども、民間化していくということについてどれほど郵政省はお気持ちを持っておられるのかという問題と、仮にそういう方向にいくということになるなら、一体この種支援措置をやる仕事の場が民間化された通信放送衛星機構ということで当を得ているのか、あるいは当を得ることになるのかならないのかということも当然疑問として出てきますね。したがって、その二点について、簡単でいいですからお答えいただきたいと思います。
  46. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) まず、今回の機構への業務の追加の点だけにつきまして私から答弁をさせていただきまして、あとはまた事務局の方から関連の問題、附帯決議とかその他の問題については答弁をさせていただきます。  この業務の追加につきましては、郵政省で唯一の認可法人であるということからお願いしたものであります。機構を今後どのようにしていくかについては、あらゆる角度から総合的にこれを検討していく必要が正直のところ私はあると思うわけでございまして、このような形のままで次々と追加をしていくというのには無理があると考えておるところでございます。  附帯決議のその後の対処いたしました内容につきましては、局長の方から答弁をさせます。
  47. 白井太

    政府委員(白井太君) 先生から御指摘いただきましたように、五十四年に通信放送衛星機構をつくる法律案の御審議をいただいた際、確かに及川先生指摘のような附帯決議がなされておることは承知いたしております。「機構の業務の拡大について検討すること。」というくだりがあるわけでありますが、率直に申し上げましてこのときは主として衛星の管制などを目的とする組織として機構をつくるというのが法律の中身であったわけでありますので、今回お願いしておりますような特例業務を追加するということまで念頭にあったとは、率直に言ってそういうことまではなかっただろうと私は推測をするわけであります。私どもといたしましては、先ほどの大臣の答弁のとおり、情報通信の急激な浸透によりまして、とにかく国として緊急に措置をする必要があるということから特例措置として今回のような法律案をお願いしておるわけであります。  ただ、それが今度は五十八年の行政改革に関する答申との関係でどうなってくるのかという御指摘でございますが、特例業務として業務を追加するかどうか以前の問題として、今の立場で私ども考えてみますと、機構を民間法人として自立化させるということは、実は率直に言って大変難しい問題がございます。国として相当のお金が既に出資もされておりまして、これを簡単に民間法人化するというのは技術的にも非常に難しい点があるわけであります。確かに御指摘のような臨調の答申はあるわけでありますけれども、私どもとしては大変頭の痛い問題だということでございまして、あえて申しますれば、機構全体のあり方をこれから考えていくということでお許しをいただきたいと思います。
  48. 及川一夫

    ○及川一夫君 後段の方は別にして、郵政大臣が追加ということについてはいかがなものかと、こういうふうにおっしゃられました。去年とことしでえらい違うなと大変うれしく実は思っているわけです。トーンが完全に合ったような気がします。  私も別に機構を郵政の所管にしておくことが絶対いけない、こう言っているつもりはないんですが、問題はやはり衛星の仕事仕事として、何か知らぬけれどもつくられた法律に言葉が一つ似通っているところがあったら業務の追加というようなやり方というのは余りにもこそくじゃないかと思う。必要なら必要だということで堂々と、いかに行革があろうとなかろうとやるべきだというふうな前提に私は立っているんです。  いずれにしても、答申が出ていることもあるわけですから、頭が痛いとこう言ったって、お国の金を突っ込んでいると言うたって、お国のお金という意味で言うならNTTだってKDDだって大変な額を突っ込んでおるのに民間化しちゃうわけでしょう。だから、そんなのからいうと、白井さん、そんなに頭を痛くせぬでも私はいいと思いますよ。あなたの頭はもう少し大きいと思われますからね。そんなことで、臨調答申などにどうこたえるかは我々も当然考えなけりやならぬ問題ですけれども問題点一つとして指摘をしておきますからぜひ御検討いただきたいというふうに思います。  そこで、NTTの方においで願っております。長い間お待たせいたしましてどうも申しわけありません。二つのことをお聞きしたいなというふうに思っているんです。  三月の二日でしたか、児島社長が、料金の抜本的な見直しという前提に立ってみずからの経営のあり方、実際の経営をどうしていくかということを含めて発表されました。非常に大きな意欲が私も感じられました。勇気を持ってそこへ手を突っ込んでやってみようということについては大いに敬意を表しておきたいというふうに思うわけでございます。さらに、移動体通信でも、これは郵政との話も一致されて分離をされるという方針もお決めになりました。これも電気通信事業全体の流れからいえば大変恐らく社内的には抵抗のある問題だろうと思いますが、その点を思い切って克服されて提起をしたことについても私は敬意を表しておきたいというふうに思います。  その前提に立ってお聞きしたいんでありますが、時間がありませんからあれなんですが、移動体通信の問題で、NTTもNCCもその他の新電電も発展されているんで結構な話だというふうに思うわけですね。ただ、いつ見ても料金がずばりNTTが一番高くてNCC関係が低いわけですね。基本料という問題一つとらえてみましても、片一方は一万五千円で一番下の方は一万一千円。基本料ですよ。しかも私は、この基本料というのは一体何だろうと。  電話にかかわる基本料という認識はわかります。東京の面積と仙台の面積とあるいは小さな古川などの面積から比べれば、仙台や古川などは小さいわけで、住民の数も少ない、電話の数も少ない、したがって交換し合うエリアが狭い、あるいは保守に金がかかる、こういう意味合いで基本料が何段階かに分けて決められることはよくわかる。しかし、移動通信の場合に使う交換機、ケーブルは大体同じですわね。違うということになれば、住宅につながるケーブルがないということではないか。つまり、そこは無線でつながる。こういう意味合いで、一体電話料金に使っている基本料と移動体通信に使う基本料というのは同じ性格のものかどうかということ。  それから、一万五千円と一万一千円というのが、なぜNTTが高くてNCCは低いのかということですね。これはもうそれぞれ経営の実態によって決めることですからといえばそれまでなんですが、それがずっと何回料金改定やっても続いてくるというのは一体どういう意味を持つのだろうかということについて、まず郵政省にちょっと聞きたいというふうに思います。
  49. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) お話しの移動体通信、とりわけ携帯電話、自動車電話に限定してのお話かと思うのでありますが、これは基本的には当然のことながら能率的な経営のもとにおける適正な原価に適正な報酬を加える、いわゆる包括原価を基礎にして料金が決定をされておるわけです。御指摘のように月額の基本料、回線使用料と言っておりますが、それと通話料とで構成されていると。NTTもNCCのいずれの事業者も、自動車電話、携帯電話サービスを提供する上で、交換局とそれから移動機にかかるコストは原則として基本料という形で加入者に一律でお願いをする。基地局とそれから交換局―基地間の回線、これに伴うコストは使った量に応じて負担していただく、通話料という形で原則負担していただいているのが現在の大枠の考え方でございます。  いずれにしても、基本料、通話料とも今大変伸びてもいるわけでございますので、将来の需要増あるいは技術革新、こうしたものを取り入れてコストの削減をお願いし、できるだけ競争の効果で今後お願いができるものだと私ども期待をいたしておるわけでございます。  NTT、NCCとも、今お話ございましたように、三月一日から値下げが行われたわけでございますが、これは各社でこういう料金の差が出るというのは、端的に申せば各社の需要のあり方あるいは費用の内容に差異が生じているという点が大きな理由だと思います。また、NCCとしてはやはりどういたしましても競争いたしておるわけでございますから、先行いたしておりますNTTの料金値下げ内容を見て、みずからいろんな状況を判断して、経営判断の上での値下げを行っているということも事実だと思います。  なお、通話料の値下げもいろいろ検討されているようでございまして、近くこの夏にも実施をしたいという意向があるということは私どもも承知をしておるわけでございます。いずれにしても、この料金、そういうことでできるだけひとつ低廉化の方向にぜひなお進展をしていただきたい、こう考えておるところでございます。
  50. 及川一夫

    ○及川一夫君 これはこれからの大きな論争になるところでしょうね。例えば自動車、携帯電話合わせて、NTTの場合には一千二百八億円の収入がある、それに対してNCC十社合計で八百四十九億円の収益があるというふうになっているんですな。これも郵政省からいただいた資料なんだけれども、とり方がばらばらになっていて、これちょっと整理しなきゃいかぬなという気持ちはありますが、そういう実態。  それで、一方では二千三百人の職員数が十社合計でいる、NTTの場合には六百人、こういうような数字になっているんですね、郵政省からいただいた資料によると。例えばずばり人件費だけで見れば、NTTは六百人で、NCC十社全体を集めれば二千三百人になるということになれば、機械的な言い方で恐れ入るが、むしろNCCが高くてNTTが低くなるということになりゃせぬかとだれでも思うんですな。  それと同時に、今森本局長がそうおっしゃるが、そうすると経営の結果だ、こう言ってしまえばそれまでと私も言っていますが、じゃNTTは全く企業努力が足りないのかという議論にもなっていくわけですよね。ですから、事ほどさように簡単なことではないというふうに思いますけれども、この辺率直なところ、NTTの場合は料金が違うということについてNTTの立場に立っている神林さん、どうですか。どうお考えでしょうか。
  51. 神林留雄

    参考人神林留雄君) 料金については、今森本局長からお話がありましたように、各会社の経営状況その他を見ながら認可申請して決めていく、こういうフレームはそのとおりだと思います。  ただ、私どもとしては、今回分社ということについて社内的にも郵政省との間でも割り切ったわけでございますけれども、現在私ども料金の設定についてはNTT法の規定であまねく公平といういろいろなことがございます。今度分社ということになりますと事業法の適用ということに論理上なるのかと思いますが、そういった中で、当然私どもの経営努力といったものが裏側にあっての話でございますけれども、私どもの料金もNCCさんの料金に近づくような、今後の競争いかんによりますけれども、場合によってはそれを下回るような方向で私ども経営努力をしながら料金の引き下げも行っていきたいとNTTとしては考えております。
  52. 及川一夫

    ○及川一夫君 そこで、郵政大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、移動体通信を分離されるということになりました。それで、一年ないしは二年後には完全に新しいサービスを展開するということになるんですが、問題は今の会社法の第二条、電話の役務についてはあまねく公平にということに実はなっているわけですね。移動体通信を完全に分離をして、それで完全民営化という言葉が使われているんです。NTTと郵政省の間で取り交わした何か文書みたいなものにそんなことが書かれているわけです。  完全民営化という言葉を使うということは、ずばり言ってあまねく公平にという第二条の適用というのは移動通信の場合になくなる。なくてもいいんだと。私は悪い意味で言っているんじゃないんですよ。ということになりますねと、そのことはそれでいいのかということをまず聞きたい。
  53. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 今回の移動体の分離というのは、御案内のとおり競争条件の整備という意味合いで、本来NTTが持っております独占部門とそれから競争部門である自動車部門とが一社で行われている。しかも、その独占部門に新しいNCCの自動車電話事業も依存をしなきゃならない。市内網に接続しなきゃ自動車電話は成り立たないわけでございますので、そうした特異な構造を解消するということで今回の措置をとって、できるだけ円滑な競争を通じてその利益を利用者に還元して安くて多彩なサービスを提供していただこう、こういうことの趣旨合いでございます。  お話しのように、大枠についていよいよこれから合意を見てスタートするということに相なりました。したがって、分離後の移動通信会社というのは純粋の民間会社でございますのでNTT法の適用はございません。したがいまして、御指摘のような二条のあまねく公平に全国に安定的な供給の確保に寄与するという、そういう責務も当然のことになくなるわけでございます。  ただ、これはよく誤解されがちでございますけれども、NTTの分離後の移動体通信会社も、それからこれまでのNCCの移動体事業者も公益事業でございますから、これは電気通信事業法の規律の対象になるわけでございますが、この電気通信事業者としては、御案内のとおり利用の公平というのが必ず入ってございます。つまり、事業者は役務の提供について不当な差別的扱いをしてはならない。あるいは、提供義務ということで、事業者は正当な理由がなければその業務区域における役務の提供を拒んではならないという法律もございます。こういうものは当然引き続いて義務を負うわけでございます。  いずれにしても、そうした構造の中で、新しい状態の中での競争が大いに進展することを期待して、その結果が利用者に十分利益がはね返るということを念願しておるところでございます。
  54. 及川一夫

    ○及川一夫君 森本局長が言ったその後段の方は私は全然違うと思っています。ただ、時間の関係がありますからあえて申し上げませんが、いずれ話をしなきゃいかぬというふうに思います。  それからもう一つ、独占部門という言葉の使い方があるんだけれども、市内電話がそうですわな。確かにNTTだけが事業として行っているところですよ。ただ、これも携帯電話はそうなんだけれども、仮にそれがいけないということなら、じゃ新しい電電が全部市内交換網をつくったらいいじゃないかと。そんなことが考えられますか、これ。考えられないでしょう。社会資本の二重投資みたいなもので、一体何でそんな独占部門独占部門という言い方が出てくるんだろうか私は理解できないんです。むしろ、社会資本の二重投資になるからお互い共用しようじゃないか、こういう意味合いでいろんな公平な条件をつくり合って利用すりゃいいだけの話じゃないですか。そう私は理解をします。独占独占というと何か余りいい言葉じゃないですわね。何でも悪いように聞こえてくる。それをねらって発言しているとは思わないが、私は言葉の使い方としては注意してほしいなという気持ちがします。  それと、あまねく公平にという言葉の意味は、まず移動体通信というのが電話の役務なのか役務でないのかという議論、これはしなきゃいかぬでしょう。だれもそんな議論はしていませんよね、当時NTT化のときに。だから、電話の役務でないという前提に立つと、これはあまねく公平にということが採用されない。したがって、先ほどうちの山田委員指摘をされた自動車電話がつかない、ない、通話ができない、どうしてくれるんだという話に対して、別に公平不公平の立場じゃなしに、経営的に成り立つ成り立たないという論を張って、この地域には私たちはやりませんと言っても法律的に問われることはなくなっていくということだと要するに思うんですよ。  だから僕は、それをやれというんじゃなしに、そうすべきだという前提ではなしに、会社法というものがあってそこから分離するということは、それだけはっきり区別をされなければいけないということを前提にしてこの分離問題というものは受けとめなければいけないと思うんですよ。そして、移動通信という事業が、法律はともかくとして、あまねく公平にいくかいかないかということを会社の良識として、会社の社会的責任として問題を解いていくというふうにしなければならない問題だと私は思うんですよ。あくまでも法律行為は法律行為として、第二条の適用はなくなったわけですから、その限りにおいてあまねく公平にということについて考えるなとは言わないが、今の存在する電話事業に比べれば外されたんだという認識認識としてあっていいじゃないか、こういうふうに思っていることを申し上げておきたいんであります。  もう一つは、どうせこれは今これでもう終わるわけじゃないですから、これからも論議があるところですから申し上げますが、NTTにちょっとお聞きしておきたいんです。  料金の見直し、大変結構だと思います。ただ、MAという原則を、今大体県単位にすれば平均的にいうと十ぐらいに割っているんでしょう、十カ所ぐらいに。そして一つのMA内が市内通話料金、こういうふうになっておる。それを県単位、要するに県全体を市内料金にしようというようなことがどうも発想されているようなんですが、問題はないのかなということで考えるのは、企業経営がどうこうの問題の前に、これまでの市内料金区域内と言われたところで、その領域だけで通話、電話の利用というのが終わっている方々があるはずですよね。私は千葉県におるんだけれども、千葉県を何カ所か調べてみますと大体今のMA内だけでもう年間ほとんど終わっている。市外にかけても年に二、三回というような人が六〇%も存在をしているということをたまたま知ったわけです。  そうしますと、今までの市内料金の区域が膨らむということはいいんだけれども、それで料金が三倍になったり四倍になったりしてしまったら、これは事は大騒ぎということになるんだろうと思うんです。そういう性格を持った料金制度というか料金の見直し、問題点というのが出てくるわけで、それにかてて加えてNTT自体の経営ということも出てくるでしょうね。そういう問題があるだけに、どうそれは克服できるという前提に立って、今結論があるかどうか知りませんけれども考えられているのかということを最後にお聞きしておきたいと思います。
  55. 神林留雄

    参考人神林留雄君) 端的に言えば料金体系の見直し、ちょっと最近新聞に出ておりますが、それはどういう考えかということだと思います。  これはNTTだけで決まるものじゃございませんし、いろいろ関係するところもあるわけですが、私どもとしても料金体系のあり方については現在いろいろと勉強しております。先生御存じのとおり、民営化以降今まで専ら遠距離料金の値下げという格好で、過去から引きずってきた望ましくないというのはおかしいですが、若干ひずんだ料金体系の是正に努めてきました。しかし、先生の御指摘の中にもございましたように、私どもの現在の料金というのは基本的にはやはり独占時代の、電電公社時代の料金といったものを数多く残しておると思います。  例えば、幾つかありますが、先生今御指摘のとおり、MA、十円でかかる区域ということですが、この辺の問題もあるわけですね。非常に代表的な例では、三多摩地区を東京二十三区に合併せいというお話をしょっちゅう受けております。これは、中身を簡単に言いますと、市外局番を回さないでつなぐようにしてほしい、こういう話なんでございますけれども、こういう問題もございます。それから、ちょっと話が先へ行っちゃうかもしれませんが、料金問題全般というふうに理解させていただきましてお答えしますと、サービスについてはいろいろ論議のあるところではありますが、基本的には市内通話というのは赤字構造である、あるいは市外通話というのは黒字構造である、こんなような問題もあります。それから、要すればほかの事業者が持っていない各種の公共負担的な料金といったものもあるかと思います。  こういったものを引きずっておりますが、こういったものは今まで遠距離の是正ということできたわけですが、大変長い目で見ていきますと、果たして私ども、さっきから出ておりますあまねく公平という責務、あるいは実際の社会経済状況の拡大ですね、三多摩の問題等に対応できるかどうかというとなかなか難しい点がありますんで、この辺をどうしていくかということを今一生懸命勉強中でございます。いずれ私どもなりの案を固めた上で関係御当局ともいろいろ御相談していくということになるかと思いますが、そういう幾つかの問題を抱えているということを前提に現在一生懸命勉強しているところでございます。そういうことでお答えさせていただきました。
  56. 一井淳治

    委員長一井淳治君) 午前の質疑はこの程度といたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時三分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  57. 一井淳治

    委員長一井淳治君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、電気通信基盤充実臨時措置法案議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  58. 守住有信

    守住有信君 午前中山田委員その他からこの法律についていろんな角度から御質問がございました。多少私もあいまいに思っておった部分が午前中の御回答で幾つか明らかになってまいりました。  そこへ入ります前に、昨年の特定通信・放送開発事業実施円滑化法、これと、今回新しく人材の養成、レベルアップというのが入っております。前半のハードの方ですね、これがどのような関係が、具体的に今後展開構想をしておられるのだろうか。あるいはまた、円滑化法が実行されましてまだ期間は短うございますけれども、これの実施面の結果というか、どういう芽が出だしておるだろうか。そういう二点についてまず最初お尋ね申し上げます。
  59. 白井太

    政府委員(白井太君) 昨年法律を成立させていただきましたいわゆる特定通信・放送開発事業法の実施状況でございますが、昨年六月に法律が成立をいたしまして、その後民間からの出資、出捐を募集するなどの準備作業を秋までかかって行いまして、実際に法律の運用が始められたというのは昨年の十月からでございます。したがいまして、実際に法律が動き始めてからということになりますとまだ数カ月しか経過していないわけでございますが、その結果について申し上げますと、一つは、通信・放送新規事業という種類の新しい事業につきまして、つい先日、先月でありますが、郵政省としては一件この支援対象の事業として認定をいたしました。いずれその当該事業に対しましては通信放送衛星機構から出資一億円がなされるとともに十五億円について債務保証がなされる予定になっております。  それから、まだ最終的な決定はいたしておりませんが、そのほか地域通信・放送開発事業につきまして約十件近くの案件が今検討の俎上にのっておりまして、これらについてはいずれ地域通信・放送開発事業ということから利子補給の対象として取り上げることになるだろうというふうに見ております。  以上が昨年法律を成立させていただきました通信・放送開発事業法の成果でございます。  それから、昨年の開発法とただいま御審議をお願いしております基盤法の関係につきましては、一般的には、昨年の法律というのはいわば事業分野を新規に開拓するあるいは事業分野を拡大するという視点からいろいろな支援措置を講ずるということを内容とする法律でございまして、今回御審議をお願いしております基盤法の方はいわゆる情報通信に関する基盤整備というのをねらいとした法律案になっております。
  60. 守住有信

    守住有信君 最後のところはちょっと抽象的過ぎまして、法律制度の骨組み、仕組みというか、それの組み合わせ方といいますか、その辺のところをもう少し解説的に、午前中もいろいろ御意見が出ておりましたけれども、お願い申し上げます。
  61. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 昨年の円滑化法でお願いしましたこれは通信・放送開発事業というネーミングをいたしております。つまり、こうした電気通信分野で新しいベンチャービジネス、これはなかなか立ち上がりも容易じゃございません。リスクも大きゅうございます。こうしたものをひとつ法律のスキームで支援しようというのが端的に言えば去年の法律であったと思います。今回の法案はいわばこうしたサービスの提供のためのグルントといいますか、基盤といいますか、人材の方を抜きますと具体的には電気通信施設になるわけでございますので、そういう施設整備全国的に図ることについての国としての支援をお願いするというのがこのスキームでございます。  具体的に例えば例を引きますと、広帯域ISDNのようなものを例にとりますと、昨年お願いしましたスキームでまいりますれば、こうした新しい技術を活用したいわばアプリケーションといいますか、サービスといいますか、そういうものを企業化する。この支援が昨年の円滑化法のねらいでございますが、今回のものはそうしたサービスが可能になるような電気通信ネットワーク、つまり対象は事業者でございます。電気通信事業者が広帯域のようなものを仮にやるとすればここに規定をいたします二条の中に入る中身でございますので、この整備全国的に広げてもらおうというのを支援したいというのがこの法案の中身でございます。
  62. 守住有信

    守住有信君 時間もありませんので、私が非常に重視しております研修センターの方でございます。  人材、いわゆる技能のレベルアップといいますか、特に事業者だけでなくて、通信につきましても通信工事会社、いろいろNTTその他ございます。それの下請けというと言葉は変でございますが、そういう事業者地方でもレベルの向上、NTTの入札というものを通じて競争しております。そういう問題と同時に、午前中山田委員からも出ました地方の振興、それは中小企業産業界と同時に情報通信産業、あるいは工業界といいますか工事会社、施工会社、そういうもろもろの中小企業、と同時に結果としては情報通信・放送の地方分散への役割が高度化、例として挙げれば広帯域・高速のISDNその他を通じての問題があると思います。  放送につきましてもいろんな放送番組の下請があります。そして、地方民放はどちらかというと放送番組の垂れ流しということでございますし、報道は努めて地方のローカルの報道をやっておられますが、それを番組化していくというか、そういう人材にもこれは大きな意味を長期的に持ってくるだろうという意味で、ソフトというか人材というものに視点を置かれたというのを非常に高く評価しておるわけでございます。お話にも出ましたように、最初はテレトピアとかあるいはキャプテン、どちらかというとそういうハードからどんどん進んでまいりましたけれども、そういうものについて非常に私は関心を持っております。  その前に、実はこれは通産省でございますけれども、例えば中小企業大学校、私の方で言うと南九州の人吉分校、平成三年度に基礎調査費がやっとつきました。特にその中のカリキュラムといいますか、私らの地域南九州は農業県でございますから、農業は農水省ですけれども、農産物の加工業、林業の加工業、水産物の加工業あるいは流通、そういうノーハウを南九州の中小企業大学校でこのカリキュラムを大いに重視してほしい、北九州の直方とは違いますよ、こういうことを決算委員会等通じて通産省の中小企業庁にも申し上げております。  それから、もう一つございますのが、具体的に、あれは通産省の情報処理振興事業協会、これは二十年ぐらいの歴史がある機構法と法的には同じような特殊法人でございますけれども、それを通じて昨年でございましたかな、地域ソフトウエア供給力開発事業推進臨時措置法、これも時限立法で十年でございますけれども、コンピューターそれとそのソフト。片や私ども逓信委員会としては情報通信ネットワーク化、高度化あるいは放送番組、こういうふうな視点、角度は違いますけれども、手法は非常に似ておると思うわけでございまして、先発の方が通産省だったわけでございます。  長期的には多少オーバーラップしますけれども視点は違うけれども、手法は全く似たような研修センターが通産省の世界で、地域の中で、私の熊本県もやっとこさ入り込みまして、それが今もう近く建物もできる。会社もできました。あれは雇用促進事業団等を含めまして国から四億、地元の熊本県が一億、地元の産業界、まあいろいろ情報処理の世界でございますからコンピューターの学校、専門学校がございます。そういう小さい学校も三百万、四百万入れてもらいまして地元で四億円集めて資本金九億円ということで、熊本は全国で五番目でございましたかね、スタートをした。こういう事実があるわけでございます。  そこで、せっかく通産省情報処理振興課長がおいででございますから、ひとつ通産省さんがどういうとらえ方、これは先発でございますから、この人材の養成に取り組まれ、かつそのプロセスを通じてどういう問題点を克服していかなきゃだめですよというふうな、いろんな角度のお話を一つの体験としてお聞かせいただければ我々の世界にも参考になるんじゃないか、こういう実践論としてお尋ねをする次第でございます。よろしくどうぞ。
  63. 中村薫

    説明員(中村薫君) 通産省の情報処理振興課長の中村でございます。  守住委員より通産省の地域ソフトウエア法についての経験を述べよということでございますので御説明させていただきたいと思います。  地域ソフトウエア供給力開発事業推進臨時措置法は、平成元年の第百十四国会において皆様の御支援のもとに成立させていただいたわけでございますが、同法に基づきまして昨年の二月に熊本を初め六カ所、それからことしの二月下旬に平成二年度分として札幌以下六カ所の承認をしたところでございます。  御承知のように、この法律の目的としておりますのは、情報化社会が進んでいきますとソフトウエア人材が非常に不足するということで、試算によれば二〇〇〇年に九十七万人ぐらい足りなくなるという一つの試算もあるわけでございますが、そういう需要がどんどんふえていって、片一方で人材が追いついていかないという事態に対応するための対策として考えられたものでございます。対象がソフト人材ということで、今回電気通信基盤法の電気通信人材とは若干対象が異なっておりますけれども、経験ということでしゃべらさせていただきたいと思います。  我々のソフトウエア人材の不足というのが特にシステムエンジニア部門、単純プログラマーというよりはシステムエンジニア部門の不足が非常に緊急の解消課題となってきたわけでございますが、現在のソフトウエア開発というのが大都市圏に非常に集中して八五%とか九〇%近い集中度を見せておるということで、一般に大都市圏ではシステムエンジニアを育成する土壌が備わっているのに対して、その他の地区では高度な知識技術に触れる機会がなくてシステムエンジニアも不足しているということで、国として政策をとらねばならないだろうということで考えられたものでございます。地域ソフトウエア法というのは、そういうふうな地方都市において企業に勤務しているプログラマーを集めてシステムエンジニアの素養を身につけさせるための研修を行う事業ということで、そのための会社設立を国が出資、事業費補助、事業費助成の支援措置を講じてきているものでございます。  具体的に設立段階までの留意点といいますか、我々も解決していかなければならない課題ということで幾つか紹介させていただきたいと思います。  まず、この事業研修事業といいますか教育事業ということでございますので、まず第一に研修生の確保というものが必要になるわけでございます。橋と違いまして、橋は人が通らなくとも橋なんですけれども研修施設というのは研修をやってなければ単なるどんがらにすぎないわけでございまして、そういう意味研修生をいかに確保していくかというのが地域によっての最大の課題という、我々の経験からいくと課題になっているわけでございます。  現実的には、システムエンジニアを育成するために我々の感じでは四百五十時間程度の教育が必要になるわけでございますが、現実に例えば連続三カ月間の研修とか一日おきに六カ月間の研修企業に張りついている人を出せということになりますと、企業にとってもかなりの覚悟が要るということになるわけでございます。御承知のように、この情報関係の産業というのは、いわゆる一般的な人手不足以上に慢性的な人手不足になっておりますものですから、こういう状況下で地域中小企業から研修生を出してもらうということが我々の経験からいっても非常に難しい。その意味で、この事業を行うについて地元の中小企業から一人でも多くの研修生を出していくということを地元に理解してもらうということが事業の成否を握ると言っても過言ではないと考えられます。  それから、第二の我々としてのあれでございますが、研修といいますとやっぱりインストラクターというものが必要になるわけでございます。インストラクターといいますか講師でございます。多分、我々のソフトウエアの部分も恐らく電気通信の部分も同じでございましょうけれども技術の進歩が非常に速いために、地方において教える方の人も必ずしも十分であるとは言いがたいわけでございまして、その意味地方で優秀な講師を確保するということが重要になってくるわけです。  当然我々の経験でも、例えば財団法人日本晴報処理開発協会の中央情報教育研究所というようなところから講師を派遣していくということもやっておるわけでございますけれども地方展開ということになりますとどうしても地方からの講師を活用していきたい。そういう意味で地元の大手企業、コンピューターメーカーだとか、それからNTTにしても大学にしてもそういうところからできるだけ地元の優秀な技術者を講師として出してもらうという意味での地元の協力というものが必要になってまいります。  それから第三に、先ほど守住委員から御指摘がありましたように、カリキュラムの内容というものが必要になるわけでございます。我々の事業ではIPAという情報処理振興事業協会が標準的カリキュラムをつくっておりますけれども、それをどういうふうに地元のニーズに合わせていくか。それから、どんどんこの世界は技術が進歩していきますものですから、それをどういうふうに組み込んでいくかということのカリキュラムづくりというのが非常な仕事、またこのカリキュラムが地元のニーズに合わないと研修事業がうまくいかないというようなことがあります。  それから第四番目に、取引のあっせんといいますか、というものが必要になります。研修研修でございますけれども研修として一番の成果があるのは、研修で終わることではなくて、そういうふうに現実仕事としてそれを生かしていくという場面が必要になる。いわゆる東京での仕事を地元に持ってくるようなことを考えていって、それで学ばせながら仕事もやっていく、オン・ザ・ジョブみたいな形でのやり方を考えていく必要がございます。  いろいろ勝手なことを述べさせていただきましたけれども、やはり研修生が参加しやすい環境というものをどういうふうにつくっていくかということが一言で言うと最大のポイントになるというふうに考えております。  最近のアメリカの雑誌等でも、アメリカにおいてもソフトウエア分野などの教育の重要性というものを指摘されてきておりますけれども、こういう意味情報関係の世界の中で研修というものを成功させていくことが我が国の情報化の将来にとりまして大変重要なことであろうと考えております。  現在まで地域ソフトウエア法に基づきまして十二のセンターを承認してきておりますけれども、まだ大半が工事中であるとか建物が完成していないという状況のものが多いわけでございまして、我々も試行錯誤的にいろいろやっておるというところでございますけれども、これまでの経験をしゃべれということでございましたので、簡単でございますが留意点だけを述べさせていただきました。
  64. 守住有信

    守住有信君 今例えば講師の問題、カリキュラムの問題、それからオン・ザ・ジョブといいますか、仕事をしておる社員の、いろんな中小企業等の方々の再訓練みたいなこと、しかもそれが経済的に長期的には成り立たなきゃいけませんから、コンピューターのソフトの開発を、東京から仕事を持ってこぬとこれ中小企業で食い合いになりますからね。そういうことのいろんな手だてというものが、今度は情報処理、コンピューターの方のソフトじゃなくて通信処理といいますか、ネットワーク構築と同時に、その通信関連産業、放送も含みますけれども、そういう人たちの高度な技術、ディジタル化に向かうわけですから、その施行ができるようにという、私はそういうイメージでおるわけでございます。  ちょっと通産省で聞いておったら、郵政省の方にはNTTやNHKに協力義務があると、こういうことをお聞きしたわけですが、なるほどなと思いました。だから、そこのところもよくこれはプロジェクトを組んでやっていかにゃいかぬけれども、NTT、NHK、映像文化の方と通信の方でございますけれども、これについてはどのような今状態か知りませんけれども、どんなお考えでおられるか、お話をいただきたいと思います。
  65. 白井太

    政府委員(白井太君) 最初に、NHKとNTTの御協力についてでありますが、法案の十一条にもございますように、特にNHK、NTTについては、この法案の内容になっております事業の公共的な性格と申しますか重要性にかんがみまして、ぜひ御協力をお願いしたいということで二つを代表例として挙げさせていただいております。これは申し上げるまでもなく、このNHK、NTTは全国的な組織も持っておりますし、また外部からの研修生を、ごく限られた施設についてでありますけれども、受け入れて研修事業を行っておられるという実績もあるものですから、ぜひ御協力を得たいということでこのような条文を法案の中にも挙げさせていただいたわけでございます。  それから、先生の御質問と少し離れるかもしれませんが、私ども法案趣旨を御理解いただくために一言ちょっと付言させていただきたいと思いますが、今日この情報通信分野で人手不足というのが言われる背景といたしましては、当然のことでありますけれども企業活動だけじゃなくて地域活動とか、場合によると社会生活分野にまでこの情報通信というのが近年非常に急速に入り込んでまいりました。しかも、その情報通信分野というのは、午前中の御質疑の中でも出ておりましたけれども技術面でやっぱり日進月歩の状態でありまして、そうした技術開発によりますます高度化されてきているというような事情があるように思うわけであります。  そうなりますと、そうしたせっかく開発された技術を利用できるようなノーハウを持った人がおりませんと、せっかく開発された技術国民生活の利便のために生かされないということになりかねないわけでありまして、そういう事態があちこちで出てきているということが人手不足がささやかれる背景としてあるのではないかというふうに思っております。私どもとしてはそういう事情を一応念頭に入れまして、それぞれの企業なりあるいは公的な機関でお仕事をなさっている事情とか、あるいはその仕事の内容というのはいろいろあるのでしょうけれども、それぞれのいろいろな要望があるということを前提にいたしましてカリキュラムの方もいろいろ組み方に工夫を加えて、その方の必要性に応じ、あるいは事情がどの程度許すかというような事情にも応じて、ある方は長く研修を受ける、場合によるとある方は夜間のコースだけを受けるというようないろいろな選択ができるような仕組みを取り入れたいというふうに考えております。  そういうことによりせっかくできた施設を有効に使っていただけるような方途というのを工夫してまいりたいというふうに考えております。
  66. 守住有信

    守住有信君 今、後段の方でお話の、特に県や市町村、特に県庁あるいは都市型CATV等の地域情報、市政便りをどういうふうに番組制作して流すかとか、県は県で、例えば大分県なんか平松知事がNTTのディジタル化のネットワークを県庁と各市町村、地方事務所、土木事務所と全部結びましてこれをやっている。ところが、熊本県の場合、私がいろいろ言いましたけれども、この理解ができない。県庁の幹部が理解できない。こういう実は問題もあるなと。公共機関の情報通信、映像文化の利活用の方法論、こういうものもこういう研修センター、底辺の方から上がっていくと地方行政担当の諸君たちも何らかの刺激を受けてくるんじゃないか、こういう期待も持っておるわけでございます。  それからまた、ちょっと角度を変えまして、郵政省所管の国家資格試験の無線従事者とか工事担任者とか電気通信主任技術者とか、せっかくの国家資格試験の仕組みがある。こういうのも今回の法律案の対象としては視点を置いておられるようでございますけれども、当然に試験の合格者等々はわかっておるわけでございますから、どこの雇用企業とか、おうちでやっておる方もおありになるでしょうけれども、そういう方々への呼びかけ等も当然に対象としておられると思っておりますが、いかがでございましょうか。
  67. 白井太

    政府委員(白井太君) 今度の法律案で一応予定させていただいております内容は、そのような資格を取得するということを直接目的としているわけではございません。ある意味では、研修の中身が、そういうような範囲の中身について研修を行うということで法律にそのような資格者等の名称が載っておるわけでございます。長い目でこれからのセンターの運用の問題として考えましたときには、そういう資格の問題ということについても十分私どもとしては検討をしてまいりたいと思いますけれども、現在のところは資格の有無というよりも、実際の実務に必要な知識をどうやって勉強していただくかということを主眼にしてセンターをスタートさせたいというふうに考えております。
  68. 守住有信

    守住有信君 それから、もう一つ気になりますことは、通信放送衛星機構の問題がありました。その法人格の議論、臨調答申等は私はそれなりのはっきりした考え方を持って臨めると思っておりますから、それは別としまして、今回は機構を通じて実行していく。お役所が直接じゃないわけでございますな、郵政事業とは違うわけだから。間接の指導、誘導だな。これが気になります。  機構百十一人おられますけれども、今までは衛星の静止軌道のウォッチングとかそういう役割でございましたね。私は、人材養成だけれども、これ機構の人材養成をまず先行すべきではないか。東京にあるわけですから、本省各課とプロジェクトを組んで、そこらにNTTの技術員とか放送の技術員とかそういう者も入れて、そういう幅広いプロジェクト、センター的なプロジェクト、こういうのを真っ先に、これ事前の予備行為としても法律が通らぬでも少しはやっておられるかと思うんだけれども、やるべきではないか。ここが実は一番気になるわけです。  その次が地方の都道府県でございまして、ここの企画開発部とか総務部とかいろいろあって、私もいろいろやっております。やっておるけれども、県と地方電監との関係は長い間許認可できたわけですね。こういう産業誘導行政をやるわけですから、しかも人材という問題、これまた非常に難しい総合的な絡みを進めていかなにゃいかぬ。ここをどのようにお考えなのか。これが最大の私は今後展開をしていくまず一歩ではなかろうか、このように考えておりますので、そこらあたりの考え方なり仕掛けなりをお話しいただきたいと思います。
  69. 白井太

    政府委員(白井太君) 申し上げるまでもないことでありますけれども通信放送衛星機構に対しては、理屈だけの仕組みから申しますと、通信放送衛星機構というのは業務方法書というのを作成いたしまして、それを通じて郵政省としては必要な指導等を機構に対して行うという仕組みに一応なるということではあります。しかし、実際問題といたしましては、この種の仕事というのはそうした制度とか枠組みというものに余りこだわらずに、実質的に適切な業務の運営ができるように十分連絡を密にしていくということが重要であろうかと思います。  ただ、この法案でいろいろ具体的にお願いしております中で、例えばある事業体がここの法律の内容になっておりますような事業を実施したいという場合には、実施計画というのを郵政省に出していただくことになっております。その実施計画について、この計画内容というのが法案の中身に書いてありますような要件を満たしておるとか、あるいは目的が適切であるとかいうような認定というのは郵政省自身が行うという仕組みになっております。機構の方は、そうした認定を受けた事業体に対しまして、いわば金融業務のような側面から出資をすることの是非等についての判断を行うというようなことになりますので、十分連絡を密にすればこの法律の運用にそごを来すことはないのではないかというふうに考えておるところでございます。  それから、都道府県の関係につきましては、ただいま守住先生が御指摘になりましたように、率直に申し上げて、今まで私どもに関する仕事につきましては、都道府県と連絡の上で仕事をするというようなことが非常に少なかったことは事実であります。そういう点については必ずしも十分な経験を持っていない、あるいはノーハウも持っていないということではあろうかと思いますけれども、最近では特にそれぞれの都道府県はもちろん、市町村におきましても情報通信を利用して地域づくりをするという動きが大変活発になってきております。実質的にはいろいろな形で地方公共団体の方々とも接触をさせていただく機会が大変多くなってきたように思いますので、そうした中からより都道府県等との意思疎通というのが円滑にいくということについていろいろ努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  70. 守住有信

    守住有信君 今都道府県、市町村で思い出しましたけれども、去年の四月一日か、あれは議員立法でございますけれども過疎地域活性化特別措置法、これは十年間でございますがね。あの中に電気通信に関する施設というのを入れ込んで、実践例としてはNTTのオフトーク通信、それからテレビの民放の山の奥の難視、テレビ塔、放送機器をそれにつけて、それでいわば放送文化格差解消論というのを私は自民党内でぶちまして、あの中へ入れていただきました。平成二年度、過疎債に対する七割の補助でございますけれども、熊本県もテレビが二年度だけで五、六カ町村、それからオフトークが三つ、今全部調べておりますけれども、九州もだんだんだんだん広がっている。そういうことを通じていわゆる地方というものと同時に、その地方の中でも特に過疎から物を見ていくという思想でございますけれども、それがやっと芽を吹いて十億三百万になったかなというふうな感じを持っております。  地方電監は今まで長い間許認可できましたので、こういう産業政策、育成政策、そういうものに対する動きというもの、地方電監への指導というか徹底というか、そこらあたりが今後の最大の、それ以外にもいっぱいありますけれども、我々のというか、私はもう郵政省じゃございませんけれども、そういうテーマじゃなかろうか、こう思っておりますが、そこらあたりを大臣はどのようにお受けとめでございますか、よろしく。
  71. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) 私が郵政の政務次官のときの事務次官が守住委員でございまして、そのころからるるお教えをいただいておりまして、ありがとうございました。そういう観点から答弁をさせていただきますので、まず御満足のいただける範囲に到達できると思います。  おっしゃいますように、地域間格差是正ということがまたこれ大きな問題でございます。この法律がねらっておりますのは、先般新しくまた十年間の延期をいたしましたが、いわゆる過疎地域の活性化の法律、この中にもうたわれておるとおっしゃいましたが、確かにその中の大きな柱でもあるわけでございます。この充実臨時措置法案は、特に私はそういう過疎地であるとかあるいはまた離島、そういうようなところも含めて重きをなしていくべきではないか、そのように思っておるわけでございます。  したがいまして、今回の内容も、先ほどるる御指導がございましたが、テレビの放送が見えない地域をなくするためのテレビ放送中継局の整備ども大きな柱になっておりますので、ぜひ守住先生指摘観点に注意を払って進めていきたいと思います。
  72. 守住有信

    守住有信君 もう時間がなくなりましたが、一体電報が電気通信なのか通信なのか。片や電子郵便がございますね。それで、この間は何か電気通信審議会で夜間の電報サービスをやめる、ある程度圧縮する、こういうのが出たようでございます。もう一つは、あのころ、つまり電電改革のころは電子郵便というのはまだ全国普及をいたしておりませんでした。同じ配達つきでございます。それで、労働力不足ということが言われている。NTT自身は、私の考えではその資本と持てる技術力、人材、能力をいわゆる高度化の方へ向けて進むべきで、ベーシック通信といいますか、片や郵便が同じようにマンパワーを使って全国的に電子郵便配達組織がある。  こういう角度に対して前からそういう意見を持っておりまして、あの事業法をつくるとき、附則のあれは第五条でございますか、ちょっと読み上げます。「電報の事業(配達の業務を含む。次項において同じ。)は、当分の間、第一種電気通信事業とみなし、日本電電及び国際電電のみがこれを行うことができる。」云々と、こういうふうに法律制度的に見ても本来の電気通信事業ではない。しかし、ベーシック通信ではある。片や通信を郵便がやっておりますし、電子郵便というものが電気通信手段を入れて、近ごろはコンピューター郵便ということまでも開発が進んでおる。同じマンパワーを使う配達という問題を、この労働力不足あるいは電電の将来あるいは郵便の将来、国民生活、これを考えていったとき、何と申しますか、コンピューターだけではなくて、ファクシミリ通信というのは物すごい伸びで一方では出ております。  それで、ついでに申し上げるならば、英国はBTをつくるときに電報をやめました。あのころは郵便公社と電気通信公社があったわけです。電気通信公社をBTにした。そのときに電報をやめまして、郵便公社の方で電子郵便と同じような仕組みに切り分けたわけでございます。  あのときは大改革を日本でもせにゃいかぬものですから、電報の問題は「当分の間、」とああいうふうな附則の中で規定を入れておったわけでございますが、夜間をやりませんとサービスグレードがほぼ同じになってくる。今すぐとかそういうことを申しているんじゃありませんが、他方ではいわゆるファクシミリ通信というのがどんどん普及してくる。それで、電話はもっと高度化の方へさらに進む、こういう時代背景でございます。NTTからも郵務局からもおいでなさっておられますけれども通信政策の今後の行き方として、このアウフヘーベンをどう考えていくかということを一つの大きな課題として、古くて新しい問題でございますけれども、今後の課題として最後にお話を申し上げまして、時間がございませんので終わらせていただきます。  余談ですが、大森先生が一時間やってくれればいいがなと。そういうわけにまいりません、ルールでございますから。ありがとうございました。
  73. 星川保松

    ○星川保松君 今回の電気通信基盤充実臨時措置法という法案は大変難しい法律のようでございます。特に私この逓信関係の方へ初めて来たために殊さら難しく感じるのかもしれませんが、よくこれを読んでみますと、新世代通信網、いわゆる広帯域ISDNというものが今度新しくできていくんだということのようでありますけれども、この新世代情報通信網というもののイメージがどうも沸いてこないというところにこの法案がまた難しく感じられるのではないかという気がいたします。  それで、いわゆる総論がはっきりしないままいきなり各論が出てきたような感じがどうもするわけでございます。いわゆる基盤を整備するということになりますれば、こういう全体構想の新世代通信網が今度でき上がるんだ、そういう時代が来るんだ、それについてこういう基盤を整備していかなければならないんだという各論がつながってくればもう少し理解が早まるのではないかという気がするわけでございます。したがいまして、この新世代通信網というものの全体構想、これをできるだけわかりやすく郵政の立場でひとつ御説明をお願いしたい、こう思います。
  74. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 今の通信網は、大宗は音声を伝える、つまり電話のネットワークが基本にでき上がっております。ただ、この方式はいわばアナログの方式でございます。音声をそのまま強弱の電流の強さに変えて相手に送り届ける。基本的にはこれが今の通信ネットワークの大宗を占めておると思うんですが、御案内のとおり高度情報化ということでこうした信号をディジタルに置きかえる。そうしますと、同じ電話のサービスでも、いろいろ議論があるところですが、例えばあなたは今月どこへかけましたという料金の明細を全部出すことができる。あるいは、問題になっているダイヤルQ2みたいな問題で、うちの子供がもうこのダイヤルQ2をかけないようにしてくれと言ったときに、従前のアナログのネットワークじゃそれが不可能ですが、ディジタルになれば可能になる、そういうストップもできるというふうに、アナログからディジタルへ動いております。  かつまた、今までの電話のネットワークは電話のネットワーク、ファクシミリを送るネットワークはファクシミリ、さまざまな用途に応じていろんなネットワークができておりましたが、これが今ISDN化していると。今御質問の新世代はこうした趨勢をさらに深めたネットワークでございまして、ISDNになってさまざまなサービスが一本のネットワークで、一本の回線で実現できることになるんですが、今のISDNでは端的に言うとやはり情報量を送る制約がある。例えば、今のネットワークで送ればせいぜい静止画ぐらいしか送れない。それ以上テレビの画面のような一秒間に膨大な情報量を電送するとなればこの新世代ネットワークにまたざるを得ない。したがいまして、この新世代ネットワーク構築されました暁には、大量の情報を瞬時に日本じゅうどこからどこへでも張りめぐらすことができる、しかもいろんなメディアの交換が可能になるということで、いわばこれまで長年の人類の懸案でありました時間と距離の克服ということをこのネットワークでやれるのではないかと世界各国とも大変熱い思いを抱いておるわけでございます。  総論はそういうことでございますが、これには大量の投資が必要になる。光ファイバーあるいはマルチメディア交換機、朝山田先生お話しになりましたATMとかというようなたぐいのもの、あるいは各種の制御装置、つまりネットワークをできるだけ賢いものにするためにいろんな各種の制御装置を投入しなきゃならない等々の投資が要るわけでございますが、こういうものを通じてでき上がった状態では、先ほどからも議論が出ておりますように、地方と都会との情報格差是正、あるいは大企業中小企業のこれまた情報格差からくる企業規模によるメリット、デメリットの解消、あるいは自宅にいながら一々現地に赴かなくてもいろんな仕事が、ハンディキャップのある方、御婦人の方、老人の方にも社会参加の道が可能になる、こんなふうに考えておるわけでございます。  先生の御質問、包括的でございますのでなかなかお答えしにくうございますが、全部を申し上げるとなかなか終わりませんので、この程度でひとつ御勘弁いただければありがたいと思います。
  75. 星川保松

    ○星川保松君 いつごろまでにどういう段階まで進むのか、その新世代通信網というものを我々一般の人々も利用できるというのがいつの段階かというようなこともひとつお話しいただきたいと思うんです。
  76. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) そうした通信網構築はもう去年当たりからぼちぼちNTT初めNCCも準備にかかっておるわけでございますが、一番基幹事業者でありますNTTの計画ではこの平成七年からサービスインをしたいということで、大体二〇〇〇年ころにはこうしたサービスを受けられるエリアが各地方の政令都市あるいは県庁の所在地等々の県の主要都市。それが大体あと十年ぐらい。最終的に日本全国がカバーされるのが大体二〇一五年。大変息の長い計画ではあるわけですが、今申しましたように、多量の投資と長期の計画がどうしても伴わざるを得ない、そういう計画に相なっておるわけでございます。
  77. 星川保松

    ○星川保松君 それで、今回の基盤整備の問題がいわゆる既存の計画とどういう関係になっていくのかということをお尋ねしたわけであります。  それに先立って、地域情報化施策の中で今のところ三つほど大きいものがあるわけですけれども、円滑化法というのはまだできて間もないわけでありますが、テレトピア構想と民活法の施設整備事業、この二つとの関係をお聞きしたいんですが、その前にこのテレトピア構想並びに民活法の施設整備事業の進捗状況、これがどういう段階にあるか、それについてひとつお話をお願いしたいと思います。
  78. 白井太

    政府委員(白井太君) いわゆるテレトピア構想と私ども呼んでおりますプロジェクトは、俗にニューメディアと言われておりましたような新しい情報通信メディアを使いまして、そのメディアを利用することによって地域づくりと申しますか、あるいは町づくりをしようというようなプロジェクトでございまして、現在まで八十七の地域を私どもとしては対象として指定をいたしております。それで、・この地域数というのは年々少しずつふえてきておりまして、まだ今後もかなりふえていく傾向にございます。と申しますのは、テレトピア地域ということで計画について私どもとして認定をいたしますと無利子融資等の支援措置が受けられるというようなことから、地域開発のためにはテレトピア構想というか、テレトピアプロジェクトをぜひ利用したいという地域が次々と希望一を出してきておりますものですから、これがまだまだふえていくという傾向にございます。  それから、民活法施設と俗に言われておりますのも、これも支援の内容というのは無利子融資を中心とするものでありますけれども、これは数年前非常に盛んに言われました民間活力の活用というか、民間活力の導入というような考え方のもとにつくられた法律でありまして、民間の事業者の方の能力を活用しながら特定の施設整備する、そのことによってその地域の活性化を図るというのが一口に言うとその法律の中身であります。  どういう施設をつくるかということにつきましては、それぞれ各省がアイデアを持ち寄ってこの法律の中に書き込んだわけでありますが、通産省は通産省の受け持ちの事業分野について民活法の対象にいたしますし、運輸省は港湾等の施設、あるいは農水省は農水省関係のいろんな施設を民活法の対象事業として上げようということで法律の中に書き込んだわけでございます。郵政省は当然のことながら電気通信とか放送という関係の施設整備によりその地域を活性化するというようなことで名のりを上げておるわけであります。この施設については、郵政省関係分としては現在まで認定した施設が十三施設ということになっております。  テレトピア構想の場合も民活法施設整備事業の場合も、受け持ちをしております私どもといたしますと比較的よく活用をしていただいているというふうに申し上げることができるのではないかというふうに思っております。
  79. 星川保松

    ○星川保松君 この二つのプロジェクトと今回の基盤法の中の施設整備の方との関連はどういうふうにお考えでしょうか。
  80. 白井太

    政府委員(白井太君) 先ほど申し上げました民活法施設の中にもある程度、例えばつくった施設の中に研修室のようなものを設けるというようなものも確かに内容として入っております。ただ、いずれにいたしましても、民活法施設というのは民間の事業者の方の能力を活用してその地域一つ施設をつくって、その地域の活性化を図るといいますか、地域づくりをするというねらいで設けられた法律でございます。  今回私どもが御審議をお願いしております法律案による人材研修センターについて申し上げますと、これはある意味ではこれからの情報化時代の基盤になる人材の育成というのを全国にわたって行いたいということがねらいでありまして、いわばその手段としてセンターをつくる、あるいはそのセンターをつくることについて国が支援をするというのが内容になっております。もともとのねらいといいますか発想というのが異なるものですから、施設の中身も、民活法の場合で予定されております施設とそれから今回法律案の中で予定をしております施設では、かなり施設の内容にも大きな違いがあるというふうに考えております。
  81. 星川保松

    ○星川保松君 今は民活法のお話だったんですが、これはテレトピア構想の方とはどういう関係になるんでしょうか。
  82. 白井太

    政府委員(白井太君) テレトピア構想は、先ほどもちょっと申し上げたわけですが、これは五十八年だったかと思いますけれども、こうしたアイデアが出てまいりました。その当時はまだニューメディアという言葉が割合多く使われておったような時期だったと思いますが、CATVでありますとか、あるいはキャプテンでありますとか、俗にその当時ニューメディアと言われておりましたような情報通信手段を使いましてその地域の町づくりをするということがテレトピア構想の内容であったわけでございます。  したがいまして、今日におきましても比較的多く出てまいりますのは、やはり地域のあるエリアをCATVネットワークで結びまして、そのCATVのネットワークを利用して例えば地元の中小の商店街の方々がいろいろな仕入れを共同で行いますとか、あるいは商店街に来られたお客様の駐車施設の利用について共同でチケットを発行して後で精算をするとか、あるいは市役所のいろいろな市民サービスというようなものをCATVネットワークの中にのせるとか、いろいろなアイデアがあるわけでありますけれども、そうしたいわば情報通信を利用した地域づくりというのがテレトピア構想の内容であります。言ってみればその地域といいますか、点といいますか、あるいは市町村などのごく限られたエリアというのを念頭に置きましてそのエリアの情報化を図るというのがテレトピア構想の内容であります。  今回法案でお願いしておりますのは、むしろもう全国どこででも当然これからの時代で必要となると思われるいわば基盤について全国的な整備を図るというのが今回の法案でお願いしたいことでありまして、高度通信網の整備ももちろんそうでありますが、地方ほど新しい技術を使いこなす人が足りないということにかんがみて、そういういわば使うためのノーハウ、自動車で言えば運転技術というようなものを勉強していただくような施設全国的につくりたいというのが今回の法案でお願いしたい内容でございます。
  83. 星川保松

    ○星川保松君 そうしますと、既存のいわゆるプロジェクトには直接個々に関連があるというような発想ではなくて、それも含めた全体的な基盤を整備していくということを頭に入れてこの構想を出しておるわけでしょうか。
  84. 白井太

    政府委員(白井太君) 先生お話しのとおり私ども考えておりまして、今回お願いしておりますのは、テレトピア地域であろうとなかろうと、あるいは民活法施設があるところであろうとなかろうと、もうすべて全国的に共通の土台として整備をする必要があるということを考えておるものが事業の内容となっております。  したがいまして、今回仮に法律案を通していただきました後におきましても、先ほど来申し上げておりますテレトピアのプロジェクトでありますとか、あるいは民活法を利用した施設整備というのは今までどおり進められていくということになるわけでございまして、両者の間には直接の関係はない。むしろ、あえて関係を求めますとすれば、全国的に整備された通信網等を利用してさらに便利な施設整備をするということはあり得るかと思いますけれども、あえて関係と言えばそういう関係でございまして、両者の間に特別のつながりということは私どもとしては考えていないところでございます。
  85. 星川保松

    ○星川保松君 大体わかりましたんですが、やはり新しい新世代通信網というものができ上がるんだということに対する国民の大きな期待があるかと思うんですね。ところが、それが十分私どもも理解できないような状況にありますんで、今度はこういうすばらしい新世代通信網時代がやってくるんだということを国民がもっとイメージできるようなPRをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  86. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) 私も委員会の御質問を伺いながら強く認識しておるわけでございますが、まあポンチ絵的というとおかしいんでございますが、今後どのようになってくるのか、二十一世紀になればどのような電気通信を通して我々の生活が豊かなものになってくるのであるか、あるいはまた楽しいものになってくるのか、そういうようなものを図式的に私はわかるようなものをひとつつくってみたいなと、そのように思っております。  それから、まあそんなことを言いますとちょっと意見の相違になるかもしれませんが、やはりこの電気通信事業というのは全体で一つの大きなものであるわけでございます。先ほど局長余り前の法律と関係がないと言いましたけれども、そんなことはないと私は思っております。前のものがずっと来て今日のまた大きな基盤になってきておるわけですから、前と関係がないなんということはない。まあ後でまた文句を言われるかもわかりませんけれども、私はそう思っております。  ですから、今まではニューメディアの導入によりますテレトピアの計画であるとか、あるいは民活法の施設整備事業であるとか、あるいはハイビジョン・シティ構想、それから昨年の円滑法、そして今日のこの充実の法案に来ておると私は思っております。そのような関連がなくして、これは数字のようなものでございまして、一つ一つ積み上げていかなければ、個々のことを理解しろといっても基礎ができていなかったら絶対できないんですから、私はそういう感覚でこの法案も進めていきたいと思っております。
  87. 星川保松

    ○星川保松君 あと郵政のことでちょっとお聞きしたいと思います。  私が見たのは三月八日の朝日新聞でありますけれども、これに李恢成さんの原稿が盗難事故に遭ったということで書留の問題が出ておるわけでございます。朝日新聞の記事によりますと、これはいわゆる損害要償額ということで届け出がないから一万円を差し上げるほかないんだということになっていますけれども、李さんと郵政さんが交渉をした経過など、いろいろこれはジャーナリスティックに書いてはあるんだろうと思いますけれども、報道されておるわけでございます。  そこで、いわゆる李さんの方としては「作家としては、著作物の被害を救える制度にしてほしい」ということをおっしゃっておる。しかし、今の書留の制度の中ではこれはとにかく一万円払うほかないというようなことだということが新聞に載っておるわけでありますけれども、この新聞報道のとおりというふうに私ども理解してよろしいのでしょうか。
  88. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) お答え申し上げます。  御指摘のような事件を発生させましたことにつきまして、郵便事業の直接責任者として心痛のきわみでございまして、被害を受けられましたお客様、それからお騒がせしました世間に対して心からおわび申し上げます。この事件の重大さを郵便関係職員あるいは郵便物を正確、安全、迅速に運送するという前提のもとに委託を受けている会社も深刻に受けとめまして、事後対策等今後の対策に懸命に取り組んでいる次第でございます。  御指摘の件に関しまして、郵政省の対応について御説明いたします。  先ほど御指摘のありました李先生の件を含めまして、一通一通の郵便物というのは本当に大事でございます。特に今回の場合は書留郵便物ですから余計そういう内容も秘めているわけですが、そういうことでこの事件の直後、私ども直ちに対策本部的なものを設けまして、本省、郵政局、現場一体となって懸命に、できる限りの誠意を尽くすということで、この一カ月半、日によっては不眠不休、そういう対応をしてまいった次第でございます。  その結果について若干触れますと、この郵便物、一つの特徴はちょうど受験期ということで受験関係郵便物が多かったんですが、この重大さにかんがみまして、省側と大学側とよく連絡をとりましてお願いいたしまして、万全の措置をとりました結果、受験に全く支障がなく終わりまして、その辺の御不満は一切ございませんでした。  それから次、やはり何といってもこの事件の犯人がいわば憎い存在であるわけですが、犯人の良心に訴えるということで、省の誠意の一端を示す、あるいは関係者におわびする気持ちも込めて、いわゆる五大新聞に広告を出して返還を呼びかけるというような措置をとりました。  そのほかいろんな可能な限り考えられる手段を講じたんですが、賠償の関係の御説明に入りますと、亡失した書留郵便物につきまして、郵便関係法令に基づきまして御利用の際にお申し出になった損害要償額によりまして賠償を行い、また損害要償額のお申し出のなかった場合につきましては法令で定める最低補償額の限度額である一万円、簡易書留郵便物につきましては五千円ですが、これによる賠償を行ったわけです。  その結果、被害通数全体の千五百四十一通のうち三月十一日現在で千五百二十通、約九九%ですが、これが既に手続が完了いたしております。残り二十一通は現在手続中でございますが、現在の状況としてなお事案の解決に至っていないのが二件でございます。内容は、一つは原稿、一つは写真、この二件だけがまだ現実の解決に至っていない、了解点に達していないという状況でございますが、私ども官庁として現行法令の枠内の中で措置するということで、さっき申し上げたような枠内の中での解決を心がけている。なおこの二名の方に対して説得努力を重ねていくということでございます。  それから、後段お尋ねありましたけれども、今は現行法令の枠内の措置でございますが、やはり世の中が変化しますし、時代の要請も変わっていきますから、それじゃ現行の制度が常に正しいかということ、そういうふうには必ずしも言えないわけでございます。今回の重大な事件を契機といたしまして、書留制度の改善について今取り組んでございます。  その前段として、今度の事件の処理に当たりまして痛感いたしましたことは、書留郵便物の制度について周知の努力が我々不足していた。こういう言い方は微妙ですが、ある意味では信頼を得ていたその裏返し的な感じで、安心していただいたためにかえってこういった事態のときにその制度の周知の不徹底さを痛感したわけですが、全国の関係者を集めたりしてその辺の指導をするとか、あるいは掲示を現場で張るとか、そういう措置をして周知を徹底しておりますが、抜本的な制度改正についてもただいま着手しております。  具体的な項目といたしましては、現金以外の損害要償限度額の現行二百万円を引き上げること、それから今御指摘のありました損害要償額のお申し出のなかった場合に適用される最低要償額の現行一万円を引き上げること、そういったことにつきまして最近における利用の動向、経済情勢、郵便事業財政に与える影響なども踏まえて今早急に検討を開始しているところでございます。それからまた、かねて本委員会でも御指摘がありました現金書留の損害要償限度額二十万円を引き上げることにつきましては、四月じゅうに結論を得ることを目途に検討を急いでいるところでございます。  以上でございます。
  89. 星川保松

    ○星川保松君 今局長もおっしゃいましたように、書留郵便、郵便全体に対する信頼がやっぱり裏目に出たのではないかなという感じがしておるわけでございます。私どもも書留は時々利用するわけですけれども、まさかこの書留が事故に遭うだろうという想定はしないのが普通なわけでして、ですから信頼があり、そういうことはないだろうということからして書留の損害要償額を申し出るということも何かむだなような気がしまして、普通はやらないというのがほとんどだと思うわけですね。それが一たん事故が起きますとこういうことになって、特に金銭の場合ですとはっきり損害額が出てくるわけですけれども、金銭にかえられないものの場合はいろいろやっぱり問題が生じてくるということが考えられるわけであります。  こういう事故はめったにないんだということからすれば、やはり私はこの補償額の一万円というのを引き上げてもそう大きな支出にはならないのではないかというような気がしますし、それから特に金銭以外のものについては、これはもうかえられないわけでありますから、そういう大事なものについては特別注意を払って、コピーをとるとか何かいろいろなことを送る人が習慣づけるといいますか、そういうようなことにしていかなければならないのではないかと思います。そういう意味で、今回のこれを契機にして書留という制度をひとつ根本から考え直していただきたい、こう思います。
  90. 小野沢知之

    政府委員小野沢知之君) 今度の重大事件で得ました教訓、それからただいま先生から御指摘を得ました点、確実に生かしていきたいというふうに思っております。
  91. 星川保松

    ○星川保松君 最後になりますが、これも同じ三月八日の新聞に載ったんでありますが、郵政省の外郭団体の逓信研究会というところの理事長が同研究会の名前の手形を乱発したということで、三億数千万という額に上っておるようでございます。これの実態と、そして今現在はどうなっているんでしょうか。お聞きしたいと思います。
  92. 木下昌浩

    政府委員(木下昌浩君) ただいま御指摘の逓信研究会のことでございますが、この事案につきましては私どもの方には逓信研究会の理事から報告を受けておるわけでございますが、理事長が法人の業務とは何ら関係のない、全くプライベートな取引に、ただいま先生指摘のように、総額三億数千万円に上る法人名義の手形を振り出した。その中で一部が不渡りになっているということでございます。  この手形の決済期日が次々に生じてくる段階に至っておりますが、期日が最近来たものについては既に理事長の関係者の方で払い込まれておるということでございます。逓信研究会が大変重大な不利益をこうむっておりますので、逓信研究会に対しまして、理事長に対してですが、今後も一切の手形の弁済をするように適切な対応を求めているところでございます。
  93. 星川保松

    ○星川保松君 期限がこれから来るのは、そうするとあるんですね。それについて次々とこの理事長が個人で対応しろということのようでありますけれども、こういう場合は社団法人として、振り出しがこの研究会でありますから、もし個人が対応できないということになれば理事の皆さんがやっぱり連帯責任ということになるんでしょうね。
  94. 木下昌浩

    政府委員(木下昌浩君) 私どもは、そういった不幸な事態にならないように、理事長の責任においてこれを始末するように求めてまいりたいと思っております。
  95. 星川保松

    ○星川保松君 ならないようにというんでなくて、その責任が理事のいわゆる共同責任ということになるかということです。
  96. 木下昌浩

    政府委員(木下昌浩君) 本件につきましては、全く理事長個人のプライベートな取引によるものでございますので、あくまでも理事長に対して責任を求めていくということでございます。
  97. 星川保松

    ○星川保松君 不渡りになった場合に、例えば訴訟を起こされますね。その訴訟の訴えの先はやっぱりこの研究会になるわけでしょう。そして、その理事が連帯責任でいわゆる弁済をした場合は、代位弁済ですか、この理事が今度理事長に対して請求する、求償権を行使する、こういうことになるんでしょうということです。
  98. 木下昌浩

    政府委員(木下昌浩君) 一般法理論的にはそのような形になると思いますが、私どもとしてはあくまでも理事長に払い込ませるということで考えております。
  99. 星川保松

    ○星川保松君 結局、私がこういうことをお尋ねしているのは、ひとりこの逓信研究会のみならず、お聞きしますと百幾つ郵政省の認可法人がありますね。この中の一つがいわゆる事件になっておるわけでありまして、その他でこういう問題が起きた場合もやはり同じような取り扱いになっていくわけですから、その責任の所在、そのことをお尋ねしておるわけでございます。  そこで、この会長さんは中山さんということでありますが、この法人の中身を見ますと会長さんは理事でないんですね。そして、理事長という人が別におって、あとは理事がずっといるわけです。これは前に理事だったけれども、理事をやめて後で会長になったのか、また会長と理事長というのの責任関係といいますか、それがどうなっているのか、それをお尋ねしたいと思います。
  100. 木下昌浩

    政府委員(木下昌浩君) ただいまの御質問でございますが、中山正暉氏が会長でございましたが、三月四日付で辞任をいたしております。それまでは理事でございました。
  101. 星川保松

    ○星川保松君 その中身はよくわかりませんが、ちょっと私どもには解せない法人の役員の状況になっておるようでございます。  時間が来ましたので質問はやめますけれども、いずれにしましてもこういうことのないように、やはり常に監督を厳重にして郵政省の信頼を傷つけるようなことのないようにひとつ気をつけてやっていただきたいということを要望しておきます。
  102. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 最初に大臣にお伺いいたします。  二十一世紀まであと十年、今日本も非常に速いテンポで高度情報化社会へと進んでおるわけでございます。また、二十一世紀郵政省時代だと、こういうふうにも言われておるわけでございます。そこで、電気通信のしっかりした基盤整備もしなければならないし、その対応策も考えなければならないのは私は当然だと思います。したがって、この法案について賛成はいたしますけれども、そのプロセスの点また内容の点について何点かたださなきゃならない点がございますので、質問を申し上げるわけでございます。  この高度情報化社会の適切な電気通信政策、対応策、人の面、物の面、金の面等を含めてこの対応には重要な意義が私はあると思います。加えて国の内外情勢の変化を踏まえてこれらの二十一世紀情報化社会というのはどういう社会になるのかちょっと想像がつきませんけれども、二十一世紀情報化社会というのは大体どんな社会になるのか、大臣としてどういうふうに考えておられるんでしょうか。
  103. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) 二十一世紀になればどういう、そのときに電気通信がどのように発展をしておるかというのは、私たちの想像以上のものがあるんではないかと思っております。  まず光ファイバー、このこと一つとりましても大変な技術革新であったわけでございまして、そういうようなものを使い、また衛星通信の利用によりましていわゆるネットワークなどが非常に広域化するということであろうと思います。ですから、大量のものが一度に、速さもまた何万倍という速さで送ることができる。いろいろな技術革新がなされたというのが私は基本的な考え方でいいんではないかと思うわけでございます。今までの音声の方からいえば、いわゆる質が非常によくなってくるでありましょうし、また画像からいいますれば、電話にしても静止画像ではなくてして動く画像になってくるというようなことが出てくるわけでございます。情報通信メディアでいろいろな、まだ今ちょっと私たちの頭に出てこないような、浮かんでくることができないような、難しいといいましょうか珍しいものも出てくるんではないかと思っておるわけでございます。  流れといたしますと、やはりまずそういうことが産業界に入っていって、産業界で十分に利用されて、それが今度は我々家庭に入ってくるのが今までの大体の流れであろうと思っておるわけでございます。ですから、国民生活が非常に豊かなものになってくる。今でも便利なものはたくさんございますが、なお一層便利になってくるようなことを私も想像をいたしておるわけでございます。そのようなプラスの面だけではなくして、また陰の面もあると思うわけでございまして、情報通信の安全性、信頼性の確保とかあるいはプライバシーの保護などはどのようにしたらいいであろうかというようなこともまた対策を講じていかなければならないと考えておるわけでございます。  ですから、先生指摘のように、二十一世紀になったらどのようになるんだということを私たちも漠然とは想像はしているわけでございますが、一言で言えば便利な社会になってくるのではないだろうか。ということは、逆に言いますれば多極分散型の国土の形成に直結をしていくんではないだろうか、またその方向に私はぜひこの電気通信分野の発展を持っていきたいというふうに考えております。
  104. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 今国民生活は豊かになり、音は質がよくなり、それから画像は鮮明になる、私は結構なことだと思うんです。その反面、陰の面も出てくる。これもわかります。したがって、便利になるということは、座っていながら会社に行かなくても仕事ができるとか、買い物も好きな物を好きなだけ買えるとか、株の取引も家の中でできるとか、それからいわゆる国の内外の情報たちどころにしてそれを知ることができるとか、こういうことになると思うんです。具体的に今大臣の言われた高度な通信ネットワーク全国整備される、それから電気通信とコンピューター技術によってそういう形ができてくる、これは漠然として私よくわからないんです。  愚問ですけれども、私たち生活の中でこういう面はこういう程度までいくというようなことを具体的に教えてもらえませんか。
  105. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) 二十一世紀になりますと何がどうなるというのは、私は七年前に郵政の政務次官をしたんでございますが、そのころに二十一世紀になればこうなるだろうという考えと今とそう変わっておりません。その後特段に変わるというようなことがないので表現はできないのかもしれませんが、私が七年前に聞きましたのも、例えばホームバンキングができるとかあるいはホームショッピングもできますよとか、暖房のスイッチオンを例えば帰る三十分前にすると家に帰ったときには暖房が入って心地よい状態になっておりますよとか、それからテレビも見るだけではなくして、いわゆる双方向性のCATVというようなものができてくるでしょうとか、いわゆる図書館で本を借りて、その中から要求しております項目を引き出すようなことも、自宅からそういうような電気通信のいろいろな方法を使ってそれも取り出すことができますよとか、新聞も朝届けておりますが、いずれはそれがファクスのような形でどんどん流れてくるような時代にもなるでしょうとか、そんなことを私はいろいろ聞きまして、そういう時代になるのかなと思っております。  特段に先生指摘のようにどんなことになるかということを言われましても、ちょっと私も専門の方でございませんから、その点は両局長からすばらしい回答が出てくるんじゃないかと思います。
  106. 白井太

    政府委員(白井太君) 未来図も多少ポンチ絵的に絵をかかれているというのはいろいろあるわけでございますが、なかなかこれだけ変化の激しい時代の先を読むというのは、率直に申し上げまして私はかぶとを脱がざるを得ないというような感じがいたします。  ただ、先ほどの大臣のお話でありましたけれども、まずメディアの種類は非常にふえてくるだろう。いろいろと情報を得るという手段一つをとってみましても、一般のテレビのほかに最近では衛星から発せられた電波を受信するというようなのが出てまいりましたし、それから文字多重放送でありますとかあるいはキャプテンというようなものがもう既に実用化されてきております。それから、かつては基本的な通信手段としては電話を使っておりましたけれども、最近では家庭でもファクシミリを利用される、あるいはファクシミリの機械を置かれるというようなところもだんだんふえてまいりました。これは今までのことでありますから、将来今度はどういう手段が出てくるのかというのは、なかなか的確な予測をする能力は私は余りございませんが、少なくともメディアの種類はふえていくだろうということは間違いなく言えるのではないかと思います。  それから、メディアがふえるだけではなくて、今度は情報通信手段の利用というのがますます盛んになるだろうということも間違いないことだろうと思います。特に企業活動などの面におきましては、効率的な経済活動という側面から、一つの会社の中でのネットワークというのが整備されるだけではなくて、関連の会社とのいろいろな取引というのもそういうネットワークを介して行われる。例えば、製造会社でありますと、その原材料の搬入でありますとかあるいは倉庫との連絡とか、そういうようなものがすべてネットワーク化されて、企業活動というのがますます効率的な活動をされることになるでありましょうし、それから本社、支社のような関係につきましても、情報通信手段というのがもっと利用されまして、私どもとしてはサテライトオフィスというような呼び方をしておりますけれども、そのような利用も今後ますます進んでいくだろう。  そういうことは間違いなく言えるように思いますが、私どもの日常生活家庭の中で、例えばテレビ電話は入ってくるのかとかそういうようなお尋ねになりますと、なかなか私も的確な見通しを申し上げるだけの能力がございません。しかし、まあそう夢物語というほどでもないような感じが私は個人的にはいたしております。
  107. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 地域間格差ということもありますけれども、そういうものを想定しているから基盤整備もやらなきゃならない、人材育成もやらなきゃならない、私はこういうふうに思うんです。  それでは、端的にお伺いしますけれども、二十一世紀に向かって、ビジョンというのは郵政省はどういうふうになっていますか。
  108. 白井太

    政府委員(白井太君) 個々の問題については、いろいろ私どもも研究会などを持たせていただいて勉強もさせていただいておりますが、ただ私どもの基本的な考え方ということで抽象的に申し上げさせていただきますと、情報通信分野での技術の開発というのはどんどん進むであろう。問題は、そういうふうに開発された技術というのをどういうふうに我々の社会生活での利便を増すという面で生かしていくかということが大変重要だと思っております。  また、それに加えまして、通信とか放送の分野におきましては、少し大げさな言い方をさせていただきますと、全国どこででもどんな方も平等に同じように通信や放送というのが利用できる。通信ができるあるいは放送を見たり聞いたりすることができるというようにするというのが大きな意味での私ども政策目標であり、そうした目標のもとに具体的な施策の計画を立てていくべきじゃないかというふうに考えております。
  109. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 私がそういうふうに申し上げたのは、昨年円滑化法ができた、それからまた今回の基盤充実臨時措置法ができる。こういうことで次から次へとやっていくことについて、やっぱりきちっとしたビジョンがないとただ追いかけられて、世界がこういうふうになってきている、日本の中がこうなっている、格差がだんだん拡大してくる、それじゃこれをつくらなきゃならない、これもやらなきゃならないということになる。これは、しっかりしたビジョンの上に立ってやっていかなければ、十年先のことですからなかなか想定はできませんけれども、でもある程度想定してやらないと、やったことが何のためにやったのか。また追いかけられてこれもやらなきゃならない、こういうことになりはしないかなという心配を私は言っているわけなんです。  格差の問題ですけれども情報化社会の進展という中で地域間の供給情報量とまた消費情報量、この格差が生じてきている。昭和六十一年度以降は拡大傾向がやや頭打ちになっておりますけれども、長期的にはやはり緩やかに拡大傾向にあるんではないか、こういうことですけれども格差是正するために郵政省としてはどんな具体的な手段を用意しているのか、その点お伺いしたいんです。
  110. 白井太

    政府委員(白井太君) 私ども地域格差是正というようなことで表現させていただきますときには、大きく言って二つの側面があるように思っております。  一つは、情報通信手段につきまして、端的に申し上げますと、都会地とそれから山間地域との間で格差があるという一面でございます。これは、例えば東京なんかでは移動電話も十分使えるが、特に山間地域においてはなかなか移動電話が使えないとかそういうようなこと、あるいはテレビについても同じような情報通信手段についての格差がやっぱり一方においてあるわけでございます。  それから、他方におきましては、ただいま先生がおっしゃいましたように、情報の受発信の面で、特に情報というのが東京集中してしまうというような側面からいろいろな格差の問題が論ぜられるということがあるように思うわけでございます。  その両方ともが実は大変重要なことだと思いますが、情報通信手段の格差の問題につきましては、事柄はそんなに難しいわけではありませんで、公共投資ということでテレビ灘視の解消でありますとか、移動通信の山間地域における整備でありますとかいうようなことも私どもは今回の予算案の中で実はお願いしているわけであります。  情報の受発信についての格差ということになると、ちょっとそれほど簡単ではないような感じが率直に言ってしないわけではございませんが、今度の法案でお願いしておりますのは、全国的に同じようにネットワークを張りめぐらすということとあわせて、特に地方におきまして新しい技術を使いこなす人材が不足するという点に着目しまして、特に地方方々にそういう新しい技術を利用するための勉強をしていただく施設をつくるというのが今回の大きな内容になっております。特に人材研修センター研修の中身では、法律案の中にも書いてありますが、例えば放送番組の制作についての技術勉強できるようなことを考えております。そういうようなものもあわせ考えますと、地方からの情報を発信する発信元として地方がだんだんとクローズアップされるということを考えた場合も一応お役に立ち得る、十分お役に立つものではないかというふうに考えております。  ただ、情報通信手段が発達いたしますと、例えば地方にいましても東京にいるのと同じようにいろいろな情報が入手できる、あるいは情報の入手等については地方にいても全く不便を感じないというようなことにもなり得るということが基本的には考えられるわけであります。そういうふうになった場合には、ある意味では情報のデータベースというのが東京集中をしておりましても別に地方の方は何ら不便を感じない、東京にある情報をいつでも必要に応じて取り出すことができるようにもなるという面もあるように思われるわけでございまして、情報の流通の問題というのはなかなかやっぱり難しい問題ではないかなという感じを私は持っておるところでございます。
  111. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 地方にいても不便を感じない、これは結構なんですよ、私は。ただ、四全総にも見られるようになかなか難しい点があるわけです。逆に考えて、通信基盤整備が進むことによってかえって東京に一極集中するんじゃないかな、こういう面も私は危惧するわけです。  例えば、これ例がいいかどうかわかりませんけれども道路整備にしても地域整備にしても、やった場合に人が今度経済的に逆流をしてくる、こういう面もあるわけです。こういう点について私は心配するんですけれども、この点は心配ないですかね。
  112. 白井太

    政府委員(白井太君) 正直に申し上げまして、ただいま鶴岡先生がおっしゃいましたようなお話もあり得ると思います。  ただ、話は随分さかのぼりますが、東京圏への一極集中是正でありますとか、あるいは多極分散型の国土形成の問題というのは、現下の政府の大きな目標というよりもむしろ私は国民的な課題だというふうに思います。そうした大きい国の目標を達成するという上では、やはり情報通信手段というのが東京圏だけではなくて、そういう手段を利用するという面において地方のレベルアップを図るということはどうしても必要だと思うわけであります。  そういう意味では、多極分散型の国土形成をする上での必要条件だと。情報通信手段だけが完備されればすべて問題が解決するかということにはあるいはならないと思いますけれども、しかしその分散を進めていく上ではどうしても情報通信手段というのを全国くまなく均等に、大げさに言いますと均等に張りめぐらしていくということがやはりどうしても欠かすことができないのではないだろうかというふうに考えておるところでございます。
  113. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 次に、この法案の業務のことでございますけれども、この本来の目的から通信放送衛星機構はなじまないんじゃないかな、目的に合っていないんじゃないかなと、こういうふうに私は思うんです。法的には私はいいと思うんですけれども、この通信放送衛星機構法の目的、第一条、「通信放送衛星機構は、通信衛星及び放送衛星の位置、姿勢等を制御し、これらの人工衛星に搭載された無線設備をこれを用いて無線局を開設する者に利用させること等を効率的に行う」云々とこう書いてあります。法的にはこれは矛盾はないと思いますけれども、業務について、目的からいくと今回のこの法案を追加するということはちょっと疑問があるんですけれども、この点はいかがなものですか。
  114. 白井太

    政府委員(白井太君) 機構の特例の業務として、今回の法律案に書いてありますようないわゆる支援措置を機構の仕事として加えるということにつきましては、実は昨年通信・放送開発法の御審議のときにそのような手法がいいのかどうかということについていろいろ当委員会等で御議論があったことは承知しておりまして、今回法律案を提案させていただくにつきましてもこの点が私どもとしては実は一番検討を要したといいますか、率直に申し上げて心配になったわけでございます。  というのは、ただいま鶴岡先生おっしゃいましたように、通信放送衛星機構というのが昭和五十四年にできましたときのこの法律によりますと、明らかに衛星の管制等を行うということのために機構をつくるということになり、そのような趣旨がこの機構法の目的として第一条に書かれておったわけでございます。その後、衛星を所有してこれを放送事業者等に貸し出す業務を追加いたしますとか、あるいはさらにこの基金をもちまして難視解消のために必要なところに対して助成をいたすような仕事を加えますとか、さらには昨年、ただいまもお話しありました通信・放送開発法による支援措置を加えるとかいうことをやってまいりました。さらに今回は、その上にこの基盤整備のための支援措置を特例業務として追加したいということになっておるわけでございます。  法律の理屈だけからいいますと、先生もおっしゃいましたように、それぞれいずれも法律でございますので機構の業務は業務としてさらに追加されたわけであり、そのような業務が加わった限度において機構の果たすべき役割といいますか、目的もだんだんと広がってきたということにはなると思います。ただ率直に申し上げて、それにしても機構法というのを見ただけでは機構が一体どういう仕事をするのかがわからないし、あるいは機構法の目的だけを見たのでは機構の目的がわからないような格好になっているというような面がありますとか、あるいは機構法自体の改正をしないで特例法ということで機構の仕事をつけ加えていくというやり方が問題はないのかというようないろんな御指摘があり得るように思うわけでございます。  ただ、結論的に申し上げますと、このような支援措置というのは国自身が行うというわけにもまいりませんものですから、どうしても特殊法人とか認可法人とかというところを介して行わざるを得ない。ところが、郵政省の所管の認可法人ということになりますと、電気通信に関係する法人としてはこの機構しか現実にはないというようなことから、まあベストのやり方ということではないかもしれないけれども、今回の法律案というのが十年を限っての臨時措置ということでお願いするということも考慮に入れまして、昨年ああいう御議論があったところではありますけれども、今回も国として果たすべき役割の緊急性にかんがみまして、同じやり方でぜひ対策を講じさせていただきたいということで法律案を提案させていただいたわけでございます。
  115. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 白井さんの言うのはわからないでもないけれども、目的からいったら、五十四年にできたこの機構法、これはもうもちろんそのものでございますけれども、六十三年十月、その後にできたトランスポンダーの一本を確保してハイビジョン衛星放送の早期普及を図るための衛星所有業務、これは大体似ている。関連性がある。二年三月の難視聴の助成業務というのは余り私は関係ないと思うんですよね。平成二年の十月、いわゆる昨年の円滑法、これも余り関係がない。今度のはますます関係がないと、こういうふうに思うんです。  今もおっしゃっておりましたけれども、なぜこれが特例法で機構法の中に含めた業務にしていくのかということでございますけれども、思い切って認可法人をつくると。行財政改革といっても何も減らすばかりが行財政改革では私はないと思うんです。必要なものはやっぱりつくらなきゃいけない。減らすものはどんどん減らしていかなきゃならない。こういう私は考えのもとに、それではこの機構のあり方について、今局長がいろいろおっしゃいましたけれども、どういうふうにしたらいいのか真剣に考えておられますか。
  116. 白井太

    政府委員(白井太君) 余り力んだ言い方ができないわけですが、私どもとしては少なくとも考えなければならないという立場に立たされておるということは率直に申し上げざるを得ないと思っております。  ただ、考えるにいたしましても実はいろいろ難しい問題が率直に言ってございまして、いろいろなあれも考えなきゃいかぬ、これも考えなきゃいかぬということで、検討しなきゃいかぬ点が大変多いものですから、全然考えていないというわけではありませんが、検討作業というのがどんどん進んでいるというような状況にないということもはっきり白状せざるを得ないわけでございます。私どもとしては、これからも機構のあり方についてはやはり全体のいろんな角度から多角的な検討をする必要があるということは十分認識しておるつもりでございます。
  117. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 次に、この法案の、高度情報社会構築する上で、高度で多様な電気通信サービスを支える新しい通信網構築情報化を担う人材の育成を支援する法律の制定という必要性については、私はよく理解できるんですけれども、この法案によって整備する高度通信施設、これは先ほどからもいろいろ話がありますけれどもイメージ的に非常にわかりにくいんですね。また、これによって社会経済にどんな影響を与えるのか、この辺はどういうふうに御答弁なされますか、私もちょっとよくわからないんですけれども
  118. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 大変難しい御質問で、法律的にはこの高度通信ネットワークというのは何かという点は二条の定義に具体的に書いてございます。  要するに、一号では光ファイバーやあるいは超高速ディジタル伝送装置で大量の情報を効率よく伝送できるようなシステム。それから二号の方は、交換機にいろんな指令を送って高度サービスが実現できるようなそういう制御装置が付加されているようなネットワーク、端的にはインテリジェント機能を持ったネットワークというふうに言えるかと思います。一号は、そういう意味では光の、光というか光ファイバーを用いたということで、要すればテレビのような動画の画像が電気通信回線をもって送れるようなそういう大きな情報量をもったネットワーク。二号は今のような形で、三号の方は「異なる形式又は伝送速度」と書いてございますから、音声から今申しましたような画像に至るまで、高速のデータでも音声でもあらゆる電気通信信号を自動的に一つネットワークとして伝送交換ができるようなそういう交換機が入るような設備ということでございまして、これを技術的に整理をして次世代ネットワーク、高度な電気通信ネットワークと言っておるわけでございます。なぜこのようなことにせざるを得ないかというのは、これは法律的な制定の技術でございますので一面をとらえたようになるわけでございます。  先ほどから先生指摘のように、一体どういう社会かという、あるいはどういうものを目指しているのかということでございますが、私見でございますけれども、今社会を動かしている要素というのは、一つはやはりマンパワーというか、人間の力だと思うのでございます。もう一つは、原材料というか、物だと思うのでございます。もう一つは、金融というか、金だと思うのでございます。  もう一つ大事なのは、今まで生産要素でなかった情報というのが新たにつけ加わって、現に今そういうことで世の中が進行し始めている。それが二十一世紀に入りますと、この三つの従前の要素に増しても劣らないぐらい、あるいはより重要になるぐらい情報資源というのが大変な大きな要素を占める。そこへのアクセスの道が従前のような形では十分ではなかった。それを今申しましたような各種施設を通じて欲する情報は欲するときに入手することができるというところが、ある意味社会を大きく改革する要素になる。個人のレベルでも、そういう意味ではいわば選択の手段は幾らでもふえた、欲するときに欲する情報を入手し得る、そういう意味で大きな変革が起きるのではないか。  そういう意味で、具体的に企業活動なり産業社会あるいは経済社会全体が動くことによって、地方情報格差ということで先ほども説明ありましたように、地方においても東京にいると同じ情報へのアクセスが可能になる。それから、大企業中小企業の間の格差是正も大きく変わってくるであろう。あるいは、家庭生活のあり方もそういうことになるわけでございますので、在宅ながらで社会参加が、あるいは高度の診療、受診が可能になる等々、こうした情報の持つ意味合いというか意義というのが存分に発揮されるようなそういう社会になるのではないかと考えておるところでございます。
  119. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 端的にお伺いしますけれども高度情報化社会といってもまず電話回線のディジタル化、これが前提になるんだと思います。平成二年十二月末でディジタル化は三五%と、こういうふうに私聞いておりますけれども、一〇〇%のディジタル化はいつごろになるのか、また加入回線の光ファイバーについてどんな計画になっているのか、どういうふうにしようとしているのか、端的にお伺いします。
  120. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) おっしゃるとおり、今の加入者系の交換機のディジタル化率は、現在は三五%でございます。この問題については非常に大事な問題だということで、昨年来のNTTのあり方の問題をめぐって議論がございました。政府としても前倒しするようにということで、NTTもごく最近でございますが、これを受けて平成九年度末には一〇〇%のディジタル化を行いたい、こう表明をしておるところでございます。  さらにまた、光ファイバーでございますが、現在は県庁所在地級の都市の間を結ぶいわば基幹伝送路というふうに言えると思いますが、このうち現在大体五〇%が光ファイバーになっておるということで、その県庁所在地間を結ぶような基幹部分は平成四年、来年には切りかえが、光ファイバー化がほとんど完了するだろうと。ただ、電話局から各家庭に入っているようなところはほとんどが現在メタリックケーブルでございまして、光ファイバーというのは本当にまだ〇・〇何%という状況でございます。今後平成六年から七年、つまりあと三、四年たてば本格化しまして、NTTの計画では二〇一五年に加入者系まで、つまり各家庭まで全部の光ファイバー化が完了する、こういう計画に今相なっておるところでございます。
  121. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 時間がありませんので、人の面でいろいろお聞きしたかったんですが、一つだけお聞きしておきます。  電気通信における技術者の不足が二〇〇〇年に約二十七万人、こういうふうに推定されておるんですけれども、この法案による人材研修事業推進による効果だけではなく、人材の不足の解消には私は非常にほど遠いんじゃないかなと、こういうふうに思います。ますます進展していくこの情報化社会に対応して、郵政省としては人の面において年間千人から二千人として十年間で約二万人、この人たち研修をしてそのまま残るというわけでは私はないと思うんで、その点について基本的にどういうふうに考えておられるのか。
  122. 白井太

    政府委員(白井太君) 人材不足の問題というのは大変深刻な状況であるようでございまして、そうした意味ではもっともっとこうした技術系の人の養成というのに国としても大いに力を入れなきゃいかぬのじゃないかというふうに思いますが、私どもの今回法律案でお願いしております研修センターでそのすべてを解決するということもなかなか現実問題としてはできることではございません。これからの情報化時代を迎えまして、学校教育の面でも大いに力を入れていただく必要がございますし、それから労働省が受け持っておられます職業教育、職業訓練というような面でも力を入れていただく必要がある。いろいろな施策を国全体として講ずることによって技術者の不足というのをできるだけ補っていくということをしていかなきゃならぬというふうに思います。  私どもとしてこういう案を出させていただきましたので、ぜひこうした法律案について先生方の御賛同をいただきまして、とりあえずはこういうプロジェクトで私どものアイデアを実行に移させていただきたいということをお願いしたい次第でございます。
  123. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 今おっしゃった学校教育でもやっていかなきゃいけないと、私は当然そうだと思うんです。高度な技術は短期間にはこれはできませんから、そういった意味でやっぱり教材の面で取り入れるとか、それから補習の面で選択科目で取り入れるとか、こういうことになると思うんですけれども、お聞きしたいのは、文部省とそのような話を進めるつもりがあるのか。もう進めなきゃいけないと思いますけれども、いわゆる文部省との連携ですか、それはどういうふうにされるつもりなのか、その点をお聞きして質問を終わります。
  124. 白井太

    政府委員(白井太君) ただいまの御審議の中での先生のお話を十分頭に入れまして、いろいろな話し合いの方法でありますとか、情報の交換の仕方について勉強してまいりたいというふうに思います。
  125. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 終わります。
  126. 山中郁子

    ○山中郁子君 本法案は、けさほど来からの論議を伺っていても、かなりやっぱり専門的でややこしい部分があるんです。それで、私は質問をして皆さんにお答えもいただく中で、よりややこしくなってわけがわからなくならないようにするために、まず私の基本的な考え方を初めに明らかにしておいて、それで御答弁もいただきたいと思います。  というのは、私はこの法案のいわゆる施設整備事業に係る問題それから人材研修事業に係る問題、二つのパートがあるわけですけれども、この施設整備事業に関する点につきましてはかなり批判的な見地に立っております。後者の人材研修事業というのは電気通信事業全体が到達している現状に照らして必要なものでもあるし、ニーズ現実的なものであるという観点から必ずしも否定するものではないという立場に立っているということをまずちょっと申し上げてから具体的な質問に入ります。  法案によりますと、これも若干けさほど来からの他の委員の皆さんの御質疑と重複するところが出てまいりますが、これは御了解いただくとして、まず第一に施設整備事業でいうところの「「高度通信施設」とは、」という定義が第二条にあるんですね。その第一が「移動する事物の瞬間的影像デジタル信号により伝送する役務を提供することを可能とする電気通信設備」。こういうのは全くややこしい話になってくるんですが、要するにこれは光ファイバーだと理解をいたします。違っていたらまた教えてください。  そうすると、二番目の「交換設備の制御を効率的に行うための電気通信設備であって、制御のための新たな機能の追加が容易に行えるもの」というのは何なのか。一口に一号を光ファイバーと言うならば、この二号は一口に何と言えばいいのか。  三番目、「異なる形式又は伝送速度を有する電気通信信号を統合して伝送交換することを可能とする電気通信設備」、これはちょっと事前にレクチャーを伺ったときに交換機、いわゆるATMのことであるというお話もあったんですが、それはそうなのかどうか。  ちょっとこの辺正確に教えていただきたい。
  127. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) おおむね先生のおっしゃるとおりでございますが、一番は光ファイバーのほかに超高速ディジタル伝送装置というのも含んでおる概念でございます。つまり、これは言えば電気通信の中における一種のポンプみたいなものでございまして、圧縮してばっと送る、こういう役目でございます。要するに、大量の情報を送るにはたらたら流していたんじゃ時間がかかってしまう、そこを瞬間に相手に到達するように、光ファイバーは大量の高速道路なんですが、そこを占領しないようにぱっと送ってしまう、こういうことでございます。端的に言えば、一号はおっしゃるように光ファイバー、超高速ディジタル伝送装置によって動く映像までを送ることが可能となるようなそういう伝送路の構築。  それから、二番目は確かにわかりにくうございますが、一言で言えばこれは新型制御装置、つまり御案内のとおり交換機はもともとコンピューター類似のものでございます。ところが、だんだん進化してまいりますと、交換機にいろんなものを入れてしまいますと、新しくいろんなサービスを追加しようとするときに交換機を全部改造したりしなきゃならないものですから、交換機と別に、一種のコンピューターでございますがそれをつなげて、そしてそこから指令を出して制御のための新たな機能の追加が容易になるような仕掛けにする。そういう新型制御装置を入れましてネットワーク自体をインテリジェント化しよう、賢いネットワークにしよう。今現実には行われておりませんが、例えば先生がカード一つお持ちで議員会館からこちらへおいでになった、そこらのところにカード一枚差し込んでもらえると議員会館じゃなくて電話が全部こちらへ来る、それを追いかけ電話と言っております。あるいは、迷惑電話が御自宅にかかってしようがないというときには、一遍この人はだめよ、この人からの番号はもうお断りなのよということをあらかじめネットワークに教えておけば、何遍迷惑電話がかかってもそれはストップできるとか、あるいは発信者の番号がきちんとこれはだれさんだということが受話器を見ればとる前にわかるから、きょうはもう居留守にしておこうとか、いろんな細工が可能になる。そういう新型制御装置でございます。  それから三つ目は、いろんな情報が行き交いますが、高速の信号から音声のような低速のモードのものまですべて一括して、あらゆるものを賢明にスイッチングするそういう新型の交換機、これを指しておるわけでございます。  こうした高度のネットワークをひとつ全体として支援をしたい、こういうのがこの法案の中身でございます。
  128. 山中郁子

    ○山中郁子君 伺うと余計わからなくなるという感じがないでもない。わかるところもありますよ。  もう一つ教えてほしいのは、今二点目のところでおっしゃったのは、新型制御装置というのね、それぞれの方式を持っている設備、それはそのままとして、それとは別に何か頭のいい機械を置くわけ。そうすると、それに全部セットというかリンクというか、アクセスすることによって同じパターンで、一々違う方式を持った機械もそこでもって全部同じところを通過することによって可能になるというような、私が素人みたいに考えるようなことで理解してよろしいんですか。全然そうじゃなくて、今までのいろんな機械はみんなこういう新しいものを置くことによって廃棄して、こういうふうに置きかえなきゃならない、そういう機械になるわけですか。
  129. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) いずれにしても、現在こういう装置は三つともネットワークに十分備わっていないわけで、今これから構築しようというわけでございます。  二番目の方は、ちょっとわかりにくかったと思うのでありますが、端的に言えばこれはプログラムをネットワークに与えるための装置だと。要するに、サービスを高度化するには交換機を賢くしなきゃならない。こういうことをやれるようにしろと今まで交換機に直接いろいろ機能を付加しておった、あるいはハードで片づけちゃった、それを分離いたしまして、ソフトをいかようにも組み込める。お客様のニーズに従って、こういうサービスが欲しい、ああそうでございますかといってソフトを組んでこの新型制御装置に命令をいたしますと、それを交換機に伝えて、お客様から見ればあたかもネットワーク全体が賢いような形でネットワークが使える、そのための装置、コンピューターでございます。
  130. 山中郁子

    ○山中郁子君 一点目のところのポンプ機能ですね、ポンプとおっしゃったでしょう。要するに、光ファイバーは大量に高速にということだけれども、ポンプ機能というのは、光ファイバーの機能と別機能としてポンプ機能があるという御趣旨のようだったんですけれども、それをもう少しわかるように教えてくれますか。具体的には結局どういうことなのか。
  131. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 朝も申し上げましたけれども、相当進んだネットワークでございます現在のISDN、既にもう利用者が何万という方がいらっしゃいますが、これも相当進んでいるようでございますが、道路で言えばまだまだ田舎の郊外をノンストップで走れるような道路だと。今回のここに書いてございますように「電気通信の利便性を飛躍的に高める」という意味にはまだほど遠いんです。  つまり、端的に言えば動く画像が送れるような回線に今はなっていない。この新世代ではそうなる。そのためにはまず道路の幅をうんと広げてやらなきゃならない、それが光ファイバーでございます。ところが、広げただけで相変わらずのろのろと大型トラックが動いちゃまずいものですから、動く情報を後ろからポンプでうんと圧搾空気でもつけて、それでやっと送っちゃう。その上を走るトラックにまた加速をつけてやる。そういうのがこの超高速ディジタル伝送装置だと。こうした役務を提供することを可能とするような電気通信設備、これは具体的には先生指摘のように光ファイバーと今のポンプの役をする伝送装置、この二つから成るということでございます。
  132. 山中郁子

    ○山中郁子君 おいおいこうしたことについてはさらに私自身もその理解を深めるためにお聞きをしていく機会を持ちたいとは思っていますけど、それだけに時間をとられるわけにいきませんので進みます。  局長から御説明がありましたこの法律に基づいてこういうものがハードとして、つまり施設整備として必要だというところの中身というのが簡単に聞いて例えば素人わかりができないような、なかなか大変複雑で高度で、しかも金額だって大変だろうし大がかりなものなんですよね。だからこそ何らかの支援措置をとるというこういう法律が出てきたところなんだと思うんです。  私が一番最初にこの前半の部分、つまり施設整備については批判的な見地を持っていると申し上げたのはまさにそこにありまして、国民的なニーズが成熟しているものであるかどうかということについては大いに疑問がある。そうであるにもかかわらず相当大規模な投資を必要とする問題の端緒をつくるものであるという点から、これは一言で言えばビジネスユーズを優先してそれに対応するための基盤整備とでも言うべき法律の性格を持っているのではないか、この前半の施設整備に関して。私はそのことについて議論するつもりはないんですが、そういうことを考えざるを得ないんです。  それで、具体的にそういう観点から伺うんですけれども光ファイバーだとかそれに伴うポンプの役割をするような伝送装置だとか、ATMだとかそれから制御装置だとか特別交換機ですね、新たな交換機。その設備を買うために、購入するために、設備するために債務保証だとかあるいは特別償却などを認めて、それで無利子融資等を行うということなわけですよね。対象事業者はどういうものとして考えられるんでしょうか。
  133. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) この対象事業者はNTTはもちろんでございますが、第一種電気通信事業者そしてまた第二種電気通信事業者がこの対象になるということでございます。
  134. 山中郁子

    ○山中郁子君 NTTみたいな大企業が、そして大きな利益を常に上げていることがあれされているのが、無利子融資だとかそういうものの対象には郵政省考えていないという御説明も前にいただいたことがあるんですけれども、それらの点については無利子融資の問題とそれから特別償却の問題と債務保証幾つかのそういう特別措置があるんですね。そういうものについてはそれぞれ、例えば債務保証なんかはNTTは常識的に言って必要としないと思いますけれども、その辺の分類みたいなものは郵政省として何か御判断というか御認識がおありですか。
  135. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 御指摘のように、この種の装置を一種、二種の事業者が導入するというのは相当巨額なしかも相当長期間にわたっての経費を投入しなければ実現できないわけでございます。今申しましたように、この法律債務保証だけをうたっておるわけでございまして、あと御指摘税制あるいは無利子融資というのはそれぞれこの法律と並んだ別の法律で御指摘のような形で実現する。  ところで、債務保証につきましては、この対象はどうかと言えば、当然今御指摘のNTTも含まれるわけでございます。一つこうした債務保証を入れましたのは、この種の新しい交換機であるとかあるいは光ファイバーとかというのは銀行の保証になりにくいわけでございます。つまり、土地みたいなものでしたら、これは担保価値があるのでこれを担保に金を借りるよというのはできるわけですが、数十億あるいは数百億もかかるような設備で、ほかに転用のきかないようなこうした電気通信設備というのは勢い担保価値がないものですから、資金調達に大変難渋をするであろう。そういう意味では、これは主としてやっぱりNCC、新しい事業者需要の高い分野だと考えております。NTTも決して法律上外しているわけでございませんけれども、現下の財政事情から考えてNTTがぜひこれを活用したいという状況には必ずしもないのかなと。もちろん、申請したときに拒否をするわけにもいかぬ性質のものでございますが、実態的にはそんなことになるかと思っております。  それから税制は、これはひとしくどの事業者もいわば税制の優遇というのは大変大事な支援措置でございますので、これは事業体のいかんを問わないだろう。  それから無利子融資は、これは御案内のとおり社会資本整備ということで第三セクターに限られることでございますので、NTT初め私的な企業は対象外、したがって第三セクターの電気通信事業者がこれに該当する、こういうことに相なります。
  136. 山中郁子

    ○山中郁子君 NTTを除いても、テレコムだとか高速通信、TTNなどそれぞれ東電だとかJRだとか大きな企業がバックになっている。そういういわゆる大きな企業通信業者ですよね。具体的には開発銀行から整備事業には三億円とかあるいは産投会計から四億円とかそういうことになってくるわけで、私は実際にこれらの莫大なお金がこうした大どころの通信業者に、新しいいわゆるいうところの広帯域ISDN、いろいろ言われているけれども一口で言ってしまえば広帯域ISDNのその設備投資への支援措置としてされていく、されるようになるというところに本質的な問題点があるということが先ほどから申し上げている一つの私のスタンスです。それで、広帯域ISDNというふうに理解してよろしいんですね。そういうふうにいろいろ言われていますけれども、そういうことであるということ。  そういう根幹であるのはやはりNTTの計画だと思うんです、実際にその根幹になるのは。そのNTTの計画によりますと、けさほど来からもお話が出ていましたけれども、「21世紀サービスビジョン」というものがNTTから出されております。それで、「音声から映像までを一括して扱える高速・広帯域ISDN構築に一九九五年から着手し、二〇一五年までに完成します。」。これ括弧して「ユーザーは、自宅まで光ファイバーでむすばれます。」、こう括弧してあるのね。  要するに、だからわかりやすく言っちゃえば広帯域ISDNというのは、つまり光ファイバーがそれぞれの電話の加入者のところまで行くということなんでしょうと私は理解するんですよね。そして、それは何を意味するかといえば、電話だけじゃなくてみんなそれを通じて有線で、だからテレビも各おうちに行くし、ハイビジョンだとかテレビ電話だとか、要するにそういうふうにどんどん広がっていく。光ファイバーがそれぞれの各加入者のところまで行きますよというのがこのNTTの「21世紀サービスビジョン」という中に含まれているISDNの中身で言っていることだというふうに思うのですが、この点の郵政省の御認識はどうですか。  つまり、今ここで取りかかろうとしている事業者がそういう設備を購入したりなんかするのは大変で、それをしなければいわゆるISDNの促進というか、それを支援することにならない、したがってそれを支援するために債務保証するということは、それは将来どういうことを考えていくかといえば、今私が紹介したように、NTTが書いているように、それぞれのところに、家庭で言えば光ファイバーがそこのうちまで、それぞれの個別の加入者のところまで光ファイバーが行くということを意味するというふうに郵政省としても御認識されておられるのかどうかということです。
  137. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 厳密に申しますといろいろ難しゅうございますけれども、ここで言う高度通信ネットワーク、新世代ネットワークというのは、NTTが言っておりますところの広帯域ISDNとほぼ似たものだとお考えいただいて間違いないと思うんです。それが行く末どうなるかという点は、最終的に各種情報のパイプが家庭まで入り込むということで、先生単に光ファイバー家庭に届くというだけのことかということなんですが、先ほどからも御議論ございますように、逆に家庭からそのパイプ、ネットワークを通じてさまざまなところのアクセスが可能になる、あるいはその選択が可能になるというところが大変大きいものと考えておるわけでございます。
  138. 山中郁子

    ○山中郁子君 初めの御答弁に関して一つお伺いするんですが、似たようなものだという御答弁だったんですけど、そうすると似てないところもあるんですか。違うところもあるんですか。私がさっき申し上げたのは、自宅まで光ファイバーで結ばれるというのはNTTが言っているのでちょっとこれ引用したんですけれどね。それは逆に言えばもちろん自宅からどこかほかへ、ほかへということないけれども光ファイバーがつながっている向こうの方へ自宅からも行く。それは相互の関係ですね。通信ですから、そういうことはわかりますよ。だけどそのほかに、似たようなものだけれども似てないところもあるわけですか。
  139. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) これは若干、広帯域ISDNというのも一種の専門的な用語に近いところもございます。狭帯域に対して広帯域とこう言っているわけでございますので、おおむねイメージとしては似たようなものでございますが、さっき申しましたIN、インテリジェントネットワーク機能というのが広帯域の概念には必ずしも入っていないわけでございます。ここではINの機能というか、インテリジェントネットワークとしての機能を支援対象にしようということで、この定義では入っておるわけでございます。必ずしもそれが入らなければいわゆる広帯域にならないかというと、IN機能というのがなくても、インテリジェントネットワーク機能がなくてもそれは広帯域と称するんだと、そういうふうに若干厳密に言うと違うという、違う部分は今のインテリジェントネットワーク機能の問題を指しているということで、おおむね先生の御理解は正しい、こういうふうに理解をいたしております。
  140. 山中郁子

    ○山中郁子君 おおむねじゃないところは、インテリジェントネットワーク機能ですか、今おっしゃったのね。そうしますと、NTTの言う広帯域ISDNの中にはそれは含まれていないというふうに理解できるわけですか、その辺がちょっともう一つよくわからないんですけれども。頭が悪いわけかな、NTTの方が。
  141. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 長期ビジョンというのをNTTが出しております。VIP、ビジュアル・インテリジェント・アンド・パーソナルというので、そういう意味ではその中に入っておる。インテリジェントと言っておりますので入っております。ただ、広帯域ISDNというのは、いわば電気通信の専門用語ということでさっきも申しましたが、狭帯域に比べて広帯域だと。その中のイメージにはIN機能というのは別に本質的な成立要件にならないという意味で申し上げただけでございます。
  142. 山中郁子

    ○山中郁子君 わかった。あなたのおっしゃるのはわかったけれども余りそういうことはいいわ、ちょっと時間をむだにしたなという気がします。  というのは、VI&P、これのネットワーク説明としてNTTは今私が引用した言葉を使っているんですよ。だから、あなたのまさにおっしゃるとおりVIPなんというのはビジュアル・インテリジェント・アンド・パーソナルなのね。だから、インテリジェント機能入っているんですよね。その説明として広帯域ISDN構築に云々と言っていらっしゃるわけだから、これはいいわけでしょう。同じことでしょう、要するに。余りややこしいことで寄り道させないでね。  それで、要するにそういうことなんだけれども、それは光ファイバーが自宅まで行く、こういうことなのね。そうすると、私はやっぱりここで基本的に思うのは、一九九五年から着手すると言って、まだ準備段階でしょう。そうして二千万加入、つまり三〇%が二〇〇五年だという計画をNTTは出していらっしゃる。郵政省の見通しかな。その辺の見通しも含めてお伺いしたいんだけれども、三〇%加入が二〇〇五年だというわけね。十五年近く将来ですよね。そして、二〇一五年までに全部完成すると。もう本当に先の長い、ある意味では現実からいえば先の長い話で、国民的なニーズというふうな具体的なイメージは何にも私たちは持てないんですよ、この時点で。  ついでにちょっと申し上げますと、これはやはりNTTもそういうことをあれしていますけれども、調査室の方が取りまとめてくだすった資料の中に、いわゆる「広帯域ISDNサービスイメージ」、これはもちろんインテリジェントも入っているんですよ。そういう中で、家庭にあってはということで、ハイビジョンとかクリアビジョンとか、それから高機能端末、これはパソコンでしょうね。それとかテレビ電話だとかファクシミリだとか普通の電話だとか、いろいろ図解もされて出ているんですね。  こういうものが今国民ニーズとしてあるのかといえば、私はないと思います。部分的にあるいは特別なケースでいえばそれはいろいろあるかしれないけれども、第一こういうハイビジョンなんというのは今三百万とかと言われているわけでしょう。そのハイビジョンを置くところだってないですよ。狭いウサギ小屋にみんな住まなきゃならないようなそういう状況が国際問題にもなっているぐらいなときにね。  そういうときにこういうことを展望して、光ファイバーがお宅のところまで行きます、そして皆さん方もその光ファイバーによっていろんなサービスが享受できますというのは、私は一種の、何というんでしょうね、ビジネスユーズの実態を緩和させるためにこういうことを言うけれども、実際はビジネスユーズというか、企業経済社会活動の上で必要なところにどんどんお金を出していって支援をしていく、そういうことがやっぱり柱だというふうに思わざるを得ないのですけど、この辺はひとつ大臣からも御見解をお伺いしたいところなんです。
  143. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) いろいろな電気通信関係の機材の発展の流れを見ておりますと、今日までのものでもファクシミリとかワープロとか、そういうようなものにいたしましても、企業で使われ始めたのがまず第一歩であるということは事実でございましょう。そういう過程、プロセスを踏んでそれから家庭に来たのも事実だ、ホームへ来たというわけですから、それは先生指摘のとおりだと私は思っております。今後の電気通信の機材はやはりそういうステップを踏んで流れていくのはそのとおりだと思います。
  144. 山中郁子

    ○山中郁子君 大臣が御認識なすっているように、だから私もそこに問題点があるということが、最初に申し上げた私の見解のよって立つところであります。  それで、ちょっと具体的なことをお伺いしたいんです。局長の御答弁になるんだと思うんですが、例えばいろんなことがあるんだけれども、これができた暁にはというか、そういう通信網が完成された暁には、難視解消という意味で言うならば衛星放送というのは要らなくなりますわね。要らなくなるわけですか。私の素人見解だとそうなるんじゃないかと思うんです。難視という意味で言うならばよ。難視はなくなるわけよね、みんな光ファイバーで行くんだから、ケーブルで。
  145. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 何といいますか(「両方使えるんだよ」と呼ぶ者あり)はい。そのとおりでありまして、この光ケーブルというのは、コンピューターのデータとかあるいは画像の情報が送れるような回線を指しているわけでございまして、これは今お話しのように二〇一五年には各家庭まで行くだろうという、その時期に、じゃテレビは要らなくなるかと。衛星を使ったり地上波を使ったりといったテレビはこれは従前どおり当然存在をするだろう。要らなくなるんじゃなくて、そうした画像の情報を各家庭まで呼び出すことが可能になるということと地上波だとか衛星波が不要になるということとは全然別なことだと考えております。
  146. 山中郁子

    ○山中郁子君 ちょっと理解しがたいところがあるんです。要するに、そうするとそういう光ファイバーによるケーブルで、より安全でより大量により速く画像も送れるようにするけれども、必ずしもテレビがそれで行くわけではないという、わかったようなわかんないような話になるわけですね。画像というものの私たちが今考えている最も大きなニーズというか、実際の家庭で、国民が日常生活の中で実際に使われているのはテレビなんですよね。と思いますが、そのことが必ずしもそういう新たな通信網の中でそれが扱われるとは限らないということは何を意味するのかというのがちょっと理解に苦しむところです。  だから、何というんですか、それはテレビを想定していない、家庭に送るテレビ、そういうものについて光ファイバーによる新しいいわゆるISDNは使わない、こういうことを想定しているということに理解してよろしいんですか。
  147. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) 画像が送れるからといって、テレビがすべてこっちへ切りかわるということにならないということを申し上げたつもりでございます。ただ、家庭で画像が欲しいというところには、今なかなか現実に想定しがたいわけでございますが、例えばテレビ電話で今私がテレビカメラに映った情報先生のお部屋に、離れていて会話ができるというためには、今まさにテレビの必要とする情報量が通るようなネットワークが必要でございます。そういう意味では、テレビ電話というのがもしあれば、今日問題になっております単身赴任みたいなのは、きょうは調子がいいかねというのが顔色まで本当に見えるとかそういうたぐいのこと、それから各種の診断でございます。あるいは、レントゲンの写真とかそうした大量のデータが瞬時に送れる。今のネットワークで十数時間かかっちゃうのが二秒とか三秒あるいは〇・何秒で送れるようになるというところが大変大きいのかと思っております。
  148. 山中郁子

    ○山中郁子君 そうしますと、今おっしゃったことは、つまりもっといろいろほかの用途がどんどん出てきますよということでしょう。今考えられていることでもテレビ電話だとかファクシミリだとか。それじゃ、そういう端末を各家庭が持つとすれば、ハイビジョンなんかも含めて、一体どのくらいお金がかかると思っていらっしゃるかということが一つ。  それから、全国のこの計画を達成するに当たっては俗に二十兆円とも三十兆円とも言われていますよね。そういう大きないわゆる経済効果という、ある意味では経済効果でしょう。ある意味では投資のお金が必要だというふうになるわけだけれども、そういうことはどういうふうに認識されていらっしゃいますか。端的でいいです。
  149. 森本哲夫

    政府委員森本哲夫君) もし今テレビ電話をやろうとすれば、現在でもISDN用のテレビ電話でしたら三百万から七百万というようなことになっていますし、アナログ用に使っても七万から十万だということでございます。しかし、この手のものは普及するにつれて一台当たりの価格が安くなるということでございますので、この辺低価格化というのは今後の情報社会で十分期待ができるんじゃないか、こう思っております。  全体の二十兆かかるということについては、だからこそ大変巨額な設備が要る。それを事業者任せにして利益のペイするところにだけ回線を張りめぐらすような仕組み、そういうものを何とか是正し、国民ひとしくこの高度のネットワークが享受できるような形を、政府としても関与しながら、誘導しながら前へ進めたい、こういうことでございます。
  150. 山中郁子

    ○山中郁子君 電話事業もそうでありましたし、またテレビの事業もそうでありましたし、過去ずっと日本の近代化の過程でさまざまな、先ほど大臣も認められましたそういう過程、プロセスを通って、やはりどこが利益を受けどこが利益を受けないで、そしてツケが回されてきたかということを私は浮き彫りにしたいという気持ちで今解明をしてまいりました。  人材育成、研修事業について、時間も余りあと残っていませんので、二、三端的にお伺いいたします。  これは、午前中にもお話があったんですけれども、確認をしておく意味お尋ねいたしますが、この研修事業の対象ですね、対象になる人たちはいわゆる地方自治体やテレトピア等の方たちとか通信事業者、あるいはユーザーである企業の人々、それからCATVとか建設業者とか、そういう方たちは容易に想定できるんですが、それ以外の方たちでも一般にそうした知識を獲得したい、取得したいとすればそこにあれできるのか。そういう周知の方法はどういう方法がとられるというふうに考えられるのか。それでまた何かたくさん、わんさと希望者があった場合には試験みたいのをなさるのか。それからまた、これでもって技術なり知識なり習得された段階では何らかの資格みたいなものが与えられるのか。それらの点を取りまとめて御答弁いただきたい。
  151. 白井太

    政府委員(白井太君) まず、対象となる方でありますが、私どもがこの法案で予定しておりますのは、どういう企業であれどういう団体であれ、現に情報通信関係の仕事に携わっておられる方を中心といたしまして、これからそういう仕事に携わる方も含めて研修を行うということを念頭に置いております。一般的な勉強というような方まではちょっと想定はしておりませんでしたけれども現実の問題といたしますと、やはりセンターがもしでき上がりますと、できるだけ多くの研修生の方を集めるということも必要になってまいりますから、実際の面ではいろいろな弾力的な運用は可能であろうかと思います。  それから、今度は逆に大勢受講希望者が集まった場合にどうするのかというお尋ねでございますが、これはでき上がった上での話ではありますが、申し込み順でありますとか抽せんとか、そういうような適切な方法で受講生を選んでいただくということになろうかと思います。もしそういうことで非常に受講生が多いようであれば、また教室の数をふやすということも現実の問題としてはそういう場合には考えることになろうかというふうに思います。  それから、資格につきましては、現在では直接何らかの資格を取得していただくということは今度の研修センターでは予定はいたしておりませんが、将来の問題としてはいろいろ検討をすべき課題ではあろうと私ども考えております。
  152. 山中郁子

    ○山中郁子君 もう一点だけ、今の件に関してもう一つ聞き忘れたのがありますので。  受講料というようなものはどういうふうにお取りになるのか。どういう程度に考えていらっしゃるのか、もしお取りになるとすればということが一つです。  それからもう一つは、この法律にもかかわりますが、NHKとかNTTの援助を求めるという条項がございますが、これはどういう形を考えたらいいのか。つまり、短期で臨時講師みたいに一時間講師で毎週一回行くとか、あるいは長期にわたって出向みたいな形で派遣してもらうとか、その場合のそれでは給与とかそうしたことなんかの関係ですね、その辺はどういうふうに考えておられるのか。NTTやNHKとの間での何らかの、トラブルというほどじゃないにしても、間で問題になるようなことが残らない、あり得ないというような保証があるのかどうか、その辺を確認を含めてお伺いしたいと思います。
  153. 白井太

    政府委員(白井太君) 受講料については、まだ具体的なはっきりした見通しを持っておるわけではございませんが、同じような研修の事例を幾つかお聞きしてみますと、意外に受講料というのは高いもののようでございます。私どもとしては、人材研修センターの目的にかんがみまして、できるだけ安い受講料で勉強していただくことができるようにするということが必要だと考えております。施設整備についてこの法案に盛られておるような支援措置を講ずるということになりますと、これはかなりの支援措置にもなり得るので、若干受講料をほかの場合よりも少し安く下げるという方にお役に立てるんじゃないかと思いますが、できるだけ安い受講料で研修が受けやすいような方向に持っていくように、それぞれの事業計画を立てられたところを指導していくということをしていきたいと思います。  それからNHK、NTTの協力についてでありますが、一番私どもがぜひ御協力をお願いしたいと思っておりますのは、やはり講師の派遣の問題でございます。基本的には非常勤の講師というような形でお願いをするというのが普通の形になろうかと思いますが、いずれにいたしましても事実上NHKとかNTTに対して結果的に経費を負担していただくというようなことは考えておりません。必要な講師の派遣料みたいなものはこの研修事業を行う事業体でやはり払っていただくということを私どもとしては考えております。
  154. 山中郁子

    ○山中郁子君 終わります。
  155. 足立良平

    ○足立良平君 東京の一極集中の排除と申しますか、多極分散型の国土をつくる、そういう観点で今日まで郵政省といたしましても情報通信基盤あるいはまたその拠点というもの、そういう整備を行ってきたところでございます。それはもう既に議論がされておりますように、例えばテレトピア構想であるとかいろんな構想が今日まで進んできているわけでございます。さらに、今回この法案のようないわゆる基盤法をつくってさらに充実して支援をしていこう、こういう考え方に立っているわけでありますが、これは考えてみますと地域情報化を進めていく、そういう一つ情報化を進めていくというこの一点からいたしますと、相当施策余りにもずっと細分化している、細かくなっているんではないか、こんな感じも実は受けるわけでございます。  そういう面で、今日まで郵政省がテレトピア構想から始まっていろんな施策をやってきたその評価というものを一体どのように評価をして、そして今回こういう法案を作成されたのか、まずこの点についてお伺いをいたしたいと思います。
  156. 白井太

    政府委員(白井太君) 情報通信の振興につきましては、いろいろな角度からの方策というのを講じる必要があると考えておりますが、ただいま先生のお話にも出てまいりましたテレトピア計画だとかあるいは民活法に基づく施設整備というのは、いわば情報通信の手段を利用して地域の町づくり等を行うというような、ごく大ざっぱに言えばそういうようなイメージのものでございます。それから他方、今回この法律案でお願いしようとしておりますのは、いわば全国的に社会基盤の一つと言ってもいいような情報通信の基盤整備を図るというのが今回の法律案の中身になっておるわけでございます。  ところで、テレトピア構想とか民活法の実施についての評価の問題でありますが、結論の方から先に申し上げますと、いずれもそれなりの目的は果たしているというふうに申し上げても差しつかえないのではないかというのが率直な私どもの評価でございます。テレトピア計画については、もう既にこのプロジェクトを始めましてから五、六年が経過をいたしておりますが、今日においてもこの種のプロジェクトを新たに進めたいという地域の申し出が率直に言って幾つかありまして、やはり地域づくりのためにこのテレトピア構想というのが何がしかお役に立っているという評価は決して間違いないのではないかというふうに思っております。それから、民活法施設整備の場合につきましてもぽつぽつと新しいものができておりまして、いろいろなプロジェクトを進行しているというところがあちこちにございます。  先ほどの御答弁の中で、実は法律的にいいますと、民活法とかと今回の法律というのは法律的には直接の関係がないということを申し上げて、ちょっと舌足らずだったと後で反省しておりますが、私どもといたしますと、そうしたものをあえて言えば両々相まってそれらの施策がいろいろな角度から講ぜられることによって我が国の情報通信に関するレベルが全体として上がっていくということではないかというふうに考えておるところでございます。
  157. 足立良平

    ○足立良平君 例えばでございますけれども、例えばニューメディア事業への補助につきましては、これはテレトピア構想の中で十分できるわけでございますね。それから、無利子融資の関係という、これについては民活法でも実は可能ではないか、このように考えるわけです。そうしますと、従来の施策とそして今回の立法措置、これいずれでも助成の対象になってくるんではないか、このように思うわけでございます。この点でちょっと具体的なものでありますけれども、その上に立ってさらにお聞かせを願いたい。  それと同時に、昨年いわゆる円滑法ができました。そして今回この法案。私は一応必要だというふうに考えているわけでありまして、この法案の成立によりましていわゆる支援策というものが、人的な面そして物的な面、両方の面において大体整ってきたんではないか。ある面においてはこれからの情報化社会に向かってのいろんな支援策といいますか、あるいはまたそれを促進していくという観点からすると、法体系としては大体ほぼ出そろったんではないか、こういう感じも受けるわけでございますけれども、その点につきましてお聞かせを願いたいと思います。
  158. 白井太

    政府委員(白井太君) 法律の仕組みと申しますか法律案の仕組みの問題として申し上げますと、債務保証でありますとか、あるいは国からの通信放送衛星機構を介してではありますが国の資金の投資とかいうふうなものはこの法律によって可能になるものでございます。また、そのほか負担金を出した場合の損金算入なんかの問題もこの法律の中に取り込ませていただいておりますので、それらの支援措置というのは今回の法律案をまって初めて可能になるということが理屈としては言えるわけでございます。  それからそのほかに、今回の法律案による直接の支援ではございませんが、ただいま先生お話ありましたような無利子融資というような支援措置もあわせて講じたいというふうに考えておるところでありまして、今までの無利子融資の制度だけで今回のような大きなものを実施できるかということになりますと、なかなかこれは率直に言ってちょっと難しいというところがあるように思うわけでございます。  それから、今回のような法律案が仮に成立することになればいろいろのメニューがそろうから、これで国として講ずべき措置というか、あるいは支援策として国がやらなきゃいかぬことは大体出そろうことになると考えてよいのかというような御趣旨のお話とお聞きしたわけでありますが、私どもとして現在必要なのは、あるいは現在急いでやらなければならないのは、今回法律案でお願いしている内容のものであるということは自信を持って申し上げることができると思っております。率直に申し上げまして、これだけ動きの激しい世の中でございますので、将来またそういう別の支援策とかあるいは別の対策が必要にならないかどうかについては、なかなか私としては率直に申し上げて的確な判断はちょっとできないということをお許しいただきたいと思うわけでございます。
  159. 足立良平

    ○足立良平君 いわゆる情報化社会に向かってさらにこれを進展させていこう。先ほどもいろいろと話が出ておりますけれども広帯域ISDNでありますか、というふうなものをさらに進めていくということは大変なコストの要ることであるわけであります。そうしますと、そういう点を考えてみましたときに、ビジネスとして情報の問題というのは、これは既に電電公社が今日NTTということになり、そしてそれぞれ第二電電とかいろんな新規事業が行われてきているということになってまいりますと、この高度情報化社会を進めていくに当たっての、社会的なインフラというものを進めていくに当たっては相当の資金、これを一体どのように確保していくのかということが一番重要な問題ではないか、このように考えるわけであります。  そうなってきますと、国土の均衡ある発展あるいはまた国土にひとしく情報網というものを進めて、広めていくということになりましても、実際的にはそのニーズといいますか需要が存在するところに偏ってくる傾向というものが現実的にはあるのではないか。ですから、仮にそれぞれの地方にそれをやっていこうとすると相当の政策的意図を持って進めていかないと、今日の私企業形態を前提にしてそういう情報インフラ全国的に広めようということはちょっと無理なのではないか、こういう感じを実は私は持っているわけでございます。  したがって、そういう点から質問をいたしたいわけでありますが、先ほどもちょっと議論があったわけであります。企業支援するかしないかというよりも、これからの我が国の産業あるいはまた経済あるいはまた国民生活というもの、これをひとしく情報化を均てんに発展をさせようといたしますと、先ほど申しましたような観点で相当の私企業といえども支援策というものを前提に考えていくということになってまいりますと、この面でこれからの、今ここで提起されているような方法だけで本当にいいのかどうなのか。  現実的にこれから十年間で約二十兆円という、それに相当する投資をしていくということ。投資をするということは、私企業の場合には必ずそれは回収をしていかにゃいかぬわけでありますから、回収をしていくということで企業というものが正常に存続をさせていくという前提に立ちますと、それはある程度企業経営というものは健全化されないと雇用が守られていかないという問題も生じてくるわけであります。そういう観点で、これらの問題について郵政省として一体どのようにお考えになっているのか、ちょっとお聞かせを願いたいと思います。
  160. 関谷勝嗣

    国務大臣関谷勝嗣君) 確かにおっしゃるとおりでございまして、不採算の地域等には民間企業はなかなか出ていかないということは現実にあるわけでございます。そのままで進めていきますと地域間の格差はますます拡大をしていくであろう。そういうときにこそ国の力でこの格差是正をやっていかなければならないから、立ち上がりのその危険性をいささかたりとも少なくするためにやっていこうと。そこで、先生のおっしゃいましたような政策面での誘導がなければならないのではないかという御指摘でございますが、確かにそのとおりであるわけでございます。そういう点からいきますと、いわゆる無利子融資であるとか債務保証であるとか、そういうようなことも行っていきまして、この法律でもって地域間の格差是正する方向に極力努力をするという態勢で頑張っていかなければならないと思っております。
  161. 足立良平

    ○足立良平君 今大臣からの答弁でありまして、そういう考え方でいいのかもしれませんが、昨年の六月でございましたか、電気通信審議会の通信政策部会の中間報告を読んでおりまして、その中でいわゆる今申し上げておりますような問題点として、官としての役割、それから民としての役割というものを考えていかなければならないんではないか、こういう指摘があるようでございます。  この情報通信というものが、電電公社が民営化されたことによって我が国の情報産業というものが急速に発展をしてきたということは、私は率直に認めたいと思うんですね。したがって、そういう面で、その延長線上でさらにこの情報化というものを本当に進展をさせるということが二十一世紀社会にとって私は必要だろうと。それで、先ほど大臣の答弁のように、これから十分考えていきますというだけでなしに、本当に官の役割というものはこういう情報化社会の中で一体何をこれからしていくのか、そして民間というものはそれは一体何をしていくのかということをある程度きちんと理念として持っておかないと、特にこの情報部門における技術というのはもう本当に進展が速いわけであります。下手をいたしますと、財政的にこれは減価償却なんかもほとんどできない状態で新しい機械を導入していかなきゃならないような、それほど厳しい、進展というのは私は速いだろうと思うわけであります。  そうしてまいりますと、政策誘導していこうといたしましても、その官の役割、民の役割というものを理念的にきちんとしておかないと、そのときそのときで揺れてしまうんではないかという感じもするわけでございまして、そういう面からも再度お考え等がございましたらお聞かせを願っておきたいと思います。
  162. 白井太

    政府委員(白井太君) 確かに足立先生指摘のように、両方の極端といいますか、極端というと言葉が妥当ではないかと思いますが、一方において私企業の原理にゆだねる部分と、それから今回の予算案でお願いをしております特に山間地域における格差是正事業としての公共投資というような両方のものについてはある程度のいろんな考え方の整理ができておるわけでありますけれども、いわばその中間の部分について企業の役割とか、それとは別の今度は政府あるいは国の役割というのをどのように考えるかという考え方の整理をする必要があるのではないかという御指摘は私もそのとおりだと思います。  それで、私どもといたしましては、俗に言う公共投資関係の問題について審議会に諮問をして昨年の夏に中間答申をいただいたところでありますけれども、この後また勉強を再開していただいておりまして、できるだけ早く御答申をいただきたいということをお願いしております。その中では、ただいま冒頭に申し上げましたような非常に極端ないわゆる格差のあるところについて公的な資金を投入するというケースだけではなくて、ある程度企業の役割というものも、どの程度公的な役割において企業としては努力をしなきゃいかぬのかというようなことも、ある程度少し考え方の整理をするというようなことも審議会の勉強の中ではお願いをしなきゃいかぬかなというふうにお聞きをしておったわけでございます。
  163. 足立良平

    ○足立良平君 ちょっと今お話を聞きながらふっと思ったわけで、これはひょっとしたら郵政省の所管の問題でないのかもしれないんですが、これから高度情報化を進めていくに当たりましては、先ほど言いましたように、相当の資金が必要になってくるということであろうと思います。資金が必要かどうかということは別として、技術革新というものは相当進展するだろうということになっていきますと、例えばこの高度情報化だけでも十年間で約二十兆円あるいはそれ以上のものが必要だと思われる。それから、これは郵政省と若干関係あるのかもしれませんけれども、公共投資でこれから十年間で四百三十兆円の金が必要だとこう言われている。一方では日本の黒字というのはだんだん少なくなっていく。資金需要というものは、それは湾岸の支援も含めまして大変多いわけですが、資金需要が多いのに引きかえて、今度は実際的な資金というものが逼迫をする社会情勢になってきているという感じがするわけであります。  そうすると、こういう法案をめぐってはその表の部分だけで、鶴岡委員からも御指摘ありましたように、高度情報化社会イメージというものが一体実際的にどういうものなのかということは私も正直言ってわかるようであって、実はあいまいもことしてはっきり描き切れないんです。これの基盤を整備していくと一言では言うのですけれども、相当難しい背景を現実的には持っているんではないだろうかという感じがしてならないわけです。今御答弁を聞いておりまして、ふっとそんなことを実は思ったわけでございまして、もしそういうことについて何かお考えがありましたら、感想でも結構ですから、ちょっとお聞かせ願っておきたい、こう思います。
  164. 白井太

    政府委員(白井太君) 資金需要の問題に対するお答えにはならないわけでありますが、先ほどのお話のいわば続きということで申し上げさせていただきますと、例えば放送会社というのがありますが、民間放送会社といえども公的な使命を持っておる、側面を持っておることは間違いないわけであります。そういうことから、私どもとしては、民間の放送事業者に対してもできるだけ自分の受け持ち範囲のところについては難視聴の解消に努めるようにということを指導してきておるわけでありまして、かなりの部分採算を度外視しても、放送会社としては放送事業者の公的な使命ということにかんがみて、そういうようなこともやってきてはいるわけであります。  ただ、それにもかかわらず、極端な山間地域におきましてはやはり採算の問題ということもあって、最後のところまでは民間放送事業者自身の努力ではなかなか解消できないというのが現実であるということから公共投資のような予算をお願いしておるわけであります。そういうことからしますと、どのような企業社会の中で存立していく以上は、何がしかの社会的な使命といいますか公的な責任というのは、多少濃淡はあるにしても負うものであろうと思うわけであります。そのような角度から、企業としてどの辺まで自分の負担で責任を果たしていかなきゃならぬのかという問題は、やはり今日においてもあるように思うわけでございます。  確かに、全体として資金の不足の問題ということになりますと、これは私どもだけで解決できるような問題でないことは言うまでもないことでありますけれども、結局は官と民とがどういう負担をするかということによって、どうしても国としてやっていかなきゃならぬことについては、適切な負担のもとにやはり必要な策を講ずるということをやらざるを得ないということになるのではないかと思うわけでございます。
  165. 足立良平

    ○足立良平君 それでは、ちょっと具体的な点をお聞きしておきたいというふうに思うんですが、この法案が目指す高度の通信設備といいますか、そういう状況になりますと、先ほどもずっと話ありますように、テレビ電話であるとかあるいはまたハイビジョン等、今までと全く違った状況考えられるわけであります。そうなってまいりますと、いわゆる電気通信というものと放送というものとの垣根が今はきちんとしているわけでありますけれども、ずっと先ほど来お話を聞いておりますと、電気通信というものと放送というものとが何か垣根がぐんと低くなってくるというような感じも実は受けるわけでございます。  したがって、そういうふうな問題についてどのように認識をされているのか。あるいはまた、法体系そのものも含めて将来的に見直しをしていく必要があるのではないかという感じも受けるわけでございますが、そういう点についての郵政省考え方をお聞かせ願いたいと思います。
  166. 白井太

    政府委員(白井太君) 具体的なお答えにはならないと思いますが、ただいま足立先生がおっしゃいましたような角度からの問題の提起をなさる向きというのは少なくないということは間違いのない事実でございます。  今まで通信通信、放送は放送としてのそれぞれの役割とかあるいは機能に着目しましていろいろな制度ができておるわけですが、これは通信と放送との関係をどうするかということを離れて、一般的な制度の問題として、絶えず私どもとしては制度については時代に合ったものにしていくという努力というのをしなきゃならぬということは当然であります。これは通信と放送の問題に限らず、いろんな角度から既存の制度については絶えずやっぱりこの制度が今日の時代にふさわしいのかどうかということを勉強し検討していくということが必要であろうかというふうに考えております。
  167. 足立良平

    ○足立良平君 たしかこれ六十一年の九月だと思いますが、情報通信技術研修センターですか、これが一応設置をされているわけでありますし、郵政省といたしましても情報面での人材育成というのを既に手がけられているというふうに私は認識をいたしているわけであります。そういう点で、今回の人材研修事業への助成措置との関係ですね、既に行われているそれとの関係というものについてお伺いをしておきたい、このように思います。  それから、これも人材研修の関係で、レクチャーを事前にお聞きをいたしておりますと、十年間で約三十カ所程度考えていきたい、あるいはまた三年度においては二カ所程度と、こういうふうに具体的にちょっと聞いているわけでありますけれども、この場所はこれから具体的にどちらの方を考えているのか。あるいはまた、既に地方自治体の方から先ほど打診があるというふうに答弁の中でございましたけれども、具体的にそういうふうな打診が現実にもう既に来ているのかどうなのか。こういう点につきまして、その状況についてお聞かせを願っておきたい、このように思います。  それから二点目に、引き続いて聞いておきたいと思いますのは、問題は人材研修といいますよりも、これからの情報化社会というものを考えてみましたときに、人材の養成という、新たにまたさらにレベルの高い人が伝播していくということが極めて重要ではないか、このように思っているわけであります。  これは既に質問も出ておりましたけれども、通産省におきましては情報大学構想というものが既に推進をいたしているわけでございます。そういう面で、郵政省として既にそれぞれの各級の学校、専門学校も含めまして連携を図っていく必要性が本当はあるのではないか。仮に全国で三十カ所だけをつくりましても、既に議論としてあるいはまた質問として出されておりましたけれども技術者、技能者の不足というものは解消することはできない。そうしますと、本当に情報化社会を進めていくに当たりましては、もっともっとすそ野の広い技術者の養成ということが一番重要な点であろうと思いますので、そういう点で各種の学校との連携といいますか、そういうものを郵政省として一体どのようにお考えになっているのか。この点をお聞かせ願っておきたいと思います。
  168. 白井太

    政府委員(白井太君) まず最初に、情報通信技術研修センターの関係でありますが、このセンターは昭和六十一年にできたセンターでございまして、郵政省の所管する財団法人の一つであります。この研修センターで行っている内容というのは、電気通信主任技術者とそれから工事担任者という、いわば資格が必要な人を念頭に置きまして、これらの方の育成とか資質の向上を図るということでやっておるものであります。今回の法案でお願いしている研修センターで行おうとしているものとはかなり内容が異なっておるということでございます。  それから、今回の法案でお願いをしております人材研修センターについて、今私どもとしては十年間で三十カ所程度を全国整備したいというふうに考えておりますが、具体的な場所についてはまだ全く決めておりません。ただ、考え方としては、特定の地域余り固めるということでなく、できるだけ全国に均等にといいますか、地理的に特別の地域に偏らないようなやり方で配置をするということが必要ではないかと思っております。  それから、自治体の関係につきましては、打診というところまで申し上げていいかどうかわかりませんが、このようなアイデアを持っているという話が出ましたときに、もう昨年の段階からでありますけれども、いろんな照会があったことは事実であります。県だとかあるいは市町村というようなところからの照会でありますとか、あるいは地域の団体の方からの照会というのも確かにございました。ただ、これが本当に事業化をするというところまで結びつくかどうかということについては、その後そんなに関係のところと詳しいお話をしているわけではありませんのではっきりしたことは申し上げられませんが、かなり関心を呼んでいるということはあるいはあるのかなというふうに思っております。  それから、専門学校との連携などの問題でありますが、これも確かに行く行くはいろいろ考える必要はあろうかと思いますが、今日におきましては残念ながら情報通信関係のコースを持っている専門学校、専修学校というのは大変数が少ないわけであります。しかも、あるにはあってもそのほとんどが東京圏に集中しているというような実態でありますので、私どもが今回の法案考えております、むしろ地方における人材研修ということを考えますと、ちょっと今の段階では専門学校との連携をとろうにもその体制が十分できていないというのが率直な実態でございます。
  169. 足立良平

    ○足立良平君 終わります。
  170. 一井淳治

    委員長一井淳治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  171. 一井淳治

    委員長一井淳治君) 御異議ないと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十四分散会