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政府委員(湯浅利夫君)
固定資産税の
課税誤りが各都市で見られることにつきましては、私どもも大変申しわけなく存じているところでございまして、現地
調査の徹底をするとか、あるいは電算システムによるチェック体制を整備するとか、あるいは航空写真などを使って
調査の徹底を補完するとか、いろいろと
会議の都度御指導をしているところでございますけれども、これに並行いたしまして、今回横浜市なり神戸市なりその他の
地域で
課税誤りが発見された大きな要因といたしまして、
課税資産の内訳を納税通知書を通知するときに添付した、これで自分の
課税されている資産がどういうものかということがわかったということで、これを納税者の方々がごらんになって、これはちょっと間違いじゃないかというようなことが発端になったというものがかなりあった。横浜市の場合も神戸市の場合もそういうことではなかったかと思うわけでございます。そういう
意味からいきまして、
課税当局が
調査の徹底をすることは当然ではございますけれども、と同時に、体制の整ったところから納税通知書を出すときには
課税資産の内訳をできるだけ添付するように、こういうことを私どもとしては御指導を始めているところでございます。
この
課税資産の内訳は、短期間に納税通知書を出すという関係上、相当
事務体制がきちっとしていないとなかなか難しいという問題がございますので、その体制をできるだけ早く整備をしてほしい。そして、納税通知書を出すときにこの内訳を添付していく、こういうことによって、
課税当局自身も誤りのないようにしなきゃいけませんが、納税者の方々にもそのチェックをしていただくということをやっていくことがこの
固定資産税の
課税誤りを防ぐ非常に有効な手段ではないかというふうに考えておりますので、これは私どもも積極的にこれから指導してまいりたいというふうに考えております。
そういうことによりまして誤りが発見された、それが既に五年間の時効を超えてしまっているというような場合でございますが、
法律制度といたしましては、やはり他の税目と同じように消滅時効というものは五年間、こういう
課税債権について
固定資産税だけの特例を設けるということは税
制度としてなかなか難しい問題がございますが、その他の
方法で納税者の信頼を確保するためにほかに何かいい手だてがないかということでいろいろと検討を進めたわけでございます。横浜市におきましても神戸市におきましても、そのために研究会をつくりまして、
法律の
専門家なども入ってもらって、その上でいろいろな議論をした結果、五年を過ぎた分につきましても
地方自治法第二百三十二条の二の規定に基づく補てん、あるいは国家賠償法に基づく損害賠償というような形でやることができるのではないか、こういうことを踏まえまして、既に予算化をいたしましてこのお返しをするというようなことまで行っているところでございます。こういうそれぞれの
自治体の検討というものを踏まえて、返還と申しますか、こういうものについてそれぞれの
自治体から御相談があれば私どもは適切に指導してまいりたいと思っております。
何せ
固定資産税は
市町村の方から税額を示すということで、それぞれの
住民の方々は
市町村のやっていることは間違いないだろうと思ってそれに基づいて納めていただいているわけでございますから、その税額に誤りがあるということは、これは
住民感情といたしましても、また納税者の
考え方からいたしましてもやはりどうしても納得できない問題がありましょうから、信頼を確保する
意味からも適切な
措置を今後とも講じていかなければならないというふうに考えております。そういう
意味で、それぞれ
自治体の事情が違うことが考えられますので、画一的な指導はなかなか難しいと思いますけれども、いろいろな
自治体の個別の事情に応じまして適切な対応ができるように私どもといたしましても指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。