○沓脱
タケ子君 次に伺いたいのは、冒頭にも申し上げましたように、
産業廃棄物の
処分地がなくて非常に深刻な状況になっています。その結果、
産業廃棄物の
不法投棄問題というのが随所に起こっています。
先ほどからの御
質疑の中にも出ておりましたように、香川県の有名な豊島の問題あるいは岡山県の問題等々ございます。茨城県の八郷町というところにも問題が出ております。全国のこの分野での検挙例を警察庁から聞いたんですが、これでは二百六十三件というふうなことで、余り
説明を聞いてないんでわからないわけですけれども、しかし岡山県の県警の検挙数だけ見ましても八八年、八九年は十八件ですね。それが九〇年度は四十五件ということで激増するという状況になっています。私は、こういう状況というのが果たして、今度の廃掃法の改正それから
リサイクル法、当委員会の
再生資源の
利用の
促進に関する
法律案、これがまともに動いたらこういうことがなくなるのかなという点が非常に気にかかるところでございます。
そこで、余りにも典型的なので少し申し上げておきたいと思いますが、茨城県の八郷町というところの
産業廃棄物の
不法投棄事件というのは、これは報道されたから御案内かと思います。この概要は、農地を含む山林七千七百平米の現場です。農地と山林の谷間に一万六千トン以上の産廃
不法投棄がやられました。それが昨年の三月七日から五月の十二日まで約二カ月間なんですが、中身は建設廃材、廃プラスチックなどを含む
内容になっております。その結果として、無
許可の
処理業者二人が逮捕され、委託及び無認可の収集運搬
業者が十七
業者二十人が書類送検をされるという結果になっておるわけです。
ところが、これは地権者との契約はどういうふうになっていたかというと、
産業廃棄物は捨てません、それから埋め立て計画の中では、都の下水
処理場の新設現場からの残土で埋め立てをするということを明確に書いてあるんですが、中身はそういうことになっています。当初住民から通報があって町と県が現場へ行ったりしていろいろやったわけですが、とめることができなかった。そして、約二カ月かかって五月十二日にやっと警察がトラックの過積みということで摘発をしてやっととめる状況になったというのが経過になっております。
その結果、わずか二カ月ほどの間にしみ出してきている中には、トリクロロエチレンなど
有害物質も徴量ではありますが出てきているということなんです。町当局でも
対応に困っており、町議会では百条調査委員会を設置して真相究明をやっている。残土をかけてとにかく持っていく。中を掘ったら建設廃材、廃プラスチック、いろいろなものだと。それでどこのだれがほうっているのかわからへんのですね。それで結局、町が掘り出して調査をする中で
伝票がいっぱい出てきた。その
伝票によってその
関係者を突きとめながら十七
業者二十人の書類送検に及ぶというふうな結果になっておるわけでございますから、これはもう大変なことなんです。
それで、議会でもそういうふうに取り上げられたという問題もございまして、とにかく
伝票でわかった
業者だけはどんどん調べて、それで復元の
措置を要求しているわけです。そうしたら、ごくわずかでまだ三百四十トンぐらいらしいですけれども、これは撤去させてきている。お金はどこが出したかというと、これは委託した
事業者が会社の名前を明らかにしないようにという条件で金を孫請の請負
業者に渡してやらせる、こういうことが事実なんですね。
私はこれを見て思ったんですが、町民が通報してすぐにとめられないのかという問題ですね、
一つは。それからもう
一つは、送り状、マニフェストの問題ですが、やっぱり
事業者から末端に至るまできちんとこれは特別
管理、マニフェストの体制をとらないと、こんな掘り出して
伝票が見つかった人だけやられて、
伝票がわからぬ人は免罪されるというようなあほな話ないですよね。
不法投棄だからそういうことになっているんだけれども。その辺のところは、これは
厚生省の
法律ですが、特別
管理産廃というだけでなく、すべての
産業廃棄物にこれは送り状をちゃんとつけさせるということが必要ではないかと思うんです。もう時間がないので、こういうものをすぐとめられるようになるのかという点ですね、この両方の
法律で。送り状等の問題で、そんな埋めたやつを掘り返して
伝票を見つけぬとどないも手の打てぬというような、こういうことでは話にならぬと思いますが、その辺のことについてお伺いをしておきたいんです。
それで、そのときに一番問題になるのは、産廃の
処理場の場合は町が現場の立ち入り調査できないでしょう、今府県の権限になっているから。だから、いざというときに府県が来てくれない。いらいらしても入れない。こういう問題についてはこれは検討が必要ではないかと思います。これは私は沼津でも函南町でも聞きましたし、御当地でも同じようなことが起こっていると思うので、そういう点の検討が要るんではないかという問題をお聞きをしたいと思うんです。
時間の都合がありますから、答弁長くやられたらもう時間済んでしまうんですが、そこで私、最後に
大臣に、この問題を特に取り上げましたのはこういうことだと思うんです。
今
ごみの大変な激増というのは、
生産者、
企業の経済の発展に伴って、大量
生産大量
消費、これはいいわけです。使い捨ての慣習というのが国民の中に出てきている。やっぱり物をつくるときにそれの後始末まで考えるということを計画の中に入れてこれをやらせるということになりませんと、そのための
リサイクル法の制定を厳密にやらせませんと、これはあれも抜けている、これも抜けているということで、そういった
生産者、
生産事業者の大量
生産のたれ流しというものを放置するということをやりますと、部分的に押さえておっても基本的には片がつかない。その点でこの
リサイクル法というのは極めて重要だと考えておりますので、その点をひとつきっちりと押さえていただけるように
大臣にはお願いをしたいと思っています。