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対馬孝且君 それから、いま
一つの問題は、私はまだたくさん
質問残っているんですけれ
ども、時間が来ておりますので、私はこのことをちょっと申し上げておきたいと思うんです。
よく
法案改正というときには
強化あるいは前進のためにといつも言うんだよな。正直に言うと、
中小企業関係法律というのは調べたら、私が知っている限りでは三十二本ぐらいあるんだな。そして提案するたびに改革、前進と言うんだけれ
ども、依然として今なお三十数本の
法律をつくっていながら、それほど
中小企業の問題は
改善されていない、これは実態認識として出ているんです。だから、私があえて言いたいのは、
中小企業の歴史を言うなら今私が
指摘したことなんでありますが、こういうことをきちっと踏まえて、
法律が数あるからこれで
対策になっているというんではなくて、もっとそこに本質的なものがあるんじゃないか。
それは今日の
労働環境、
労働力不足というものの原点は一体何だということを考えると、
労働省が人間尊重というここを最優先に
施策の
基本を据えるというこの
考え方が、通産であれ労働であれ必要じゃないでしょうか。そういう
姿勢があって具体的なものが出てくる。何か
法律を
改正するたびに
強化策だ前進だとは言うが、一向に
中小企業の問題はそれほど
改善されていないという点を、いま一度今ある
法律を見直してみて、何が問題かということを整理してみる必要がある、こういうふうに私は感じます。この点の所見があればお伺いしたい。
それからいま
一つは、
労働省に
関係省庁連絡
会議というのがあるでしょう、労働
対策の中で。特に私は
建設省に申し上げてもらいたいのは単価なんですよ、元請、下請、孫請の場合については。現に
労働省は立派なことをやったんだ。四年前札幌市に御案内のとおり
中小企業勤労者福祉センターと通称言われる、あれは
労働省は立派なことをやったんです。
立派なことというのはどういう
意味かといったら、この間もちょっと雑談で申し上げましたけれ
ども、
北海道の
季節労働者の通年施工をやったんです。なぜできたかというと答えは簡単なんだ。単価を二割アップしたということですよ。単価を二割アップして大体雪降るまでに上物を全部つくって、そして冬場になってもちゃんと仕事があって通年施工でやった。
内容を充実して仕事は立派なものができて、
労働者の
雇用対策に道が開かれて一石二鳥じゃないですか。それは何だといったら、何のことはない、単価なんですよ。
私はなぜこれ言うかといったら、
北海道開発庁という、御案内のとおり
建設、運輸、農水省でしょう。今八千億ですよ、
北海道開発予算というのは。戦後最高です。八千億突破したんです。それは御案内のとおり、日米構造協議の四百三十兆円に伴う公共投資
計画というのは結構なことですからいいんだけれ
ども、私の言いたいのは、この間も
建設省に申し上げました。前の綿貫
大臣に私申し上げたことがあるんですが、せっかく日米構造協議で公共投資の
改善策が出たのであれば、この
機会に単価、そういうものを
改善していってむしろ将来の
労働力不足に対処していく、こういう
姿勢があっていいんじゃないかということを申し上げたことがございます。綿貫前
大臣も、いやまさに認識は一致するし、これからもそういう
改善策に努めたいとは言っているが、この
機会に最後に申し上げたいのは、ここら
あたりを省庁連絡
会議というものがあるわけですから、
労働大臣、ひとつ積極的にそういう
改善策をすることが
中小企業労働者確保につながる。それは元請が下請にしわ寄せし、下請が孫請にしわ寄せする。ひいてはそれが
労働条件に全部影響していくことになる。ここに当面の最大の
中小企業労働者確保の重要な
課題がある、とりわけ
建設労働者について。
この点を私は申し上げたいと思いますので、
大臣にこれから新たなる
決意で対処してもらいたい、この
答弁を聞いて、私の
質問を終わります。