○
政府委員(鈴木政徳君) それでは、順次個々の
対策につきまして御
説明させていただきます。
まず
労働力の問題でございますが、不足の
状況は、先ほど申しましたように、残念ながら型枠、鉄筋工を
中心にしまして大変厳しい
状況でございます。こうした
対策のためには、
基本的にはやはり
建設投資が安定的、持続的に拡大していくということも必要でありましょうし、特に賃金などを含めました雇用
労働条件、あるいは現場の作業環境を改善する、そういうことによりまして
建設業を魅力のある産業にする、職場にするということが前提かと思います。また、有限の人材を活用する観点から、
工事の
平準化あるいは工程管理のもっと適正化、そういうことをしていかなければならないかと思います。
そこで、
建設業行政といたしまして、現在、
建設業の
構造改善を進めるということがまず必要だろうということで、昨年から
構造改善推進プログラムというものをつくりまして、
労働条件の改善、あるいは元請、下請といったような前近代的な
関係を合理化、近代化する、あるいは生産工程を合理化して生産性を上げる、そういうようなことで足腰の強い
建設業をつくり、
労働条件を上げていこうということを
建設業行政の柱に据えまして行政を進めているところでございます。
しかしながら、
労働力不足に対する当面の
対策といたしましては、もちろん業界内で
地域間の
労働力の融通であるとか、あるいは工法の変更等を行っているところでありますが、ことしの八月からは各専門工
事業団体と連絡をとりまして、本部レベルあるいは支部レベルで
労働力の過不足がないかどうかというような情報交換をすることによって、いわゆるミスマッチを解消しようという
建設労働需給情報サービス、そういうものを
実施しているところでございます。
次に、
建設残土の問題でございます。
御
指摘のとおり、最近の
建設需要の増加、あるいは地下空間の高度利用というようなことから、
建設残土の発生量が大変ふえております。一方で、海面埋立
事業等が減少してまいりまして、残土の受け入れ地の確保ということが大変難しくなっております。この問題は、特に首都圏を
中心にいたしまして、私
ども緊急かつ重要な
課題として取り組まなければいけない
課題でございます。
この問題に対しましては、私
ども昭和六十三
年度から学識経験者等から構成されます総合的
建設残土
対策研究会を設置いたしまして二
年間検討してまいりまして、九月にその結論をまとめたところでございます。その取りまとめでは、
建設残土は廃棄物ではなくて貴重な資源であるという
認識に立ちまして、例えば
工事現場での残土の発生量をできるだけ抑制する。それから、当然のことながら受け入れ地を確保する。それから、土質改良プラント等を
整備しまして、資源として有効に活用できるようにする。さらには、残土を出す
事業とそれからそうした残土を必要とする
事業もあるわけでございまして、そうした
工事間の利用調整体制を
整備しようというような内容になっておりまして、私
どももこのような
対策を今後積極的に推進していかなければならないと思っております。
現に、具体的には例えば関東、中部、近畿の三
地方建設局が周辺の
地方公共団体あるいは
関係公団等と連絡をとりまして、こうした
対策を行います連絡協議会を設置しまして具体的に動き出しているところでございます。今後ともより積極的にこの点については取り組んでいかなければいけないと考えているものでございます。
次に、公共用地の確保の問題でございます。
この問題につきましては、
事業量を確保する中で用地費を確保するというのが前提かと思いますけれ
ども、そのほかに
国庫債務負担行為等による先行取得制度の積極的な活用。それから、最近被補償者から
要求がふえております代替地に対する
対策等を含めました生活再建措置の的確な
実施。それから、
先生の御
指摘のように、大
都市部の地価高騰の中で用地だけを確保するということは不可能でございますので、立体道路であるとかあるいは沿道の区画整理等と一緒になった手法というような効率的な
事業手法の活用。さらには土地収用制度の的確な運用、そういうようなことを総合的に進めながら用地の確保を図っていかなければいけないと考えているところでございます。
最後に、
建設資材でございます。
当然のことながら、
建設資材の安定的供給の確保が図られなければ
公共投資の確保もできないわけでございます。そこで、
建設省といたしましては従来から主要
建設資材につきまして、需給
状況あるいは価格の動向というものを常時把握するように従来から
調査を
実施し、また需要予測等を行いまして、この情報をもとにして
関係省庁それから
関係資材業界等と情報交換、意見交換等を行いまして
建設資材の安定的な供給の確保に努めているところでございます。
具体的には、
建設資材需要連絡会ということで、
建設、農林、運輸の
発注三官庁と業界団体等で、私
どもの
調査をもとにしまして常時連絡体制をとっているところでございます。また、通産省とも常にこの問題につきましては連絡をとっております。また、
公共投資を
中心といたしまして中長期的な需給見通しということを立てることも業界にとっても必要なことでございますので、この点につきましても鋭意
実施しているところでございます。
さらに、全体としては資材が間に合っても、
地域的あるいは時期的に需給の引き締まっているところが出るというようなこともございますので、
地域ごとの
建設資材の需要予測あるいは需給情報の
整備、そういうことも現在行っております。具体的には全国九ブロックで、
関係省庁それから
関係団体と連絡をとりまして、
地域的な跛行がないように十分連絡をとっているという現状でございます。これにつきましてもより詳細な、正確な情報交換を行うことによりまして、今後とも資材の確保に努めていく考えでございます。