○大浜
方栄君 同じく社会
保険診療報酬の点数表の件ですけれども、この点数表がどうも配分表になっているうらみがある。それで、できるだけ技術評価をするような技術評価表にしてもらいたいということであります。これは先ほどの話と重複する点がございますので、あえてもう質問はいたしません。
それからもう一つ、社会
保険診療報酬に絡んで、この事務の簡素化の問題ですけれども、請求項目が非常に複雑多岐になって、驚くなかれ二千項目にわたっている。それからレセプトの数が九億枚になっている。それで、審査
委員の
先生方がレセプトをチェックするのに一枚二秒か三秒で目を通すという、神わざでないとできないように複雑多岐な
状態になっておるんで、私は事務の簡素化が非常に大事だと思う。
それで、これ現場の実際に扱った方々の御
意見を聞いたんですが、もう
人間の頭では解釈ができなくなりつつある。いろんな
理由づけで、いろいろ加算加算とか改正改正とくるものですから、これ以上複雑になったら窓口での計算はできない、こういう声まであるんです。それから、もう余り複雑怪奇で、上がり方も少ないから、昔は点数が改正になったらうれしかったけれども、もう喜びの声はないんですね。もうこちらが変わったらあっちにまた移っていったというぐあいに、ぴょんぴょんはねたり跳んだりおりたり、いろいろ何か書いてあるんですよ。橋の上の弁慶と牛若丸みたいだ、とらえどころかなくて化け物みたいだって、こういうぐあいに書いてあるんだ、社会
保険診療報酬制度は。いや、これは本当ですよ。そういう声があるんですから。今、効率化が叫ばれておるし事務の簡素化が言われていますから、こういう点も次回の点数表の改正のときにはぜひひとつ御考慮をいただきたい。
それで結びに、今まで私が社会
保険診療報酬の矛盾点、不合理な点を申し上げてきましたけれども、社会保障雑誌に、
厚生省の前か元かの事務次官がはっきりおっしゃっておるんですよ。日本の
医療制度や社会
保険診療報酬の仕組みを変えないと、このままでいいとはとても
考えられないと。これは役所の方々はその活字を見られたと思いますから、皆さんの大先輩がそうおっしゃっているんですからね。社会
保険診療報酬の仕組みを変えないと、今のままではとてもやっていけない、こういうことをはっきりおっしゃっています。もう時間がないんで、これは
答弁いいですよ。
それから最後に、国民
医療費の問題点ですけれども、アメリカの
医療団体の世論
調査によると、イギリスは、
医療費は少ないという不満を持っているのが七〇%、日本は多過ぎると答えた人が過半数。日本は国民が
医療費は高いと思っておるんです。イギリスでは少ないと思っておるんです。それはマスコミの影響が大いにある。私は、これはもう論ずると時間がないので、私の話より、朝日新聞が社説の中でこういうことを言っておるんです。日本人の一人当たりの国民
医療費は先進諸国の水準よりもはるかに低いんだ。それからまた、実際統計を調べても、国民
医療費の対国民所得比は日本は六・四二%です。欧米先進諸国の中では一番低い。アメリカが一〇・二、フランスが一〇・八ですか。
厚生省は、何か事あるごとに、毎年一兆円ずつ
医療費は上がっていくんだ、どうするんだどうするんだと、こういうことばっかりおっしゃる。
黒木局長もしょっちゅう言っておった。しかし、レジャー産業なんかは六十三兆円で前年比八・一%増、建設も七十三兆円で九・八%増。いいですか、レジャー産業で八・一%の増し、建設で九・八%の増しがあるんだから、まして国民の富よりは国民の健康が最も大事であるというのは哲学ですから、社会保障、
医療保障の中で。それを踏まえていったら、先ほど西岡
先生からも大渕
先生からも話があったとおり、
看護婦の
労働条件等もよく
考えてやらなければいかぬ。それには、いつまでも国民
医療費の伸びを国民所得の伸びの範囲内に抑えていくという
厚生省の大きな政策目標がありますわな。この大きな政策目標もそろそろ変えたらどうかというのが次第に国民の声になりつつあるんだ。
先ほどその点で、ゆとりのある、あるいはアメニティーを
考えた
医療をやるということをおっしゃっておられるけれども、私の調べたところでは刑務所の面積は五・四平米、これは一人部屋です。それから
病院の二人部屋で四・三平米。刑務所よりは
病院の面積が少なくてもいいというような、これはおかしいことで、これもまたいろいろ僕はきのう役人さんにちょっと調べてくれと言ってありますけれども、そういうようなことで、ゆとりのあるクォリティー・オブ・ライフを目標にするには、私は国民
医療費の伸びをいつまでも国民所得の伸びの中に抑えていくということはいかがなものかと思う。
それで、
厚生省はいつも
医療費は一兆円伸びるんだ、それからあと十年たったら幾らになるんだ、二十年たったら幾らになるんだと言うけれども、そのときはもう、今まで
厚生省の長期推測、売上税のときに出された統計の中に出ているんです。国民所得の伸びが四・〇の場合に九・三%で伸びるし、それから五・五のときに七・八%という、八%以上の伸びになるんだから。一兆円伸びるけれども国民所得も伸びているわけだから。
だから私が申し上げたいことは、国民
医療費を絶対額ではいかないで、国民所得に応じていつまでも抑えないで、そういうふうに
考えたらどうだろうかということです。そのことは私だけが言っておるんじゃなくて、九〇年代に国民所得の伸びを上回って増加することは間違いないということを大蔵省も言っておる、それは中長期的に見た場合に。それからさらに国民
医療費を中長期的にいつまでも抑えておくことは可能ではないと大蔵の権威のある役人さんが言っておる。名前を言うと差し支えがあるから私言いませんが。さらにまた同じように、臨調の某
委員もこういうことを言っている。日本経済が安定的に成長していく限りはと、これは
条件がつきますね、日本経済が安定的に成長していく限りは、
医療費の抑制が優先するのは適切ではないと。彼も同じようなことを言っておるんですよね。
だから私は、これから先の二十一世紀の
高齢化社会を迎えて、いつまでも国民所得の伸びの中に国民
医療費を抑えるという硬直的な
考え方を堅持していくと、
看護婦問題に対して手当てができないようにいろんな問題が出てくるので、どうでしょうかということです。