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政府委員(勝見嘉美君)
公害等調整委員会が
平成二年中に行った
公害紛争の処理に関する事務及び
平成三年度総理府
所管一般会計
公害等調整委員会歳出
予算要求額について御
説明申し上げます。
まず、
公害紛争の処理に関する事務の
概要について御
説明申し上げます。
第一に、
平成二年中に当
委員会に係属した
公害紛争事件は、
水俣病と
認定された患者とチッソ株式会社との間で患者個々人ごとに具体的な損害賠償額を定める
水俣病損害賠償調停事件、静岡県の住民から山梨県のゴルフ場の事業者に対し、農薬による地下水汚染を理由に
建設中止等を求める山梨・静岡ゴルフ場農薬被害等調停事件など合計二十七件であり、これらのうち、
平成二年中に終結したものは十五件であります。
なお、以上のほか
水俣病損害賠償調停事件については、調停成立後に申請人の症状に変化が生じたときに行われる
水俣病慰謝料額変更申請事件が二十四件あり、うち十七件が終結しております。
現在係属中の事件につきましては、適切な
解決が図られるよう鋭意努力してまいる
所存であります。
第二に、
平成二年中に都道府県
公害審査会に係属した
公害紛争事件は九十件であり、
工場及び近隣の
騒音に係る事件や道路、ゴルフ場などの
建設反対に係る事件が多くなっております。これらのうち、
平成二年中に終結したものは三十六件であります。
公害紛争処理法においては、当
委員会と都道府県
公害審査会とはそれぞれが独立の機関として職務を遂行することとなっておりますが、
公害紛争の迅速かつ適正な
解決を図るという観点から、審査会との間での連絡協議に努めるとともに、参考となる情報、資料の提供を積極的に行っているところであります。
第三に、全国の
公害苦情の実態についてであります。
当
委員会の
調査によれば、
平成元年度において全国の
地方公共団体に寄せられた
公害に関する苦情は約七万二千件となっており、苦情件数は、
昭和四十七年度の約八万八千件をピークに以後減少傾向を示したものの、五十八年度から再び増加傾向を示しております。
これを苦情の種類別に見ますと、いわゆる典型七
公害に関する苦情では
騒音に関する苦情が最も多くなっておりますが、いわゆる典型七
公害に分類できない苦情も全体の三二%を占め、年々増加してきております。
公害苦情につきましては都道府県または市区町村がその処理に当たっておりますが、当
委員会としては、これらの
地方公共団体に対し、職員に対する研修の
実施、苦情処理に必要な情報の提供等を積極的に行っているところであります。
続きまして、
平成三年度
公害等調整委員会の歳出
予算要求額の
概要について御
説明申し上げます。
平成三年度
総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、
公害等調整委員会の歳出
予算要求額は四億九千六百万円であり、これを前年度の当初
予算額四億六千二百万円と比較いたしますと、七・四%、三千四百万円の増額となっております。
次に、その内訳について御
説明申し上げます。
第一に、当
委員会に係属する
公害紛争事案の審理
経費等として四億六千七百万円を計上しております。
第二に、
公害紛争の処理を担当する都道府県
公害審査会
委員等及び担当職員との連絡協議のための
経費等として二千九百万円を計上しております。
以上が
平成二年中に
公害等調整委員会が行った
公害紛争の処理に関する事務の
概要及び
平成三年度
公害等調整委員会の歳出
予算要求額についての
概要であります。
公害等調整委員会といたしましては、今後とも
公害紛争の迅速かつ適正な
解決を図るため、鋭意努力してまいる
所存でありますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。