○堂本暁子君 私はやはりもっと早くに、まさに森山官房長官がこの閣議の後で、
ソ連側とは報道
関係については特別な
交渉をするというふうに発言しておられます。そのことも実行されなかったわけです。そのことが実行されていれば違った方法が、私たちが沖縄へ取材に行ったような形がとられていたのではないか。そういうことで言えば後手に回ったというふうに私は思います。
そして、今
局長が言われたように、もしこのことを墓参と報道を念頭に置かれて「
ソ連側」ということをここに明記されたということは大変なことではないかというふうに思うのです。ですから、報道の自由というもの、そういったものをもっと
政府として大事に
考えていてくだされば、昨年の間に森山官房長官が発言されたらば直ちにその
交渉に入っていただけた、そしてもう自由に報道されればこの機会にもっと世論が四島返還ということで
日本じゅうにわき上がったと思うのです。にもかかわらず本当に隠れたような形で、しかもそんな制裁などという、
大臣懇談にも出られない、それから後援にはしないとか、これはやっぱり
政府による報道の規制であるのではないかというふうに私は感じます。それは私も三十年間報道の仕事をしてきましたので、このことに対しては大変に
政府の姿勢が高圧的で前近代的で時代錯誤である、本当に外務省はすべての報道機関を敵にお回しになるつもりなのかと思いながら見ておりました。
そう思っておりましたけれ
ども、むしろこれを見て一番ぎょっとしたのは私自身でございまして、それはなぜかと申しますと、しつこく私はいつまでにどういう形ではっきりこういうことのルールをおつくりになるのですかということを伺いましたけれ
ども、そういったこれからルールができるまでの間、一体報道はどうするのか、これからもそういった制裁をお続けになるのか。そういう自由に行き来ができないような形を今つくっているわけですね。そういったことも、伺うとお答えが長くなるのでやめますけれ
ども、気になります。その辺のところもはっきりそういった大所高所から長期的な展望、国際的な展望で報道のあり方というものを外務省としてぜひお
考えいただきたい。さもないと大変なことになる。
今回だけではございません。イラクの場合も同じようなことを感じました。あらゆるところでもう国際化時代の中で、外交と報道というのは表裏一体の
関係にあるということでもっと外務省が真剣に
考えていただきたい。部屋に入ってはいけないとか
ソ連課へ来てはいけない、こんなのは実にこそくでくだらないと私は思います。こういうことを報道
関係に対してなさるということ、私が記者で霞クラブにいたらもうどんなに腹が立ったかと今でも思っております。違う
立場に立ちましたので、ちょっと思い出していささかやりきれない気持ちになっているところです。
次に、ビザなしの問題に入っていきますけれ
ども、ここで大変問題だと思いますのは、ビザなしで入るということ、このことが
一つの既成事実をつくるという、むしろマイナス面とプラス面があると先ほ
どもございました。そういったことでこれから
ソ連の側のどういう影響が出るというふうに外務省では今
考えていらっしゃるのか、これは
大臣にぜひ伺いたいと思います。