○黒柳明君 その五〇、五〇というのは五年前、十年前から言われていたんじゃないわけです。今この
特別協定の審議に当たって、五年後にはそのぐらいになるだろう、だからというようなことで今取ってつけたわけだ。
そのときの
日米関係がどうなっているのか、そのときの
日本の
立場がどうなっているのか、だれも予想できませんわね。ですから、今私が言ったように、もう拡大解釈なり
特別協定は限度ですよと。そのときは五〇、五〇になって、
日本としては思いやりはもうこれでいいんだということを前提にしたんではやはりおかしいと思うんですよ、物事の
考え方が。
アメリカに守られる
日本ならばある程度のことはやらなきゃならない。やってきたならば、いわゆる五〇というものは
一つの基準にはならないんじゃなかろうかな。五〇を突破するときだってある。そういうときにはもうこれじゃ済まないんじゃなかろうかな、
特別協定、拡大解釈じゃ。やはり基本的な
地位協定を改正しないと。もうさっきから社会党の先生がおっしゃっていたとおりですよ。どうもすっきりしない。何か
日本政府の思うように事が運んでいってしまうような感覚を野党は
感じざるを得ないわけであります。そういう
感じはやはりもう持たせない方がいいですよ。そういう
感じを持たせないですっきりした中において、援助することは援助する、出すべきものは出す、そんなことにちゅうちょはしな
い、こういう
姿勢をとった方がいい。
ですから、五〇、五〇になるからもういいんだなんということは、
アメリカは言ってきましたか。言ったですか、今度は。五〇、五〇だから五年後はもう言ってくださるな、そんなこと言いましたか。向こうが恐れをなしてイエスと言いましたか。そんなことは言えませんよ。そのときになってみなきゃわかりゃしません。そんなことを言っているから私はうまくないんじゃないかなと、こんな
感じがします。
ひとつ基本的にもうそろそろ
地位協定の見直し、もう安保までなどという
意見も出ているんですから。そこまでいかなくたって
地位協定あたりはそろそろもう射程
距離においていかないと、実際のこのお金を出すということについてはもう限度ですよ、限度。これが
一つ。
それから別の方ですけれども、今言ったこの思いやり、本当の思いやりね、これは二けたから今四けたでしょう。ここらあたりどうですか。何か歯どめかけませんか、
大臣。これは
施設庁長官の方がよく知っているんですが、長官はもうさっき発言したから。何か歯どめかけませんか。何でもいいなんというわけにいかないですよ、何でもということじゃないんです。審査するんです。ノーはノーで言っているんです。
ですけれども、今言った項目を見れば、何でもという項目が全部できちゃってる。刑務所からヘリポートから、それから空挺訓練の
施設から飛行機の掩体から、飛行機の整備工場、倉庫から、全部できちゃっている。これはもうドル建ての軍事建設の中にも入り込んじゃっているわけですよ。かと思えば、もう基地の中の住宅なんか億ションですよ、基地の外に出れば億ション。
大臣、一回行って見てみるといいんですよ。億ションです。これはしようがないでしょう、
アメリカが守ってくれるんだから。だと思うけれども、億ションですよ、基地の中の住宅なんというのは。これはもう行ってみて非常に矛盾を
感じます。隣の自衛隊のかまぼこ、蚕棚というのは非常に矛盾を
感じるけれども、
大臣は、守ってくれるんだから何でもやろうと。私も
日本の
政治家だから、
大臣の言うことをそれじゃそのまま体していかなきゃならないかと、こう思って、もうじくじたるものがあるんです。
ですけれども、これは生活関連、軍事建設、それから今度は趣味的なこと、ここらあたりやはりきちっと分かれるんですよ。生活関連はいいじゃないですか、
日本で生活しているんですから。ゴルフ場があったって、ぜいたくと言ったって向こうはそういう環境ですからね。ですけれども、少なくとも娯楽
施設、プールはしようがないでしょう。野球場もしようがない。ゴルフ場、これはあったんだからしうがない。九ホールが嘉手納にあるんですから、今から廃止というわけには。そのネットまでとか、それから今度は奥様が趣味のそれをやるとか、そういうところまでサービスすることは本当にどんなものかな以上に私は矛盾を
感じますよ。
それには
一つのやはり枠を設けて、そして
日米関係の窓口になって
交渉して、そして
施設庁の方に
意見を聞く。こういうふうにしないと、やはりいいと思ってやっていることが何となく矛盾を
感じて、私なんかやらなきゃならないと思いつつ、実態をよく知っていると、どうもこれはうまくないな、歯どめをかけなきゃうまくない、どこでかけたらいいんだろう、かけるべきだと、こう思っているんですけれども、一回これどうですか、実態をよく見ていただいて、
日米の
交渉の一番の最高
責任者ですからね、だから当面はやはり
施設庁の長官がよく知っていますからよくお聞きいただきまして、何でもと言うけれども、歯どめをかけてくださいよ。
今まではしようがない、これから使うお金については、これは遠慮してもらいたいと。特に軍事関連の建設、向こうはますます少なくなる。こちらがどんどん手を出していくから比率は〇・何%ですよ、軍事建設、ドル建ての中で。こっちがどんどんやっちゃっているんですから。そんなものとんでもないという時代がついせんだってまであったんですよ。そこまでどんどん食い込んじゃっている。と同時に、ある程度の娯楽的なもの、これについてはちょっと我慢してくれよと、このくらいのことは言わなくちゃ。当然言える。そして歯どめをかける。何でもいいという大盤振る舞いの思いやりはやめる、こうしてもらいたい。