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小笠原貞子君 ローカル線廃止後の第三セクター等、いわゆる転換鉄道への自治体の
負担がどんなになっているかということを、私、全国の自治体にお願いして調査した結果が今お手元に差し上げた表でございます。
これは、現在のところ三十三社三十八線だったと思います。そして、ここで「自治体
負担」という欄がございますけれ
ども、これは第三セクターの場合、自治体が
負担いたします。そして、基金として運営費がかかって、それを出しております。周辺整備がございます。そして、今後あれもしなきゃ、これもしなきゃというようなお金、そして、税金等を減免しているというような
負担を全部一覧表に書いてあるわけです。
特定地方交通線の廃止に伴って第三セクターに転換した鉄道の経営というのは、今、私は全国的に曲がり角にきていると言わざるを得ないと思うんです。転換してから欠損補助が切れる五年を超えている第三セクターも既に出ておりまして、この機会に全部、三十三社三十八線調べてみたんです。そして驚いたことは、非常に自治体
負担が大きいということなんです。
この「自治体
負担」を見ますと、初めの方になるんですけれ
ども、「出資」、これが自治体として八十五億二千五百十万円という
数字になっていますね。それから「基金運営費」として出しているのがその次の欄、九十六億一千八万円、それから「周辺整備」、ここで二十六億五千八百七十万円と出ています。「その他」で支出しているのが六千五百十三万円、こういうお金になっております。それに「今後の支出予定」、これは出さなきゃならないお金、この欄を見ていただきますと、六億九千八百万円というのが予定されておりまして、今まで出している、そして具体的に今後必要になるというお金を加えますと、合計二百十五億五千七百万円なんです。それに加えて、「税等の減免」という、この
負担分を加えますと、約二百二十億円という金額が最低出てくるんです。二百二十億円ですね、大体。このほかに、今後欠損補助が五年で切れるということになりますと、基金や運営費ということで支出しなければならないことになって、大変な状態になっております。
平成元年度で三十二社中二十四社が、「経常損益」、一番最後の欄ですけれ
ども、赤字になっておりまして、実に七五%に当たります。営業損益では二十六社ないし二十七社が赤字を出しております。赤字分は補助がなくなり、自治体は基金を積むなり運営でカバーするということがここで起こってくるわけです。
例えば、具体的に申します。上の欄に北海道が出ているんですけれ
ども、この北海道の唯一の第三セクター、池田ー北見間のちほく高原鉄道は、経常損益は三億九千百万円の赤字を出しております。助成基金は道と支庁で二十二億六千万円を積み、これらを含めると八十一億となる予定です。補助が切れますと、毎年四億ずつ取り崩すことになり大変だという問題になっております。
ちなみに、
大臣のところも調べさせていただきました。秋田でも秋田内陸縦貫鉄道、経常損益は一億四千六百万円出しております。これは四年間続けて赤字で、自治体の支出も十一億となっております。そして、秋田内陸縦貫鉄道の利用者はどうかというと、利用者の運賃は二・五倍になっているわけなんです。今度、私、全国を調べて具体的な
数字が出たときに、これは本当に今何とかしなければならないときが来たと、そう思いました。
そこで、これら各県からの要請、秋田も含めて欠損補助金継続の手だてをぜひしてほしいというのが要望でございました。
またもう一つ、各自治体は第三セクターに対し固定資産税等の減免措置をしている。先ほど申し上げましたが、大変な額。これは現在、課税標準を二分の一としているということなんです。その分は交付税で算入されることになっていると、簡単に言うと言われるわけですけれ
ども、全額
負担している。半額じゃなくて全額
負担しているというところもございます。こういうふうに見てみますと、自治体の
負担が深刻になってきている。だから、減免のための自治体
負担の軽減措置の
検討をぜひ運輸
大臣としての立場から自治
大臣にも話して、御
検討いただきたいということなんです。
こうやって、利用者は運賃を二倍半くらい出して、自治体はもう何十億と出して、それでも赤字が続いていくと結果的にはどうなるんだといったら、これは鉄道はつぶれなきゃならない。そこでもう足はなくなってしまう、住めなくなってしまう、部落は消えちゃう、ふるさと創生どころかふるさと滅亡の寸前に――笑っていらっしゃるけれ
どもそうですよ、という重大な問題なので、あえて私は、やっぱり
国民の足を守り、そして地方の暮らしを守るという、そういう立場から考えるならば、これはもう
大臣としても、運輸
大臣としての立場でこういう線を何とかしてくれないかというようなお話し合いを自治
大臣とも御相談なさらなければいけないと思うんですね。きっとここまでの
数字で大変になっているという御認識はないんだと、私はそう思うんですね。
それはもう、お忙しい中だから当然だと思いますけれ
ども、こうやって各県に御協力いただいて調べました
数字でございますので、どうか
大臣としても運輸
大臣の立場で御相談をいただくということをお願いして質問を終わりたいと思いますが、どうぞよろしくお願いをいたします。