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国務大臣(
村岡兼造君) 私は、かつて自民党の過疎
対策の特別
委員長をいたしておりました。この前
先生から、私の選挙区で境のところに乗っていただいて、二両か三両に乗客はたった一人という
お話もお聞きをいたしました。全く一人ということは、たまたま
先生が乗られたときにはそうだったのでしょうが、まあそうでもないんですが、大分すいていることは事実でございます。正直申し上げまして、
東京へ集中し、私どもの地域は人口が減少している。
日本海側、裏
日本と言われている地域は全般的にその傾向がございます。
先ほども
お話ししましたけれども、片一方で高速交通時代ということで道路の方は相当
見通しもついてきましたし、相当できてまいりました。したがいまして、高速道路は百キロで走れる。ところが、
鉄道は
日本海の方は七十キロぐらいでしか走れない。こういう
状況では、
鉄道へ乗れと申しましてもなかなかそうならない。しかし、一方、財源問題が非常にございまして、
先生方から今後公的資金をもっともっと出すべきでないか、私もそのとおりであろうと思いますけれども、なかなか今までの
国鉄債務が二十六・二兆円に及ぶ
状況からあるいはいろんな事情から、そういう点にはなかなか目が向けられていなかった。しかし、環境問題、人手不足の問題あるいは自動車の
混雑の問題、こういう問題からこれは見直されてきておりますし、貨物の問題にしてもそうであろうと思います。
したがいまして、今までは
運輸省の人々もなかなか難儀をして毎年
予算をふやしてきてはおりますけれども、この程度の
予算ではどうにもならない。しかし、一方、全体の
予算枠というのも限られておりますが、何とかその中にあって今後の中長期的な過疎地域も含めた主要幹線というものの問題点を運政審に諮問いたしまして、将来の
鉄道はどうあるべきか、もちろん財源問題が一番でございますが、そういうことをやってまいりたい。そのためには
先生方の御協力もお願いしなきゃならぬ、こういうふうに
考えておるところでございます。
ただ、どちらが先かと、こう言われますと、
鉄道だけ早くいたしましても現状ではなかなか乗る人がいない。
鉄道だけの問題ではなくて、全般的に雇用の場を移すとかあるいはやっぱり学校とかそういうような問題等も
考えて、そして、衆参で一極集中を排し、首都
機能の移転ということもお決めをいただきましたので、総合的な見地からその中に
鉄道とかあるいは航空とかあるいは高速道路とかというものを含めて一体化しながら一極集中を排除していかなければならぬ、今やその機運にある。
ただ、
東京の
鉄道の通勤通学の
混雑は、これはもう当然しなければならないことがおくれておる。中央も地方も実はすべて後追いであるというふうに私感じておりますが、文句を言ってもしようがありませんので、それらの是正に向けまして一生懸命頑張っていきたい、こう思っております。