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小森分科員 数
項目にわたっての
説明を聞かせていただきまして、
かなりの
配慮をもって進めようとしておる姿勢をうかがうことができます。
そこで私は、
先ほどお答えがございましたことに対してすべてについての
考えを申し上げることはできませんけれ
ども、例えば
労働時間の問題です。これほどの
生産性の高い
我が国において、
労働時間の問題はなおヨーロッパ、
EC諸国に比べても大変な見劣りがする。この間私ある
運送関係の
労働組合の大会がございましてあいさつに参りまして、
運動方針書を見ると、
労働時間の
短縮を図って二千五百時間にするということを
目標にする、実際は二千六百、二千七百の時間を働いておるわけでありまして、私
自身もびっくりしたようなことでございますが、要するにこの
労働時間の
短縮について、やはり
我が国の
経済の二重
構造というものが、どういう近代的な
産業部門に携わっておるか、どういう
中小零細企業に携わっておるかということで、また親会社、通常その
協力会社と言われております下請け、孫請け、
ひ孫請けの
関係でどうあるかということで、そこに
格差があるわけであります。したがって、先ほど私が同和問題で
経済の二重
構造ということを申しましたが、こういう
実態というものが
国民各層にそれぞれ、
言葉は少し露骨でありますが、
牛ぐその段々のような形の
差別意識というものが定着をしてくるのであります。したがって、ぜひそういう点に目を向けていただきたい、こういうふうに
考えます。だから、
労働時間の
短縮ということは、比較的力のある者のところから
労働時間の
短縮が先導的に行われるのはこれは事の当然なんでありますけれ
ども、しかしそれを
政策的に
調整して、
つまり力のない者のところも
労働時間の
短縮ができるように、できるだけ
経済政策でもってそこをフォローするということを打ち出していただかなければ、私はその
経済構造がそのまま
社会構造に反映し、
社会構造がそのまま
文化、
思想に反映し
人々の
観念を形成する、こういうことになると思いますので、その点は私の
考えを申し述べておきたいと思うわけでございます。
また、
土地問題というのが大変な大きな問題で
ございますが、しかし結局これはせんじ詰めてみると、
海外の資産を購入するとかいろいろなことをやっているのは大
企業でありまして、その大
企業が
海外に
投資をし、さらにそれでも金が余るから東京、
首都周辺の
土地に
投資する、それがどんどん値上がりする、したがってそれだけでもまだ金がうまく利殖を生むような
方向に金を持っていく、その金の
余りがあるから
中小都市に及ぶ、こういう
関係だと思うので、これ自体がまた
我が国の
経済の二重
構造の反映だと思います。したがって、
アメリカは要するに
国民生活向けの
フォローアップが足りないと言っているのは、恐らく
内政の干渉になるから具体的に細かいことについてまでは言わないと思いますけれ
ども、しかしそこのところを大まかに
アメリカ側が危惧しておるのではないか、こう思いますので、これは私の
考えとして
経済企画庁長官に申し上げておきたいと思いますから参考にしていただきたいと思います。
私が実感をいたしましたことでは、例えば
運送業の
認可というのか
許可というのか、これについては随分まあ難しいことを言って、そしていつその
審査をして
認可を与えるのか、なかなか雲をつかむような話で、
つまり大店法と同じような形でうまくいっていなかったですけれ
ども、最近はやはりあのことが起きてから、
審査だけは早くやる、しかし実際の
運営というか、実際の
運送業務は厳しくひとつ
規制は守ってもらう、入り口はたやすくする、こういうような形に変わりつつあるようでありまして、これはだんだん
成果が上がってきておるなというふうに思います。
それで、結局そこのところをなぜ私が問題にするかといいますと、
我が国の
経済構造を反映しそれが
社会構造となり、
社会構造が
人々の
意識に
影響を持ちまして
文化とか
思想とか、ごく極端なことを言うと
差別観念に
影響を持つわけでございますから、やはり
政府あるいは地方自治体の、まあ
権力といいますか、その
権力の
恣意性というものをいかに民主的に変えていくか、ここが非常に大事な問題なのでありまして、私は
大店法の問題も
経済の
調整を図ろうと思って少しぐずぐずしたんだと思いますけれ
ども、あるいは
各種認可、
許可業務も
経済の安定を図って、例えばタクシーの
認可とかあるいは今の
貨物運送の
認可とかいうような
各種認可業務というものがたくさんあるということは、
経済を
調整しようと思ってやっておることだと思いますけれ
ども、そこに
恣意性が入ってくるとこれは大変な問題だ。その
恣意性が、実は長官にぜひ聞いておいてもらいたいことは、
我が国の全体的な前近代的非合理的感覚、
言葉をかえて言えば封建的なものをこの社会に持ち込んでいる、こういうこととの
意識、
観念の
関係になってまいりますので、その辺をひとつぜひお
考えをいただきまして、これからもこの問題に真剣に取り組んでいただきまして、
経済の
調整は社会の
文化、
思想に
影響する、こういうことで取り組んでいただくことをお願いしておきたいと思います。
なお不徹底な点は、例えば建設業の下請なんかはいまだにもって契約書を取り交わさず、最終的に思い違いがあったというてちょっと
トラブルが起きる、
トラブルが起きると弱い方が負ける。これは金を出す方が強いという
関係になりまして、それがまた世の中というものはこんな不合理なものだということを是認して、長いものには巻かれろという
意識に次第に変わっていく、こういう
関係になりますので、どうぞその辺を留意して今後の
取り組みを進めていただきたいと思います。
そこで、もうあと時間が
余りございませんけれ
ども、物事を典型的に見ていくために御
質問申し上げるわけでありますが、かつて
我が国の円というものは、ずっと前は三百六十円の固定のレートでございましたが、変動のレートになりまして、数年前、あるいは十年近くなるかもわかりませんが、二百五十円とか二百六十円という時代がありまして、その時代に、例えば自動車の輸出などはまあ何とかやっておった、黒字を出しておった。これが百二十円とか百三十円になって、
つまり入る金は半分になった、だからこれは大変なことだと思って私も心配をしておりましたが、しかしながら何とかやっておるというよりはむしろあのころよりも黒字は大きいのではないか。そうすると、一体その間の差というものはどういうふうにやって
解決されたと長官は思われるか。
これはもう時間がありませんので私の
考えをちょっと申し上げておきますが、それはやはり親会社からいえば中小の
協力会社の
協力だ、こう言うのですけれ
ども、その
協力というのはもう天から降ってわいたような形ですぐに手のひら返すことにはならぬのでありまして、下請の方が
かなりの出血受注、そしてそれが出血までいかなければやはり働く者の
労働の強化、
労働時間
短縮というのがありますけれ
ども、なかなかそうはいってないのでありまして、下に下にしわ寄せがされる、こういうふうな問題によって切り抜けておるのではないか、しかし、国際競争力には勝たなければいかず、さりとてそういう形の一方的な
解決策で乗り切っているとすれば早晩また大きな社会問題が生まれてくる、こういうふうなことを
考えますし、私
自身が大きな問題としております
同和対策を進めていく上でもこれは非常に障害になる、無権利なものが苦しめられるということは障害になることでありますから、その点について長官のお
考えを聞いておきたいと思います。
私の時間の使い方がまずくて、せっかく準備をしていただいております各
関係の、きょう
答弁に予定されている方々に
質問することができませんでしたけれ
ども、ひとつ長官の方から
お答えをいただきまして終わりとしたいと思います。