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細谷分科員 それなりに御努力をなさっているということは一応私も認めたいと思います。しかし、世の中はもう四十時間、時短ということに向かって進んでいるのです。また、
施設だけが四十四時間でいいということは到底許されないと私は思います。
大臣、十五年間にわたってこの要員配置基準がそのままに据え置かれている、時短の時代的な趨勢の中でそれが実態であるということをまず御認識いただきたいと思います。この場で、
来年度からどうしようなどという答えをいただけるとは当然思っておりませんので、私は総括的に提案を申し上げて、ぜひ御
検討賜りたいというふうに思います。
まず、時短措置を超勤措置や臨時要員の措置で見るというのは私はやはりこそくな手段だと言わざるを得ないと思うのです。そういうものも暫定的にはよろしいかと思いますけれ
ども、数年のインターバルではこういうものを抜本的に
見直していくということが当然なければならぬというふうに思います。そうでなければ実質的な要員問題の解決にはなってないというふうに思うわけであります。
そこで、現に協会等を
中心にしまして
施設の運営関係者からは要員配置基準の要求が出されていると聞いております。特に三歳から五歳児については、これは大変遠慮しているのです、三歳から五歳児については四対一のところを三対一にしてほしい、そして六歳以上については現在六対一を五対一にしてほしいという要求が出ているというふうに私
どもは伺っております。
そこで、十五年間も放置されてきた問題でありますから、そろそろこの辺で、この
非常勤職員で対応してきたものについては、まとめてここで一挙に問題を解決するという
意味でぜひ定員化、
職員化を図っていただきたい。そうすることによって、今まで超勤を払ってきた分も場合によってはその辺で節約、カットできるかもわかりませんし、それから嘱託とか非常勤要員で措置していた賃金なんかも合理化できるというふうになるんじゃないかと私は思うのです。レベルの高い養護
施設をこれからぜひ
確保していかなければいかぬ、また一方で
人材を
確保する、そして労働
需給という問題もあるわけでありますから、私はぜひこの措置は必要だというふうに思うわけであります。
厚生省といたしましても関係各省と打ち合わせをされまして、来年度
予算編成に向かってぜひこれを真剣に
検討していただきたいということを提案をしておきたいと思います。
さて次に、今度は、養護
施設における労働諸条件の格差の問題について触れさせていただきたいと思うのであります。特に賃金、
手当の面での格差でございます。
余り時間がございませんから詳しくは申し上げませんけれ
ども、ランクづけが違うということは当然基本給でも違ってまいります。それから
手当の支給率というものも違ってくるのです。ここは多くは申しません。大変な格差があります。
例えば一例を申し上げますと、
特別養護老人ホームの寮母さん、これは資格が要らないんです。この
人たちは、ちょっとデータ古いかもわかりませんが、月に二十万七千円。ところが養護
施設の保母さん、これは保母の資格が要るんです。同じような
仕事をしておりまして、この
人たちが十六万四千円。ちょっとデータ古いかもわかりません。差は四万三千円あります。また栄養士なんかを見ますと約七千円の差がある。そして生活
指導員といいましょうか、その
人たちでも二万二千円近くの格差が出ているということなんです。
これはもちろん私も一概にこれを比較して云々するつもりはありません。例えば老人ホームには
看護婦が配置されているというような関連もありましょう。それからやはり資格の有無、これは私の言うのでは逆にもっとプラスして考えてもらわなければいかぬわけでありますが、資格の有無もありましょう。それから何といっても
業務の特殊性、繁忙度というさまざまの
要素を勘案して決められているということでありましょうけれ
ども、一説に、私が
施設を運営されている方々から聞いた話によれば、やはり養護
施設というのは労働実態の面でも大変過重であります。拘束時間も長い。これは老人ホームと比べてもむしろ一般的には高いんじゃないか、こういうことをおっしゃっておられました。それから何といっても養護
施設は子供たちでありますから、老人と違いましてとにかく日常的に目を離せないという実態もある。このことは当然拘束時間が長くなったり、そういう問題が出てくると私は思うのです。
そういうことを考えてみますと、いずれがより特殊でいずれがより過重かという議論は大変分かれるところだと思いますけれ
ども、それにしても
大臣、余りにも差が大き過ぎるのではないかというふうに思うわけであります。この辺について御認識なり御見解を賜りたいと思います。