○
下条国務大臣 大畠分科員の御質問にお答えいたします。
確かに、今いろいろな
医療の
制度の中で非常に大きく問題になっておりますのは、
看護婦さんの不足ということであると思います。現在、
看護婦さん、
看護士さん、それらを含めた
看護職員、ちょうど八十万二千人ということになっておりますが、これに対する要望はそれをはるかに上回るということでありまして、とても充足にまだ追いつかないというのが現状でございます。
そこで、厚生省といたしましては、まず一つは、養成をさらに
促進するということが第一でございます。このためには、養成の
制度あるいはまたそれの
施設を
充実するということで、それらを含めまして、
平成三年度の
予算で約四割の関連
予算を
増加させるということで配慮しているわけでございます。
それから、いよいよ今度就職をされる、あるいは現在おられる
看護婦さんが非常に勤務がきつい、長時間の労働である、また、この問題については例えば休日の問題、夜勤の問題、個々の問題がいろいろございます。この
合理化の問題があるわけでございますけれども、また同時に、
看護婦さんがやっておられる仕事と
看護婦さんがやらなくてもいい仕事、この境目の問題をいかにうまく
合理化して分担していくかという問題もあるわけでございます。そこらの問題をやはり検討し、また解決を図りながら、現在いる、あるいは新たに就職をされた
看護婦さんがやめていかないようにしなければならない。これは非常に大事なことでございます。そのために、五月十二日はナイチンゲールの生まれた日でありますので、ことし初めて
看護の日というものを設けて、要するに
看護婦さんのイメージアップ、またそれに対するいろいろな面での
支援をする体制づくりということで、大いにこれを一つの起爆剤にしようということで準備を進めておるわけでございます。
さらに、
看護婦さんが例えば結婚されるとかその他のことでおやめになって
家庭に入られる、しかし、その方が今度お子さんが大きくなられて、再就職をしてもいいじゃないかということになられる場合があるわけです。その情報を的確に把握して、しかも
医療の技術はどんどん進んでおりますから、前に勤めたときのままの御経験ではちょっと入りにくい場合も出てくる。そこらをうまく連係プレーできるようにするために、県においてそれぞれに
看護センターを設けて、そういう一度退かれた方の的確な情報を把握する。それとの連係プレーで、随時暇な時間を選んでいただいて、その方に合うような形で
看護の仕事についていただくというような緻密な連係プレーをやるというようなことで、各般の
条件を整えながらやってまいりたいと思っております。
また同時に、具体的に言えば、やはりお
手当が多い方がいいわけですから、そういう点では、国立大学の場合も夜勤
手当を今度は大分ふやしました。たしか二千六百円を三千二百円ですかに上げたというようなことをやっております。それからまた、一般の
看護職の方の問題については、昨年の
基準の
改定のときに一応
改定させていただいたわけでございまして、いろいろな総合的な対策を講じながら、何としても
看護の大きな勢力が
医療の中において大事に扱われるように、そして患者さんに喜んでいただけるように、また御本人も安心して勤務できるようにというようなことについて配慮している次第でございます。