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塚本分科員 統幕議長が出席をいたしておることも承知しております。ただ、呼ばれれば行って、オブザーバーできちっとしておるわけじゃありませんけれ
ども、座っておるだけです。問われなければ答えることのできない扱いしかしていないところに問題があるのです。問われれば答える。私はこれがいい悪いと言っているのじゃないですよ。そういう仕組みにしかなっていないから、長官、あなたなり
総理なりが、心を砕いて情報収集で皆様方に知っていただくように努めるのが、大切な大切な国連を預かるところの
総理と長官の任務だというふうに御注意申し上げておきます。
それから今度は国民に向かって、もう本当に夜夜中まで情勢についていろいろな報道がありました。中でもしょっちゅう評論家、自称専門家がテレビにじゃんじゃん出ました。しかし、国民は
判断に随分間違いがあったと思います。第二のベトナムになる、あるいはまたアメリカは泥沼に入り込んだ、こんな議論がぼんぼん出てきたこと、御承知のとおりでございますね。ところが、陸海空のいわゆる制服の諸君は的確に
判断しておる。しかし、彼らの情報を本当は
政府、あなたたちが吸い上げて国民にPRすべきであったと思う。吸い上げてなければ、彼ら自身が外に向かって発言しようとしても、ほとんどそれは封じられてしまっておる。
また、アメリカのように制服の諸君が堂々と言わしていただく舞台がないことは、いいか悪いかは私は申し上げるわけにいきませんが、かくして第二のベトナムになる、あるいはまた泥沼に入り込む、日本もそこに九十億ドルを出すことによって同じように泥沼に入るという世論がごうごうと沸き起こって、先ほどの
官房長官御
答弁のごとく、御苦労なさらざるを得ないし、
自衛隊というと逃げて回る、率直に私申し上げて。こういう残念な結果になってしまっておること、御承知のとおりです。
したがって、こういう問題については、外における駐在武官等をできるだけ情報を高度にとれる人を
派遣していただきたい。そして内においても専門家、私などはイスラエル大使においでいただいて聞きますると、的確に湾岸情勢についてはどなたよりもどこよりも、あのモサドといいますか、イスラエルの情報網はKGBやあるいはまた御承知のCIAよりもはるかにまさっておる。私は何度もイスラエル大使に御意見を拝聴いたしました。的確に
判断をしてこんなこともおっしゃったのです、あの開戦の前のときに。
一番解決で困った解決は、日本の中でごうごうと沸き起こってきた世論でございました。あの国境線の南にあるところのルメイラ油田を持たせてやれば喜んで帰る。あるいはまた、彼らは湾岸に輸出の基地を持っていない、だからワルバ島あるいはブビヤン島を持たせて帰れば凱旋将軍となって帰るでしょう。戦争するよりも安上がりだ。こんなことができないのかという世論に日本は満ち満ちておりました。
ところが、それは最悪の解決になりましょう。なぜならば、既にサダム・フセインは原爆を用意いたしております。一年ないし一年半後には完成するでしょう。そうしたら三年以内には第三次世界大戦になることは避けられません。なぜならば、既にイスラエルに対して、あるいはまたエジプトに対して、あるいはリビアと結んでスーダンを通ってイエメンと包囲網を結成して、そしてサウジを乗っ取ろうとするでしょう。第三次世界大戦になることは避けられません。だから凱旋将軍として彼らを帰すことは一番悪い実は選択でございます。
長官、ああ戦争を避けることはできないな。この意見は直ちにブッシュ大統領にも通じておるはずだ。ところが、日本は平和ぼけが欲ぼけになって、やらずに済めばそれでいい、こういう世論になっているのです。もう少しこの情報というものを的確にしたならば、日本が
自衛隊を出すことができないならば、人の支援ができないならば、せめて九十億ドルという御決断に対してもっと素直に国民は協力してくださったと思います。そういう
意味で、国内でさえも、私
どもごとき立場に立つ者でもこれだけの情報と
判断資料を提供していただいたのです。それを
政府がもたもたしておいでになるというのは、あるべきそういう
財産を生かし切っていない、そう思いますが、いかがでしょう。