○関
分科員 この問題については、今そこにおられる
新村さんも現地を訪ねてよく見てきて、これはひどいな、こう言って帰ってきた一人でもあるわけです。あといま一人、
渡部行雄さんも一緒に行っていただいたわけであります。
私は、県も参った、申しわけない、こうおわびしていながら、
会計検査院が合格点でございますと言うのであるとすれば、これは県も謝る必要もないでしょう。あなた方の検査が十分であったのかということを疑わざるを得ないですよね。私はその点で、言うなればあなたたちの方で六十二年四月三日に出した「現地採取試料の分析結果要旨」というのがございます。それから、六十三年四月十五日
会計検査院が出した「青森県下の海岸工事等に関する検査について」という内容のものがございます。
これを読みながら、見ながら、非常に気を使って書いているということを第一に感じました。もっと率直に書いたらいいんじゃないだろうか、もっと現実的に当たったらいいじゃないだろうか。でもこの陰には青森県の政治情勢というものが、オール自民党
国会議員になった年です。青森県に野党が一人もいなくなったのが六十一年のあの七月の選挙でございました。そういうことからいきますと、相当に圧力があったんじゃないだろうか。オール自民党
国会議員の力でこの石の問題の分析までひん曲げてしまったんじゃないだろうかとも思っているわけであります。
それで、私が思っているうちの最大の理由は何かといいますと、あなた方の方でもこの六十二年の四月三日に出した資料、この中に、言うなれば岩石にモンモリロナイトがどのくらい含まれているかどうか、非常に難しい問題であります。科学的な分析に基づく、これは
一つのデータづくりになります。このモンモリロナイトについて出されている分析そのものに弱さがある。しかも、この六十二年四月三日の(1)の項で示されている、カリウム、ナトリウムを含む膨潤率五〇%にも達するアルカリモンモリロナイトであるかそれとも別なものであるかということなんですが、カリウム、ナトリウムを含む膨潤率で最大でも五〇%と見ているけれ
ども、この分析そのものが間違っていないのか。
それから、分析に当たってはモンモリロナイトにとらわれ過ぎて、全体の分析が見失われているような結果になったんじゃないだろうか。膨潤率を見るにしても、モンモリロナイトだけを見るんじゃなくて、その岩石そのものの膨潤率を調べれば、それである程度わかるものはわかるのです。それを極端にモンモリロナイト論に狭めてしまって、それで大したことはないというふうにした傾向があるんじゃないだろうか。
私も、モンモリロナイトにかかわる権威者にお尋ねをしました。モンモリロナイトというのはどんなものなんだ、国の方の
会計検査院の発表によるとこういうものなんですが。そうしたら、その学者は笑いましたよ、こんな話はないと。ですから私は、その話をすべく
会計検査院を訪ねました。
ところが
会計検査院は、もうあなた方の六十二年四月三日に出されたこれで尽きているんだ、これにかかわる話をしようったってそんな話は聞く耳はない。私は次長にも
総長にも会って話をしようと思ったら、第四
局長という方が手をさえ広げて、行っちゃいけない、こう言うんですよ。暴力行為じゃないか、おまえは、と言って私は怒りましたよ。
国会議員のバッジを外せば、
国民として扱う態度というのはそういうものなのか、おまえたちは、こう申し上げました。幸いにして今回また
国会に出させてもらったものですから。
会計検査院というのは泣く子も黙るというほど厳正でそうして立派であるということについて、私は常日ごろ敬意を表していました。しかし
会計検査院も、オール自民党
国会議員ということになると弱くなるんじゃないだろうか。しかし、あなた方に聞けばそんなことはないと言うに決まっていますよ。そうしますなんて言えるものじゃない、これは。でも我々から見れば、百五十万青森県民が、あの石はどうなったんだ、あの石はあれでいいのか。そうしてそこの土屋の山の石というものは、もうだれも相手にしなくなったんですよ。その石はもう使わせません、使いません、その石を持ってきて工事するのは許しません、こうなっているのですよ。それをあなた方が、使っても大したことがない、こう言われたらどうなるんですか。科学的分析の結果だ、モンモリロナイト論からいけばそうなるんだ、こう言うかもしれませんが、これで世の中通りませんよ、あなた。
会計検査院が地に落ちたというのは、この問題についての分析の仕方や現地の山を見てどう
考えるかという判断において著しく欠けるものがあったと私は思うのです。政治的にやり過ぎたんじゃないか、こう思うわけです。
いずれにしましても、科学的分析だと言うなら、その科学的分析をされた方、三人の方々、A、B、Cそれぞれ教授が当たったり専門家が当たった、こう言われておりますから、そういう方と、私
どももまたそういう
お話をする学者がいるわけです。我が青森県にも地質学の権威者がおります。学者がおります。何も青森県の学者だけじゃない、モンモリロナイトにかかわる権威が我が県の隣の県にもいますよ。秋田県にもいます。秋田大学の鉱山学部、鉱山専門学校から上がってきただけに、このことについてはまことに見識のある方がおられるわけだ。それらの方々があなた方の出したものを笑っているわけですよ。知らないからいいもの、それを追求する立場にないからいいもの、こうやって事を進められた日にはかないません。
ですから、私はきょうここへ出てきて申し上げたいのは、あなた方が善なり真なりと信じておやりになっているとしても、こういうような事実についてのお答えにはちっともならない
会計検査院の結果であったのではないだろうかと思うわけです。ですから、少なくともあなた方が青森県民の信を得るためには、今出したこれを公表して――私は聞きましたよ。この六十二年の四月三日の分析の要旨にしても、それから最近行ったところの六十三年四月十五日の
会計検査院の「青森県下の海岸工事等に関する検査について」というこの内容についても、せっかくこういういいものを書いているなら、これなりに公表したらいいじゃないですか。何で公表しないのです。なぜ自治体にこういう話を知らせないのです。問題としている青森県民に、
皆さん方がいたく御疑問を持たれた石の問題についてはこうであったと、自信があるならば公表したらいいんじゃないですか、モンモリロナイト論をするなら、私はしなきゃならないとも思っているわけです。
ですから、自信があるならばあるなりに、そういう不信行為、もうこの山を持っている人たちはつぶされましたよ。その山の石はだれも買う人がいないのです。港湾の大事な基礎の捨て石にそういうものを使うなんということはできない、こうなっているんですよ。それをあなた方がいいと言ったらどうすればいいのです。あの当時謝った諸君たちも、
会計検査院がもういいと言っているんだからと威張っているんですよ。威張っているからといって、その石を買わせて売買の対象になるかといえばこれはならないのです。
そういう点において、大丈夫だとあなた方が言っても、また言ったら言ったなりでそれを知らせるというその方針において非常に欠けているんじゃないだろうか。ですから、こういうものがあるならば自治体に、県にきちんと公表したらいいじゃないですか。それが何もないんだ。ここ五
年間権威ある発表というのは何もなくて、そうして
会計検査院が合格させてくれました、パスしたんですよ、こう言って胸を張って威張っているんですよ。そんなに威張ってもいないけれ
ども。だれでもが悪いと思っているものを、何であなた方大丈夫なものなんと言わねばならないのですか。その辺のことについて非常に問題があると私は思います。
少なくとも科学的分析をして大丈夫だとおっしゃっても、現実にその石を使う者はだれもいないのです。その石を使う人はもうみんな検査不合格ですよ。非常に情けない結果に終わっていることを思いますというと、改めてこれについての御見解というものを聞きただしたいと私は思うのですが、もう時間もありませんから終わります。