○楢崎
委員 そうだと思いますね。ただし、消耗品、メスとかそういうものはそれぞれの運営で得られた資金で買われておると思うのですね、これは間違いないと思いますが。つまり、消耗品程度以外は全部国の予算で買う、こういうことでしょう。
そこで、私は数年前に予算
委員会において名古屋医大の当時は講師と医薬品メーカーとの癒着について取り上げました。はっきり言いまして、後から先輩が来られて、やがて教授になる人だから、十分注意をするから、このくらいにおさめてくれということを聞きました。再びそういうことが起こらなければいいことでございますから、私は強く戒めましておさめましたが、その方は教授になられました。
つまり、いわゆる白い巨塔と言われる、そういう白い巨塔に内在する問題がいろいろあります。私は大きく分けて六つあるのではないかと思う。つまり病院、医師を含みます、病院と製薬会社、メーカーとの癒着の問題であります。二番目に、いわゆる病院、医師と医療機器メーカーとの癒着の問題であります。三番目に、同じく病院あるいは医師と治験薬、新薬をつくる場合の治験薬の関係が問題になります。四番目に、やはり病院あるいは医師と、病院を建築、改築する場合、病院建築業者との癒着の関係が具体的に出てきております。つまり、病院と建築会社とそれから医療機器、いわゆるトリプルの関係がある。それが四番目です。五番目に、医療機器売り込みが非常に激しいわけですから、建築業界と同じようにひそかに談合が行われておるのではないか。建築業界もえてしてあるんですけれ
ども、医療機器業界にもそれがあるのではないか。例えばその場合に、その仕切る人が契約高の何%かを世話料としていただく、そのお金は当然購入費に上乗せされる、しかもそれが国の予算で払われる、こういうことがあってはいけませんね。
それで私は、以下、政界、官界、業界のこの種の癒着の構造について一例を挙げて御報告いたしますから、調査のほどをお願いしたい。つまり、医療機器業界における談合の疑いがあるということです。具体的なあれで伏せなくちゃならないと私が思うところはイニシアルで言います。全部私にはわかっておるし、調査の裏づけ資料がございます。
まず、社会保険Xという病院の場合。これは、その社会保険病院の医療機器購入方法は通常の病院の形態と異なり、出入りのディーラーが直接窓口にはならないで、ある建設会社がすべての窓口になる。このある建設会社も具体的にわかっております。そして、医療機器もすべてこの建設会社に卸すという方法がとられております。具体的なルートについては、東京のマスミ器械というものがあります。医療機器メーカーで、これは名前を申し上げます、山岸橘之助という人が社長さんでございますが、この山岸社長が指示をする。そして、その指示どおりに全部が動きます。これも具体的な資料があります。
通常の官公庁の病院では考えられないことでございますけれ
ども、社会保険病院、厚生年金病院については、今申し上げたような
状況が堂々とまかり通っておるのであります。
このマスミ器械の山岸社長は、元厚生
大臣、現在は代議士の親類に当たります。その背景といいますか影響力を及ぼして、
厚生省にも頻繁に出入りをしております。それも裏づけ資料があります。そして、各
厚生省の役人と接触をして、その人たちと同行あるいは名刺を持って病院を訪れられるわけであります。そして、病院につける予算にも口を出す。そのとおりに実際は実現するものですから、病院の事務長さんたちもお手上げをしておるというのが
現状であります。
この山岸社長は、実務についてはこの元厚生
大臣の関根秀樹という秘書と行って、沢竜会という政治団体をつくり、建築関係、設備関係、医療機器関係と三つのグループに分けまして、医療機器関係の窓口はマスミ器械が行っておるのであります。その連絡役は、これもはっきり申し上げます、美和医療というメーカーがやっております。
この関根秀樹さんは、自治省に届けられておりますこの届け出書から見ますと、沢竜会の会計責任者になられておりますね、元厚生
大臣の秘書であると同時に。それから、今言いましたマスミ器械の山岸橘之助という社長さんは、同じくこの元厚生
大臣のもう一つの政治団体である新経済調査会の代表者にもなられております。この沢竜会は、医療機器メーカー、東京商会、美和医療ほか八社あります。幹事は美和医療。この八社も全部わかっております。ディーラーは、ムトウ、秋田医科器械その他全国のディーラー八社から成っております。会費は年間五十万から百万円であります。
この山岸社長さんは、社会保険や厚生年金病院などの病院内の予算
会議にも出席されております。どうして普通の民間の企業さんがそういう予算
会議にも出られるのかわかりません、私には。そして、社会保険、厚生年金病院の事務長とほとんど接触を持たれております。予算
会議にはみずからその社長さんは病院の設計者やゼネコンも引き連れて出席されることもある。これも裏づけ資料があります。
時間がございませんからはしょってあれしますけれ
ども、例えばYという社会保険病院の場合は、これは病院購入の器械をこのマスミ器械が受注をして、そしてMという会社から各メーカーに発注をする。このMもわかっております。
それから、もう一つのZという厚生年金の場合、これもZはどこか、一番近いところであります。これはマスミの山岸社長がTという、この設計事務所もわかっておりますが、Tという設計事務所を同行して、病院予算
会議の議長まで務められておるのですね。全く私は想像ができません、どうしてこういうことができるのか。
そして、社会保険病院、厚生年金病院の改築、新築の場合、建築材料、例えば砂利とか窓ガラスとかサッシ等に至るまで指導が行われる。そして、その設計事務所等へはメーカーリストと紹介状を、遠いところは関根氏または山岸社長名で郵送をする。近いところは山岸社長のマスミ器械の事務所に呼びつけて申し伝えられる。そういう仕組みになっております。
それで、この山岸社長と関根秘書お二人の世話料、仕切り代と申しましょうか、これは契約額の四%から六%が渡る仕組みであります。それでもなお別に
利益率は一五%から二〇%あるから、実際に業者には損はないから、それでやむなく沢竜会の会員になっておるというのが実情で、陰ではそれらの業者はいわゆる接待で泣いておるというのが
現状であります。
先ほど
お話ししましたとおり、関係しておる官庁は、
厚生省関係では、
社会保険庁運営
部長、同運営部保険指導課健康保険施設係など、それから社団法人としては全国社会保険協会連合会、全社運ですね。
それで、一つ具体的に申し上げておきますが、ことしの一月十一日午後七時から帝国ホテルでこのメーカーの全団体の新年会、これは第二回目に当たります、新年会が行われて、厚生
大臣がごあいさつに行かれておるはずです。集まられたメーカーたちは約千人です。ところが、その同じ帝国ホテルの同じ時間に、別に部屋をとって山岸会というのがセットされている。だから、その公式の厚生
大臣があいさつされた方の会はいいのです。それが終わったら、その流れが別室に設けられた山岸会という仕組みのところに流れていくようになっている。これはお調べになったらわかることです。
以上、私は概略を申し上げました。
そこで問題は、間違いかどうか調べていただきたい、
会計検査院の検査対象になるはずですから。こういうことが行われておったら一体どうなるんでしょうか。
そこで、
会計検査院の御所見を伺っておきたい。そして、あわせて
法務省の刑事
局長さん、それから警察庁の刑事
局長さんの見解も聞いておきたいと思います。