○菅原
委員 地方行政の制度の根幹にかかわるという答弁を聞きますと、何か違法的な制度のように聞き取られるのですが、アメリカでこれがなされているわけでございますから、根幹といいましても、これはもう解釈の問題でございます。
選挙によって選出される首長に対する権限、それはやはり公約が実行できる権限を与えているわけでございますが、この権限はアメリカにおきましても企画立案権、いわゆる議会の提案権で十分に済むという、いわゆるそういう
趣旨をとっております。ですから、これは何を目的としているかというと、
市町村長、県知事から現金の取り扱いだけを分離した制度でございます。現在でもいわゆる金の、公金の保管権は出納責任者が持っているわけでございまして、首長から離れているわけでございます。このことを考えますと、何も根幹根幹というようなそういう不勉強では本当は困るわけなんです。もうこれをやったら、私は、一年に三兆円いわゆるお金が浮いてくるんじゃないか、そして本当に政治もきれいになるし、かえって三兆円という事業費が増大してくるので業者も喜ぶはずだ、こう思っております。本当に公平な入札もできるわけですから。現在の制度ですと、
市町村長はいつも良心との闘いですよ。自分が企画立案したものを議会の承認をとると、密室に担当者を呼んでの執行もできる権限でしょう。
だから、私が昭和四十八年にアメリカのモンタナ州のある市長に招待されて昼食したとき、
日本の制度と比べたとき、向こうの市長は、メイヤー菅原、アメリカではこういう権限を
日本のメイヤーが持っているとは考えられないと言うわけです。君が企画立案して承認さえとると君が自由に現金の執行まで持てる権限か、こう言われたわけでございますので、ひとつこれは
大臣、これは
大臣の矜持となりますので、ひとつこれは頑張ってみてください。
時間もなくなってきましたので、固定資産税については、また自治
大臣には後の分科会にでも質問させていただきまして、それでは今度、農林
大臣に質問を移していきたいと思います。
地球環境は、地球の温暖化、熱帯林の
減少、酸性雨による大規模な森林被害等によって年々悪化の一途をたどっている状態でございます。かつて古代文明が栄えたメソポタミアやエジプトでも、豊かな森林が伐採されたことによって土地が砂漠化し、やがて文明が滅びたように、国の礎であるべき森林が崩壊したために滅亡した例が歴史に深く刻み込まれております。しかしながら、森林が人間にとってどんなにかかわりが深いものであるかについては、まだまだ国民的コンセンサスが十分に普遍的に得られていないのではないかとも思われます。
我が国の森林・林業は、国有林、民有林を問わず木材価格の低迷、林業労働力の
減少及び高齢化、林業経営費の増高等によって深刻な事態に直面しているわけであります。中でも、国有林野事業における
平成二年度末における財投資金からの長期借入金残高は、実に二兆二千五百億円にも達しているわけでありまして、金利六・二%で計算いたしますと、一日三・八億円の利息がかかっていることになります。また、今後の改善期間における累積債務の利息増加分を推計いたしますと、何と約一兆円を超えてくるのであります。
国有林野事業の使命は、林産物の計画的、持続的供給を初め、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全形成、保健休養の場の提供等の森林の有する公益的機能の発揮、国有林野の活用、国有林野事業の諸活動とこれに関連する地域の
産業活動等を通じた農山村地域振興への寄与等の使命を果たしていくことが強く要請されていると、基本
方針に明記されております。森林は地球を守る公共財であり、森林の機能は木材供給のほか水資源涵義、土砂流出の防止あるいは酸素の供給、野生生物、野生鳥獣の保護、自然休養等といった公益的機能を備えているわけでありまして、森林の環境に与えている効果は社会的コストに換算いたしますと、
日本だけでも四十兆円を超えるだろうという学者の試算もあります。
昨年十二月十七日、林政審議会は、国有林野事業の経営改善についての答申を行いましたが、累積債務対策及び財源措置の示唆を見る限り、三兆円を超える負債の解消に確固たる結論を見出すことは極めて難しいと思います。私に言わせますと、企業経営的には国有林野事業はもはや倒産状態と言うべきであります。民間企業の倒産の場合は、所有資産の処分は債権者の措置にゆだねるわけですから、国有林野の場合も処分可能資産を一切債権者、この際は大蔵省でございます、ここに大蔵
大臣も出席しておられますので聞いていただきたいわけでございますが、大蔵省に提供して、全債務の処理を図るべきだと思います。一刻もゆるがせにできない国土保全、森林保全の重要性にかんがみ、国が総がかりで財源措置をとることがこの際における有効な手段だと考えるわけでございます。
私は、国有林野事業の債務問題について、昨年六月五日の本
会議で海部総理に質問した際、総理から、目下林政審議会に具体策の検討を願っていると答弁を受けましたが、林政審議会の答申が出された現段階において、
政府はこの債務処理について本当に再建が可能と考えてこの処理に当たろうとしているのか。私は、これはやはり一切まず一時的に帳消しする方向の対策を考えない限りだめではないかと思いますので、また、きょうの
委員会の質問で約一兆三千億円ぐらいの財産処分のリストが出ているようでございますから、この際、一兆三千億円をそっくり大蔵省に渡しまして二兆二千五百億円の債務を帳消しにする、そういう大胆なことでもとらない限り、今の
日本の林野行政はもう崩壊してしまうことを心配しております。ひとつこういう点から
大臣の所信をお
伺いいたします。