○草川
委員 今これをいただいたわけでありますが、百条の五のこの答弁の中には、正確に「
内閣総理大臣その他政令で定める者(次項において「国賓等」という。)」という、そのような正確なお言葉もこの(一)の中にはないようであります。
あるいはまた、この
委員会で当初、
長官は、避難民の輸送を臨時応急の措置としてきたというようなことを答弁しておみえになりました。ところが、これを少し見る限りでは、国として輸送の必要性という観点から
考えるべきだ、こういうように軌道修正をしておみえになるのではないか。でございますから、これでは「御
指摘の答弁と
矛盾するものではない。」と、こう言っていますけれども、我々は納得できないということだけここに明確に申し上げておきまして、本問題についてはまた別の機会に問題提起を同僚議員からさせていただきたい、こういうように思います。
そこで、
総理とまず
大蔵大臣に最初に御
質問をしたいことがあるわけであります。
これは、総括
質問の最初からこの九十億ドルについての積算の根拠についていろいろな意見が出て、
総理も
大蔵大臣も、実は先ほども出ておりましたけれども、自主的な判断で所要経費の一部を決定したという、こういう御答弁です。
たまたま米国の議会
予算局ではいろいろな試算が出ていて、長期と短期というような言い方の
数字を置いておみえになったようでございます。問題は、その長期は八百六十億ドルでございますか、戦争長期化のケース、それから戦争短期化のケースは二百八十億ドル、このことを言っておみえになったので、多分資料は同じだと思うのでございますが、私手元に米議会
予算局の資料を取り寄せました。今申し上げたように、
数字が同じですから多分これは同じ
数字だと思うのですが、問題は、この湾岸戦争の費用試算の中身は、一九九一年度、九一年の九月まで、戦争短期化のケース、これは人件費、戦争遂行直接経費、主要武器補充、弾薬補充、医療費、その他経費というように分かれておりまして、先ほど私が申し上げましたように、短期では二百八十億ドル、長期では八百六十億ドルという
数字になるわけであります。
問題は、主な
前提なんですね。この中には何が
前提かといいますと、兵員が四十万人。これは、実際は五十万人ですからこれは直さなければいかぬわけでありますけれども、当時では議会では四十万人。期間は数週間、短期の場合、地上戦十五日間、長期化のケースは数カ月間、地上戦三十日。戦死者・負傷者、短期の場合三千人、長期の場合は四万五千人。死者、短期の場合が六百人、長期の場合は死者七千八百人。被害、戦車、短期百台、長期九百台、戦闘機、短期百機、長期六百機。弾薬、ミサイル、短期一万五千発、長期三万発、弾薬同じく艦砲射撃が短期の場合は五百発、長期千五百発。こういうような試算になっているわけであります。当然
大蔵大臣も
総理大臣もこれを読んで本
委員会で御答弁をなすっておみえになるわけであります。
私は、この試算をさらに分析をしていきますと、言わずもがなのことでございますが、過去のベトナム戦争の経過あるいは朝鮮戦争の経験がこの根拠になっている、こういうようなことも触れているわけでございますけれども、少なくともその戦死者の数まで予測をされた
数字というのが提言されている。これは、ここに今日の近代戦争の恐ろしさ、あるいは冷酷さ、あるいはまた恐怖を私、実はこの
数字を見て覚えたわけであります。
問題は、この
数字を見て、本当に戦争の恐ろしさ、恐怖、玲酷さというものを私は痛感したわけでありますけれども、
総理と
大蔵大臣はそういう
前提をネグって、いわゆる長期と短期、こういう
計算があるからその
数字ということは余り問題ではないというように私はすりかえて言われているのではないかと思うのでありますけれども、この際せっかく国民の目の前にこの
予算書を言われたわけでありますから、その
前提を見られてどのような判断をなすったか、基本的な
大蔵大臣と
総理の
考え方だけまずお伺いをしたい、こう思うのです。どうでしょう。