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松浦(利)
委員 私はこれは想像で申し上げますけれども、ここに、先ほど言ったけれども、これは内部資料で表に出ておらぬものですから、これは外務省が平和人材センターとして学者の答申を受けて、平和維持活動についてどう我が国がかかわるべきかという
議論をしている。これは制服抜きなんです。
自衛隊抜きなんです。文民なんです。これは、私
たち社会党の平和
協力構想と全く一致するのです。私
たちも平和維持については賛成なんです。その賛成の
根拠は、この外務省の人材センター構想と全く一致するのです。
しかし、制服組の皆さん方はそうじゃない。平和維持活動にどう防衛庁がかかわり合いを持つかという論文なんです。いいですか、これの一月号には、
自衛隊の任務のところをこう書いてあるのです。ここに書いてある内容は、要するに米ソのデタントが進んで、平和時に
自衛隊の諸君の緊張状態を持続することは非常に難しい。だから、今国連の平和
協力というものが世界的に
議論されておる、その平和
協力について
自衛隊がどうかかわるべきかということを現在の教育
訓練の中に含めてもらいたい。あのイラン・イラク
戦争に仮に日本の
自衛隊が参加をしておったら、国益というものがはっきりする。本来、軍隊というのは一定の目的を与えなければ集団としての行動は成り立たぬ。従来の
自衛隊の発想と国連平和
協力というものとの発想は全く相違うものだ。ですから、なおさらこれに参加をするための国家的目標というのは何なのか、そのことを明確にしておく必要がある。それは
一九八八年のイラン・イラク停戦に伴い、同年八月二十日、国連軍事監視団が
派遣された。この際、もし日本が
自衛隊を監視団に参加させていれば、
自衛隊の平和維持任務は、自国の国家戦略の一つである「中東情勢の安定化」ひいては「石油資源の安定供給」に密接に関連し、国家戦略目標の達成に貢献していることが理解できよう。
だから、イラン・イラク
戦争に行かなかったのは不満だと述べている。平和維持活動に参加するのには、こういうふうに国家戦略目標、石油資源の安定供給というようなそういう目標のために行くのだ、そういうことをはっきりしてもらいたかった、そういうことがはっきりして行くのだ、そういうふうに、しかも多国籍軍にかかわることまで書いてある。
平和維持活動が国際性を有するといえる観点の二番目である平和維持軍が多国籍の軍隊によって構成されている点について
も考察している。この前の国連平和
協力法案と全く同じ状態なんです、これは。しかも、これは一月に出されておるのですね。外務省は三月。結果的に出てきたのは、
自衛隊をかかわらせる内容が出てきたために廃案になったのです、
自衛隊が介入したから。
ところが、この六月号では、この
佐藤二尉というのは何と言っておるか。国際緊急援助活動に
自衛隊がかかわっていこう、こう書いてある。
「足」については、
輸送支援があげられる。現に欧米では軍用機をもって百人、二百人単位の人や膨大な量の物資を送っている。現地で活躍するヘリも、現在は
輸送手段がないために数次に分解して空輸しているが、C―1またはC―130Hクラスの固定翼機にとりあえず、OHクラスの回転翼機を物資と同時に搭載して運び、
海上
輸送でやればいいと、海上
輸送にまでも言及している。その中には、的確な
被害状況の把握とか、相手国との適切な協議と信頼性の確保とか、救助活動を支えるための資材の確保、
派遣部隊の
輸送体制、後方支援体制。後方支援体制で二百人行く、
輸送体制で五機行く、資材もそのために運ぶ、これが
法律で出されてきたら、去年のようにまた廃案になる。これを生かすためには、この際
政令でいく以外にない。結局、我が国の
自衛隊をどう国連平和
協力という名にかかわり合いをさせるか。今度の湾岸問題だけじゃないんだ。国連の要望に従って、国連のPKOその他の平和維持活動の中に
自衛隊を何としても持ち込みたい、これが制服の願いですよ。そういうことがこの「陸戦研究」に書いてある。
しかし私は、
政府がこれを意識してやっておるというようなことを言うつもりはありませんよ。結果的にそういう方向に走っているんです。若い方もおられるのです、ここにやじっておる人も。しかし、私はかつて
戦争に行かされた。当時の
政府は、必死になって
戦争の拡大を防止するために努力をしたんですよ。それは間違いない事実ですよ、
政治家だから。ところが、どうにもならなくなったんだ。それは、制服軍人がどんどんどんどんと政治にくちばしを入れてくるからですよ。現にそういうことが研究されておるでしょう。あのときの上級将校が若い青年将校を抑えることができなかった。参謀肩章をつけた大尉、少佐参謀というのが突き上げる。とうとう不拡大方針と逆の方向に走って第二次大戦、惨めですよ。同じことが今まさにここに出てこようとしておるじゃないですか。この人
たちはやじって笑う。私
たちは真剣なんだ。ただ単に、この
輸送機を難民を
輸送するためには送ってもいい、送ってやりたい、
自衛隊機も飛んでいいじゃないか。しかし、なぜそれを、困るんだ、困るんだ、できるなら民間を使ってくれ、ヨルダン航空を使ってくれというような叫びは、こういうことがおろそかになったら必ず将来、我が国が予想しない方向に政治が引っ張られていくんです。だれも将来を約束する人はここにおりませんよ。長生きする人がおるかもしれないが百歳が限度。
海部内閣だっていつまで続くかわからない。だから、私
たち今ここに生きておる、バッジをつけておる
政治家がやる任務というのは、こういったことが起こったときにどう
与野党で話をして、できるだけそういうことがないように防ぎとめるか、そのことだけなんだ、僕
たちが今言っているのは。それ以外の何物でもないんですよ。ぜひひとつ思いとどまってください。C130の
派遣だけは思いとどまってください。