○加藤(万)
委員 予算編成段階ですからそれ以上言いませんけれどもね。しかし願望と、やはり実務を扱う大蔵省ですから、現実の実態とをなるべく私ど
もとも
意見を一致しておきたい、私はそういう見解なんです。
したがって、私は、
一つは経済成長率の見方が少し甘い、甘いというか低い、大蔵省の場合。民間の経済成長率、今ノーマルな状態というふうに考えましょう、中東問題が影響ありますから。六・一%ぐらいでしょう、実質成長率で四・一%ぐらいと、こう見ているのですよ、各社の経済成長率を総合して実質成長率は。そうすると、六十一兆七千億なんです、来年度の税収入は。今度大蔵省が、
平成三年度予算を組むに当たってどのくらいの税収入があるか。中期展望では五十八兆か五十九兆、正確な数字は、これは後で資料でいいです。ところが、今度出そうとしているのは六十一兆七千億なんですね。民間の数字と一致してきたのですよ。そういう意味では、そういう誤差というものが結果的に財政支出、歳入と支出の乖離を非常に深くしている。それが財政問題に対する
信頼感を失わせるような結果になりかねませんから、御注意だけ申し上げておきたいと思うのです。
同時に、私ど
もとその点では
意見が一致できるように——願望はいいですよ、公債の発行、やがて五%にという願望はいいけれども、それでは五%にするには日米構造
協議の四百三十兆円から来る二千億をどうするのかという問題、これは今
自民党に何か任して云々とかいろいろありますから、私どもは中身は言いませんけれども、そういう問題を含めて考えていかなければいかぬと思うのですね。私は、日米構造
協議の四百三十兆円、可能だと見ているのです。私の計算が間違いでなければ、今の経済成長率、民間の経済の成長率をもってしていくならば、四百六十兆円ぐらいまで公共投資を拡大しても大丈夫だ。
ただし、
大臣、よく聞いてください。その場合、修繕費、修理費、例えば地方団体で言う維持費、そういうものをどこに組み入れるかによって違うのです。これはもう専門家ですからおわかりでしょうけれども、そういうものを加えていけば可能なんですよ。それは、日本の経済の成長と公
共投資額を一致すればその数字が出てくるのです。しかも、それは今までやってきたことでしょう。ついこの五、六年前ですよ、その数字が乖離がしたのは、いわゆる経済の成長率でも公共投資が減ったのは。
同時に、今度はその投資の内容、今いろいろ二千億の配分をめぐってあるようですけれども、できる限り私はハード、ソフト、こういうふうに分けるのはどこで分けるのかという仕切りがありますから言いませんけれども、ハード、ソフトという面で考えて、今ハードの面が五・五対片方が四・五、ないしは四対六ぐらいの比率と私は見ているのです。それを五、五にする、そしてこれから十年後、いわゆる四百三十兆円が可能な時期には、その逆転の状況を七対三ぐらいまでしていく。いわゆる生活関連投資額を拡大をして、結果的にそういう財政、公共投資額からいって結果になる。私は、そういうコンセンサスを得て
平成三年度予算をどう組むかという与
野党間の話が、あるいは
国会のこの場であっていいと思うのです。そういう意味では、
平成三年度予算については、私どもが提案している問題も含めて財政当局はひとつしっかりと目配りをしていただきたい、めり張りをきかしていただきたい、こう思います。
防衛費問題をちょっと御
質問しておきたいと思うのです。
これも私は、来年度、次期防の改定ですね。さっき
総理は、この防衛大綱の改定というものは、次期防の設定も含めてその間、
世界の軍縮の流れと合わせて考えていきますと、こういうふうにおっしゃいました、答弁されました。私は、この時期にやるべきだと思っておるのです、防衛大綱の見直しというものは。なぜかというと、御承知のように防衛費の中に後年度負担というのは非常に多いのです。ですから、次期防衛計画を策定して、今防衛庁が言っているように二十三兆何がしという金がもし決まるとしますと、この間に防衛大綱の見直しなんということはできませんよ。もし見直しをするならば、今の時期に行いながら、同時に次期防の出発点である
平成三年度をどのくらい防衛予算として軍事費を減らすのか、こういう
方向にならなければいけないと思うのです。今、国際情勢は御案内のとおりですね。そして、先ほど
総理は国際的な軍縮の情勢というものをできる限りアジアにも及ぼしたい、あるいは導き込みたい、こうおっしゃいました。導き込むなら、日本がみずからやはり軍縮の姿勢というものをこの際示すべきだ、私はそう思うのです。
まあ時間がありませんから細かな防衛費の内容についてとやかく申し上げませんが、私は
平成三年度こそ防衛大綱の見直し、同時に次期防衛計画が、日本が
世界に向かって、アジアに向かって、今
世界の軍縮をそのまま呼び込めるような財政というものをつくるべきだ、そういう予算を提起をすべきだと思う。幸いにして、防衛費の伸びは抑制という
方向を大蔵省はとっていると、こういうふうに聞いておりますけれども、どうでしょう、そういう視点から
平成三年度の防衛予算というものを考える、私はそういう問題を提起をしておきたいと思いますが、これは
総理に聞きましょうか、大蔵
大臣に聞きましょうか、お答えいただきたいと思うのです。