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岡崎(宏)
委員 私も、家を借りてというか、部屋を借りて住んでいる人間ですから、多くの借りる側の人たち、特に大勢の、働いているごく普通の人たちの
生活をどうしてもまず一番に考えざるを得ないのですけれども、そういう我々にとりましては、
土地そのものでもうかるという現象が起きている一方で、私たちは働けども働けども我が家を持つこともできない。なおかつ、では職場に近いところに借りようかといっても、いろいろな要素があってちょっとやそっとの経済的な保障では借りることもままならない、こういう
社会的経済的
変化というものは身近に感じているところなんですけれども、私、後でもちょっとお尋ねをしてみたいのですが、こういう我々にとって
現行の
借地あるいは
借家の
法律というのは、やはりある部分で、とにかく自分は、
借地で親が家を建てていたけれども、ここで生まれて親が死ぬまではここにいたいとか、それは町場の中で実は今いっぱい問題が出てきているのです。とにかく自分たちが、働いている人が長期的に安定してここで暮らしたいという保障を求めるのは極めて当然なことだとは思うのですけれども、それを辛うじて守ってきていたのが
現行の
借家法、
借地法でないかというふうに理解しているのです。
何で私がこの考え方にこだわるかといいますと、これは結局持たない者が今も申し上げましたようにとにかく
生活をしていく上で、長期的に安定を求めていく上で、そのときにこの周りではこれからビルが建っていくところだとか、特にこれまでのいろいろな経過を見てきますと、経済界からの
要請というのも非常に強いような気がするのです。市場経済を優先していくことがもしも進んだ場合に、一人一人の人の
生活の安定というものがそこで損なわれることがあるのではないか。ひょっとしたらこの新しい提案をされている
法律がそういうことに手をかしかねないような場面というのはないのだろうかという危惧を持つのです。
というのは、私も、これを私たちはどんなふうに見ていったらいいだろうかと思いまして、実際に
生活をしている人にどういう影響があるかというのを知りたいと思って聞いてみたのです。そうしましたら、これは恐らく
大臣も
法務省の当局の皆さんも御承知のことだろうと思うのですけれども、実際世間では、今出ている案がもう二、三年前から、もっと前からだと思いますが、特にこの二年くらい前からは、
借地・
借家法というのは変わって、そして皆さんはそういう意味ではその時点でここにはもう長くいられないようになりますよ、こういうことも言われて追い立てられるケースが実は出てきている。これは知らないからそういうことにもなっているのだというのは
一つでしょうけれども、しかしうそであれ、それを使って追い立てている側の人たち、不動産であるとか建築であるとか、いろいろな業界の
関係の人たちが既にこれを使ってやろうとしているその裏には、これまでの保護という部分の要素を薄めて、
土地の
利用であるとかいうことも
一つの理由にしてこれからはやっていけるのですよという宣伝を含めてやっているわけで、そこに私自身は、今回の
法律の
目的なりあるいはその
趣旨というものを出す際に、持たざる者の保護という部分を何とかして明らかにしていくことはできないのだろうかというふうに思っているのです。
つい最近聞いた話では、実際神戸でも十八軒ばあっと
土地を借りて建てている、長屋なら長屋としましょう、その人たちが、もうここは
借地・
借家法が変わると周りにはこれからビルが建つ、あるいはここは高層にしていった方が非常に
有効利用できるというふうなことも言われて出ていくことを求められているということも聞いております。
ちょっと長々となりましたけれども、
説明の言葉では公平な見地、これは午前中の
説明の中では、
社会的弱者、強者という見解はとりません、また合理的な
調整というものを
時代の
変化に応じてやるためのものです、こういう
説明だったわけです。ではこの部分、公平な見地、合理的な
調整というのは、そういう意味では追い立てを今求められているような人にでもわかるように具体的に
説明をしていただきたいということと、
現行の保護をするという
目的も変わらず残るとしたら、それを明らかにしていくということを考えられないものかということについてお尋ねいたします。