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渡瀬委員 答弁にございませんでした、産業界で功成り名遂げた先輩たちを取り込むような、これはきょうのこの法案の中にもあります免許の問題等も絡んでくると思いますけれども、そういうこと等も含めてひとつ総合的な対策を進められるようにお願いします。
それから、
教育施設部には若干テクノクラートもおられるようでございますが、全体として、
科学技術全体をカバーするような人材の取り込みといいますか、スタッフの
整備といいますか、それらもひとつあわせてこれから取り組んでいただきますようにお願いをしておきます。
それから次の問題は、これも最近マスコミに再三取り上げられて非常に関心を集めております
我が国の
大学の荒廃の問題でございます。
荒廃している理由の
一つは、
研究費が少ないということ。これは先ほど来話にあっているとおりでありますが、そのほかにも施設
設備が非常に貧弱になってしまったということ。これは、実は
文部省御自身が出しておられる「国立学校施設
整備費
予算額の推移」という資料が手元にありますけれども、
昭和五十五年以降急降下をいたしておりまして、こういうことが現場の荒廃につながっておるわけであります。これはもっとも
予算のシーリングの問題から来る悪影響であったと思いますけれども、私も最近二、三現場を見せてもらいました。部屋が狭くてしょうがないから、棚を部屋の隅につくって、そこの上に登って
研究をしている。蚕棚。外につくれないわけであります。それから、ガラスは破れ、窓枠は壊れ、ビニールを張ってあります。いろいろな買い込んだ
設備が、置くところがなくてあちこちに混在しておりまして、非常に危険でもありますし、非能率でもあります。そういう現場を見るにつけ、これじゃやはり理工の
先生も嫌がるし、生徒も来なくなるなという実感、現場に行きますと、本当にそういう同情をするわけでありますが、この問題はさきの日米構造協議でも取り上げられ、
アメリカ側から、もっと
日本はこういうところへ金を出して、そして
基礎研究を盛んにしてやれと、先ほど言いましたアンフェアの批判があったやに聞いております。先般の
予算編成で生活関連の
予算の中に、それらの
予算が十二億円余り計上されたというふうに聞いておりまして、これは非常にすばらしいことだと思います。
現場の
先生方と話をしているうちに、例えば五年計画で四千億ぐらいつぎ込んでもらうと何とかやれるのですけれどもねえという要望が非常にあちこちで実は聞かされます。できればこの際、そういう五カ年計画といいますか、そういうものができないかどうか、この辺の御見解も承りたいと思います。
大学の荒廃の中には、教官の逃避、
民間からの引き抜きでどんどん出ていかれるとか、外国へ行ってしまうとか、あるいは
民間から誘おうとしてもなかなか乗ってこないという話も、実例を再三聞かされております。それから、先ほど来の話のように、学生自身も非常に敬遠ぎみでありまして、
大学院生の数が進学率に比べて非常に少ない。しかも定員割れをしておるという話も聞くわけでありますが、その辺の
実態も、この際お聞かせいただきたいと思います。
なお、
大学院全体の問題も、この際若干触れておきますけれども、これは制度的にも実員的にも
先進諸国に比べて非常に少ない
実態が最近論議されております。手元に若干データがございますが、人口比、同一年齢の人口に比べて
日本が〇・六九名、
アメリカが七・〇五名、イギリスが二・二四名、
フランスが二・六八名という
数字が出ておりまして、もうほとんど十分の一以下であります。それから、学生総数に比べても、
日本が四・四%、
アメリカが一五・六%、イギリスが三三・五%、
フランスが二〇・七%という
統計が出ております。
なぜこうなっておるのか。
大学院制度そのものに対するいろいろな歴史的な由来もあるのではないかと思うわけでありますが、この際
大学院制度についての
文部省の見解も承っておきたいと思うわけでございます。
それから、これも細かい話で恐縮ですが、男の子が理工学部離れを起こしているということから、この際女子学生への誘いあるいは開放策といいますか、ないものかという気がしてなりません。
科学技術庁の
科学技術政策
研究所というところの発表によりますと、理工系学部志向が
昭和五十五年から最近で約二倍に膨らんでおるという記事がございました。最近、新聞を見ておりましたら、武蔵
工業大学の例が出ておりまして、男と女の比が一〇%まで高まってきたという記事であります。そこで新聞記者の皆さんが女子学生にインタビューをしておられる記事がありまして、非常におもしろいと思ったのは、男と違った感性で勝負をしてみたいという
意見を言った女子学生がおりました。それから文科系と違ったキャリアが欲しいという
意見を言った学生もありました。こういう女子学生への門戸開放、女子学生をもっとたくさん取り込むということ、これは時代感覚にも非常に合っておると思います。施設
設備あるいは奨学金などをもっと
充実をして、女子学生をもっとふやしていく、誘導するという政策がとれないものかどうか。
若干話が細かくなりましたけれども、こういう施設
設備の問題あるいは
大学院の問題等々を含めて、これらを総合して
大学の活性化といいますか、それらについての
認識と対応について御見解を承りたいと思うわけでございます。