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1991-02-15 第120回国会 衆議院 文教委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
平成
三年二月十五日(金曜日) 午前十時
開議
出席委員
委員長
臼井日出男
君
理事
木村 義雄君
理事
北川 正恭君
理事
真鍋 光広君
理事
松田 岩夫君
理事
渡瀬
憲明
君
理事
沢藤礼次郎
君
理事
吉田 正雄君
理事
鍛冶 清君 逢沢
一郎
君 岩屋 毅君 狩野 勝君 小坂 憲次君
塩谷
立君 船田 元君 増田 敏男君 村田
吉隆
君 輿石 東君
佐藤
泰介君
佐藤
徳雄君
中西
績介
君 馬場 昇君
平田
米男
君
山原健二郎
君
出席国務大臣
文 部 大 臣
井上
裕君
出席政府委員
文部政務次官
中山
成彬君
文部大臣官房長
坂元 弘直君
文部大臣官房総
務審議官
佐藤
次郎君
文部大臣官房会
計課長
遠山
耕平君
文部省
生涯
学習
局長
福田
昭昌
君
文部省初等中等
教育局長
菱村 幸彦君
文部省教育助成
局長
菴谷 利夫君
文部省高等教育
局長
前畑 安宏君
文部省高等教育
局私学部長
逸見
博昌
君
文部省学術国際
局長
長谷川善一
君
文部省体育局長
野崎 弘君
文化庁次長
遠山
敦子君
委員外
の
出席者
文教委員会調査
室長 堀口
一郎
君 ─────────────
委員
の異動 二月十三日
辞任
補欠選任
新井 将敬君 原田 義昭君
中西
績介
君
野坂
浩賢
君 同日
辞任
補欠選任
野坂
浩賢
君
中西
績介
君 同月十五日
辞任
補欠選任
三塚
博君
塩谷
立君
市川
雄一
君
平田
米男
君 同日
辞任
補欠選任
塩谷
立君
三塚
博君
平田
米男
君
市川
雄一
君 ───────────── 二月十四日
高校
四十人
学級
の
早期実現
及び
私学助成
の
大幅増額
に関する
請願外
九件(
加藤繁秋
君
紹介
)(第一〇〇七号) 同外九件(
加藤繁秋
君
紹介
)(第一〇二八号)
義務教育費国庫負担制度
の堅持、削減・除外された費用の復元に関する
請願
(
平田米男
君
紹介
)(第一〇〇八号)
私学
に対する
公費助成
の
大幅増額等
に関する
請願
(
竹内勝彦
君
紹介
)(第一〇〇九号)
高校
四十人
学級
の
即時実現
、
私学助成
の
抜本的拡充等
に関する
請願
(
西中清
君
紹介
)(第一〇一〇号) 同(
菅野悦子
君
紹介
)(第一〇四八号)
高校
四十人
学級
の
早期実現等
に関する
請願
(
平田米男
君
紹介
)(第一〇一一号) 三十五人
学級
の
実現等
に関する
請願
(
西中清
君
紹介
)(第一〇一二号) 同(
谷垣禎一
君
紹介
)(第一一一八号)
私学助成大幅増額
、
高校
三十五人以下
学級
の
早期実現
、
障害児教育
の
充実
に関する
請願外
二件(
田口健二
君
紹介
)(第一〇一三号) 同外二件(
田口健二
君
紹介
)(第一〇二七号) 同外二件(
田口健二
君
紹介
)(第一〇四九号) 同外二件(
田口健二
君
紹介
)(第一一二二号)
高校
四十人
学級
の
実現
、
教職員定数
の
抜本的改善
、
私学助成大幅増額
に関する
請願
(
山中邦紀
君
紹介
)(第一〇五〇号) 小・中・
高校
三十五人以下
学級
の
早期実現
、
私学助成
の
抜本的拡充
に関する
請願
(
亀井静香
君
紹介
)(第一一一九号)
私学助成大幅増額
、四十人
学級
の
実現
に関する
請願
(
田中昭一
君
紹介
)(第一一二〇号) 同(
渡瀬憲明
君
紹介
)(第一一二一号)
高校
四十人
学級
の
早期実現
、
私学助成
の
大幅増額
に関する
請願
(
戸井田三郎
君
紹介
)(第一一二三号) は本
委員会
に付託された。 ───────────── 本日の
会議
に付した案件
文教行政
の
基本施策
に関する件 ────◇─────
臼井日出男
1
○
臼井委員長
これより
会議
を開きます。
文教行政
の
基本施策
に関する件について
調査
を進めます。
文教行政
の
基本施策
に関し、
文部大臣
から発言を求められておりますので、これを許します。
井上文部大臣
。
井上裕
2
○
井上国務大臣
第百二十回国会におきまして、
文教各般
の問題を御
審議
いただくに当たり、所信の一端を申し述べます。
我が国
が、来るべき二十一世紀に向けて、創造的で活力ある
文化
の薫り高い国家として発展し、世界に貢献していく
基礎
を築くとともに、
国民
一人一人が、その生涯にわたり、
生きがい
と潤いを持って一層
充実
した生活を営むことができるようになるために、
教育
・
学術
・
文化
・
スポーツ
の果たす役割は極めて重要かつ大きいものがあります。
文部省
においては、これまで、
教育改革
のための各般の
施策
を積極的に進めてきたところでありますが、今後とも、これらの
施策
を
推進
するとともに、さらに中長期的な観点に立って、
国際社会
の中で信頼と尊敬を得られる心豊かな
国民
を育成するため、
我が国
の
教育
のあり方について不断の検討を行うことが重要であると考えます。 そのため、現在、
中央教育審議会
、生涯
学習審議会
、
大学審議会
、
学術審議会
などにおいて、精力的に御
審議
をいただいており、今後、それらの
審議等
を踏まえつつ、
教育改革
を積極的に進めてまいります。 私は、
教育
・
学術
・
文化
・
スポーツ
の
担当大臣
として、これらの
充実発展
に寄せる
国民
の期待にこたえられるよう、新しい時代に的確に対応し、種々の課題の解決のために全力を傾注してまいる所存であります。 以下、主要な課題について私の基本的な
考え方
を申し述べます。 第一は、生涯
学習
の
推進
についてであります。 人々が生涯の各時期において、自発的に適時適切な
学習
を行うことができ、また、その成果が適正に評価される生涯
学習社会
の
実現
を図ることは、今日の
我が国
における重要な課題の一つであります。 このため、
文部省
では、
学習情報
を提供し
学習
に関する各種の相談に応じる体制の
整備
、
指導者
の
養成確保
、必要な施設の
整備
など、生涯
学習基盤
の
整備充実
を図るとともに、去る二月一日に、生涯
学習審議会
に対し、「今後の
社会
の動向に対応した生涯
学習
の
振興方策
について」諮問したところであり、今後、その
審議等
を踏まえつつ、生涯
学習
の一層の
推進
に努めてまいる所存であります。 また、生涯
学習機関
としての
学校
という観点から、
学校
の機能、施設の開放を促進し、
大学等
における
社会人
の再
教育機能
の向上、
放送大学
の
整備
、
専修学校教育
の
振興等
に努めてまいります。さらに、生涯
学習
の
推進
における
社会教育
の果たす役割の
重要性
にかんがみ、
長寿対策
、
家庭教育
の
充実
、婦人の
社会参加
の促進、
ボランティア活動
の
推進
、
青少年
の
健全育成等社会教育
の一層の
振興
に取り組んでまいります。 第二は、
初等中等教育
の
充実
についてであります。 これからの
初等中等教育
においては、生涯
学習
の基盤を培うという観点に立ち、豊かな心を持ち、たくましく生きる人間の育成や、
社会
の変化に主体的に対応できる能力の育成を図るとともに、
基礎
・基本を重視し、個性を生かす
教育
の
充実
を図ることが重要であります。 このような
考え方
のもとに改訂された
学習指導要領
を、今後、順次実施し、その趣旨の
実現
に努めてまいる所存であります。 特に、
道徳教育
は、
児童生徒
の
人間形成
に重要な役割を果たすものであり、
学校
と
地域社会
との連携を図りながら、その一層の
充実
に努めてまいります。また、
生徒指導
については、人間味のある温かい
指導
が行われ、
国民
や
保護者
の理解が得られるものとなるよう、一層の
指導
の
充実
に努め、今日大きな問題となっている校則の見直しや
登校拒否等
に対しても適切な対応を図ってまいります。さらに、
環境教育
、
国際理解教育
、
情報教育
など新しい時代の変化に対応した
教育
の
推進
にも努めてまいります。 また、
高等学校教育
については、時代の変化や生徒の多様な実態に柔軟に対応していくことが求められており、
中央教育審議会
の
審議等
を踏まえ、その改革を
推進
してまいります。 さらに、幼児をめぐる
社会
や環境の変化を踏まえた
幼稚園教育
の
推進
、
心身障害児
の
社会参加
を目指した
特殊教育
の
充実
、新しい
教科書検定制度
の適切な運用などにも積極的に取り組んでまいります。また、子供の心身の健全な発達と、生涯の各時期を通じた
国民
の健康の
保持増進
に資するため、
社会教育
との連携を図りつつ、
学校保健
、
学校
安全、
学校給食
など
健康教育
の一層の
充実
に努めてまいります。
学校教育
の成否は、
児童生徒
の
教育
に携わる教員の
資質能力
に負うところが大きく、その向上を図ることは、極めて重要な課題であると考えます。このため、
初任者研修制度
の円滑な実施を図るほか、養成、採用、
現職研修
の各段階を通じた総合的な
施策
を講じてまいります。また、
学校
においては、校長のリーダーシップのもとに全
教職員
が一致協力し、活力と規律のある
学校運営
の
推進
に努めてまいります。
教育条件
の
整備
については、
児童生徒
一人一人により行き届いた
教育
を行うため、その
充実
に努力してまいります。特に、
国民
の念願であった四十人
学級
の実施を初めとする
教職員定数改善計画
は、当初
計画どおり平成
三年度に達成させることとしております。また、ゆとりと潤いのある
教育環境づくり
や
過大規模校
の
早期解消等
を図るため
公立学校施設
の
整備
にできる限りの努力を払うとともに、
義務教育教科書無償給与制度
を堅持してまいります。 さらに、今後とも、住民の意向を反映した生き生きした特色ある
地方教育行政
の展開を図るため、
教育委員会
の
活性化
を図ってまいる所存であります。 第三は、
高等教育
の
充実
と改革についてであります。
我が国
が、今後とも、
社会
的・
経済的発展
を続け、
国際社会
にも積極的な貢献をしていくためには、
高等教育
の
充実
と改革を不断に
推進
することが重要であります。 このため、
大学審議会
において、
大学等
の
教育研究
の
高度化
・
多様化
・
活性化等
を図る観点から、
高等教育改革
の諸課題について御
審議
をいただき、去る二月八日に、同
審議会
から
大学
、
大学院
、
短期大学
、
高等専門学校
の
教育
の
改善
、
学位制度
の
改善
など、多岐にわたる
改革方策
について答申をいただいたところであります。答申で示された諸方策については、法案の提出を初め所要の措置を速やかに講じ、
高等教育改革
の
推進
に積極的に取り組んでまいります。
大学入試
については、当面、
大学入試センター試験
の円滑な実施・定着や
国立大学
の
受験機会
の
複数化
など、
関係者
の格段の
改善努力
を促すとともに、中長期的な観点から、
大学審議会
及び
中央教育審議会
における
審議等
を踏まえ、
改善
に向けて着実な
推進
を図ってまいります。 また、
国立大学
の
整備
については、
奈良先端科学技術大学院大学
を創設するとともに、
岐阜大学
に
医療技術短期大学部
を併設するなど、努めて精選しつつも、学問の発展及び時代の進展に即し、
教育研究
上必要な
整備
に力を注ぐこととしております。 さらに、
大学審議会
の答申に基づき、
短期大学
、
高等専門学校
を卒業した後
大学
において一定の単位を修得した者や、
大学
以外の
高等教育施設
において組織的・体系的な
教育
を受けた者に対し、その水準に応じ、学位を授与し得るようにするため、新たに
学位授与機構
を創設することとしております。 第四は、
私学
の
振興
についてであります。
私立学校
は、
初等中等教育
・
高等教育
において量的に大きな役割を果たしており、それぞれの建学の精神に基づいた個性豊かな
教育研究
を実施し、
我が国
の
学校教育
の普及・
充実
に多大に貢献しております。このような
私学
の果たす役割の
重要性
にかんがみ、引き続き
私学助成
の
推進
などにより
教育研究条件
の
維持向上
に努めてまいる所存であります。 第五は、
学術
の
振興
についてであります。 近年、二十一世紀の
我が国
を支える基盤として
基礎研究
の
重要性
が強く認識され、
社会
の各分野において
大学
を中心とする
学術研究
に対する期待がますます高まるとともに、
我が国
の
国際的役割
の増大に対応して独創的・先端的な
学術研究
をより一層
推進
し、世界の
学術研究
の進展に積極的に貢献していくことが求められております。また、
学術研究
の
高度化
、
大型化
、
国際化
が顕著になるなど、
学術研究
を取り巻く環境が著しく変化しています。 このため、
文部省
においては、昨年末、
学術審議会
に「二十一世紀を展望した
学術研究
の
総合的推進方策
について」御
審議
をお願いしたところであり、その
審議等
を踏まえつつ、今後とも、
学術研究
の
振興
に努力してまいる所存であります。また、
科学研究費
の拡充、
若手研究者
の育成、
重要基礎研究
の
推進等
に引き続き積極的に取り組んでまいります。 第六は、
スポーツ
の
振興
についてであります。
国民
の心身の健全な発達と明るく豊かで活力に満ちた
社会
の形成に資するため、広く
国民
に対し生涯にわたって
スポーツ
に親しむ機会を
整備
するとともに、
国際競技会
における
日本選手
の
競技力
の向上を図ることは極めて重要であります。 このため、これまでの諸
施策
に加え、昨年末、新たに
スポーツ振興基金
を創設し、
スポーツ
の
振興
のための
助成
を幅広く行うこととしております。 今後とも、生涯
スポーツ
、
競技スポーツ
及び
学校体育
の各面にわたる
スポーツ
の
振興
のための諸
施策
の一層の
推進
に努めてまいります。 第七は、
文化
の
振興
についてであります。 真に豊かな
社会
を形成していくためには、多様な
文化
の諸活動が活発に展開され、人々が心の豊かさを享受できる真の
文化国家
を
実現
していくことが重要であります。このような観点から、
伝統文化
を継承するとともに、広い視野に立って
芸術文化
の
創造発展
を図ることが極めて肝要であり、
文化行政
の果たすべき役割は極めて重要であります。 このため、昨年創設された
芸術文化振興基金
の活用とあわせて、
芸術家等
の人材の養成・確保やすぐれた
芸術創作活動
の
助成
に努めるとともに、全国各地域において多様な
文化活動
の
振興
を図るため、特色ある
文化施設
の
整備
など所要の
条件整備
を積極的に
推進
してまいります。さらに、
国民共有
の貴重な財産である
文化
財の保存と活用の
推進
などの諸
施策
を一層
推進
し、
我が国
の
文化
の向上、発展に努力を払ってまいります。 最後に、
教育
・
学術
・
文化
・
スポーツ
の
国際交流
の
推進
について申し述べます。 今日、国家間の
相互依存関係
がますます深まっている一方で、さまざまな側面で国家間の摩擦や緊張も増大してきておりますが、
我が国
が積極的にその役割を分担し、諸外国とともに
相互理解
を深め、信頼を
基礎
とした
友好関係
を築いていくためには、
教育
・
学術
・
文化
・
スポーツ
の各分野における国際的な交流・協力を一層積極的に進めていくことが極めて重要であります。
学術研究
の面においては、地球環境問題など
人類共通
の課題の解決のために尽力し、
国際共同研究
の
推進
、
研究者
の派遣・招聘などの
学術交流
の拡充を図るとともに、
外国人
に対する
日本語教育
についても各般の
施策
を通じてその一層の
改善充実
に努めてまいります。 また、
留学生交流
について、二十一世紀初頭における十万人の
留学生受け入れ
を目途に、
大学等
における
教育指導体制
の
充実
はもとより、
私費留学生
に対する支援、宿舎の
安定的確保
など、
留学生受け入れ体制
の総合的な
整備
に努めるとともに、
我が国
から海外へ留学する
学生等
が増加していることを踏まえ、
海外留学情報
の提供の
充実
を図るなど、その
援助体制
の
整備
に努めてまいります。
日本人学校等
の
在外教育施設
における
教育
の
充実
と
現地社会
との交流の
推進
、海外での貴重な体験を生かす
教育
の
充実
などについても努力してまいる所存であります。 さらに、
芸術文化交流
や
文化遺産
の
保存修復
に対する
国際交流
・協力を
推進
するとともに、
スポーツ
の
国際交流
の
充実
に努めてまいります。 以上、
文教行政
の当面する諸課題について所信の一端を申し述べました。
文教委員各位
の一層の御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
臼井日出男
3
○
臼井委員長
次に、
平成
三年度
文部省所管予算
の
概要
につきまして説明を聴取いたします。
中山文部政務次官
。
中山成彬
4
○
中山政府委員
平成
三年度
文部省所管予算
につきまして、その概要を御説明申し上げます。
平成
三年度の
文部省予算
につきましては、
我が国
が、来るべき二十一世紀に向けて、創造的で活力ある
文化
の薫り高い国家として発展し、世界に貢献していく
基礎
を築くとともに、
国民
一人一人が、その生涯にわたり、
生きがい
と潤いをもって一層
充実
した生活を営むことができるよう、
教育
・
学術
・
文化
・
スポーツ
の
文教施策全般
にわたり、その着実な
推進
を図ることとし、所要の予算の確保に努めたところであります。
文部省所管
の
一般会計予算額
は、五兆五百五十九億四千四百万円、
国立学校特別会計予算額
は、二兆九百二十八億一千九百万円となっております。 以下、
平成
三年度予算における主要な事項について、御説明申し上げます。 第一は、生涯
学習
の
振興
に関する
経費
であります。 まず、生涯
学習推進体制
の
整備充実
につきましては、地域における生涯
学習
に取り組む体制の
整備
、多様な
学習情報
の提供、
社会教育主事等
の
養成確保
に努めることといたしております。 次に、生涯
学習機関
としての
学校
の機能の
充実
につきましては、
大学等
における
社会人
の再
教育機能
を高めるとともに、
公開講座
や
学校
の開放を促進するとともに、
放送大学
の
整備
、
専修学校教育
の
振興
を図ることといたしております。 また、
社会教育
の
振興
の面では、公民館、
図書館等
の
公立社会教育施設
の
整備
、婦人・
青少年等
の
学習機会
の
整備充実
に努めるほか、
長寿化対策事業
の促進、家庭・地域の
教育機能
の
活性化等
を図ることとし、所要の
経費
を計上いたしております。 さらに、
国立オリンピック記念青少年総合センター
の
整備
を進めるほか、国立妙高少年自然の家(仮称)の
機関設置
を行うことといたしております。 第二は、
初等中等教育
の
充実
に関する
経費
であります。 まず、
義務教育
諸
学校
の第五次
学級編制
及び
教職員定数改善計画
につきましては、十二年計画の
最終年次分
としていわゆる四十人
学級
を
小・中学校
の全学年で実施するとともに、
教職員配置
についても所要の
改善
を行い、本計画の達成を図ることといたしております。 次に、教員の資質の向上を図るため、
初任者研修制度
を
小・中学校
に引き続き、新たに
高等学校
について本格実施することといたしております。また、
教職員
に対する各種の研修、教員の
海外派遣
、
教育研究団体等
への
助成
などを行うことといたしております。
教育内容
につきましては、新
学習指導要領
の
趣旨徹底
を図るための
講習会等
を行うほか、小・中・
高等学校
における
情報化
への対応を円滑に進めるため、
教育用コンピューター
の
整備
、
教育用ソフトウェア
の
改善等
の
施策
を
推進
するとともに、
我が国社会
の
国際化
への対応のため
外国語教育
の
充実
に努めていくことといたしております。 また、
義務教育教科書
の
無償給与
につきましても、所要の
経費
を計上いたしております。 次に、
児童生徒
の
登校拒否
などの問題について適切に対処するため、
適応指導教室
についての
実践的研究
を拡充するなど、
学校
不
適応対策事業
の一層の
充実
を図ることといたしております。また、
児童生徒
の健全な育成を図るため、
自然教室推進事業
などの
施策
を実施することといたしております。
道徳教育
につきましては、
市町村ぐるみ
で一体的な
道徳教育
の
推進
を図るため、新たに、
市町村道徳教育推進事業
を実施するなど、その一層の
充実
を図ることといたしております。
幼稚園教育
につきましては、
幼稚園就園奨励費補助
の対象に三歳児を加えるなど、一層の
振興
を図ることといたしております。
特殊教育
につきましては、
心身障害児
の
指導方法等
の
調査研究
を行うとともに、
特殊教育就学奨励費
を
充実
するなど、一層の
振興
に努めることといたしております。 また、
海外子女教育
・
帰国子女教育
につきましては、
日本人学校
の増設、
児童生徒数
の増加に対応し、
派遣教員
を増員するとともに、
在外教育施設
における、
現地社会
との
国際教育
・
文化交流等
を一層
推進
するほか、
中国等帰国孤児子女教育研究協力校
を拡充することといたしております。 さらに、
児童生徒等
の
健康教育
の
充実
に努めるとともに、豊かで魅力ある
学校給食
を目指して、その
充実
を図ることといたしております。 次に、
公立学校施設
の
整備
につきましては、
小・中学校校舎等
の
新増改築事業等
について所要の
事業量
を確保するとともに、
過大規模校分離
のための
用地費補助制度
の
継続等
を行うこととし、これらに要する
経費
として、
平成
二年度に対して四十二億円増の二千二百八十八億円を計上いたしております。 なお、
定時制
及び
通信教育
の
振興
、
理科教育
及び
産業教育
の
振興
、
地域改善対策
としての
教育
の
振興
など各般の
施策
につきましても所要の
経費
を計上いたしております。 第三は、
私学助成
に関する
経費
であります。 まず、私立の
大学等
に対する
経常費補助
につきましては、
平成
二年度に対して三十九億円増の二千五百五十九億五千万円を計上いたしております。このほか、
教育研究装置施設整備費補助
及び
研究設備等整備費補助
についても、それぞれ増額を図るなど
教育研究
の
推進
に配慮いたしております。 また、私立の
高等学校等
の
経常費助成
を行う都道府県に対する補助につきましても、
平成
二年度に対して二十三億円増の七百九十九億円を計上するとともに、新たに、私立の
高等学校等
の
情報処理教育施設
の
整備
を図ることといたしております。
日本私学振興財団
の
貸付事業
につきましては、
平成
二年度と同額の六百二十億円の
貸付額
を予定いたしております。 第四は、
高等教育
の
整備充実
に関する
経費
であります。 まず、
大学院
の
充実
と
改革等
につきましては、
奈良先端科学技術大学院大学
の創設、
大学院最先端設備
の
整備充実
及び
学位授与機構
の創設を図るため、所要の
経費
を計上いたしております。 また、
国立大学
の
整備
につきましては、
岐阜大学
に
医療技術短期大学部
を併設するなど、
教育研究
上緊急なものについて
推進
することといたしております。
附属病院
につきましては、
看護婦等
の増員を重点的に図るとともに、
救急医療等社会的要請
の強い分野についての
診療組織
の
整備
を行うことといたしております。 なお、
国立学校
の
入学料等
につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、これを改定することといたしております。 次に、
育英奨学事業
につきましては、
平成
三年度から
奨学金
の
貸与月額
を増額するなど、その
改善
を図ったところであり、
政府貸付金
七百三十三億円、
財政投融資資金
三百六十一億円と
返還金
とを合わせて、千八百十四億円の
学資貸与事業
を行うことといたしております。 また、
公立大学
につきましては、
医科大学
、
看護大学等
の
経常費補助
及び
教育設備整備費等補助
について、所要の
助成
を図ることといたしております。 第五は、
学術
の
振興
に関する
経費
であります。 まず、
科学研究費補助金
につきましては、
独創性
に富むすぐれた
学術研究
を
推進
し、
我が国
の
学術研究
を格段に発展させるための
基幹的研究費
として引き続きその拡充を図ることとし、
平成
二年度に対して三十一億円増の五百八十九億円を計上いたしております。 次に、
学術研究体制
の
整備
につきましては、
研究組織
の
整備
、すぐれた
若手研究者
の育成に資するための
特別研究員制度
の拡充、
研究設備
の
充実
、
大学
と
民間等
との
共同研究
の
充実
など各般の
施策
を進めるとともに、地球環境問題の諸課題の解明に資するための諸
施策
の
推進
を図ることといたしております。 また、
天文学研究
、
宇宙科学等
のそれぞれの分野における
研究
の一層の
推進
を図ることとし、これら
重要基礎研究
に要する
経費
として五百二十四億円を計上いたしております。 第六は、
スポーツ
の
振興
に関する
経費
であります。 広く
スポーツ
施設の
整備
を進めるため、体育施設の
整備
に要する
経費
として百七十九億円を計上いたしております。また、
学校体育
につきましては、
学校体育
指導
の
充実
強化を図るため所要の
経費
を計上いたしております。 さらに、生涯
スポーツ
推進
の観点から、
指導者
の
養成確保
など、幅広く
国民
の
スポーツ
活動を助長するための諸
施策
の一層の
推進
に努めることとし、所要の
経費
を計上いたしております。 次に、
競技スポーツ
の
振興
につきましては、日本オリンピック
委員会
が行う、選手強化事業を引き続き実施するとともに、
スポーツ
科学の
推進
を図るため、国立
スポーツ
科学センター(仮称)の実施設計を行うほか、
国民
体育大会の
助成
など、所要の
経費
を計上いたしております。 第七は、
芸術文化
の
振興
と
文化
財の
整備
・活用の
推進
に関する
経費
であります。 まず、
芸術文化
の
振興
につきましては、
我が国
のすぐれた舞台芸術の公演活動を
推進
するための芸術活動特別
推進
事業の拡充を初め、各種の
芸術創作活動
に対する
助成
を
充実
するとともに、新進芸術家の研修活動を支援するための新たな芸術インターンシップ事業の実施や地域の
文化
振興
のための諸
施策
につきましても、所要の
経費
を計上いたしております。 次に、
文化
財の
整備
・活用の
推進
につきましては、「ふるさと歴史の広場」の
整備
事業の拡充や史跡の
整備
・公有化の促進、国宝・重要
文化
財等の保存
整備
を進めるとともに、国立劇場の
整備充実
を図ることといたしております。 第八は、
教育
、
学術
、
文化
の
国際交流
・協力の
推進
に関する
経費
であります。
留学生交流
については、二十一世紀初頭における十万人の
留学生受け入れ
を目途に、国費
留学生受け入れ
の計画的
整備
、
私費留学生
に対する援助
施策
の
充実
、宿舎の
安定的確保
、
大学等
における
教育指導体制
の
充実
等各般の事業を積極的に
推進
するとともに、円滑な海外留学を促進することとし、そのために要する
経費
として三百五億円を計上いたしております。 さらに、
外国人
に対する
日本語教育
の
充実
を進めるとともに、識字
教育
事業に対する協力などユネスコを通じた
教育
協力等もその
推進
を図ることといたしております。 次に、
学術
の
国際交流
・協力を
推進
するため、諸外国との
研究者
交流、各種の
国際共同研究
、拠点
大学
方式等による発展途上国との
学術交流
、国連
大学
への協力の促進を図ることといたしております。 また、
文化
の
国際交流
についても、海外の優秀な芸術家の招聘事業を
充実
するとともに、海外フェスティバル等への参加公演、
文化
財保存の国際協力など各般の
施策
の
充実
を図ることといたしております。 第九は、
教育改革
の総合的
推進等
に関する
経費
であります。 ただいま御説明いたしましたように、
教育改革
の着実な
推進
を図るため所要の
経費
を計上しておりますが、このほか、
教育改革
の実施に関する特別
調査研究
等の
経費
を計上するとともに、
調査研究
機能の強化を図るため、国立
教育研究
所について、引き続き
整備
を進めることといたしております。 以上、
平成
三年度の
文部省所管
の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。 何とぞよろしく御
審議
くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
臼井日出男
5
○
臼井委員長
以上で説明は終わりました。 次回は、来る二十日水曜日午前九時五十分
理事
会、午前十時から
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時三十四分散会