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1991-02-19 第120回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
平成
三年二月十九日(火曜日) 午後零時三十七分
開議
出席委員
委員長
村山
富市君
理事
青木 正久君
理事
赤城 徳彦君
理事
岸田 文武君
理事
高橋 一郎君
理事
細田 博之君
理事
武部 文君
理事
倉田 栄喜君 木村 義雄君 福永 信彦君 穂積 良行君 森 英介君
山本
拓君
岡崎トミ子
君 川島 實君
目黒吉之助
君
大野由利子
君 菅野 悦子君
出席国務大臣
国 務 大 臣 (
経済企画庁長
官)
越智
通雄君
出席政府委員
公正取引委員会
委員長
梅澤
節男君
公正取引委員会
事務局長
植木 邦之君
公正取引委員会
事務局官房審議
官
矢部丈太郎
君
経済企画庁国民
生活局長
加藤
雅君
経済企画庁物価
局長
田中
努君
委員外
の
出席者
特別委員会
第二
調査室長
岩田 脩君 ─────────────
委員
の異動 二月十九日
辞任
補欠選任
石原
伸晃
君
山本
拓君 同日
辞任
補欠選任
山本
拓君
石原
伸晃
君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件
物価問題等
に関する件(
物価対策
及び
国民生活行政等
) ────◇─────
村山富市
1
○
村山委員長
これより
会議
を開きます。
物価問題等
に関する件について
調査
を進めます。 この際、
越智経済企画庁長官
から、
物価対策
並びに
国民生活行政
について発言を求められておりますので、これを許します。
越智経済企画庁長官
。
越智通雄
2
○
越智国務大臣
我が国経済
の当面する
課題
と
経済運営
の
基本的考え方
につきましては、さきの
経済演説
において明らかにしたところでありますが、当
委員会
が開催されるに当たりまして、重ねて
所信
の一端を申し述べたいと存じます。
世界経済
は、八年を超える息の長い
拡大
を続けております。
先進諸国
では、このところアメリカ、
イギリス等
で
景気後退
の様相があらわれてきておりますが、その他
西欧諸国
では、総じて好調な
景気拡大
が続いております。 一方、
主要国
間の
対外
不
均衡
、
発展途上国
の累積債務問題などの
課題
も残されております。 他方、
我が国経済
は、
個人消費
や
設備投資
を
中心
とした
内需主導
型の
景気拡大
が続いており、
昭和
六十一年十二月以来の
景気上昇
は、今月で五十一カ月目に入っております。また、
製品類等
を
中心
に
輸入
が
増加
していることなどから、
経常収支
の
黒字幅
は
縮小傾向
にあります。 以上のような
状況
を踏まえ、私は、
平成
三年度の
経済運営
に当たりましては、特に次の諸点を基本的な柱としてまいりたいと考えております。 第一の柱は、
内需
を
中心
とした
景気
の
持続的拡大
を図ることであります。 このため、今後とも、
主要国
との
政策協調
にも配慮しつつ、
為替レート
の安定を図るとともに、
物価
の安定を基礎とし、適切かつ機動的な
経済運営
に努めてまいりたいと考えております。
平成
三年度の
我が国経済
は、引き続き
対外
不
均衡
の
是正
を進めながら
内需
を
中心
とした着実な
拡大
が図られ、
実質経済成長率
は三・八%
程度
になるものと見込まれます。
湾岸危機
につきましては、
政府
としては、今回の
事態
が
我が国
の
経済
に及ぼす
影響
を最小限にとどめ、
国民生活
安定の
確保
に万全を期す
所存
であります。幸い、過去二回の
石油ショック
のときと比べると、
我が国経済
の
石油
に対する
依存度
の低下、
石油備蓄
の大幅な
増加等
が見られるところであります。
政府
、
国民
の適切な
対応
と相まって、
国民生活
に大きな
影響
を与えることなくこの
事態
を克服できるものと考えております。 なお、先般決定された
湾岸平和基金
に対する九十億ドルの
追加拠出
に係る
措置
については、
我が国経済
の
基調
に
影響
を与えるようなものとは考えておりません。 第二の柱は、
保護貿易主義
の
抑止
と
自由貿易体制
の
維持強化
に向け率先して努力するとともに、調和ある
対外経済関係
の
形成
と
世界経済活性化
への積極的な
貢献
を行っていくことであります。 このため、
貿易
の
拡大均衡
による
対外
不
均衡
の着実な
改善
を目指して
市場アクセス
の
改善等
を図るとともに、
ウルグアイ・ラウンド交渉
の成功に向けて一層の
貢献
を行ってまいります。また、
政府開発援助
の第四次
中期目標
に基づき、
経済協力
の拡充と効果的な
推進
を図ってまいります。 第三の柱は、
物価
の
安定基調
を維持していくことであります。 最近の
物価
の
動向
を見ますと、昨年九月以降、
石抽価格
の
上昇
の
影響
が見られたものの、総じて
物価
は
安定基調
にあります。
平成
三年度についても、
物価
は引き続き安定的に推移し、
消費者物価
は二・四パーセント
程度
の
上昇
となるものと見込まれます。 今後とも、
原油価格
、
為替レート
、
労働力需給等
の
動向
を十分注視しつつ、
物価
の安定に最善の努力を尽くしてまいる
所存
であります。 また、
内外価格差
問題につきましては、
政府
・
与党内外価格差対策推進本部
の決定に従い、着実に
施策
が実施されておりますが、今後とも
内外価格差
の
是正
、
縮小
のため各般の
施策
を
推進
してまいる
所存
であります。 第四の柱は、
地価
の
適正化
、
労働
時間の
短縮等国民生活
に関連する分野を重視し、
消費者
の視点に十分配慮しつつ、
経済構造調整
を積極的に進めていくことであります。
土地対策
につきましては、
土地基本法
の理念のもとに、
地価
の
適正化
を図るため、
大都市地域
における
住宅宅地供給
の
促進
、
土地税制
の総合的な
見直し等
を速やかに実行してまいります。
社会資本
の
整備
につきましては、昨年取りまとめた「
公共投資基本計画
」を指針として、二十一世紀に向け着実に
社会資本整備
の
充実
が図られるよう適切に
対応
してまいる
所存
であります。
労働
時間の
短縮
につきましては、週四十四時間
労働制等
を踏まえた
完全週休
二日制の
普及
、
連続休暇
の
普及拡大等
に努めてまいります。
消費者行政
につきましては、
国際化
、
情報化
、
サービス化
、
高齢化
の
進展
など、
消費者
を取り巻く
環境
の変化に適切に
対応
しつつ、引き続き積極的に取り組んでまいります。なお、
製造物責任制度
については、
国際化
の
進展
に
対応
した
制度
の調 和を図る
観点
からも、総合的な
検討
が必要と考えており、
国民生活審議会
に専門的に審議する場を設け、早急に
具体的検討
を進めてまいる
所存
であります。 また、現下の
国際石油情勢
、中長期的な
エネルギー需給
の
動向
並びに地球
環境
問題や
廃棄物処理問題等
の
課題
に
対応
するため、省資源・
省エネルギー対策
を積極的に
推進
してまいります。 以上、今後の
経済運営
の
課題
と方向について
所信
を申し述べました。 なお、中長期的な
経済運営
については、現在、
昭和
六十三年に決定された
経済計画
「
世界
とともに生きる
日本
」に沿って諸般の
施策
を進めているところでありますが、さらに長期間にわたって
我が国経済社会
が進むべき道筋を視野に入れて
経済運営
を行っていくとの
観点
から、
経済審議会
二〇一〇年
委員会
において、
我が国経済
とこれを取り巻く
国際環境等
についての
長期展望作業
を進めております。 私は、激動する今日の
世界情勢
の中にあって、
経済運営
に誤りなきを期し、
国際社会
の持続的な
発展
のために価値ある
貢献
を行うとともに、豊かで潤いのある
経済社会
の
形成
を目指して努力してまいります。
委員長
初め本
委員会
の皆様の御支援と御
協力
を切にお願い申し上げる次第であります。ありがとうございました。(拍手)
村山富市
3
○
村山委員長
次に、
平成
二年度における
公正取引委員会
の
物価対策関係業務
について、
梅澤公正取引委員会委員長
から
説明
を聴取いたします。
梅澤公正取引委員会委員長
。
梅澤節男
4
○
梅澤政府委員
平成
二年における
公正取引委員会
の
業務
につきまして、その
概略
を御
説明
申し上げます。 まず、
独占禁止法
の
違反事件
の
処理
につきましては、
価格カルテル等
十七件について審決により
違反行為
の
排除処置
を命じたほか、六十三件の警告を行いました。さらに、七件の
価格カルテル事件
について、
総額
八億九千百六十五万円の
課徴金
の納付を命じました。
内外
からさまざまな指摘のある
流通
・
取引慣行等
の問題につきましては、
我が国市場
の
効率性
、
開放性
を一層高め、
一般消費者
の利益を
確保
するという
観点
から、
競争政策
上の評価及び
対応
について
検討
を行いました。また、この
作業
と関連して、
外資系企業
の
日本市場
への参入に関する
実態調査
、
欧米ブランド輸入品
の
実態調査
、
内外価格差
に関する
流通実態調査等
を行いました。 今後は、これらの
検討
結果を踏まえ、
ガイドライン
の
作成等
を行っていくこととしております。
ガイドライン
につきましては、
輸入
総
代理店契約等
に関する
ガイドライン
及び
流通
・
取引慣行
に関する
ガイドライン
の原案を開示し、広く国
内外
の意見を求めているところであり、
平成
三年度の早い時期を目途に
作成
、公表することを
予定
いたしております。
価格
の
同調的引き上げ
に関する
報告徴収
につきましては、
平成
二年中にビールについて
価格引き上げ理由
の
報告
を求め、その
概要
を
国会
に御
報告
申し上げました。
政府規制
及び
独占禁止法適用除外制度
につきましては、引き続き、その
見直し
について
検討
を行ってまいります。 また、
景品表示法
の運用により、
消費者
の適正な
商品選択
が妨げられることのないよう過大な
景品類
の提供及び
不当表示
の
排除
に努めました。このうち、
平成
二年中に十六件について
排除命令
を行ったほか、七百八十八件について
是正措置
を講じました。 以上、簡単でございますが、
業務
の
概略
につきまして御
説明
申し上げました。 なお、
独占禁止法違反行為
に対する
抑止力
を強化するため、今
通常国会
におきまして
政府提案
に係る
課徴金
の
引き上げ
に関する
独占禁止法
の改正が実現するよう切に期待いたしております。 今後ともよろしく御指導のほど、お願い申し上げます。
村山富市
5
○
村山委員長
次に、
平成
三年度の
物価対策関係経費
の
概要
について、
田中物価局長
から
説明
を聴取いたします。
田中物価局長
。
田中努
6
○
田中
(努)
政府委員
平成
三年度の
物価対策関係経費
と
予算
に関係する
公共料金等
の
会計
の
概要
につき、お
手元
に配付いたしました
資料
に即して御
説明
申し上げます。 まず、お
手元
の
資料
、「
平成
三年度
物価対策関係経費
」でありますが、これは
一般会計
及び
特別会計予算
に計上される
経費
のうち、
物価
の安定に資することとなる
経費
を七
項目
に分類、整理して取りまとめております。
総額
は、
最下欄中央
の
合計欄
でごらんいただきますように、四兆三千五百十八億九千八百万円であります。前年度
予算額
に比べ二千四百七億二千七百万円の増、比率で五・九%の
増加
となっております。 次に、
経費
の
内容
を縦長の
資料
によって順次御
説明
申し上げます。
項目
の第一は、低
生産性部門
の
生産性向上
でありまして、
経費総額
では一兆九千八百四十三億五千百万円となっております。 内訳としては、
農林漁業対策
の面で、
農林漁業者
の
資本装備充実
のための
農林漁業金融費
、農業、林業、
漁業
の
生産基盤
を
整備
するための
生産基盤整備対策費
などが計上されております。また、
中小企業対策関係
では、二ページ中ほど以降にお示ししてありますように、
中小企業金融費
、
小規模事業対策
の
推進経費
などがあります。これらは
生産性
の
向上
、
供給力
の増大を通じ、
物価
安定に寄与するものであります。 第二の
項目
は、三ページの
流通対策
でありまして、
総額
は三百七十九億九千九百万円であります。 具体的には、
野菜価格安定対策経費
、
卸売市場施設整備費
などが計上されておりまして、
流通コスト
の節減に資する
経費
であります。 第三の
項目
は、四ページ冒頭の
労働力
の
流動化促進
でありまして、
経費
の
総額
は五千四十七億四千二百万円であります。
内容
は、
雇用安定等
の
事業
を実施するためのものでありまして、
労働力
の質を高め、
流動化
を図ることを通じて、
物価
の安定に役立つものであります。 第四の
項目
は、
競争条件
の
整備
でありまして、その
総額
は四十億八千六百万円であります。
価格
が公正かつ自由な
競争
を通じて適正に
形成
されるよう、
市場
の
競争条件
を
整備
するための
公正取引委員会
の
経費
がその大部分であります。 第五の
項目
は、
生活必需物資等
の
安定的供給
でありまして、
総額
は六千五百四十八億二千万円であります。
内容
につきましては、
石油安定供給対策費
、ページの一番下にございます
環境衛生施設整備費等
が主な
項目
でありまして、
石油等
の
生活必需物資
、上水道、
公共輸送等
の
生活必需サービス
の
安定的供給確保
のための
経費
であります。 五ページに移りまして、第六の
項目
は、
住宅
及び
地価
の安定でありまして、
総額
は一兆一千六百四十二億円であります。
公営住宅建設事業費
、
住宅金融公庫補給金等経費
などを
内容
としており、
住宅供給
の
促進
と
土地
の
有効利用
を通じ、
住宅
及び
地価
の安定に資することを目的とするものであります。 最後に第七番目の
項目
、その他には、
総額
として十七億円が計上されております。
国民生活安定対策等経済政策推進費
などであります。 次に、
平成
三年度
予算
に関係する
公共料金等
の改定につきまして、お
手元
の一枚紙の
資料
に沿いまして御
説明
申し上げます。 まず、
米麦
の
政府売り渡し価格
につきましては、最近の
需給事情
や大幅な
内外価格差
、二
年産生産者米麦価
の
引き下げ
の効果を
消費者
に還元すること等を考慮して、米については
平均
一・九%の
引き下げ
を、また、麦については
平均
五・一%の
引き下げ
をそれぞれ二月一日より実施しております。 また、
自動車損害賠償責任保険料
につきましては、最近の
収支
の
状況等
を考慮し、
平均
約八%の
引き下げ
を本年四月一日より実施する
予定
となっております。 また、
老人保健制度
につきましては、世代間の公平を図る等の
観点
から、本年七月一日より一部
負担金
を、入院一日四百円から八百円に、外来一月八百円から千円に改定する
予定
となっております。 また、
国立学校入学料
につきましては、
私立学校
との
格差縮小
が求められている
状況等
を勘案し、例えば
大学学部
について、
平成
四年度
入学者
から現在の二十万六千円を二十三万六千九百円に
引き上げ
る
予定
となっております。 以上で
説明
を終わらせていただきます。
村山富市
7
○
村山委員長
次に、
平成
三年度の
消費者行政関係経費
の
概要
について、
加藤国民生活局長
から
説明
を聴取いたします。
加藤国民生活局長
。
加藤雅
8
○
加藤
(雅)
政府委員
平成
三年度の
消費者行政関係経費
について御
説明
申し上げます。 この
経費
は、
平成
三年度の
予算案
から各
省庁
の
消費者行政
にかかわるものを一括して整理したものであります。 お
手元
に縦長な二枚紙の「
平成
三年度
消費者行政関係経費
の
概要
」が配付されていると存じます。これに沿って
概要
を申し上げます。 一枚目は、
消費者行政関係経費
を十二に分類した
項目別
の表であります。左側の欄にはそれぞれの
項目
を掲げておりますが、これはおおむね
消費者保護基本法
の体系に沿ったものであります。 十二の
項目
のうち、
項目
一の危害の防止から
項目
六の
契約
の
適正化
までの
項目
は、主として
事業者活動
を
適正化
することを
内容
とした事項であります。
項目
七の
消費者啓発
以下の
項目
は、
消費者
が自主的、合理的な
消費生活
を営むことを支援する
内容
です。
項目別
の
主要内容
は、表の右側の欄に示したとおりであります。
消費者行政関係経費
を合計いたしますと、表の一番下の欄にありますように百二十一億四千万円となります。前年度の百十二億三千万円に比べますと約九億二千万円、約八%の増となっております。 また、これを
省庁別
に集計したものが二枚目の表であります。 以上、
平成
三年度の
消費者行政関係経費
の
概要
を御
説明
申し上げました。 何とぞよろしくお願い申し上げます。
村山富市
9
○
村山委員長
以上で
説明
は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせをすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十五分散会