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1991-04-18 第120回国会 衆議院 農林水産委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成三年四月十八日(木曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 大原 一三君    理事 金子徳之介君 理事 東   力君    理事 二田 孝治君 理事 穂積 良行君    理事 宮里 松正君 理事 石橋 大吉君    理事 日野 市朗君 理事 藤原 房雄君       石破  茂君    今津  寛君       岩村卯一郎君    岩屋  毅君       上草 義輝君    内海 英男君       北川 正恭君    久野統一郎君       田澤 吉郎君    保利 耕輔君       星野 行男君    真鍋 光広君      松岡 利勝君    三ツ林弥太郎君       三原 朝彦君    御法川英文君       柳沢 伯夫君    有川 清次君       佐々木秀典君    志賀 一夫君       田中 恒利君    竹内  猛君       鉢呂 吉雄君    堀込 征雄君       前島 秀行君    目黒吉之助君       倉田 栄喜君    西中  清君       藤田 スミ君    小平 忠正君       江田 五月君    亀井 久興君  出席国務大臣         農林水産大臣  近藤 元次君  出席政府委員         農林水産大臣官         房長      鶴岡 俊彦君         農林水産省畜産         局長      岩崎 充利君  委員外出席者         参  考  人         (日本中央競馬         会理事長)   渡邊 五郎君         参  考  人         (地方競馬全国         協会会長)   大場 敏彦君         参  考  人         (日本経済新聞         社運動部編集委         員)      小峰  隆君         農林水産委員会         調査室長    西島  勝君     ───────────── 委員の異動 四月十八日  辞任         補欠選任   久間 章生君     三原 朝彦君   中村正三郎君     北川 正恭君   西岡 武夫君     岩屋  毅君   柳沢 伯夫君     真鍋 光広君   元信  堯君     竹内  猛君   阿部 昭吾君     江田 五月君 同日  辞任         補欠選任   岩屋  毅君     西岡 武夫君   北川 正恭君     中村正三郎君   真鍋 光広君     柳沢 伯夫君   三原 朝彦君     久間 章生君   竹内  猛君     元信  堯君   江田 五月君     阿部 昭吾君     ───────────── 本日の会議に付した案件  競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案内閣提出第七八号)      ────◇─────
  2. 大原一三

    大原委員長 これより会議を開きます。  内閣提出競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案審査のため、参考人として日本中央競馬会理事長渡邊五郎君、地方競馬全国協会会長大場敏彦君、日本経済新聞社運動部編集委員小峰隆君、以上三名の方々に御出席をいただき、御意見を承ることにいたしております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、審査参考にいたしたいと存じます。  次に、議事の順序について申し上げます。渡邊参考人大場参考人小峰参考人の順に、お一人十分程度意見をお述べいただき、その後、委員質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。  なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることになっておりますので、御了承願います。また、参考人委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。  それでは、渡邊参考人にお願いいたします。
  3. 渡邊五郎

    渡邊参考人 ただいま御指名をちょうだいいたしました日本中央競馬会理事長渡邊五郎でございます。  衆議院の農林水産委員会におかれましては、かねてから私ども中央競馬に対しまして格別の御配慮を賜っております。心から感謝申し上げ、お礼を申し上げるところでございます。  本日は、当委員会に付託されておりますところの競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案の御審議に関連いたしまして、意見を述べる機会を与えていただきましたことにつきまして、厚くお礼申し上げます。  意見を申し述べます前に、私ども中央競馬概況につきまして若干御紹介させていただきたいと存じます。  競馬会では、平成事業年度、一月から十二月までの暦年でございますが、認可を受けました事業計画に基づきまして三十六回の開催をいたしました。原則として一開催八日間、土曜、日曜の施行でございますが、延べ二百八十八日間の競馬を予定どおり施行したところでございます。  中央競馬の一年間の出走頭数は六千六百八十頭、延べにいたしますと、この出走頭数は三万八千三百九十七頭で、三千三百五十三レースを行ってきたところでございます。  その結果でございますが、勝馬投票券売り上げにつきましては、当初の見込みを上回りまして三兆九百八十四億円余となります。これは対前年比で一二一%となっております。競馬場への入場者も千六十八万七千三百四十四名、これも対前年比では一一六%となっております。  また、場外発売所電話投票で楽しまれる方を合わせますと、中央競馬へ参加されている人員というものを全体的に見ますと、こちらの方も前年比で一一二%となっております。特に最近では女性ファンもふえまして、入場者のおおよそ一割に及んでおります。幅広く国民的な人気を得たレジャーとなってきているのではないかと私ども考えているところでございます。  なお、売り上げ売得金と通称いたしておりますが、三兆九百八十四億円の国庫への納付でございますが、第一国庫納付金といたしまして三千九十八億円、決算後の剰余金からの第二国庫納付金は九百五十四億円となりまして、計四千五十二億円を国庫納付いたしておるところでございます。  御案内のように、日本中央競馬会は、中央競馬施行する団体といたしまして昭和二十九年に設立されたものでございますが、中央競馬は、他の公営競技と異なりまして競走馬という動物を媒体とする競技であります。そうした点におきまして、ファンはもとより馬主調教師騎手厩務員、さらに軽種馬の生産者まで含めた数多くの関係者の円滑な参画が得られて初めて成り立つという大変底辺の広い分野を持った競技でございます。  そして、馬主を初めこれらの関係者の参入につきましては、公正確保観点から、競馬会が行う登録免許あるいは承認といった形での資格審査等を受けております。  平成二年の十二月末現在におきまして、馬主の総数は二千九百四十一名、そのうち法人馬主が三百五十七名となっております。これは五年前に比べますと四百八十七名、約二割の増加になっております。  調教師につきましては現在二百二十二名、また騎手の方は二百八名となっております。調教師騎手の方は、トレーニングセンターを東西に設けまして、そこでの一定期間調教を義務づけるという、いわゆる内厩制度というのをとっております。したがいまして、厩舎数一定でありますところから、馬主さんの人数のように増加はいたしておりません。このほかに、調教助手六百八十九名、厩務員が二千二十三名在籍しております。  以上が概況でございます。  さて、競馬法及び日本中央競馬会法につきましては、競馬会といたしましても施行者立場から所要の改正要望をいたしたいと考えておりました。  先般の農林水産省競馬に関する研究会におきまして、私どもの方からも委員を出させていただきまして四点ばかりの要望をさせていただきました。  一つは、競馬施行上の基本であり、また、最重要課題でありますところの公正の確保、このための措置をとっていただくことでございます。  二つ目は、特別登録料増額競馬場指定等、時代の情勢変化対応した競馬施行条件整備していただくことでございます。  三つ目には、競馬会の増大する業務を適切に処理していくための組織の拡充についてでございます。  四つ目に、剰余金発生状況から見て、これをファン対策等活用していただきたいということにつきまして意見を申し述べてまいったところでございます。  今般の法改正につきましては、この研究会の報告の趣旨を踏まえまして御検討がなされたところでございますが、その内容について私ども要望に関連して申しますならば、まず、競馬の使命であります公正の確保につきまして、今後とも国民の信頼が得られるよう馬主登録要件厳格化を図ること、また、競馬会が行います馬主登録とか調教師騎手免許につきまして、より一層の客観的、中立的な手続をもって公正な審査が行われるような仕組みといたしまして審査会を設置することが盛り込まれております。  また、従来は、剰余金につきましては、その二分の一を国庫納付金として納付し、残りの二分の一はすべて特別積立金として当会において積み立てることにいたしておりましたが、最近の業績を背景といたしまして、特別積立金が相当の水準になりつつある状況の中で、今後は剰余金の一部を活用したファン対策、これは後に述べます特別給付金交付もそうでございますけれども競馬場周辺環境整備厩舎関係者福利厚生等、さらに競馬の目的の一つでもあります畜産振興等競馬会が新たな業務といたしまして行っていくことによりまして、競馬の長期的、安定的な発展基礎固めをすることが可能になるのではないかと受けとめている次第でございます。  特に、剰余金活用の一環としての特別給付金制度についてでございますが、これは当分の間の措置ではありますが、単勝式複勝式について格別配慮をするということになっております。この点はファンから強い要望のあったところでもあります。ファンサービスの向上という観点から、私どもといたしましては、ぜひ実現していただきたいところでございます。  なお、かねてからの懸案でありました特別登録料改定等も行われるよう措置されておりますし、競馬会におきましては、最近の業務量の大幅な増加業務内容が急速な質的変化、高度化していく中にありまして、執行体制整備強化がどうしても必要となってきているところでございます。改正法案では、理事の増員も図っていただくことになっておりますが、これで何とか円滑な事業運営体制確保しまして、一層の業務改善にも努めてまいられると考えている次第でございます。  私ども、この法案を支えといたしまして、業務の適正、厳格な執行にさらに最大限の努力を傾けまして、公正にして内容の充実した、ファンの皆様に喜んでいただけるようなレースを提供いたしまして、さらに勝馬投票券売上収入を通じて国家財政にも寄与していく、こうした役割を果たしてまいりたい、こういう所存でございますので、改正法案を速やかに御決定いただけるよう念願いたしまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)     〔委員長退席穂積委員長代理着席
  4. 穂積良行

    穂積委員長代理 ありがとうございました。  次に、大場参考人にお願いいたします。
  5. 大場敏彦

    大場参考人 地方競馬全国協会会長大場でございます。  私は、地方競馬側を代表する立場から参考人としての意見を申し述べさせていただきたいと思います。また、その機会を与えてくださいましたことに対して、厚く御礼を申し上げる次第でございます。  まず、地方競馬現状でございますが、地方競馬全体の売得金昭和五十五年の七千九百七十三億円をピークとして、その後、毎年減少し、昭和六十年度には五千七百七十六億円まで落ち込み、単年度収支赤字となりました主催者が十二団体もございました。その後、好景気が続いたこともありまして、翌昭和六十一年度から徐々に回復してまいりまして、平成年度には九千四百九十三億円と、これまでの最高の売得金額を記録することができました。しかし、回復度合い主催者によってまちまちでありまして、平成年度におきましても、いまだに累積赤字の解消されていない主催者は四団体ございます。  地方競馬収支率参考までに申し上げますと、平成年度におきましては、二十五主催者の平均で総売得金額の四・九%でございまして、五%未満が十九主催者、五%を超えたのが六主催者でございました。  総体的に収支率が低く、経営が不安定になっている要因として考えられますものは、まず、運営組織全国的に一元化されている中央競馬と異なりまして、地方競馬は、各地方自治体主催者となって別個に施行しているいわばユニット経営の形をとっております。このことから、とかく自己完結型運営に陥りがちであり、各場間の交流等による広域的運営に欠ける点があります。勢い、レース番組編成県域単位の視点からのものが多く、中央競馬のようにクラシック体系中心といたしまして全国的に整備されたレース体系とはかなり異なっております。また、マーケットも原則として県域内、しかもほとんどが競馬場中心でありまして、広い商圏で売る中央競馬と大きな差があります。  場外発売高の全体に占める割合は、中央競馬の場合八〇%を超えるのに対しまして、我が地方競馬は近年急上昇したとはいえ、わずか一八%弱程度であります。  また、施設改善への投資が不十分であり、経営システム情報提供のほか、ファンサービス等の点に欠ける点があると思います。  それでは、今後の地方競馬発展のため必要な措置は何かということでございますが、基本的には、よい環境で、公正でおもしろい競馬ファン に提供するため一層努力することであります。そのためには、まず優秀な経営スタッフ安定的確保が必要であり、また競馬施設環境現代社会にふさわしい快適なものに整備することが必要であります。さらに、中央地方及び地方相互間の交流競走を拡大するとか、地方競馬における競走体系整備し、全国的規模レースを拡大するといった努力が必要であります。  また、競馬場中心発売現状を脱却して、積極的に場外発売の推進を図ることが不可欠であり、このためには各競馬場を有機的に結びつけた相互場外発売等、広域的なネットワークの整備が必要であります。  また、ナイター競馬開催女性騎手レース活用等、特色ある競馬実施する等、地方競馬のイメージアップに資したいと思っております。  このほか、各主催者間の提携を深めて、相協力して積極的な広報活動を展開することも必要であると思っております。  当協会の行っております畜産振興事業につきましては、現在、法に基づき第一号交付金を各主催者から受け入れ、国及び地方公共団体畜産振興に関する方針に則して農業協同組合等団体に補助を行っており、我が国畜産振興に重要な貢献をしているものと考えております。  ところで、今回の別表改正案では、第一号交付金交付金率は低下することとなりますが、近年の好調な経済事情に加え、関係者経営努力をもってすれば売得金の順調な伸びは可能と思われますので、当協会畜産振興事業実施につきましては支障を来さないよう努めたいと思っております。  最後に、今回の制度改正につきまして、総括的に意見を述べさせていただきますと、競馬公正確保のための体制整備競馬収益金有効活用という基本的趣旨には賛成でございます。  また、改正案には、地方競馬発展にとってプラスとなる事項もかなり含まれておりますが、何分、経営基盤の弱い地方競馬は特に中央競馬からの影響を強く受けるという実態にあります。したがいまして、例えば中央競馬がこの改正案にあります特別給付金実施する場合には、地方競馬側におきましても同じように実施せざるを得ないところがかなりあると思われますので、実施要望する競馬場につきましては、原則として承認されることを希望しております。  その他、中央競馬との関係につきましては、日本競馬社会全体の発展のため、両者が共存共栄するよう格別の御指導、御配慮を賜りたいと思います。  以上で、参考人としての陳述を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)     〔穂積委員長代理退席委員長着席
  6. 大原一三

    大原委員長 ありがとうございました。  次に、小峰参考人にお願いいたします。
  7. 小峰隆

    小峰参考人 ただいま御紹介いただきました日本経済新聞社小峰隆でございます。  本日は、当委員会に付託されております競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案の御審議に関連して、私の意見を述べる機会を与えていただきましたことにつきまして、厚く御礼を申し上げます。  意見を述べさせていただく前に、私ども競馬関係マスコミの概要と、マスコミサイドから見ました競馬の現況につきまして若干お話ししたいと思います。  近年は、余暇時間の拡大、可処分所得増加経済の着実な発展などを背景としてレジャーへの志向も高まり、それとともに競馬も大衆化し、健全娯楽として定着しつつあります。  中でも、中央競馬最大のイベントであります日本ダービーともなりますと、スポーツ新聞のみならず一般紙週刊誌等全国マスコミに取り上げられ、報道されております。そして、勝馬投票券を購入し、直接参加するファンは約二百五十万人、テレビ、ラジオの実況放送を聞いている人たちまで入れますと、恐らく一千万人以上が注目する国民的行事となっております。  中央競馬関係するマスコミとしては、私も所属しております東京競馬記者クラブを初め、民放、専門紙など全国で十三の記者クラブがあり、六百名を超える記者取材活動を行っております。  私は、昭和四十年から競馬を担当しておりますけれども、その当時と比べますとマスコミが扱う記事の量は格段に増加し、紙面内容も微に入り細にわたるようになっております。  一方、最近の競馬をめぐる情勢を見ますと、国民各層からの関心の高まりとともに、それに応じて社会における責任も大きくなっていることを感じないわけにはまいりません。かつては、暗く、かつ特殊なイメージをもって受けとめられることの多かった競馬も、今日では施設も立派になり、女性や若い人たちまで大勢参加し、レジャー感覚で楽しめる健全娯楽としてとらえられるような状況になってきております。  しかし、こうした競馬に対する支持の広がりに伴って、競馬場や特に場外発売所は混雑を呈してきており、周辺地域対策を講じなければならないようにも感じています。  ところで、私は、先般の農林水産省での競馬に関する研究会にも参加させていただき、マスコミ、そしてファンの声を代弁する形でいろいろ意見を述べさせていただきました。そこでの議論、答申を踏まえて、今回の改正法案検討がなされたと伺っているわけでございますが、研究会における私の印象としては、中央競馬地方競馬とがおのおの立場を主張し、ファンへの配慮が希薄であったように思います。  その中で特に私どもが主張しましたことは、今日の競馬の好況はファンに大きく支えられたものであり、利益を生めば、ファンへの還元策を積極的に講じてしかるべきではないかということです。  ファンにとっての最大関心事である控除率引き下げにつきましては、研究会でも最も議論を呼んだ問題でしたが、残念ながら意見の一致を見ず、今後の検討課題ということで見送りとなりました。その代案として、特別給付金ということで、剰余金の一部が単勝式複勝式の配当に上乗せされる方策がとられておりますが、率直に申し上げて、私としては甚だ不満が残るものです。  しかしながら、我が国競馬特殊法人日本中央競馬会によって運営される中央競馬と、地方自治体施行する地方競馬という世界でも珍しい二本立ての組織で行われており、これが何かと問題解決を難しくし、それに加えて他の公営競技との調整の難しさといった事情を考えますと、たとえ特別給付金という形の苦心の策であれ、一応ファン還元に道をつけたことは前進ではなかろうかと受けとめております。  ただ、この還元策はあくまでも暫定的なものと解釈しており、今後も引き続き控除率引き下げについて検討がなされることを期待するものです。  そのほか、今回の改正法案につきましては、かねてから競馬法が旧態依然の象徴のように言われておりました特別登録料上限額一万円が、大幅に今回は増額されております。一万円は昭和二十三年に制定された額であり、その後貨幣価値も変わり、賞金も高くなっている状況から見ましても、増額は当然であると思います。また、特別登録料増額によって、とりわけ安易な出馬登録に歯どめをかけられ、それがひいてはファンにより充実したレースを提供する効果を生むことが期待されます。  そして、馬主登録厳正化、それに伴う日本中央競馬会組織整備につきましては、公正な運営確保が何といっても競馬施行の原点であり、また馬主は、競馬構成要員の中で最も重要なポジションを占めているところから、競馬が今後さらに国民的支持を得ていくためには当然の措置と思われます。  これらの改革により、競馬が一層いい形で行われるようになっていくものと受けとめております。  以上、改正法案につきまして、特にファンとかかわりの深い事項につき意見を申し上げましたが、せっかくのこういう機会をいただきましたので、私が日ごろ、我が国競馬について感じていることを少し述べさせていただきます。  昨今、我が国市場開放が国際的問題となっていますが、競馬世界におきましても年々国際化が進み、日本競馬外国人馬主所有馬出走させたいとの要望も強まりつつあります。日本人馬主が欧米で自由に馬を持ち、かつ出走させることが可能なのに、その逆が許されないのでは問題にされてもいたし方ありません。それゆえ、国際化への対応は今後の大きな課題と言えます。  そして、その国際化への対応に先立ってやっておかなければならないことは、国内体制として中央競馬地方競馬の垣根を低くし、交流を活発にして、おのおのの体質の強化を図ることが必要ではなかろうかと考えます。現在、中央競馬地方競馬には売り上げ賞金等格差がつき過ぎております。この格差是正相互が協調し、努力することによって、日本競馬も繁栄の道をたどることができるものと思います。  最後になりますが、長い間改正要望されておりました競馬法及び日本中央競馬会法について、今般改正に取り組まれました農林水産委員会農林水産省に対し、心から敬意を表するものであります。  控除率引き下げ、払戻金の端数切り捨ての見直し、勝馬投票法の種類の増加など、まだ積み残した問題はありますものの、この改正が今後の競馬の一層の発展につながることになるものと考え、私は賛意を表し、早期に成立されることを期待しているものであります。  なお、競馬制度改善は、何も法改正ですべてなせるということではなく、今後とも法令の施行、運用の改善等を含めて、競馬主催者はもちろんのこと、諸先生方並び監督官庁の引き続いての御尽力をお願いしまして、私の意見陳述を終わります。(拍手
  8. 大原一三

    大原委員長 ありがとうございました。  以上で参考人意見の開陳は終わりました。     ─────────────
  9. 大原一三

    大原委員長 これより参考人に対する質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。東力君。
  10. 東力

    ○東(力)委員 きょうは、三人の参考人方々に大変貴重な御意見をそれぞれ専門的な立場から述べていただきまして、大変勉強になりました。まことにありがとうございます。  それでは、与えられた十五分で簡単に御質問させていただきたいと思いますので、御意見をお聞かせ願いたいと思います。順序といたしましては、最初に小峰参考人、そして大場参考人、それで渡邊参考人に、中央に対する要求が多いし、また、法改正中央競馬会ということでありますので、締めくくっていただければありがたいと思います。しかし、きのうも質問いたしましたので、今の御意見、包括的というよりかポイント、ポイントで御質問させていただきたいと思います。  まず、小峰参考人にお聞きしたいことでありますが、先にちょっと質問を並べてしまいますが、第一点は、近年競馬入場者増加していることもあって競馬場及び場外の混雑がひどいが、周辺地域対策にどういう特別の対策を講ずるのが有効かということが第一点です。  それから第二点は、特別登録料昭和二十三年からずっと据え置きだったのを増額いたしますが、それによって競馬施行にどのような効果が期待できるかという点でございます。  それから第三点には、ファンが一番大切であるということでございますが、ファンに対する最大のサービスというのは、マスコミから見ておられてどういうことであろうかということです。  それから第四点は、国際的なこと、実は私もきのう全く同じ意見を述べまして、国際化に対して対応する姿勢というものをつくっていく必要があるのじゃないかということを述べたのですが、これは私、同意見で、よく言っていただきましたということでございますが、三つの点について御意見を聞かせていただきたいと思います。
  11. 小峰隆

    小峰参考人 ただいまの質問にお答えします。  最初の一点ですけれども、確かに最近の競馬ブームとともに、競馬場及び場外発売所は大変な混雑を呈してきておることは確かでございます。競馬の健全な発展ということを考えますと、やはり競馬場及び場外発売所周辺地域対策といいますか、地域住民に対する対策というものは重要ではなかろうかと思います。そのためには、入場制限とかそういった対策を当然講ずるべきだというふうに思います。  それから第二点ですが、特別登録料増額ということですが、現在の一万円ですと単なる手数料というような感じでして、出走意欲、挑戦意欲という点については欠如していると思いますし、登録料の増額によりまして出走させる側の慎重な馬の使い方、それによってとりわけ好調な馬がそろうということで、レースはより一層充実した質の高いレースになるのではなかろうかというふうに思います。  それから三点ですが、ファンへのサービスということですが、ファンサービスというのは、施設改善等もファンサービスには違いがありませんけれども、具体的にファンにとってのサービスというのは、やはり控除率引き下げではなかろうかと思います。ですから、この控除率引き下げにつきましては今後とも検討していただきたいというところです。  それから国際化ですけれども、確かに現在ジャパンカップという我が国で唯一のレースが行われていますが、日本の馬も勝つというケースはありますけれども、それはあくまでも地の利を得たものであって、国際的なレベルからしますと、日本競走馬というものはやや劣る、そういった意味から今後の市場開放、門戸開放に向けてやらなければならないというのは、生産界を含めまして競走馬のレベルアップと強い馬づくりということが第一に必要ではなかろうかと思います。  以上です。
  12. 東力

    ○東(力)委員 どうもありがとうございました。  それでは次に、大場参考人にお聞きしたいのですが、私も、地方競馬が安定することが我が国競馬発展に不可欠な要件であると思いますし、ぜひ効果的に振興させていただきたいと思うのです。  そして大場参考人からは、よい環境でおもしろい競馬をというような話、さらには交流競走の拡大や場外発売の広域化というか、県域に限られているのでなかなかできない、そういうことから、振興のためにもう少し拡大政策をとりたいというようなこと。それから、中央競馬からどうしても交流とか支援をしていただきたい、その中で振興資金ですか、そういう資金を使うときに、主催者特別給付金を使うときに、主催者を尊重するようにというのは県知事さんたちのことを言うのかどうか。  いずれにいたしましても、私の質問はそれに関連いたしまして、一つはちょっと外れるのですが、二十五主催者ということを言われましたが、さらに広がっていく、地方開発とかそういうために使えるような情勢にあるのかどうか、そういう気持ちがあるのかどうか、地方競馬場をもう少しふやして、それが一番基本的な、この法律改正に直接関係ないのですが、地方にどういうような役割を占めるかという観点から非常に興味があるのです、地方競馬場、あるところとないところとあると思うのですが。  それから第二点は、これに入ってきますけれども、要は中央競馬との共存共栄、それでも助けてもらうことが多いかもしれない、具体的にはどういうようなことを持ってきてほしいのか。それから、交流競走を拡大しておもしろくしようとか、あるいは場内、場外の発売等で売り上げをふやしていこうということを言われたのですが、さらに、例えば今おもしろい馬が走るのかどうかとい うようなことで制約がないのかどうか。これは質問ですね。  それからもう一つの質問は、マスコミ等を通じて、もっとテレビやハイビジョンやそういうことを通じてやっていくような方法を考えているかどうか。県単位からブロック単位、さらには全国単位ですね。そして場外馬券の発売等でも拡大するということになれば、これは中央のところで聞こうと思ったのですが、きのうの日経新聞にも、パソコンを活用してマイホームで競馬ができるというようなことが書いてありますが、そこまで考えていくような話なのかどうかということについて聞かしていただければと思います。  複雑になりましたのでちょっと要約しますが、一つは、中央からどういうことを、期待できる具体的なものがあるのかどうか。それから主催者というのは県知事さんのことかということ、つまり地域開発と整合性を持ったものになっていくのかどうかということの確認。それから拡販していく、拡大していく、振興していく過程で、パソコン等を利用した場外馬券の拡大というところまで考えているのかどうか。さらには、マスコミ等を活用してもっともっとファンに宣伝もし、喜んでもらえるようにしていく道も考えているのかどうか。さらには、もっと全国地域まで伸ばしていったらいいと思うのかどうか。このようなことについて御意見を聞かしていただければありがたいと思います。
  13. 大場敏彦

    大場参考人 先ほどもちよっと意見を申し上げたのですけれども、これからの地方競馬の方向というのは、限られた範囲内で競馬場競馬をやる、あるいは限られたマーケットで馬券を売るということではなくて、できるだけ広域的な競馬運営、広域的なマーケットを対象にしたい、こういうことだろうと思うのです。  そういう意味で、中央競馬の方にいろいろ御援助をお願いしているわけでありますけれども、例えば地方同士はもちろん交流いたしますけれども中央地方との交流を盛んにしていただきたい。殊に地方騎手は技量は決して中央に劣っていないのですけれども、あの中央の広いひのき舞台で活躍する機会をもっとふやしていただきたい、かように思っております。  それから、今回新たに特別振興資金制度というものがつくられるわけでありますが、でき得ればその制度を活用いたしまして、不幸にして我が地方競馬は、これは自分の方の責任でもあるわけでありますけれども施設整備の立ちおくれが目立つわけでありますから、そういう方面での御援助、あるいは具体的な物的施設だけではなしに、いろいろなノーハウの点について御援助を願えればありがたい、かように思っております。  それから広域発売ということを申し上げましたけれども、そのときに新しく場外発売所をつくるということはかなり困難を伴う問題でございますから、でき得れば我が方としては、地方の現在存在している競馬場活用するという方法はとりますけれども、同時に、中央で既につくっております場外発売所で、中央競馬業務に支障がない限りにおいてはそれを活用さしていただければありがたいな、こういうふうに思っております。  それから、各地方公共団体主催者になって競馬が行われておりますけれども、それをできるだけ有機的に結びつけて、でき得れば、将来の目標としては、全国的なネットワークにまで持っていきたいと思っておりますが、当面は、結びつきの比較的、馬の交流が割合進んでいるそういう県と県とを結びつけまして、人馬の相互交流というものを進めていく、それに照応して場外馬券というものも同時にお互いに売り合う、こういう体制を進めようと思っております。現実には、かなりの競馬場でそういう制度を始めております。部分的ではありますけれども始めておりますが、それで相当の効果も出ております。今後さらにそれを進めてまいりたいということで、各県域内競馬を行っている現在のシステムとは決して矛盾しないで、それを乗り越えてお互いに活用し合うという制度は可能であろう、かように思っておるわけであります。  それから、競馬場を今後どんどんふやすのか、こういう御懸念があったかと思いますけれども、そういうつもりは毛頭ございません。それから、どんどん無制限に場外発売所をふやすというようなつもりもございませんで、どちらかといえば現在あるところを重点的に活用するというところを基礎にしていきたい。もちろん専用場外というものが、地元からお許しがあれば、それは地元の了解を得た上でつくっていきたいとは思っておりますけれども基本的にはそのように考えておるわけであります。  それから、全国的なネットワークを形成する、全国的な販売網をつくるというのは理想ではございますけれども、そう一遍に飛躍するわけにはいきませんので、一歩一歩、バイ・ステップで県間交流ということ。それからその次には、遠隔地の競馬場競馬場をつなぎ合わせる、そういったことをやっていきたいと思っております。そういったことのためには、御指摘がありましたように、いろいろ情報の伝達ということが必要でございますので、それがまた地方競馬にとっては、残念ながら一番欠けている点でありますので、その点につきましては一生懸命努力したい、かように思っております。  それから、在宅でパソコン等を使ってやるというところまでは、現在の発想は地方競馬サイドではまだ持っておりません。
  14. 東力

    ○東(力)委員 時間が非常になくなってまいりましたので、渡邊参考人一つ、二つ。あともう少し委員長に時間を許していただけるなら小峰参考人に、中央地方に対して、二つやっているのは珍しいと言われたのですが、どういうことをしてあげてほしいかということも後で述べていただければありがたいと思うのです。  渡邊参考人に対する御質問は、「パソコンでホーム競馬」というのがきのうの日経新聞に載っておりまして、大いにハイテクを使用して、そしてそれは健全な娯楽として、地方競馬場に来れない何らかの理由があって、そういう人たちに浸透して、そして売り上げを増していく、そういうことにおいてまことに結構だということはきのうも申し上げたのですが、その記事を読んでおりまして、「三十万円が上限」と書いておりますが、ここまでいっちゃうと、国民すべてがかけとかそういうのに酔ってしまうような不健全なことにならないようにということとか、青少年が悪用しないように、この点はぜひ注意をしていただきたいと思います。  私のお願いは、きのうゴルバチョフ大統領が来られて、地球の環境問題というのを大国はみんな守っていかなければいけないという話をしておりまして、そのとおりだと思ったのです。大それたことを言うようですけれども競馬会も、人馬一体で動物を媒体としてやっている娯楽でありまして、周辺のファンとか馬の生産者とか従業員の方を見るのも結構でありますが、動物愛護とか自然保護とか地球環境を守るという面でも何かいろいろ貢献していく道を考えていただいたらなということを感じたわけです。  それから、お願いは、一番基本的なテーマになるのですが、中央競馬ですね、地方競馬も抱えて、全体として健全な発展をしていくようにひとつ心がけて、そういう大きい気持ちでやっていただければということをお願いいたしたいと思います。
  15. 渡邊五郎

    渡邊参考人 お話のございました、競馬会自体が、いろいろ環境その他各種の問題にも社会還元といいますか、社会的な役割を果たすべきではないかというお話でございます。  今回の法改正におきまして、畜産に資するというような業務、これに対して私どももお手伝いできるような分野がかなり広目になってまいりますので、そうした分野にできるだけ御期待に沿うようにいたしたいと存じます。  それから、地方競馬との関係でございますが、決して私ども中央競馬だけが発展すればよろしいというようなことではございませんので、これまでも競馬場の利用なり相乗りの場外とかいろいろ なことで御協力関係にあるわけでございます。  特に、今回の法改正において、地方中央競馬がそれぞれの特色を生かして共存共栄していくという前提のもとに、両者で協議して、これからの繁栄を図っていくということにいたしておりますし、当委員会でも特別振興資金の活用等の問題も出ております。こうした点について私どもも十分お役に立つように、お互いに共存共栄できるように努力いたしたいと考えております。
  16. 東力

    ○東(力)委員 小峰さんはできないのですか。
  17. 大原一三

    大原委員長 もう時間がありませんので、よろしくお願いします。
  18. 東力

    ○東(力)委員 ありがとうございました。
  19. 大原一三

  20. 佐々木秀典

    ○佐々木委員 参考人の皆さんには、本日はわざわざおいでをいただきまして本当にありがとうございます。特に、渡邊参考人大場参考人は昨日の質問以来でございまして、きのうも本当に御丁寧に御答弁いただいたことを感謝しております。  昨日もいろいろお伺いをさせていただきましたので、ほぼお答えは出ているのですけれども、念のために、きのうも私は地方競馬中心にしていろいろお伺いをさせていただきました。何といっても、日本競馬全体の発展のためには、中央競馬の方がどうしても何かにつけて話題になったり目につくわけです。しかし、地方競馬関係者は非常に多いわけでありまして、また入場者の点も、先ほどもお話があったようですけれども、やはり地方競馬があって中央競馬がある。二本立てでという、小峰参考人のおっしゃるように世界でも類例のないような特別な形態をとっているわけです。しかし、中央競馬発展地方競馬発展と別個には考えられない。それだけ広いすそ野の上に中央競馬の隆昌もあるのだというふうに考えますと、地方競馬中央競馬とのこれからの相互援助、協力、特に中央競馬からの地方競馬に対する支援というのは非常に大きなものになってくるだろう、こんなふうに思っております。  それについてもお話がございましたが、一つ競馬売り上げのアップ、ファン層の拡大などから考えた場合に、場外の重要性というものが参考人からも御指摘がありました。ただ、場外設置については従来も、新たに設置する場合にはその周辺の住民とのいざこざなどがあったことも実際あるわけですし、それからまた、自治体で行う場合には、議会の承認について得られるかどうかというようなこともございます。  私のところは北海道の旭川市ですけれども、これもレーシングセンターという名前で、かつてボウリング場でありましたのが、ボウリングが廃れた時期に廃屋になっていたものをその所有者から借り上げて、これはにっかつなのですが、そこから市が借り上げて競馬組合がやっておるというような状況です。これは繁華街にも非常に近いところなのですが、今のところ運営上余り支障はないようです。ただ、私ども見ておりまして、やはり何となくちょっと雰囲気が違う、本場の方はこのごろ非常に施設改善され、環境整備されて、それこそ女性ファンども多くなって、子供連れの家族が気軽にピクニックがてら行くというような雰囲気が出てきているというのは大変結構なことだと思うのですが、場外となると、やはり競馬のことを相当知っていて、馬券を買おうというような人たち入場者も限定されているのじゃなかろうか。もっと一般的な人もちょっとのぞいてみて、行ってみて、それで楽しかったよというような雰囲気あるいは明るい雰囲気というのが必要なんじゃないか。警備員も多くてうろうろして、また入る人の雰囲気その他も何となく違う、あるいは周辺の駐車場の整備もできておらないというようなことでは何となくやはり問題が出てくると思うのですが、この場外設置について、周辺の住民から不満ですとかクレームだとか、今までもついたことがあったりしたと思いますが、どんな点が一番問題になっていたか。それに対しては、場外の設置、運営についてどんな配慮をされておられるのか、努力をされておるのか。これを中央競馬会、地方競馬、まず大場さんの方からお答えをいただきましょう。
  21. 大場敏彦

    大場参考人 各地で最近、地方競馬サイドでも場外発売所をつくらせていただいております。おりますが、比較的そう大きな問題は、いろいろ具体的にはありますけれども、大きな問題は出ていないように了解をしております。もちろん、それは問題があればつくれないということでありますから、当然でございます。  それから、地元の方々の御意見として心配されておられる点は、やはり発売所そのものよりも、競馬というものに対するどうも我々の説明不足がかなり影響しているのじゃないか。やはり競馬ということになるとすぐ、生活が破綻するとか、あるいはそういったものには世間の特別な人たちが集まって、また場外発売所をつくれば周辺の環境が非常に悪化する、教育面あるいは社会生活面でいろいろな問題が惹起されるのじゃないか、こういう御心配があるのじゃないかと思うのです。そういう意味での消極的な御意見が強いというふうに理解しております。  それから、それ以外では、例えば車等で来られる方によって交通渋滞が起きる、そういった苦情もいろいろ承っている、こういう状況でございます。
  22. 渡邊五郎

    渡邊参考人 場外の問題につきましては、いろいろ設置に当たってのことはさておきまして、現実に設置された後の状況におきましては、やはり周辺の方々が非常に心配される点は、御指摘ありますけれども、現実に場外発売所をめぐりまして大きな問題を地域の方からお話があることは、私ども今のところ承知しておりませんが、かつては非常に投票券が散らばるとか非常に周辺を汚すというような問題がございましたが、ユニット馬券になってからその点も大分変わってきておると思いますし、私ども、清掃の方にも気をつけておるつもりでございます。  ただ、御指摘のように、非常に現在車社会といいますか、車の利用の方が多いために非常に不法駐車等のクレームはあるかと思います。こうした点についての問題と、それから特定のレースの日、例えばダービー、有馬記念のようなときに場外が非常に行列で時間がかかるというような問題もございます。こういうような問題もございますので、私ども、条件が許すならば場外をさらに設置させていただきたいとは思いますけれども、ただ最近の状況等を、やはりこれからの場外については、昨日も大臣から新しい考えで検討するようにというようなお話もございました。そういう点も踏まえて、皆さんに御不便をかけないように、また地域社会との問題をできるだけ少なくしていくように努めてまいりたいと思っております。
  23. 佐々木秀典

    ○佐々木委員 どうもありがとうございました。  それから、昨日もお尋ねをいたしまして、畜産局長からも御答弁があったのですけれどもファン層の拡大との関連で馬券の購入制限の問題が、学生生徒という項目ですね、これは他の公営競技との関連もあるというお話なんですけれども、一概に学生生徒というような定義づけが、これがまたはっきりしていないこともあって、年齢との関係などからいったら一体どうなるのだろうか。パチンコなどはむしろ、十八歳末満は入っちゃいけないというような表示があるわけですけれども、学生の中には、社会人であって定時制の学生もあるわけですから、むしろこの辺のところは、ほかとの兼ね合いがあるにしても、十八歳末満はいけないというようなことにした方がよろしいのではないかと思ったりするのですけれども、この辺については小峰参考人にお尋ねをいたしましょうか。
  24. 小峰隆

    小峰参考人 確かに私もその意見には賛成でして、学生生徒というふうにうたってありますけれども、十八歳がいいのか二十歳がいいのか。私の持論としては、今の規定を改正するなら、二十歳未満はお断り、つまり二十歳というのはいわば成人式を迎える年でもありますし、酒もいいということで、一人の大人として認知されたといった意味からいきまして、私は、二十歳未満はお断りといった規定が好ましいのではなかろうかと思って おります。
  25. 佐々木秀典

    ○佐々木委員 ありがとうございました。  こういう規定を置くということは、これは公営競技全般についてもそうなんだろうと思うのですが、大義名分としては、国の財政に寄与する、それから健全な国民レジャーとしての位置づけというものを言いながら、本質は、これはやはりギャンブルなものだから、そういうギャンブルに積極的に参加をみんなに求めるということは後ろめたい、そういうような思いというのがどうも後ろにしっぽみたいにくっついているせいではないかと思うのですね。ところが一方では、参考人もお話しのように、それからまた大臣もお話しのように、イメージというのは全然変わってきちゃっているんだということがある、これを強調されているわけですから、そうだとすると、この辺の対応というのももう少し実情に合ったものにさせていっていいのではないだろうか。実際、大学などには競馬ファンクラブも相当あるだろうと思いますし、研究会どもあるようにも聞いておったりするわけですね。そんなことを考えると、天皇賞などというのもあって、レース全体も非常にイメージアップを図っている、権威づけもしているというようなことになっているわけですから、きのう西中委員の御質問では、この点についての規制というのはそう簡単にはというようなお話もあったようですけれども、その辺を前向きに検討していただいたらどうかな。他の公営競技とのすり合わせもあるでしょう。だけれども、特に競馬のイメージとの関係では、それがまたファン層を拡大することにもつながるのではないだろうか。つまり、要するに後ろめたさのない、それこそ大衆レジャーなんだという点をどうやってアップしていくかという問題につながるだろうと思うのですね。そういう点でお伺いをしたわけです。  時間がだんだんありませんけれども一つ地方競馬、先ほど大場参考人からもお話がありました、もちろん中央競馬からの支援それから協力体制は必要ですけれども、やはり地方競馬はそれぞれ開催者が異なるということもあって難しいには違いないけれども地方競馬としての隆昌のためには自助努力というものがどうしても必要になってくるんじゃないだろうかと思うわけですね。この点で、特にこんな点に留意をしてやっていますということがありましたら、さっき女性ジョッキーの話などもありましたけれども、何か先ほどのお話以外に考えておられることがありましたら簡単にお願いをしたいと思います。
  26. 大場敏彦

    大場参考人 地方競馬地方競馬の独自性を発揮していきたいということで先ほど申し上げましたが、我々が一番悩んでおりますことは、率直に申し上げますと、経営スタッフがよくかわってしまう、地方公共団体の人事一般の一環として二年ないし三年ごとに経営スタッフがかわってしまって、また初めからやり直しというケースが間々あるというところでございます。それを、何かうまい方法はないだろうかと今探求している。我が地方競馬全国協会といたしましては、人事交流をできるだけ安定的に長くやってもらいたいという希望はいたしますけれども、ある程度それごと前提にして考えなければいけないというケースもありますので、そういった方々競馬に対する訓練教育、口幅ったいようでありますけれども、そういうことに今後努力をしていきたいと思っております。  それから、地全脇の会長といたしましては、殊に地方競馬の担当者が一生懸命競馬振興しようという努力をしているのは非常にありがたく思っているわけですが、知事部局、首脳部の方でとかく理解がないとなかなか苦しい、こういう問題がありますので、金をただ一般財政で受け取るだけじゃなしに、地方競馬に対する理解も賜ればありがたいな、かように思っております。
  27. 佐々木秀典

    ○佐々木委員 それでは最後に、これは小峰参考人にお尋ねをして終わりたいと思いますけれども、今度のこの法改正は何といっても三十年ぶりということで、かなり大幅な改正にはなっていると思われますけれども、これで全部いろいろな問題が解消されるとは思わないわけですね。どうしてもこれから運営がどうなっていくか、特に省令によって、政令によって委任されるところが随分大きいわけですけれども、私どもとしては、これはやはり三年なり五年たった時期にこの運用の実が上がっているかどうか点検する必要があるのではなかろうかと考えておるのですけれども、その辺についてはいかがですか。
  28. 小峰隆

    小峰参考人 研究会でもいろいろ法改正に向かって提案しましたけれども、実際出てきたものにつきましては大変不満が残る。ただ私たちとしましては、競馬法改正というのは、私も競馬を担当しておりまして、非常にタブーとされていたものが、三十年、あるいはあるものにとっては昭和二十三年以来の改正ですから、一つの大きな山が少し動いたといった感じで、これについては大変私自身も評価していますし、ただ内容的にどうかということであれば、今後さらに検討を加えていく問題は多々あると思います。ですから、引き続いてそういった検討をお願いしたい次第です。
  29. 佐々木秀典

    ○佐々木委員 わかりました。ありがとうございました。  以上で終わります。参考人の皆さん、どうもありがとうございました。御苦労さまでした。
  30. 大原一三

    大原委員長 西中清君。
  31. 西中清

    ○西中委員 きょうは大変お忙しい中をこうして参考人として御出席を賜りまして、本当にありがとうございます。  今回の改正をそれなりの評価をしていらっしゃることは、先ほど来のお話で大体理解をいたしたところでございます。  私は、今のブームともいうべき競馬の盛況、非常に結構だと思いますけれども、昨日の質疑でも私の考えを申しておったのですが、今日までの競馬の役割というものは、地方や国の財政のため、それから畜産振興のため、馬産振興のため、こういったことが真っ正面にあったのではないかと思っております。しかし、今の状況を見てまいりますと、競馬そのものはそれらのためのみにあっていいのではなくて、ファンのための競馬なんだ、その視点に今立たないことには、将来展望の上ではやはり問題が起こってくるのではないかな、こういう思いを強くいたしております。その意味では、改正案の一条等におきまして位置づけをもう少し明確にすべきではなかったかということを私は今思っておるのです。同じく中央競馬会の定款でもそれに準じた表現がなされておりまして、もうひとつそういうかつての競馬と今の競馬の違いというものが表現されておらないといいますか、規定されておらないというところは残念だった。まあ定款を変えるという意味じゃないですけれども、思想的にそういうものを関係者がお持ちになることが今極めて重要ではなかろうか、こういうふうに私は思っております。そういう点について強い意識をお持ちであれば、そのお気持ちをお聞かせをいただきたい。お三方から御意見を伺いたいと思います。
  32. 渡邊五郎

    渡邊参考人 私ども中央競馬主催者としては、まさに先生おっしゃるようにファン、特に最近広範に拡大されておりますファンに対する対策というものを施行上は最重点事項として考えておりまして、その結果として国庫への協力あるいは畜産振興への御協力ということがある、こう考えております。
  33. 大場敏彦

    大場参考人 先生御指摘のように競馬には幾つかの目的があるわけですけれども、その中で、沿革的にいって、地方競馬あるいは中央競馬を問わず、財政への寄与の問題あるいは畜産振興等へ密接に結びついてきたという問題がありまして、それが前面にかなり出ているという傾向がございますけれども、同時に、最近の傾向として健全なレジャーを提供するという使命、目的が強く付加されてきている、なおさらそれが強く出てきているという感じは持っております。そういう意味で、レジャーを提供するという使命を強くアピールするという必要があるのではないか、かように思っております。
  34. 小峰隆

    小峰参考人 競馬の目的の中に確かに、財政に 寄与する、それから畜産振興、そういったものはありますけれども、最近のように競馬が大衆化してきますと、ファンにとっては競馬が健全なレジャーであるとともにストレスの解消の一つであるといった面があろうかと思います。それだけファンに対する配慮というものがなされていいのではなかろうかなと思います。
  35. 西中清

    ○西中委員 その意味において私は、ファンサービスの問題を中心にお聞きいたしたいと思います。  これは渡邊参考人に対する質問になると思いますが、一つは、当たり馬券、特に重賞レース等におきましてはどうしてもその当たり馬券を自分で保管したいということをおっしゃる方が出てきておるのです。払い戻しちゃうと、そのまま競馬会の方で二年間保存されるという義務がありますから、戻してもらうわけにはいかない。これに対して何らかの工夫をして、この当たり馬券を自分はこのとき買ったんだということが残るような方法を考えられないか、これが一点。それから馬名入りの投票券を買いたいという御意見もあるわけです。この辺のところはどうでしょうか、何とかならぬでしょうか。
  36. 渡邊五郎

    渡邊参考人 お答えいたします。  馬名入りの投票券につきましては、単複の投票券につきまして、ファンからの御要望もございまして本年秋から馬名入りの単複投票券をお売りするように今準備しておるところでございます。なお、これにつきましては、やはり残しておきたいというような御希望は特に聞いておりますので、こうした的中券のコピーサービスということもただいま私どもの内部で検討しておりまして、できるだけ早く、これに合わせて導入するようにいたしたいと考えております。
  37. 西中清

    ○西中委員 同じく渡邊参考人にお伺いしますが、払い戻し機械に支払い明細書を添付されるというようなことはできないのか。要するに機械を相手に払い戻しをするわけですが、一枚一枚やられると小銭が物すごく、ポケットにいっぱいになっちゃうという問題であるとか、それからこの券は間違っていないのかという心配を持って操作をされる。間違っていると物すごい勢いで返ってくるという話も聞いておりまして、機械ももう少しソフトにできないのかとか、こういう話がございます。いずれにしても、機械というのを人間は一〇〇%信頼しないという、そういう心理的なものがございますから、間違っておってもなにしても、支払い明細がぴしっと出てくるという形にするということはやはりファンサービスの上でも意味があると思います。  それから、馬券販売のマークシート方式ですが、これは私も見ましたけれども、非常に細かくて見にくくて、しかも今日まで競馬を支えてこられた高齢なファンの方にはちょっとなじみにくいものでございまして、これを何とか改善する必要があるのではないかなというふうに思いますが、いかがなものか、お伺いをいたしたいと思います。
  38. 渡邊五郎

    渡邊参考人 マークシートの方からお答えいたします。  このマークシート方式、現在順次導入を図っておるわけでございます。競馬会としては、一枠一頭制をこの秋から実施しようとしております。そうしますと、最高百五十三通りの連勝になりますので、やはりこれは従来の方式では対応できないということで、マークシートによります方式を積極的に導入いたしております。かたがたこれによりましてかなり混雑緩和もできるということで目下しております。  ただ、おっしゃるような御年配の方で必ずしもこうした点に直ちに適応しがたい方もいらっしゃることも承知しておりますし、また、それについての苦情なりも私ども承知しております。そこで、一部の窓口については、マークシート方式を利用しなくても対応できるように措置いたしておるところでございます。  それから、最初にお話のありましたのは恐らく自動払い戻しに対するレシートか何かそういうような形での確認のことかと思うのでございますが、この点は、大変恐縮でございますけれども、払い戻し業務というのはお客さんが多く寄るところでございまして、これにレシートをあわせてやるということになりますと時間がかかるという問題もございます。先ほど申しました的中券のコピーなりなんなりで御対応できないかどうかというふうにも考えておりますが、なお研究させていただきたいと存じます。
  39. 西中清

    ○西中委員 それから、テレビ放送は、現在JRAがスポンサーになられて放送がなされておりますが、ただ、放送地域が非常に偏りがある。日本中央競馬会ですから、やはり日本じゅう大体同じようなサービスを提供することがまた一つの大事な役割ではなかろうかと思うのですね。したがって、これを解消する。これは場外馬券発売所もそうなんですね。それから、電話投票制度もやはり同じように偏りがあるのですね。しかし、例えば四国地方には競馬ファンが一人もおらぬというわけはないのですから、やはりこれはきちっとどこも同じような情報提供が行われるということが望ましいのではないかと思うのです。この点を改善するお気持ちが中央競馬会にあるのか、同時に、小峰参考人はこの辺のところをどうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
  40. 渡邊五郎

    渡邊参考人 先生御指摘のように、中央競馬全国各地にかなり多くのファンがおりますので、全国的な放送をできるだけ心がけてまいらなきゃならないと思います。場外の問題あるいは電話投票につきましても、特に電話投票全国的に対応しているつもりでございますが、さらに御指摘の点は努力してまいりたいと思います。
  41. 小峰隆

    小峰参考人 全国にテレビ放送したらどうかということなのですが、確かに最近は全国発売レースも大変多くなっております。それと、場外の売り上げが約八割ですから、当然そういったファンサービスの一環としましても、どこにいてもテレビ中継が見られる、そういった情報提供、情報のサービスというものは当然必要であると思います。
  42. 西中清

    ○西中委員 それから、周辺地域に対するさまざまな環境の問題がございます。これは一つの例ですけれども、私は京都競馬場の近くなんです。淀地域ですが、あの辺は例の猛烈な地価の暴騰のときでも、あそこだけは上がり方が極めて鈍いという状況があったぐらい余り人気のない地域になっている、それはやはり競馬場があるからなんだという認識、これは固定いたしておりますね。要するに、きちっと整理されておるということは、私は見ておりましてもわかるのです。警備員の方が大勢立たれている。しかし、ゲリラ的に車を置いていく人とか結構あるようでして、その辺のところを一段と努力をいただきたいな、こういうように思っております。  それからもう一つは、先ほども問題になりましたけれども、未成年、学生生徒、法律では禁じておるのですが、これは法律でどうこうできるというものではないと私は思いますし、また警察がこれを補導するというようなこともいかがなものかな、こう思っております。大変御苦労ですけれども、折あるたびにというよりも、いろいろな手段を使って青少年、学生生徒、未成年が購買ないしは他から譲り受けるというようなことのないように御努力をいただきたいと思うのですが、その点について中央競馬会としてのお考え、それから参考人小峰さんから何か青少年の問題についていいお考えがないか、ありましたならばお聞かせいただきたいと思います。
  43. 渡邊五郎

    渡邊参考人 競馬場の周辺環境整備について私どもいろいろの対策もきめ細かくいたしておりますが、ただ最近の問題として、環境整備をかなり大規模に、それぞれ鉄道、交通機関等とも協議しながらやるような大きな環境整備も心がけねばならないのじゃないかという意味で、今般の振興資金なりがこうした点についてファンサービスを兼ねて考えられないかというふうに考えております。  また、学生生徒の問題につきまして、私どもと いたしましては折あるごとに報道の関係では、購入できないことの注意喚起をいたすと同時に、場内、場外を通じまして指導をいたしております。昨年は私どもの整理員なりが九千六百六十六件、約一万件の指導をしたりしております。特にこの件はほとんどが場外中心でございますので、これからもこうした点について徹底してまいりたいと考えております。
  44. 小峰隆

    小峰参考人 学生生徒は買ってはいけないと言いましても、実際に買っているかもしれませんで、それの指摘というのは大変難しいと思います。ただ、我々以前と違いまして、最近の学生や若い人たちファンは、馬を声援するとか騎手を声援するとか、見ていても健全にレジャーとして楽しんでいるなと思います。ただ、競馬の楽しみ方はどういうものであるか、それから競馬のルールにはこういうものがあるといった楽しみ方とルールの徹底というものはやはり主催者としてはやらなければならないのではなかろうかと思います。
  45. 西中清

    ○西中委員 ありがとうございました。
  46. 大原一三

    大原委員長 藤田スミ君。
  47. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 参考人の皆さん、きょうはどうも御苦労さまでございます。  私は、まず最初に中央競馬会の渡邊理事長にお伺いをしたいと思います。  産地の問題についてお伺いをしたいわけです。中央競馬会は、日高にあります農水省の種畜牧場を譲り受けられ、そこに初期育成の訓練センターを設けると言われております。外産馬に対抗できる大きなコースで練習をさせるということなんです。実際自由化路線に合わせて、国内でも対抗できるような牧場が求められているとして、しかし裏返せば、農家規模の生産は切り捨てられていくという心配があるわけであります。研究会報告でも、外産馬との対抗上として、育成調教強化ということが言われております。  実際、現地で聞いてみますと、馬というのは私はもともと人を乗せるものだと思っていましたが、くらをつけるのも嫌がる。まして人が乗っていくととても嫌がって暴れ出したりして、勘と経験を頼りにしてならしていくという大変難しい問題を抱えているそうです。したがって、生産育成研究所のそばに軽種馬学校を併設してほしい、こういう要望が現地から出されていることはもう既に御承知だと思いますが、私はぜひ現地の声をよく聞いていただいて、特に産地での後継者の養成あるいは技術者の育成に特段の力を入れていただきたいと考えるわけでございますが、いかがでございましょうか。
  48. 渡邊五郎

    渡邊参考人 先生御指摘の、生産地におきます後継者養成につきましては、かねがね巡回馬学講座あるいは軽種馬学校、育成技術者研修制度等の諸施策を行ってきたところでございますが、今般、日高種畜牧場の跡地を私ども中央競馬会が引き受けることになりまして、特にその際、育成調教における諸問題について専門的に研究をいたすと同時に、おっしゃった意味の育成調教技術者の養成、これにつきまして、私どもが出資いたします財団法人軽種馬育成調教センターというのが設立されまして、ここにおきまして御指摘のような人材養成をいたしたい、そうした意味で、強い馬づくりと同時に、人づくりの方にも力を発揮したいと考えております。
  49. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 引き続いて渡邊理事長にお伺いをしたいわけですが、私はきのう農林水産省にも確認をいたしましたのですが、例の岡山市の場外馬券売り場の問題でございます。  これは、競馬会の方は昨年の五月、その設置断念を岡山市議会に通告された。私も文書をいただいて持っておりますけれども、要するにもう一度ここではっきりして確認をしておきたいのは、岡山の場外馬券売り場はもう中止した、言ってみれば勝手に建てた建物に関与しないのはもちろん、あのオーナー、誘致業者とはきっぱり縁を切る、こういうふうに受けとめていいですね、理事長。
  50. 渡邊五郎

    渡邊参考人 私が就任前のことで恐縮でございますが、引き継ぎで承知しておりますのは、御承知のようにこの件について、五月二十二日付をもちまして、申請者である当該社に対しまして、断念したということを明らかにいたしております。同時に、このことは農林水産省畜産局長にも報告しておるところでございます。
  51. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 前任者のことで、そういうふうなお答えも含まれていると思いますが、要するにこの場外馬券売り場は中止した、だからもうあの誘致業者と中央競馬会は縁がない、こういうふうに受けとめておいていいわけですね。当たり前のことですが、そこのところをはっきりお聞かせをいただきたいのです。
  52. 渡邊五郎

    渡邊参考人 縁を切るとかいう表現で言われると、非常に主観的で私どもお答えのしようがないのでございますが、本件につきまして、私どもからは、貴社からの申し入れによります新福町でございますか、への設置計画は断念することといたしましたと明言して、通知申し上げております。
  53. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 それでは、地方競馬全国協会大場会長と、中央競馬会にもう一度お伺いをしたいと思います。  先ほどからも問題になっておりますが、未成年、学生生徒に発売をしないという問題でございます。競馬の健全化という問題と、そこで働いていらっしゃる皆さんの労働条件の改善は表裏一体のものであって、したがって、そこで働いていらっしゃる皆さんの労働条件の改善という問題については、この機会にぜひ取り組んでいただきたいということを実はきのうも農林水産省の方に質問をして、その旨努力の御答弁をいただいております。私がきのう具体的に手洗いの問題なども含めて、退職金制度の問題等々求めておりますので、ぜひ後ほど受けとめていただきたいと思います。  実は、そういうこともありまして、この間中山競馬場に行ってまいりました。そこで本当に思ったわけですが、今回の法改正で、開催従事員の皆さんにも発売者として刑事罰を負わせかねない、そういう立場に立たせたわけです。そうでしょう、未成年者と知りながら発売した場合には罰するということですから。ところが、そのけじめがとても難しいわけです。それで、開催従事員の皆さんは、それこそ三兆円をはるかに上回るようなお金をやりとりしていらっしゃるわけですけれども、そのお金を間違わないようにしなければならないのと、それから買いに来る相手を未成年かどうか見定めていかなければならぬというこの作業が本当に大変ですね。  このごろの若い人は、相当年がいっていてもまだ二十くらいかなと思ったらもう三十幾つといってしかられたり、また、若くても年を食っているように見えるとか、本当に見分けがしんどいです。それで、そこで働いている人はそれこそ自分の子供に接するような気持ちで当たっているなということも実感しました。あなた幾つ、こう聞くと、昭和四十六年生まれ、こう答えるのですね。私なんか、四十六年といったら一体幾つかなと頭の中でくるくると回していたのですが、それが正解だそうで、何かそう言っても、売らなならぬ、基本的には断われないわけですし、お金も扱っているし、その上見定めていくというような芸もできませんので、結局物すごい負担がかかっているわけです。  今回の法改正で一層そういうものが出てくるわけでありますので、本当に手だてが必要だ。きのうの御答弁では、何かガードマンの皆さんも配置しているので大丈夫ということでしたけれども、なかなかそんなものじゃないのじゃないかと思いました。したがって、青少年対策係というようなものをもう少し配置を多くして、窓口の皆さんと臨機応変に対応できるようにしていくとか、買おうとして列をつくっている人に積極的にアタックできるような人を置くとか、あるいは入り口で、入場券の発売のところで、つまり未成年者にはうんと安くして、そのかわりに券を買う人には買えるような資格の印を持たせるとか、それからもう一つは、そこで働いていらっしゃる皆さんにきちんとしたマニュアルをつくって、これはそこで働いていらっしゃる皆さんともちろんよく相談をし て消化のできるようなものにしていただかなければいけないと思いますが、そういうものをきちっと整理をしていくとか、そうしないと、私はいたずらに開催従事員の気持ちの負担を高めていくばかりだというふうに考えます。その点どういうふうに、今回の法改正を受けてお取り組みをされようとしているのか、簡単で結構ですからお聞かせください。
  54. 渡邊五郎

    渡邊参考人 今回の法改正によりまして、確かに御心配のような、窓口の担当の方に非常に負担をかけるということのないようにということで、私どももいろいろ配慮をしているつもりでございます。  先ほどもお答えしましたが、現在場内、場外について担当者の指導で私ども指導した件数は、六〇年代の初めでは千二百七十人とか千八百人程度でございまして、先ほども申しましたように平成二年には九千六百六十六件ということで、約一万件の指導を懸命にいたしております。  そうしたことで、私どもはこの整理部門といいますか、警備に当たる方の充実をさらに図りまして、厳しくチェック体制をとって窓口の方々なりの負担をできるだけ軽減するようには検討するつもりでございます。
  55. 大場敏彦

    大場参考人 率直に言って、的確な知恵が今ございません。ですから当意即妙的にお答えすることはできませんが、一々お客さんにあなたはどうだというふうに事細かく聞くわけにもいきませんし、失礼に当たりますから、そこをどうやって識別するか、あるいは先生おっしゃいましたようないろいろなお知恵、これはやはり一つのお知恵だと思いますから、そこも参考にしながら、中央競馬会と打ち合わせて、失礼に当たらないような形での識別方法を考えていきたいと思っております。     〔委員長退席、金子(徳)委員長代理着席〕
  56. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 最後の質問ですが、日経ビジネスの八八年三月十四日号で、中央競馬会がキャプテンやパソコン通信などニューメディアに取り組む計画があるということがいろいろ細かく書いてありまして、私は知ったわけであります。ずっとこの文章を読んでいまして、ああ、これはファンサービスもさりながら、情報産業と二人三脚ということでの販売拡大、双方ともの販売拡大だなというふうに、一口に言えば感想を持ったわけでございますが、せっかく日経新聞社の方からおいででございます。家庭内にそういうふうないわゆるギャンブルを持ち込んでくるという問題について、どういうふうに認識をしていらっしゃるのか。  それから、中央競馬会はこの中で百万人拡大できるというふうに書かれておりましたけれども、将来販売拡大、どこまで考えていらっしゃるのか、二点だけで結構でございます。
  57. 渡邊五郎

    渡邊参考人 お答えいたします。  私ども今回PAT方式、パット方式と通称しておりますが、パソコン、ファミコンによります投票方式を試験的に導入いたしますのは、現在の電話投票方式が限界に参っております。さらに拡大するファン、遠隔地のファンへの対応なり、のみ屋対策という点からも、より有効な手段としてはこの方式しかないのではないか。  ただ、御心配の向きもありますので、四月、今月下旬からの導入でございますが、これにつきましては、モニターによりますトライアルとして千五百名の方に実施するわけでございます。その間の状況なり聞きまして、家庭内というような影響は恐らくないと私どもは思っておるわけでございますが、これは特にROMカードという特別の専用カードを使用しなければならないということで、家庭内の青少年の方に預けない限りそういうことは起きないのでございますが、決して私どもある産業と組んでというような意図はございません。むしろファンの対策としてそういう方式を考えております。  ただ、百万までというようなことまで私の方から申したつもりはございませんが、全体の容量がどうなるか、トライアルの期間を経て、これからの私ども検討になるかと存じます。
  58. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 時間が参りましたので。  ごめんなさい、日経の方から来ていただきまして、ありがとうございます。
  59. 金子徳之介

    ○金子(徳)委員長代理 小平忠正君。
  60. 小平忠正

    ○小平委員 渡邊理事長さん、それから大場会長さん、そして日経新聞の小峰編集委員の御三方には、大変お忙しいところ当委員会への御出席、まことに御苦労さまでございます。  私は北海道四区が選挙区なんですが、ということは日高が選挙区でございまして、日本の馬産地の主たるところが私の地元でございます。そんな意味から、私は生産地といいますか、そういうところを一つの起点に置いて何点か御質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  まず第一点目は、今軽種馬農家は、大規模に企業的な経営をしているところもありますが、ほとんどは十頭未満の繁殖馬を置いてやっている、そういう一般農家が多うございます。日高の中でもそういう方を中心にして行われているのでありますけれども、そういう経営状況では強い馬をつくっていくということが非常に大変な作業でございまして、特に競馬というのは、農業ではあるのですが、ただ単に土づくりをし、そして畜産改良に精を出して朝から晩まで一生懸命働いてよい馬をつくっていけばいいというものではありませんで、そういう馬がいかに高く売れるか、さらにはレースで優勝するか、そういうところに農家の経営の今後がかかっている、そういう特殊な背景があると言えます。  そういう状況の中で、特に馬産地では皆さん非常に心配していることなんですけれども、今日本では、いわゆる未出走の外国産馬の混合レースというものが中央競馬会で大体全体の二二%ぐらいですか、そういう中で諸外国からの開放要求は、我が国のこういう経済状態を見越してこれからもますます圧力が強まってくる、そう言えると思うのであります。そういうところで今これ以上に開放しますと、今の時点では限界といいますか、大変じゃないかと思います。  そういうところで、今後このような問題についてどのようにお考えになっているのか、また、今後の対策について競馬界の最高責任者であられるお二方に、まず渡邊理事長さん、そして大場会長さんに、その基本的なお考えをお伺いしたいと思います。     〔金子(徳)委員長代理退席、委員長着席
  61. 渡邊五郎

    渡邊参考人 競馬についての国際化の問題でございますが、私の方から実態をそのまま、まず状況だけ申し上げます。  世界国際化の流れはかなり激しくなりつつあります。毎年の国際生産者会議なりでも、我が国状況についての質問もかなり出ておりますし、正式な議題にもなってくるというような状況でございます。ただ、そういうことは一方的に承知できないわけでございます。外国産馬に門戸を開放すれば、当然、先生御心配のような中小規模の生産者に大きな打撃を与えることは事実だと思います。ただ、全体の流れとして、競馬自体の国際化の流れというものは避けがたい方向にあろうかと思います。  そういう状況を踏まえながら、私どもとして、国内産馬の資質の向上とか優良種牡馬の導入、その他各般の施策をとりながら、こうした問題に順次対処していかなければならないのじゃないか、基本的にはこのように考えております。
  62. 大場敏彦

    大場参考人 渡邊理事長が今申し上げましたように、国際化の流れというのは必然的に近い一つの流れじゃないかと思っております。しかしながら、これを急激に行うということはいろいろと弊害を生じますから、国内の生産農家の実情をにらみ合わせながら、段階的に、できるだけ弊害を与えないような形で考えていくということだろうと思っております。  いろいろ、関税等の国境措置、そういったものは政府において当然必要でございますけれども、私どもといたしましては、中央地方を問わず、 強い馬づくりという形でこれに対抗していきたい。殊に地方競馬の場合には、サラブレッドの今登録している軽種馬の中で、大体二万七千頭が中央地方合わせての登録馬であります。そのうち、我が地方競馬ではその七七%、中央が二三%でありますが、七七%の二万二千頭程度地方競馬が受け持っているということでございますから、その責任は非常に重大だ、かように思っております。
  63. 小平忠正

    ○小平委員 中央競馬に関しては、三兆円を超す売り上げという中で、非常に隆盛を誇るよい状況におられる。しかし地方競馬は、ここに来てよい方向に来ておりますけれども、箇所によっては強弱がある。そういう中で、概して言えば、今後についても非常に厳しい運営になると思われます。  そういうところで、私は、今の大場会長さんからお話がありましたように、数からいいましたら圧倒的に地方競馬の方が馬の数が多い、ということは、生産農家にとって地方競馬振興ということが大いに気になる点だと思います。そんな意味では、このすそ野を広げることがいわゆる馬産地の将来にもなっていきますし、また、ひいてはそれがよい馬をたくさんつくっていき、それがファンに対しての、よい馬を見てもらう、そして楽しんでもらうということにもつながっていく、健全な娯楽になっていくのは、やはりその基本に馬があると思います。  そんな意味で、その経営等も含めて、中央競馬会として地方競馬に今後どのような協力体制をとっていかれるのか、抽象的なことだと思うのですが、その点を渡邊理事長さんにお伺いしたいのと、これに関して非常に御造詣の深い小峰さんにもお考えをお聞きしたいと思います。
  64. 渡邊五郎

    渡邊参考人 中央地方におきます協力関係といたしましては、現在既に場外発売所におきましても、相乗りの場外発売所もございますし、競馬場自体が地方競馬場外発売実施しているところもございます。  今回の法律改正に当たりまして、中央地方の共存共栄というようなことから、相互に協議して、こうしたこれからの場外のあり方あるいは施設整備等について、お互いに協力関係でお話し合いを進めるということに現在しておるところでございます。
  65. 大場敏彦

    大場参考人 今御指摘がありましたように、我々の方はほとんどの軽種の生産を地方競馬で引き受けているということでございますから、責任を非常に痛感しております。地方競馬がだめになれば日本の軽種馬生産もだめになるというくらいの責任感を地方競馬としては持っていたいし、まあ持っていると思っております。  そこで、中央地方の具体的な協力でございますが、中央地方の人馬の交流は、現在でも、中央競馬会の御理解を得ましてかなり盛んになってきておりますが、さらに進めてまいりたい、地方騎手地方の馬に中央のあの広いひのき舞台で活躍する機会をできるだけ与えていただければありがたい、かように思っております。  それから、いろいろ、地方も場外馬券等の発売を進めてまいりますが、その際に、でき得るならば中央競馬施設等も差しさわりのない限りにおいて活用させていただきたいし、あるいは、今回新設される予定になっております特別振興資金制度等を活用いたしまして、立ちおくれておりました地方競馬の設備改善等に御配慮いただければありがたい、こういうふうに思っております。
  66. 小峰隆

    小峰参考人 競馬の生産頭数ですが、今、年間約一万一千頭ですか、その大半は地方競馬の方に行くということであって、そういった点から考えますと、賞金そのほか売り上げ等で中央競馬の方がかなり突出しておりますけれども地方競馬があって中央競馬があるといったいわゆる競馬産業ということでとらえれば、やはり地方も繁栄しなければならない、そのための支援はどうなのかということですが、これは人馬の交流一つあります。  それからもう一つは、これは私の個人的な考え方ですけれども中央の例えばGIレース、大レースに対して、地方競馬場で売る、その売り上げの何%かを地方競馬に収益として入れるというような一つの方法論ですが、そういった形で協力し合って地方競馬も繁栄していかなければ日本競馬全体の繁栄はあり得ない、そういうように思います。
  67. 小平忠正

    ○小平委員 そこで、今サラブレッドが主体なんですが、アラブ系の馬も生産されておりますし、また、レースも行われております。それも、ここ数年の傾向としては生産頭数も非常に減少の一途をたどっている、また、レースにおいても馬主あるいはファンの皆さんの中でもなかなか評判がいまいちである、そういう状況にあります。しかし、御承知のように、日高におきましても、アラブの生産者というのは歴史が古いわけです。そして、その中でも特に零細農家といいますか、いわゆる小規模な方がアラブを育成、繁殖されている、そういうのが、御承知のような状況で多いわけであります。したがって、アラブを飼育しておられる方は、そういうことについて、将来に対して非常に不安を持っております。  そこで、このアラブのことについては、私は、単にただやっていけばいいというものではないと思います。やはりファンあっての競馬ですから、そういう意味では非常に難しい点もあるのですが、一説によると、ここ五年くらいで中央競馬では廃止の方向にあるというお話も聞いておりますし、また馬産地においても、この際、余力のあるうちにいわゆるそれなりの補償を受けて、そしてやめてしまった方がいい、そういう意見もあります。また同様に、何とかここで政府を初め関係団体のそういう援助なり助成を受けて存続をしていきたい、そういう意見もある中で、非常に迷いながら、将来に不安を持ちながらアラブの生産に毎日頑張っておられるのが実態だと思うのです。  そういうところで、今後アラブ系のレースについてどのようにお考えになっておられるのか、今後の問題等を含めて御三方から御意見をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
  68. 大場敏彦

    大場参考人 私の方でアラブをかなり引き受けておりますので、私から先にさせていただきます。  現在、アラブの登録頭数は、平成年度で申しますと九千六百頭ございますが、その九九・九%というものを我が地方競馬で引き受けさせていただいております。ですから、そういう意味ではアラブのマーケットとして我が地方競馬の責任は非常に重い、かように思っております。  競馬場によっては、既にもう中央競馬ではなくなっておりますアラブの重賞レースというものも、東と西にそれぞれ、アラブとしてはかなり高額の賞金レースでございますが、そういうものを設けて、結構地方競馬ファンは、サラブレッドはサラブレッドの楽しみがありますけれども、アラブはアラブのよさというものをやはり味わっていただいている、こういう現況でございます。  我々といたしましては、赤裸々に申し上げますれば、サラブレッドは非常に高いということもありますし、アラブはそれに比べて廉価でありますから、地方競馬馬主経済としてはアラブを受け入れやすい、こういうことも着目いたしまして現在活用させていただいているわけでありますけれども、今後安定的にアラブの生産が進み、地方競馬に継続的に供給されるということは、強く主催者馬主方々要望しているところでございます。
  69. 渡邊五郎

    渡邊参考人 中央競馬関係で申し上げますと、私どもはアラブ系の競走につきまして、二十年前に比べますと、レース数も二百八十から最近では百五十一、在籍頭数も二百三十六から百八十五と非常に縮小をしておりまして、また、中央競馬のアラブの競走については、競走の不成立も最近出てきております。少数頭同一メンバーのレースで非常に魅力が希薄化したとか、あるいは中央競馬ファン自体からしますと関心度が低くなっているというような、いろいろな御指摘や批判もありますし、かつまた馬主サイドの方からは、この廃止を求めるような意見も最近強く出ているこ とも実情でございます。  ただ、先生おっしゃるようなアラブ系の競走馬の生産のお立場も十分承知しているつもりでございますので、今すぐその存廃の結論は出しがたい状況でございますけれども、本会といたしまして、今後のアラブ系の競走につきましては関係者とよく御相談し、また、地方競馬の方の動向等をにらみ合わせながら総合的に検討してまいらなければならない、こう思っております。
  70. 小峰隆

    小峰参考人 私、中央競馬を担当しているわけですが、中央競馬におけるアラブの存在というのは、その日に全く行われないときもありまして、いわば農政の一環として辛くも残っているなというような存在に受けとめているわけです。そして、レースそのものは、アラブの頭数も少ないですし、頭数が少なければおのずと戦うメンバーはほとんど同じということで、内容的には非常におもしろみがないという批判も、我々記者の仲間あるいはファンからもそういうふうに聞いております。私自身もそう思いますし、これからやはり質への転換ということを考えれば、私は、アラブは廃止した方がいい、個人的にはそう思います。
  71. 大原一三

    大原委員長 時間です。
  72. 小平忠正

    ○小平委員 ありがとうございました。
  73. 大原一三

    大原委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人各位に一言お礼を申し上げます。  参考人各位には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。  参考人各位には、御退席をいただいて結構でございます。ありがとうございました。(拍手)     ─────────────
  74. 大原一三

    大原委員長 引き続き、本案に対する質疑を行います。前島秀行君。
  75. 前島秀行

    ○前島委員 最後でありますので、まとめて質問します。制限がありますので具体的に答えてください。  まず、国際化の問題と、今も議論のありました生産者対策という点でございます。  国際化はもう避けられない事実だろうと思うので、これがレースの面あるいは種牡馬、種馬等の点で国際化が進むと、競馬そのものが根底から崩れる可能性がある、それが当然生産者の方にも影響する、こういうことになると思いますので、まず、国際化に対して早急な対応をしないと根底が崩れてしまうということなので、その国際化対策を基本的にどう考えているのか。  その点と、それに関連する生産者対策、これは今もアラブの話が出ましたけれども、これは中央競馬会を含めて、生産者対策という意味で、私はアラブのレースは残すべきだと思う。残すべきだと思う。これは絶対約束してほしい。そして内容を充実すればいいのですよ。例えばレースを、数はそんなにふやさなくてもいいですけれども賞金の面だとかその他の面で、要するに競馬の現場にもっと多くをして、そこに需要が多くなればそれが生産者に結びつく、こういう形でありますから、ここは生産者対策、畜産対策という意味で、中央競馬会も私は残すべきだと思う。残すべきだと思う。そして生産現場に需要ができるような工夫をすべきではないか、こういうふうに思うので、国際化の問題と生産者対策について基本的に政府はどう考えているのか。最終的ですので、ひとつぴしっと整理をしてお答え願いたいと思います。
  76. 岩崎充利

    ○岩崎政府委員 国際化の問題でございますが、我が国競馬につきましては、海外からは競馬施行の閉鎖性が指摘されておりまして、一層の外国産馬の参入機会の増大につきまして要請があるということと、国内からも外国産馬の参加によるレース内容の充実を求めるファンの声があります。  しかしながら、我が国競走馬につきましては、その遺伝的能力水準は欧米の競馬先進国からすぐれた繁殖用馬を輸入して高まってきているということになっておりますが、その能力を引き出します育成調教の面では、欧米の競馬先進国と比較して差があるのもまた事実でございます。  このような実態を踏まえまして、世界的な潮流となっております競馬国際化の実情にも配慮して、外国産馬が出走できる、いわゆる混合競走でございますが、生産者団体なり馬主団体等との協力のもとに段階的な制限緩和を進めているところでありますが、今後におきましても関係団体等と協議しながら対応することが重要であると考えております。  それから、軽種馬の生産対策、強い馬づくりでございますが、軽種馬の生産対策につきましては、国内生産との調和に十分配慮いたしました競馬番組編成とあわせまして、基本的には海外の競走馬に劣らない強い馬づくりというものが必要になってきております。  このために、遺伝的能力の向上と育成環境整備等を中心といたします強い馬づくりの対策に着手しているというところでございますが、今後とも、一つには、優良種雄馬の導入促進や競走成績なり血統データ等々の情報の活用によります遺伝的能力の向上、それから次には、育成施設整備等によります育成環境整備、また草地基盤の整備や畜舎、機械、繁殖牝馬の導入等によります、融資等による経営基盤整備、また経営管理指導や技術者の養成確保等について、各般の施策の充実に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。これはアラブも含めまして、そういうような形でやっていきたいと思います。
  77. 前島秀行

    ○前島委員 この生産者対策で一つ考えてほしいのは、オーナーズブリーダーズ、法人の大きな、ここが馬主であり、牧場を持ち、財政力を持ち、組織を持ちというこのオーナーズブリーダーズ、巨大なあれがありますね。それと中小の生産農家との関係、これが微妙なんです、正直言って微妙なんです。強い馬をつくりたいとなってくると、そのオーナーズブリーダーズの組織力と対策等々に頼らざるを得ない。しかし、そのことだけに頼ると中小の生産農家というものが崩れてしまうという微妙な問題があると思うのです。そこで政府の役割がそこに出てくると思うのです。  その点で、これは具体的になってあれですけれども、このオーナーズブリーダーズの存在、強い馬づくりということと生産農家をするということ、畜産振興という問題、微妙な問題があると同時に、ここが非常に重要だと私は思っておる。片一方で国際化があるから、そこは政府の、農林省の知恵の出しどころであり重要な役割だと思うのです。その点について、基本的にどう考えているか、ちょっと聞かせてほしいと思うのです。
  78. 岩崎充利

    ○岩崎政府委員 もちろん私ども対象といたしますのは、なかなか生産性の向上が難しいというような形の中で、中小農家を中心といたしましたような対策を立てていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  79. 前島秀行

    ○前島委員 そのオーナーズブリーダーズの力だけに頼らないで、今度資金をつくるわけですからそこは積極的にうまく活用して、生産農家も成り立つように、そしてそれが畜産振興になるように、そこはぜひ工夫をしてもらいたい、こういうふうに思います。  その次に、地方中央の共存共栄の問題なんでありますけれども、私は基本的には、地方競馬会も自助努力はもっとしてもらわなければ困ると思うのです。これは一つ前提です。それは前提の上で、中央の方が地方に対してどう支援をするのか、どう共存共栄するのかというのは、これもやはり政府の指導にかかってきているというふうに私は思うわけであります。  そういう面で、中央地方の共存共栄、特に地方の方の財政基盤の確立等々含めて、どういうふうに今後やろうとしているのか、その点を確認しておきたいと思います。
  80. 岩崎充利

    ○岩崎政府委員 中央競馬地方競馬はもちろん歴史的沿革や、これは施行主体が違うというようなことがございますが、競走馬の資源なりファンの多くを共有しておりまして、基本的には中央競馬地方競馬のそれぞれ特色を生かした共存共栄 ということを図ることが重要だと思っております。  このために、一つには交流競走実施、それから場外発売所相互利用、また経営基盤の脆弱な地方競馬主催者施設整備に対する中央競馬の支援等につきまして、現在、中央競馬会、地方競馬全国協会全国公営競馬主催者協議会で話し合いを進めているところでございます。  したがいまして、現段階で的確なことは申し上げられないわけでございますが、まず交流競走につきましては、これはできるだけ増加する方向で検討いたしております。また、場外発売所相互利用につきましても、その可能性というものを検討いたしております。それから、地方競馬主催者施設改善の新方法についてでございますが、これは厩舎なり馬場なりスタンド等の競馬場施設を支援対象とすることを念頭に置きまして、その仕組みは中央競馬会と地方競馬全国協会が協力して実施する方向で、現在検討中でございます。  いずれにいたしましても、地方中央の共存共栄につきましては、我が国競馬発展に非常に重要なものであるということを認識いたしまして、共存共栄が円滑に図られますよう、関係者を十分指導してまいりたいと考えております。
  81. 前島秀行

    ○前島委員 ぜひこれは、中央競馬会と地全協に任せるのではなくして行政の方が、政府の方が積極的にリードをして、この点をぜひお願いをしておきたい、こういうふうに思います。  それから、中央競馬会に対するいろいろな意見というのが、私は率直にあると思うのですね。中央競馬会を含めて競馬全体が非常に閉鎖的ではないだろうか、閉鎖的過ぎないか、もう少し公開主義に徹すべきではないかという意見だとか、あるいは中央競馬会が余りにも巨大になり過ぎちゃった、権限が集中し過ぎている、こういう意見等々もあると思うのです。そういう面で、これから中央競馬会が、あるいは日本競馬全体が発展していく、そしてそれがスポーツとして、大衆レジャーとして健全なものとして発展をしていくためには、中央競馬会のあり方、役割というのが大きくかかっているのではないだろうかなというふうに私は思うわけであります。  そういう面で、政府の方がこの中央競馬会に対するどういう指導をしようとしているのか、あるいは今後どうしようとしているのか、あるいは現在の認識についてどう思っているのか、これについてひとつ基本的に政府の方の意見を伺っておきたい、こういうふうに思います。
  82. 岩崎充利

    ○岩崎政府委員 最近の競馬をめぐる情勢も、かなり入場人員もふえてきている、また売り上げもふえている、また若年層なり女性層もふえてきているというような形の中で、私ども競馬全体につきまして、これはもちろん地方も含めますが、いかにしてファンの定着化を図って安定的な発展を図るか、そういう状況の中では、やはり何と申しましても公正確保ということが非常に重要でございますし、公正確保、またファン対策の充実等々を含めました競馬全体を通ずるような対策というものを講ずるべきであるというふうに考えておる次第でございます。  そういう状況の中で、私どもはそういうことを踏まえながら、今回の法律改正を含めた形の中で御提案申し上げたというようなことでございます。
  83. 前島秀行

    ○前島委員 局長、それは基本的認識と違うのですよ、それは具体的な問題なんで。そうじゃなくて、中央競馬組織そのもの、中央競馬会のあり方そのものに、まずは基本的に問題があるのですよ。そこをどうするかということなんですよ。そこはやはり政府の役割ですよ。そこのところを基本的に、では端的に言いますけれども、今の中央競馬会、何か文句言う筋合いはないと思っているのですか、立派にやっていると思っているのですか、そこのところを聞いているのですよ。
  84. 岩崎充利

    ○岩崎政府委員 今回御審議いただいております法律案は、競馬経済社会的位置づけの高まりということで、先ほど申しましたように、公正確保の充実なり益金の有効活用なりファンサービスの向上を柱として法制度の改正を行うというものでございますが、このほかに運営面での改善につきましては、これはレースの充実面とあわせまして、競馬施行面での一層の公正の確保を図ってまいりたいということが一つございます。  それから、クラブ法人馬主の適正な運営確保なり、また、日本中央競馬会の適正な運営確保ということも含めまして図っていきたい、この推進を努めるということのほかに、また、厩舎制度の改善なり場外発売所の設置基準のあり方等についても検討していきたいというふうに考えている次第でございます。  また、特に公正確保ということにつきましては、これは競馬の健全な発展基本であるということから、今回の制度の柱であります、新設される審査会意見というものも十分に尊重して業務運営に当たるように指導してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  85. 前島秀行

    ○前島委員 それは具体的な問題でして、中央競馬会そのものに基本的に問題がないのですか、あるのですかと聞いているのですよ。そこの認識なんです、政府としての。これから、指導官庁としての認識なんですよ。僕はいろいろあると思いますよ、時間がないから言いませんけれども。いろいろな事業をやっていますね。周辺に対するいろいろな事業のあり方の問題、使い方の問題、あるいは日本中央競馬会福祉財団のあり方の問題、それの使い方の問題、これをやったら切りがないですよ。現に関係団体の汚職事件だって起こっているでしょう。ごく最近起こっているでしょう。かつては発馬機の問題等々が起こっているわけでしょう。レースのことは後で聞きますから、そういうことを含めて中央競馬会がいろいろな課題を抱えているのじゃないですか、こう言っているのですよ。それに対して、政府は、指導官庁はどういう基本的な認識を持っているかということを聞いているのですよ。
  86. 岩崎充利

    ○岩崎政府委員 先生御指摘のように、私ども中央競馬会につきまして、やはりいろいろな面でこれから改善すべきことは多々あるというふうに思っております。  それで、先ほど御指摘がありましたように、過去の不祥事件の反省の上に立った、いろいろな形での不正防止のための指導監督とか、その他もろもろございます。こういうものを含めて、私どもは、これから十分中央競馬会に対する指導をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  87. 前島秀行

    ○前島委員 そういう認識を基本的に持ってくれていればいいのでありまして、そこのところはこれからちゃんと政府の責任で指導をしてくれ、こういうことなんであります。  それから、今盛んに局長言っていましたけれども、これから競馬が大衆レジャーとして健全に発展していく、そのことが畜産振興に通ずるし、財政確保に通ずるわけですね。柱は、やはり健全にスポーツとして、大衆レジャーとして発達していくということなんですね。その最大の柱はやはりファンサービスだと思う。  そういう面で、今回の控除率の問題あるいは端数切り捨てについて、十分なされなかった。単複で切り開いたということは私は評価します。そのために農林省が各省との交渉の中で相当な苦労をしたということについては非常に評価をします。しかし、この控除率の問題、端数切り捨ての問題は依然として残っているんだ、課題なんだ、こういう認識を持ってほしいということが一つ。  それから、公正を確保するということ、レースを充実させるということが最大ファンサービスでもあるし、それが競馬発展に通ずる。こういう意味で、これは具体的要望ですけれども、ことしの秋からやるらしいですが、例えば課題になっていますのが例の一枠一頭制の問題だとか番組編成のあり方の問題だとか賞金体系のあり方の問題だとか、公正を確保する、充実するためにはフルゲートはどのぐらいがいいのかというような課題がいっぱいありますよね。これは中央競馬会いませんからあれですけれども、ここなんかも公正を 確保する、そういう意味で非常に大切であるし、レースを充実させるという意味では当面やらなくてはいかぬ改革の問題なんです。  もう一つ重要なのは、いわゆる厩舎制度、馬主制度を含めた競馬サークルの改革、近代化の問題なんですね。この中には雇用問題、身分問題、今度の春闘の中でもあった調教助手の位置づけの問題等々、基本的な、やらなくてはいかぬ問題がいっぱいあると思うのです。あるいは調教師のあり方の問題、騎手のあり方の問題、あるいは預託料のあり方の問題、あるいは馬房制限、馬房にもう少しメリット制を入れてやるということがいいのか、あるいは内厩制度、外厩制度をどうするのかというふうな重要な問題だとか、いっぱい課題があるのです。  こういう公正確保をする、レースを充実させるという課題と、そしてその根底にある厩舎制度と馬主制度、競馬サークルの近代化の問題というのをいっぱい抱えているのですね。そこで、この種の課題を改革をしていく、実施していくためにはどういう手だて、どういう方法でもってやろうとしているのですか。その辺のところから。
  88. 岩崎充利

    ○岩崎政府委員 今回、法律で公正確保その他につきましては早急に手当てすべきものについて手当てをしたところでございます。  確かに、先生御指摘の控除率等々の問題につきましては、これは公営競技全体を通ずる検討課題であるというふうなことでございまして、これからそういう形の中で検討すべき問題であろうというふうに思っております。  運営面での改善につきましても、先生種々御指摘がございました。例えば、レースの充実面とあわせまして競馬施行面での一層の公正の確保を図るための問題、また、先ほどちょっと申し上げましたが、クラブ法人馬主の適正な運営確保等々、また、これは先ほどの先生の御指摘にもありましたように、中央競馬会での適正な運営確保、あるいはまた、そういうものの推進に努めますとともに、また、厩舎制度の改善なりいろいろございますが、こういうものにつきましては、公正確保につきましてはやはり一番重要な問題でございますので、これにつきましては競馬の健全な発展基本であるということでございますので、新設されます審査会意見というものを十分に尊重いたしまして、その業務運営に当たるように、私どもとしては指導してまいりたいというふうに考えております。
  89. 前島秀行

    ○前島委員 今度法律改正でできた審査会がありますな、馬主審査会というのがありますな、それと運営審議会、三つあるのですよ。私きのうも質問しましたけれども、この三つがどういう機能を果たしているのか、わけがわからぬです、正直な話。そして今の運営審議会というのは、要するに先ほど言った競馬サークルの近代化に必要な——それぞれ利害が対立している人が入っているのですよ。それが長い間続いて、手をつけることがタブーになってきたのですね。ですから、先ほど私が言ったレースの公正の確保レースの充実を図る、あるいは競馬サークル近代化のところ、そういう問題を今後運営審議会で議論してやろうとするのか、あるいは今度法改正でもってつくってきた審査会中心にしてやろうとするのか、どっちにするのか。  私は、基本的にはそういう問題をやって、本当に競馬を全体に健全なレジャーとして、スポーツとしていく、その結果として畜産振興に当たる、財源確保に当たる、そのためにはここの一番大事なところをどうするのかというところをぴしっとやらなきゃだめなんですよ。それぞれ利害が対立する人があって、長い歴史があって、いろいろ習慣があった中でもって改革できずして今日まで来ちゃっているわけでしょう。今度は、三兆円まで来たらここのところをやらない限りは、いつぽとんと落ちるかわからないというところまで来ている。国際化の問題を片っ方で抱えているだろうと思うのです。  そういう意味で私は、そういういろいろな課題をどこで議論し、どこでやろうとしているのか、どこで実行しようとしているのか、要するに運営審議会、馬主審査会あるいは審査会、どこにウエートを置いていこうとしているのか、そしてその中身はどうしようとしているのかという基本的な原則を聞きたい、こういうふうに言っているのです。
  90. 岩崎充利

    ○岩崎政府委員 ただいま先生御指摘がございましたように、やはりこれからの問題点として、公正確保に関する問題というのが一番大きな問題になってくるというふうに思っております。  今、馬主審査会なり運営審議会というものがありますが、これにつきましてはいろいろな形で利害関係方々も入っているということで、公正確保に関します問題につきましては、これはできるだけ審査会でいろいろ御意見も出していただきながら、これを尊重してやるという形の中で処理すべきではないかというふうに考えておる次第でございます。
  91. 大原一三

    大原委員長 時間ですので簡単にお願いをいたします。
  92. 前島秀行

    ○前島委員 ぜひそういう形で、私は、利害の伴わない、客観的に冷静に正しく判断するところ、そういう機関を権威づけて尊重をして、そこの答申は間違いなく実行する、そのために政府が指導する、こういうふうにぜひしてほしいと思います。  最後に大臣に、今度の法改正は敬意を表します。恐らく今度の状況の中でぎりぎりの努力を役所の方もなさったのだろうと私は評価をします。しかし、ある意味で言ったならば、本当に競馬発展していくためには遅きに失したなという面も率直にあるだろう、私はこういうふうに言わざるを得ないと思っています。そして、今私が言ったように、いろいろな課題がいっぱいあるのです。そういう面で、ぜひこれからは積極的に、今度法改正をしたからまた二十年も三十年もほうっておく、こういうふうな形ではなくして、必要があれば法改正もする、そして、先ほど言ったような課題については積極的に政府の方が指導をして、健全な競馬として発展していくように、ぜひ強力にこれからも引き続きやっていただきたい、こういうふうに思いますので、その点、最後に大臣の決意といいましょうか、今後の方向を聞いて、質問を終わりたいと思います。
  93. 近藤元次

    ○近藤国務大臣 今回の競馬法改正は遅きに失したという感は認める部分があろうか、こう考えております。  ただ、これだけ社会環境変化をして大衆化をして、そしてせっかくのこの機会でありますから、何よりも信頼を失うようなことが内部から発生してはいけないということで、公正確保中心にして明朗性を持たせていくということに重点を置いて、従来のいろいろな会は競馬関係者がそのメンバーに入っておりましたけれども、今度の審査会につきましては、競馬関係者を排除して公正な審査ができるようにメンバーを選考いたしたい、こう思っておるわけであります。  いろいろな改革の問題について、法案審査について御意見を拝聴いたしましたけれども、一部はやはり裏腹に関係するような問題も正直実はございまして、この委員会意見でも、競馬が大衆化をするのであれば、未成年でも馬券を買うような大衆化になってきたのではないかというようなこともこれあり、しかし二十歳以上の学生と社会人とを見分けるような区分がどこでできるのかというようなことも、意見を聞きながら私も感ずるところ多々、実は正直ございました。  最終的には公正と明朗化をもって信頼をつないでいくという、そしてそれが安定をするということ。我が農林省が競馬を預かるという一つは、国内の畜産の産業というものを発展をさせていくためには国際化の中で国内産馬をどのように育成をしていくかということが、馬だけではなしに、やはり人的にもいろいろ国際的な交流をしたりしていく必要があるのだろう、こういうことになって、私はこの法案を提出する過程においても、事務当局におきまして、もう公正、明朗は当然のことでありますが、国際化の中で対応して、国内馬 とその競馬調教なりあるいは騎手なり、そういう人たちの、関係する人たちのやはり国際的に競技ができるだけの向上というようなものも必要であるというようなことも申し上げておきました。  例えば相撲、外国の人がみんな相撲をとるとか、プロ野球の選手が外人すべてであったりなんというようなことになったときの、この競馬の産業というものの存在がどうなるかということを念頭に置いて、そういう例え話もしながら、事務当局になお一層のこの法案趣旨に徹して、あるいは質疑審査対応して十二分に今後競馬産業が意図あるところの国民並びに競馬ファンにこたえていくように努力をするべきだということを指示をしておりますし、私自身もそれなりの対応もしていきたい、そう思っております。
  94. 前島秀行

    ○前島委員 ありがとうございました。
  95. 大原一三

    大原委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ─────────────
  96. 大原一三

    大原委員長 この際、本案に対し、藤田スミ君から修正案が提出されております。  修正案の趣旨の説明を求めます。藤田スミ君。     ─────────────  競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────
  97. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 私は、日本共産党を代表して、競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出します。  その内容は、今お手元に配付されておりますように、中央競馬競馬場開催規定について、省令委任する改正を削除することであります。  以下、その理由を述べます。  改正案は、競馬現状に合わせた公正確保措置など、その多くは当然と思われるものでありますが、一番の問題は、この開催規定等の省令委任であると考えております。競馬は、その健全化と国民の納得を得る発展のためにも、節度ある取り扱いをかなめとすべきものであります。  しかるに改正案では、肝心の競馬場開催規定を省令に委任することで、国会のチェックなしに拡大し得る仕組みをつくることになります。従来から省令委任されている他競技は、現に施設改善や花博などを理由に開催をふやしています。今回、農水省は、事情変化がない限りふやさないとしていますが、そもそもそういう場合にこそ国会に諮るという仕組みが大事であります。  中央競馬は、唯一のいわゆる国営競技であり、国庫納付金を義務づけられていること、地方競馬の設置、運営地方自治体の議会の議決を経ていることとの関連でも、中央競馬基本事項を法定しておくことは当然の措置であります。  以上の趣旨でありますので、委員各位の御賛同をお願いし、提案理由説明を終わります。
  98. 大原一三

    大原委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。     ─────────────
  99. 大原一三

    大原委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案並びにこれに対する修正案について採決いたします。  まず、藤田スミ君提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  100. 大原一三

    大原委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。  次に、原案について採決いたします。  原案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  101. 大原一三

    大原委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ─────────────
  102. 大原一三

    大原委員長 この際、本案に対し、東力君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を聴取いたします。佐々木秀典君。
  103. 佐々木秀典

    ○佐々木委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党を代表して、競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。  案文を朗読いたします。     競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   競馬は、国・地方公共団体の財政への寄与、畜産振興並びに国民に対する娯楽の提供など、我が国社会の中で大きな役割を果たしており、今後においても、競馬に対する国民世論の動向に配意しつつ、さらに、その社会的位置付けを高め、健全な発展を図る必要がある。   よって政府は、競馬の制度・運営について引き続き検討を続けるとともに、本法の施行に当たっては、左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。       記  一 競馬運営において公正の確保が最も重要であることにかんがみ、馬主登録制度並びに調教師及び騎手免許制度をさらに厳格なものとすることはもとより、競馬が一層公正に運営されるよう万全を期すとともに、いわゆるクラブ法人馬主登録に当たっては、その組織運営を十分把握して、適正を期するよう指導すること。併せて、調教師厩務員等との労務関係改善配慮するよう指導すること。    また、中央競馬及び地方競馬交流がさらに進展する状況にあることに対処し、各々の競馬における登録免許制度の在り方を検討すること。  二 中央競馬地方競馬の共存共栄の観点から、財政的に恵まれていない地方競馬主催者に対して設備整備等のための支援を行うとともに、相互協力が一層図られるよう指導すること。また、地方競馬経営現状にかんがみ、地方競馬全国協会の円滑な運営確保することを含め、長期的視点に立って計画的に地方競馬経営基盤強化されるよう指導すること。    なお、場外馬券発売所の相互利用の実施にともない、その利用形態に変化が生じ周辺住民に影響が及ぶおそれがある場合には、改めて地域社会との調整を十分に行うよう指導すること。  三 ファンサービスの一層の充実を図る等の観点から、競馬施設への来場者の利便性の確保と周辺環境改善するための対策を拡充するよう指導するとともに、控除率の在り方及び端数切捨金の取扱いについて、他種公営競技との関係を含め、さらに検討を続けること。  四 国庫納付金の使途拡大に当たっては、総合的な見地から畜産振興に資するよう努めるとともに、国庫納付金が、畜産振興及び社会福祉の向上に貢献していることにつき、国民一般の理解が深まるよう努力すること。また、日本中央競馬会の益金の活用については、特別振興資金の交付業務が厳正かつ公正に運営されるよう指導すること。  五 競馬場の数、競馬開催日数については、当面、現状の水準を維持することとし、特別登録料の引き上げについては、その及ぼす影響を十分に踏まえつつ対処するよう指導すること。  六 場外馬券発売所の設置に関し、各地域に種々の問題を残している一方、馬券購入の利便性確保要望増加し、また、いわゆるノミ行為の防止が喫緊の課題となっている現状等にかんがみ、その設置基準等をより明確なものにするため、早急に学識経験者等による検討を行うこと。    なお、パソコン利用等による在宅投票については、青少年に与える影響に十分配慮して取り扱うよう指導すること。  七 軽種馬生産農家の経営の安定を図るため、今後とも、計画的な生産を進めるとともに、市場取引の推進並びに馬の資質向上等強い馬づくりのための対策を講ずるほか、競走番組の編成等に当たっては、国内生産との調和に十分配慮するよう指導すること。   右決議する。  以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。  何とぞ全員の御賛同を賜りますようにお願いを申し上げます。  以上です。
  104. 大原一三

    大原委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  東力君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  105. 大原一三

    大原委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。近藤農林水産大臣
  106. 近藤元次

    ○近藤国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。     ──────────────
  107. 大原一三

    大原委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 大原一三

    大原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     ──────────────     〔報告書は附録に掲載〕     ──────────────
  109. 大原一三

    大原委員長 次回は、来る二十四日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十二分散会