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近藤国務大臣
食品流通構造改善促進法案につきまして、その提案の理由及び主要な
内容を御説明申し上げます。
我が国の食品流通は、全国各地に多数存在する農林漁業者等が
生産する多種多様な食品を、効率的かつ安定的に消費者に対して供給するという重要な
役割を担っております。また、保存性が低い商品を取り扱うこと、卸売市場という流通拠点が存在すること、「最寄り当用買い」という購買行動が
中心であること等から零細多数の小売店が存在すること等他の商品の流通には見られない特性を有しております。
このような
役割を担い、また特性を有している食品流通を取り巻く情勢は、近年、著しく変化しております。すなわち、品質、鮮度等の重視、多品種少量消費への移行等の
消費者ニーズの多様化、高度化、
農産物の
輸入の増大等の供給事情の変化等であります。
このような中で、
我が国の食品流通が、今後ともその機能を十全に発揮するとともに
生産と消費を的確につないでいくという重要な
役割を担っていくためには、その有する特性に配慮しつつ、食品流通の各段階を通じた構造改善を図っていくことが重要な課題となっております。このため、食品の流通部門の構造改善を促進するための金融、税制その他の支援
措置を講ずることとし、この
法律案を提出することとした次第であります。
次に、この
法律案の主な
内容につきまして御説明を申し上げます。
第一に、
農林水産大臣は、食品の流通部門の構造改善を図るための基本方針を、食品流通審
議会の意見を聞いて定めることとしております。
第二に、食品販売業者、卸売市場開設者等は、食品
生産販売提携
事業、卸売市場機能高度化
事業、食品販売業近代化
事業または食品商業集積施設整備
事業について構造改善計画を作成し、
農林水産大臣の認定を受けることができることとしております。
第三に、
農林水産大臣の認定を受けた構造改善計画に基づき構造改善
事業を
実施する者に対し、農林漁業金融公庫からの長期低利資金の貸し付け、特別償却等の税制上の特例
措置その他の支援
措置を講ずることとしております。
第四に、
農林水産大臣は、食品の流通部門の構造改善を促進することを目的として設立された民法法人を食品流通構造改善促進機構として指定することができるものとし、食品流通構造改善促進機構は、構造改善
事業等の
実施に必要な資金の借り入れに係る債務の保証、構造改善
事業等への参加、食品販売業者に対する研修等の業務を行うこととしております。
第五に、卸売市場審
議会を改組して、
農林水産省に食品流通審
議会を置くこととしております。
以上が、この法案の提案の理由及び主要な
内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
続いて、
競馬法及び
日本中央競馬会法の一部を改正する
法律案につきまして、その提案理由及び主要な
内容を御説明申し上げます。
競馬は、大正十二年の旧
競馬法の制定以来、その益金により、国及び
地方公共団体の財政に寄与するとともに、
畜産業の
振興に多大な貢献をし、また、国民に大衆レジャーの場を提供してきたところであります。
最近の競馬をめぐる事情を見ますと、ファンの数が大幅に増加し、売り上げ規模も飛躍的に
拡大するとともに、若年層や女性層において人気が高まるなど、質的に変貌を遂げつつあり、その経済的、社会的位置づけは相当に大きなものとなっております。
このように、国民の中に広がりつつある競馬に対する理解と信頼をますます強固にするためには、ファンはもちろん国民各層からの種々の要請に適切に
対応することが重要となっております。
このような競馬を取り巻く
状況にかんがみ、競馬の長期的に安定した
発展を確保するため、今後とも競馬が公正に
実施されていることについて国民の信頼を得るとともに、競馬の
実施によって生ずる益金を国民の利益に資するよう有効に活用するための
措置等を講ずることとし、この
法律案を提出した次第であります。
次に、この
法律案の主要な
内容につきまして御説明申し上げます。
まず、
競馬法の一部改正についてであります。
第一に、競馬の公正確保の
強化を図るため、馬主の登録
制度並びに調教師及び騎手の免許
制度を改善することとし、馬主登録の要件を省令でよりきめ細かく定めることとするとともに、馬主登録の抹消規定並びに調教師及び騎手の免許の取り消し規定を追加することとしております。
第二に、
地方競馬の円滑な
実施等を図るため、
地方競馬主催者が、他の
都道府県における
地方競馬主催者に対して競馬の
実施に関する事務を委託することができることとするとともに、
地方競馬主催者が
地方競馬全国協会に交付する交付金の額を経済事情の変化等に応じて見直すこととしております。
第三に、社会経済事情の変化に
対応するため、中央競馬の競馬場及び開催の規定、特別登録料の規定等諸規定の整備を行うこととしております。
次に、
日本中央競馬会法の一部改正についてであります。
第一に、
日本中央競馬会が行う馬主登録等がより公正に行われるよう審査するため、
農林水産大臣が任命した
委員から成る審査会を
日本中央競馬会に設置し、馬主登録等を行おうとするときは、審査会の意見を聞かなければならないこととしております。
第二に、
日本中央競馬会の剰余金を有効に活用するため、
日本中央競馬会が、
畜産振興事業等について助成することを業務とする法人に対し、必要な資金を交付する業務を行うことができるようにするとともに、この業務の経費及び競馬場の周辺
地域の住民の利便に供する施設の整備その他の競馬の健全な
発展を図るため必要な業務の経費に充てるため、今後生ずる剰余金を原資とした特別
振興資金を設けることとしております。
第三に、
畜産の一層の
振興を図るため、国庫納付金の使途として、営農環境の整備または農林畜水産業に関する研究開発であって
畜産の
振興に資するものに必要な経費を追加することとしております。
最後に、附則において定める
措置であります。
競馬の健全な
発展のためには、競馬ファンの支持が必要不可欠であることから、ファンサービスの
向上の一環として、
日本中央競馬会は、当分の間、剰余金を原資として、一定の勝馬投票法の勝馬投票的中者に対し、一定の金額を交付することができることとしております。
また、
地方競馬主催者も、その競馬
事業の収支の
状況から見て競馬の円滑な
実施に支障がないと認められるときには、同様の
措置を講ずることができることとしております。
以上が、この
法律案の提案の理由及び主要な
内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。