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伊藤(忠)
委員 いずれにしても、標準的なといいますか、大体全体に当てはまるような算出根拠はない、こういうことだろうと思いますね。あるとすればそれは各
省庁がお持ちなんでしょうということだと思います。だから、今
お話を聞きますと、結局定員は管理されていないに等しいのですね。
民間じゃ通用しませんよ。市場原理が働かない官庁だからということでもあるのでしょうが、
民間だったらとてもそんな格好じゃ経営できませんね。例えば、進んだ
民間の労使の
関係でいえば、この作業をやるためにはどれだけの人間が必要かというのは、ノルマ協定だって結んでいますからね。そういう物差しがきちっとなければ、それこそ
効率のある経営というのはできないと思います。
民間はそれが常識なんですね。官公庁というのは市場原理が働かないので、例えば、
政府が倒産したという話はありませんからね。ですから、どうしたってその辺が緩いと思いますね。
私は、何も
効率経営の話を
政府に当てはめてどうのこうの言っているのじゃないんです。つまり、
仕事がふえて人が伴わなければ当然オーバワークが出ますし、密度が高くなりますから、これはよくないと思うのですよ。労働条件の適正な均一化というのですか、そういうものをきちっとやっていくのが一元的管理であろうと思うのです。ですから、どうしても必要な
仕事量がふえまして結果的に人がふえればそれに伴って予算がふえるのは当たり前、それはしようがないのですよ。しかし、国家的な
財政状況から見てどうしても予算をふやすことができないというのであれば、それでは人件費増を抑制するためにはどのように簡素化するのか、
合理化するのかということを
考えなければ、
財政に負担がかかっていくわけでしょう。そういうことになると、よく官公庁でやられますが、第三セクターに譲るとか、あるいは
民間では常識なんですが、請負に出すとかということは、好んでやっているわけじゃなくて、本丸が立っていくようにするためにはどうしてもやむを得ない選択肢であるわけですね。ですから、その一番
中心の基本方針がきちっとしておらなければ、やはり
状況の変化に適正に対応できないんじゃないですか。
今一連の御答弁を聞いておりまして感じとして持ちますのは、どんぶり勘定だなと思いますよ。しかも人の部分というのは
仕事とは一体でございまして、職員の皆さんというか公務員の皆さんはそれぞれ
生活権というものがあるわけですから、非常に重要だと思うのです。一番重要な部分が各
省庁のお家の事情を引きずっていまして、それでどんぶり勘定でやっているというのでは、これは本当の
意味で忙しいという状態からもなかなか解放されないのではないでしょうか。小さな
政府と言いますけれ
ども、それは結果的に難しいのではないでしょうか。私は、そう思っておるわけです。
時間の
関係がありますからまとめて言わせていただきたいのですが、例えば公的
規制という
答申が
行革審の関連でも出されております。その中身をずっと見ますと、例えば、業界を指導なさるという
省庁が
政府には幾つかございますね。それは公的
規制に絡みまして、例えば、ある事業体に対して事業部制の徹底を図りなさい、もちろんこういう公的
規制なんかも
規制緩和が
課題としてあるでしょうというようなことがずっと
答申に書かれています。
会社はやりたくなくてもやらなかったら、市場原理が働いていますから、倒産するのですよ。ほうっておいてもやるのです。ところが、そのことを
政府の
省庁が、
所管庁が、そういう業界に対して事業部制の徹底をやりなさいと言えというのですが、言っている本人がわかっているのか、事業部制というのは一体どういうものかわかっているのかと私は言いたいのです。その場に身を置いて初めてわかるのであって、自分たちがそういう場に身を置かなければ、それは口で言ったってなかなか実感として持てないだろうと思うのです。皆さん方予算主義ですよね。
民間の人は決算主義です。毎月、月次決算で切り詰めて切り詰めて
仕事を運んでいるわけですものね。だから、やはりそういう中でどうしても事業部制で
効率のある事業運営をやらなかったら、責任
体制もきちんとそれぞれ事業部をしいてやらなければ、回っていかないわけですよ。これは、言われなくてもやらなければつぶれてしまうということなんです。だから、業界を指導なさる
所管庁はそのようにきちっと言われているのですから、言われているのならわかっているのでしょう、それならおのずからあなたたちもやったらどうですか、そういうスタンスに立てばどうですかということが言いたくなるのですが、どうでしょうかね。
これは
総務庁が総括的に答えるという問題なのかどうなのかわかりませんけれ
ども、やはりそういうものじゃないでしょうか。そのことが人を大切にするという
意味からも結局
仕事を大切にすることに一番つながっていくものですから、私は非常に突っ込んで強調しているわけです。そこのところを一遍抜本的に洗い直してもらわないと、
行革の
課題も結局人の問題が引きずりますから、なかなかさばさばと前へ向いて進まないのではなかろうか、こんな気がいたしますが、どうでしょう。