○吉田(耕)
政府委員 ジャスト・イン・タイム・サービスでございますが、これは必要なものを必要な量だけ必要なときに納入させるというような方式でございますけれども、これは在庫費用が圧縮されるという
意味におきまして物流コストが低減されるということで、我が国の経済
発展に大いに寄与した面も否定はできないと思います。しかし、逆にこういう方式は多頻度で少量
輸送になる、あるいは厳格な時間指定が求められるというような
輸送でございますので、最近におきます構造的な労働力不足に加えまして、先ほど来問題になっております
環境問題であるとかあるいは道路混雑の激化というような制約条件が大きく顕在化してきた今日におきましては、物流の効率化、省力化というような
観点からは
マイナスの面も含んでいるのじゃないかと我々は認識しております。
こういうような
状況を踏まえまして、昨年の十二月四日でございますが、運輸
政策審議会の物流部会から「物流業における労働力問題への対応方策について」と題する答申をいただきました。その中でもジャスト・イン・タイム・サービスの
見直しの
必要性について提言をいただいております。そういう提言を受けまして、
先生御
指摘のような具体策を今後進めていかなくてはいけないと
考えております。
第一には、御
指摘ございましたけれども、物流サービスの中に、非常に労働力のたくさんかかる労働集約型の物流サービス、それからゆとりのあるといいますか、効率的な物流サービスというのがあり得るわけでございますが、そういうサービスの間のコストの格差を反映するように弾力的な価格
体系を導入していかなくてはいけない、そして、価格メカニズムによってより望ましい方向に誘導していくべきではないかというように
考えております。
そういうことが提言されておりますので、私どもといたしましては、この弾力的な価格
体系の導入ということにつきまして、答申後、ことしの二月六日に学識経験者とか
関係の事業者とか産業界とかあるいは我々行政側から成る
検討会議を設けまして、ことしの六月を目途に
結論を得たいと
考えております。
それから第二番目の問題でございます。こういうジャスト・イン・タイム・サービスを少しずつ
見直していく場合にはやはり共同
輸送を推進していかなくてはいけない。複数の納入事業者から別々に各小売店に配達をするというのはやめて、一カ所の配送センターに集めて、たとえ異なったメーカーの品物であったとしても
一つの配送センターにまとめて
一つのトラックで運ぶというようなことにすると頻度が落ちて合理的な配送になるわけでございます。そういう共同
輸送につきましても今後大いに推進していきたいと
考えております。
それから最後に、
先生おっしゃいましたゆとりある
輸送というようなことにつきまして、荷主サイドの理解と協力を得なければいけないのじゃないか、私どももそれが不可欠であると
考えております。このため、答申でもそういうことに触れておりますので、先般、私が経団連とかあるいは日本商工
会議所などに出向きまして
説明会を開催するなどいろいろと働きかけを行っているところでございます。
さらには、そういう中央だけではなくて三大都市圏、これはそういう
地域地域で
地域の実情に応じた働きかけということもしていかなくてはいけないということで、地方の運輸局を中心に地方レベルで協議会を設けまして、今後とも改善の方向に向けて
努力してまいりたいと
考えております。