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松野(春)
政府委員 何点か御
指摘いただきました。
第一点目の
MMCのコストと、
MMCがふえることによってコストアップが図られる、これが
自由化の進展の中でますます大きな位置を占めるんじゃないかという御
指摘でございますが、
先生がその際御使用されたデータとは別に私
どもで試算してみましたので、お聞き取りいただきたいと思います。
MMC、
平成二年四月から三年三月まで、いわゆる
平成二
年度一年間でありますが、
MMC貯金の中でもいろいろな種類がございます。期間別それから金額別の種類がありますが、三年物の最高
利率ということで
一つとってみたいと思います。この
MMC貯金の最高
利率が、この期間で平均が六・五二%でございました。それから、もし一方の
MMC貯金がなければ
定額貯金であったろうという推定のもとに
定額貯金の三年以上のものが、これが最高
利率でありますが、平均六・一一%でございます。そうすると、この間の
金利差が
MMC貯金の方が〇・四一%上回るということになりますから、この限りでその分コストアップになるということは、これは自明でありますが、これを試し算ということで、アバウトな形でという前提で御理解いただいた上で、金額に置き直すとどうなるかという試算もやってまいりました。
コストアップ額を
平成二
年度で試算してみますと、
MMC貯金の三年三月末現在の残高の確定値は現在まだ取りまとめ中ではっきりしておりませんが、年間を通しての平均残高を出しますと約九兆四千億円ということに相なります。先ほど
利率を申し上げましたが、仮にこれがすべて最高
利率の
MMC貯金であったとして計算しますと、
MMC貯金の導入に伴うコストアップ額は、私
どもの試算では年間で三百八十億円程度であります。
先生御存じのように、昨
年度いわゆる集中満期のちょっと異常な年でありましたので、この
数字が果たして平
年度化した場合にどうであるかということはまた別にあろうと思いますが、試し算ということで御理解いただきたいと思います。
いずれにいたしましても、
自由化商品の導入が進むにつれて
資金調達コストがアップすることは御
指摘のとおり間違いのない状態で、これは我々においても
民間金融機関においても同じ状態であるし、またそれが
利用者に対する競争による
サービスアップということで、当然のことだろうと思います。
そこで、私
どもといたしましては、結局、支払い利子率と経費率から
一般的に
金融機関のコストというものを見るわけでありますが、極力経費の抑制を図ると同時に、一方で営業努力による
資金量の増加を図りながら、またもう一面では
資金運用面において一層の有利
運用に努めるということで対処しなければいけないなということであります。
それから二点目の御
指摘の点でありますが、確かに私
どもの
郵便貯金特別会計、年によりまして
先生おっしゃいますいわゆる逆ざやが生じまして、その都度一時的に
資金運用部資金から借りて決算をしておるという
状況であります。しかし、例えば
平成二
年度の決算につきましては、これも現在取りまとめ中でありますけれ
ども、予算上は
平成二
年度は単
年度で三千九十四億円の黒字予算を計上しておりますが、現段階では、これは少なくとも二千億円以上黒字が上回るといいますか黒字が加算される、したがって間違いなく五千億強の黒字にはなるであろうという推計を現在しております。この決算の数値を締めますのはもう少し時間がかかりますが、今のところそういう見込みであります。
しかし、それで十分であるかといいますと、今後
自由化の進展につれて先ほど申しましたようないろいろな対応の仕方をやってまいらなければいかぬわけでありまして、お示しの
定額貯金の問題でありますが、この
定額貯金というのは実は
郵便貯金固有でありまして、収益性と流動性を兼ねておる、十年間安定的な利回りを得られる、半年複利である、その他いろいろ
特徴がありまして大変身近に御利用いただいておりますが、私は、基本的にはこの
商品もやはり
金利の
自由化の中で
金利自由化対象に組み入れていくべきであろうし、またその方向で
検討していきたいということで考えておるわけであります。
したがって、定額
郵便貯金がそのままの形で残って、それに
MMC貯金が重なることによってこの
郵便貯金が赤字になるというふうには私自身は実は思いません。しかし、それに対して、今後の
自由化商品をどういうふうに私
どもでつくっていくのか、バラエティーをどういうふうにつくっていくのか、どうやって多様化していくのかという私
どもの
事業努力がやはり一に私
どもの会計を健全な形で維持していく一番のもとになることであろうというふうに自覚はいたしております。
なお、国民との
関係でありますが、これは申すまでもなく、私
ども特別会計でありますから、この特別会計の責任は、単
年度で見ますと黒字、赤字が出ますのは、これは
一つには私
どものお客様に払う利子の支払い
状況、そのときの
金利状況と私
どもの一番大きな収入源であります
資金運用部の預託収入との間で
利率等が間々ミスマッチといいますかタイミングがずれるケースが過去においてもございました。あるいは今後においても予想されるわけでありますが、これを極力、例えば営業の方で
金利連動型の
商品を発売するのであれば、預託収入の方もできるだけ
市場連動型の
預託利率に変えてもらいたい、ことしの大きな
課題でありますが、そういうこともいろいろ
関係機関と
協議しながらこれに対応してまいりたいなというふうに思っております。
いずれにしても、特別会計を預かっておる
郵政省の責任で国民の皆さんにそのしわ寄せが、例えば税金というような形で、これは万々が一にもないと思いますが、あってはならぬことでありますので、十分心得て対応してまいりたいと思っております。