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吹田国務大臣 ただいま議題となりました
銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する
法律案につきまして、その提案理由及び
内容の概略を御説明申し上げます。
この
法律案は、最近におけるけん銃使用犯罪の実情にかんがみ、新たにけん銃の銃身等の部品の所持及び輸入を
規制し、並びにけん銃等の密輸入の予備等を処罰することとするとともに、猟銃の操作及び射撃に関する技能の向上等に資するため練習射撃場の指定等の制度を設けるほか、社会情勢の変化等に応じた銃砲及び刀剣類の所持に関すの
規制の見直しを行い、あわせて、刀剣類の製作の承認に関する規定を
整備すること等をその
内容としております。
以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
まず、第一に、けん銃部品の所持及び輸入の禁止についてであります。
これは、摘発を免れるため、けん銃を部品に分解して所持し、または密輸入する事案が発生していることにかんがみ、けん銃の銃身等のけん銃部品の所持及び輸入を、一定の場合を除き、禁止することとするものであります。
第二に、銃砲及び刀剣類の所持に関する
規制の合理化についてであります。
これは、国際化の進展その他の社会情勢の変化等を踏まえ、新たに、芸能の公演、博物館での展示等に供するための銃砲または刀剣類については、けん銃等を除き、その所持について許可をすることができることとするものであります。
第三は、練習射撃場の指定等についてであります。
これは、猟銃の操作及び射撃に関する技能が低下していること等に起因する事故の絶無を図るため、猟銃を所持する者がその技能の維持向上のために射撃を行う機会を拡大する等の見地から、都道府県公安
委員会は、猟銃に係る指定射撃場のうちから練習射撃場を指定することができることとし、猟銃の所持の許可を受けた者等が練習射撃場に備えつけられた猟銃を使用して射撃練習を行うことができることとするものであります。
第四に、美術品としての価値ある刀剣類の製作の承認についてであります。
これは、行政改革の一環としての国から地方への権限移譲を進めている観点から、現在、文化庁長官が行っている美術品として価値のある刀剣類の製作の承認に関する事務を、一定の場合を除き、都道府県の教育
委員会に行わせることとするものであります。
第五に、罰則の
強化についてであります。
これは、最近、大きな社会問題となっている暴力団犯罪において使用されるけん銃のほとんどが海外から密輸入されたものであることにかんがみ、けん銃等の密輸入の予備
行為をした者及びけん銃等の密輸入に対する資金等を提供した者を処罰することとするとともに、けん銃等の密輸入の未遂罪及び予備罪の国外犯を処罰することとするものであります。
その他、この
法律案では、都道府県公安
委員会は、銃砲または刀剣類の所持の許可を受けた者がこの法律の規定に
違反した場合等において、その者に対し、危害予防上必要な
措置をとるべきことを指示することができることとすること、手数料の額を実費を勘案して政令で定めることとすること、罰金額を引き上げること等所要の規定の
整備を行うこととしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、この
法律案の提案理由及びその
内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願い申し上げます。
次に、ただいま議題となりました
暴力団員による不当な
行為の
防止等に関する
法律案につきまして、その提案理由及び
内容の概略を御説明いたします。
この
法律案は、最近における
暴力団員の不当な
行為によって市民生活の安全と平穏が脅かされている実情にかんがみ、国民の自由と権利の侵害を防止するため、構成員等が集団的にまたは常習的に暴力的不法
行為等を行うことを助長するおそれが大きい暴力団を指定する制度を設け、この指定された暴力団の
暴力団員の行う暴力的要求
行為等を禁止し、その
違反に関する所要の
措置を定めるとともに、暴力団の対立抗争等による市民生活に対する危険を防止するため必要な
措置を講ずるほか、
暴力団員による不当な
行為の防止及びこれによる被害の救済に資するため暴力追放運動推進センターを指定する制度を設けること等をその
内容としております。
以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
まず、第一に、指定暴力団等の指定等についてであります。
これは、都道府県公安
委員会が一定の要件に該当する暴力団を指定暴力団または指定暴力団の連合体として指定することにより、
規制の
対象となる
暴力団員の範囲を一義的に明確にするものであります。
この指定に当たっては、都道府県公安
委員会は
国家公安委員会の確認を求めなければならず、この確認は審査専門
委員の意見に基づくものでなければならないこととするとともに、聴聞及び不服申し立ての制度を
整備すること等により、指定処分の適正を最大限確保することとしております。
第二に、指定
暴力団員の暴力的要求
行為の
規制等についてであります。
これは、
暴力団員が暴力団の威力を示して
一般市民や
事業者に対して不当に金品等を要求する
行為を行っている実態にかんがみ、
暴力団員が行う典型的な不当な要求
行為を
規制するものであります。
その一は、指定
暴力団員が、その所属する指定暴力団等の威力を示してみだりに金品等の供与を要求する等の暴力的要求
行為を行うことを禁止し、その
違反に対しては、公安
委員会が、当該
違反行為の中止を命じ、または再発防止のために必要な事項を命ずることができることとするものであります。
その二は、指定
暴力団員に対して暴力的要求
行為を依頼する等の
行為を禁止し、その
違反に対しては、公安
委員会が、再発防止のために必要な事項を命ずることができることとするものであります。
第三に、
暴力団員の不当な要求による被害の回復等のための援助についてであります。
これは、
暴力団員による不当な要求による被害の回復または防止を図るために、公安
委員会が一定の援助を行うものであります。
その一は、指定
暴力団員による暴力的要求
行為の相手方からその被害を回復しようとするに当たって援助の申し出があったときに、公安
委員会が、その申し出人に対し、当該指定
暴力団員への連絡その他必要な援助を行うこととするものであります。
その二は、
事業者に対し、
暴力団員による不当な要求による被害を防止するための
措置が有効に行われるようにするため、公安
委員会が、資料の提供その他必要な援助を行うこととするものであります。
第四に、対立抗争時の指定暴力団等の事務所の使用
制限その他の
規制についてであります。
これは、暴力団の事務所の使用及びその事務所に係る
行為並びに暴力団への加入の勧誘等の
行為について一定の
規制を行うことにより、市民生活の安全と平穏の確保を図ろうとするものであります。
その一は、指定暴力団等の間に対立抗争が発生した場合に、その事務所が多数の指定
暴力団員の集合等の用に供されているときは、公安
委員会が、その事務所をこれらの用に供すること等を禁止することを命ずることができることとするものであります。
その二は、指定
暴力団員が、少年に対して指定暴力団等への加入を勧誘すること、人を威迫して加入を強要すること等を禁止し、公安
委員会が、その
違反行為の中止を命じ、または脱退妨害の
防止等のために必要な事項を命ずることができることとするものであります。
その三は、指定
暴力団員が、その事務所等において付近住民等に不安を覚えさせるような
行為をすること等を禁止し、公安
委員会が、その
違反行為の中止等を命ずることができることとするものであります。
第五に、暴力追放運動推進センターの指定についてであります。
これは、
暴力団員の活動による被害の予防等に資するための民間公益活動の促進を図るため、都道府県ごとに暴力追放運動推進センターを指定し、これらのセンターに民間の活力を発揮して暴力団追放運動、
暴力団員による不当な
行為に関する相談に応ずること等の
事業を行わせることとするものであります。
その他、仮の命令、不服申し立て、審査専門
委員、罰則等について所要の規定の
整備を行うこととしております。
なお、この法律は、公布の日から一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、この
法律案の提案理由及びその
内容の概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。