○平田(米)
委員 この
実態を見ますと、個人に対しては富裕税、そして法人に対しては法人
土地保有税、いろいろな根拠で昨年議論されましたが、法人
土地保有税という性格を持つのではないか、こういうふうなとらえ方ができるんじゃないかと私は思うのです。
大蔵省の
説明としては、
資産価値に根拠を持つというふうにおっしゃいますけれ
ども、
実態としましては、現実問題としてそういうことになっているのではないかと私は感じてならないわけでございます。
時間がありませんので先に行きますけれ
ども、今回
税率を〇・三%、当初は〇・二%とされたわけでございますが、その根拠といたしましては、
土地の
有利性を縮減する、もう
一つは事業の継続性に配慮する、こういう二点から〇・三%が適当ではないか、こういうような御
説明があるわけでございます。メリットの中でも、
大臣がおっしゃいましたが、今回の
地価税の
導入というのは、
土地基本法十五条の
税負担の公平の確保を図るということが大きなメリットであるし、また柱である、こういうふうな御
説明があるわけでございますけれ
ども、我が党は法人
土地保有税というのを昨年来主張してきたわけでございます。
その根拠といたしましては、個人には相続税というのがかかっている。しかし、法人というのはもちろん死亡というのはありませんので、相続税という税はないわけでございます。しかし、死亡するとか死亡しないとかということではなくて、
土地の
負担という
意味では、個人は相続税という形で大変な
税負担がある。それに対して、法人に対してはそれに見合う
税負担というものがない。ここに個人と法人の
税負担の不公平があるのではないか。これを是正する
意味で法人に
土地保有税を課す、こういう
考え方を持っておるわけでございます。これにつきましては、基本的に同じ
考えだろうと思いますが、国土庁もそういう案を出された経過もあるわけでございます。
ところで、
委員長、この表をちょっと示して質問させていただきたいと思いますが、お手元に渡っておりますでしょうか。
これは私が
大蔵省の資料等からつくったものでございまして、全部で各六年度の表でございます。一番左側が各年度、それからその次が、順次申し上げますと、その年度の相続税額でございまして、そして課税された相続財産における
土地の比率でございます。その比率を掛けますと、相続税が課せられた
土地に対する相続税の税額というのが出てまいります。
すなわち、
平成元年でいきますと、相続税額が二兆三千九百三十億円、それに対して相続税がかけられた
土地の相続財産における比率は六七・四%でございますので、それを掛けますと
土地に対する相続税額というのが出てまいります。それが一兆六千百二十八億円でございます。では、そのときのその
土地の財産価格、もちろんこれは相続税
評価額でございますが、八兆五千七百二十三億円、こういうことになります。そうしますと、八兆五千七百二十三億円の
土地財産に対しまして、相続税が一兆六千百二十八億円かけられたということになるわけであります。そうすると
税率が幾らになるかといいますと、そこのB分のAということで一八・八%ということになります。これは一世代に一遍にかけられるわけでございますので、もしこれを毎年ならしてかけたとするならば一体幾らが
税率になるのか。一世代が二十五年なのか三十年なのか議論がありますが、三十年という長い方で割りますと、一年間の
税率が〇・六二六%ということになります。個人はこれだけの
税負担があるわけでございますから、法人も同じように
土地を持っていることに対して同様の
負担をしてもらいたい、これが法人
土地保有税の
考え方でございます。
そうすると、
税率を幾らにするかということになります。個人は〇・六二六%であるわけでございますが、法人の場合は損益通算というのがございますので、実効
税率をこの〇・六二六%にするためには、この二倍の
税率をかけるのが適当ではないかということになります。そうすると一・二五二%の
税率が適当ではないか、こういうような計算になるわけでございます。
これは昭和四十一年から五十年、六十一年、六十二年、六十三年、それぞれ同じような計算をして出したものが一番右側の欄でございまして、六十三年には〇・九七二%、六十二年には一・〇六六%、六十一年には〇・九五二%、五十年には〇・八二〇%、四十一年には一・〇六〇%、ほぼ一%前後にまとまっておるわけでございます。確かに今回は〇・三%ということで
税率を決められたわけでございますが、しかし、
土地基本法の税の公平化、この精神からいくならば、個人にも実質一%毎年相続税という形でかかっておるのが
実態なわけでございます。それを相続税というときにまとめて払うわけでございます。それに対して法人が〇・三%では余りにも不公平ではないか、やはり個人と同じように持ってくるためには、
税率を一%まで上げて初めて公平と言えるのではないか、これがこの表の
数字が示す事実なわけでございます。
そういう
意味から、私は、今までなかった
税制を急にぽんと高い
税率で出すというのは、これは社会への大きな
影響ということを
考えますと、適当ではないという
考え方も十分納得をするわけでございます。しかし、
土地基本法というものを
考えた場合には、将来的には一%まで法人に対する課税を上げていく。
地価税というものが個人にもかけられておるならば、個人と法人の
税率を将来的には変えるという方向性が
土地基本法の
規定に基づく
税制の
改正、あるべき
税制ではないか、こんなふうに私は思うわけでございますが、
大臣、いかがでございましょうか。