○菅
委員 これからいろいろ都市計画などを考える上で、逆にこういう
土地税制が分散
効果もあり得るという点は、これからの
一極集中の是正の中で
一つの大きな要素になり得るのではないかということを申し上げておきます。
建設省にも一応来てもらっていますけれ
ども、今回の
地価税あるいはさきの譲渡益課税の強化あるいは今後進められる
方向の今の固定資産税の問題などで、
土地税制の改革がかなりここで前進をしたわけです。そこで大きく残された問題が
土地の利用計画であるわけです。
そこで、きょうは短時間ですから大きい点だけ聞いておきたいのですが、私は建設省がいろいろ
努力されていることはわかるのですが、何か基本的なコンセプトに欠けているのじゃないかと思うのです。つい先日、ドイツのどこだったでしょうか、都市計画の担当者がある新聞に書かれておりましたけれ
ども、最初に日本に来たときに東京から大阪まで家がぎっしりつながっているのでびっくりしたという発言がありました。つまり、なぜそうなったのかということに対してその同じ人が、多分日本は経済を優先させたから、乱開発というかどんどん自由に開発をさせたんだろう。ドイツの場合はきちんとした町づくりをするために若干経済の
成長が抑えられても計画的な形以外は建設を認めなかったんだ。実は私も昨年ドイツに行ってそういう関係者から少し話を聞いたんですが、そういう趣旨の話を直接にも聞きました。特にそれは都市の外側の枠、つまり外縁部、外側の枠を野方図に広げない。そうしますと自然に、例えばドイツの都市であれば百万
程度の都市が孤立して存在をしてアウトバーンでつなぐ。そうすれば職住近接の都市というものにならざるを得ないといいますか、なってくる。職住近接と東京を比べてみると、多分仕事とか経済活動においては、東京のように都心に何でもかんでも集まっている方がやりやすいんだと思うのです。しかしその分、
平均通勤時間が一時間二十分とか、それから住居の
取得がまさにめちゃくちゃに難しいとかということになっている。
そういう
意味で、私は、
土地の利用計画を考えるときに、今進められている地区計画とかいろいろな手法はそれとしてわかるのですけれ
ども、もっと大きな、都市というものはどうあるべきなのか、いわゆる経済中心的な都市から生活中心の都市にしていくにはどうすべきなのかという基本的な
考え方を持たなければ、議論の
方向が見えてこないと思うのです。そのことを考えますと、今都市の
成長管理という
言葉もあちこちで使われるようになりましたけれ
ども、都市全体の
成長をどういうふうにコントロールするかという
意味での
土地利用計画というものが必要ではないか。今いろいろな
法律がありますが、そういうものに見合った
法律が必ずしもない。あるいは線引きなどあったとしても事実上そういう
考え方でそれが活用されているとは思えないわけでありまして、そういった基本的な
考え方について建設省としてどのような考えを持ってこれからの
土地利用計画の問題に臨もうとしているのか、一応見解を聞いておきたいと思います。
〔大石(正)
委員長代理退席、
委員長着席〕