○岡田(利)
委員 北海道の夕張にはかつて十四の
炭鉱があって、
一つ一つ全部これは
閉山交付金をもらっているのですよ。これはほとんどが北炭の
炭鉱ですよ、三菱の
炭鉱は二つしかなかったのですから。同じなんですよ、資本は同じなんです。ただ、
炭鉱が海底であって分離できないだけなんです。陸地なら坑口を閉鎖できるんですよ。だから、例えばかつて高島
炭鉱が
縮小したときにも坑
口閉鎖を一応仮定として認めて、あそこは交付金を出したこともあるのですよ。だから、そういうことがあるんですよ。そういう点で、ぜひ
検討してやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
時間がありませんから、
大臣、今来られましたので
一つだけお伺いしておきたいと思います。
第九次
政策に
対応する労働
政策、
雇用政策は一体どうなのか、
大臣の所信表明に出ていないのですよ。今までに発生した失業者に対してはどうするのか、
労働省はこう
考えていくというふうに出ていますけれ
ども、今、第九次
政策を諮問して、せっかく討議中であって、六月には
答申される、こういう
状況にあるわけですね。そういう面で見ますと、
労働省として
雇用政策は第九次
政策に
対応して一体どう
対応していくのか。
通産省の
雇用問題に
労働省がちょっと出て何かこうやっているようでありますけれ
どもいかがなものか、こういう感じが私はするのであります。
そして
大臣、今、日本の
労働省の労働
政策の原点は何かというと、
炭鉱労働者の
雇用政策、
離職者の援護
政策、これが原点なんですよ。これを下敷きにして今すべての日本の
雇用政策ができているのですよ。そして、これを超えたものはないのですよ。国鉄のような場合は制度が違うものですから、三年間給料をくれたわけでしょう。しかし、民間の場合には、進駐軍だって二年間ですからね。今のグリーン手帳だってそうでしょう。これを超えた、三年を超えたことはないのです。それだけにやはり重要であり、この
雇用政策というものは日本の
労働省の労働
政策の原点だ、こういう認識で、ぜひ援護の臨時
措置法を一体どうするのか、あわせて当然、この期間を延長するなら延長するだけではなくして、内容を
検討しなければならぬ時期ではないかな。
なぜかなれば、
閉山する
炭鉱は
都市炭鉱なんですね。昔は山の中にありまして、今はもう一自治体一
炭鉱の状態で、それが城下町の
関係になって、それがばすっとなくなるわけですね。ですから、そういう意味で今までの場合と違って、
雇用問題でも、住宅とかそういうものは全部あるのですから、ある程度の社会的なインフラは
整備されているのですから、企業が来なければどうするかという問題になるわけですね。
今の緊就制度というのは黒手帳のできる前にできたから、九州に若干存在するわけです。北海道にはない。開就制度というのがあるわけですね。開就制度は北海道にないわけですよ。ですから、そういう意味で、じゃ
雇用対策で一体この開就制度を適用するのかどうか、あるいは今のこの制度でなくても、特別
開発就労制度があるのですから、やはり何かを
対応して
考えるのかどうか。これだって、今度は九次
政策を前にして抜本的に
検討してみなければいかぬのではないかな、こう思うのですね。あるいはまた黒手帳の水準に合わせて、一日二千二百円じゃなくして、一カ月この程度のもののアルバイト的な収入は認めるとか認めないとか、しばしば問題になっていることも
検討してもらわなければならぬのではないでしょうか。
もう
一つ、直接
労働省の所管ではありませんけれ
ども、厚生年金の受給者で仕事がないという人がおるわけですね。これは、
炭鉱労働者は今坑内夫五十五歳から年金が出ますから、そうすると、まだ仕事があれば働き得る
状況があるわけですね。しかし、年金制度で厚生年金だけが金額的な制限があるわけですよ。ほかの年金制度にはないわけであります。これを全部やめるとは言いませんよ。今の
雇用状況で判断したら、常識的な線まで上げていいのじゃないかという問題も今日の
雇用情勢の中にはあると思うのです。
ですから、この第九次
政策を
議論するに当たって、
労働省の今までの
雇用政策、
離職者対策の原点であるこの
炭鉱の労働
政策について、今言った諸点について
労働省が主体的に
検討さるべきじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。