○土肥
委員 私は、本日、
民間社会
福祉法人あるいは社会
福祉施設、とりわけ
事務費、人件費等措置費という部分について御
質問をしたいと思います。
皆さん御承知のように、既に日本の社会
福祉施設は四万九千余になりまして、在所者数はもう二百二十万、従事者数も五十七万七千人を超える、いわばもう日本の社会にとって欠くことのできない社会
福祉制度が今実現しているわけでありますけれども、私は
民間福祉に携わってきた者といたしまして、これまでさまざまな疑問を持ってまいりました。その中でも、特に措置費の中身というものが明快でない、あるいは知らされてないという部分がありまして、私は、なるべくその措置費というものの中身について、積算根拠について明快にすべきだとも思っております。
それから、
施設整備につきましても、
施設整備をするときの単価なり土地の取得、それに対する補助金等々についてもさまざまな問題を感じておりますので、徐々に詰めさせていただきたいと思っておりますが、本日は主に
事務費の中でも人件費、そして、できましたら若干管理費の部分についてもいろいろお聞きしたいというふうに思っております。
私、
民間福祉施設を見ておりましてつくづく思うのは、今日に至ってようやく
施設運営、
施設経営が安定してきた。そういう意味では、日本の国の
福祉政策というものもかなりの水準に至ったというふうに思います。そして、そこで提供されております
福祉サービスにいたしましても、かなり水準の高いものが実現できたことは大いに評価するわけでありますけれども、逆にこの措置費というもので守られてきました特に
民間福祉法人、
民間福祉施設、実は総
予算のほぼ九割から、一〇〇%とはいきませんけれども、九割以上の運営費を補助金あるいはその措置費で賄われているわけであります。そして、それが
民間福祉法人、
福祉施設の安定化をもたらしたわけでありますけれども、どうもその措置費
制度という
あり方によって日本の
民間福祉がある意味で制約を加えられ、制限を加えられてきている。そして、どうもやはり一元的、画一的な、言ってみれば行政スタイルといったようなものが
民間にも身についてしまう。いわば
民間福祉法人という独立した組織であるにかかわらず、やっていることは行政のスタイルと全く同じだというようなことが随所に見られて、したがって、あるいは非営利だとか公共的性格というものを非常に強く望まれますために、どうも
施設自体あるいは
施設運営者自体もっと大胆な創造的な生き生きとした
福祉展開をすることが難しくなってきているというふうな感じが大変するわけであります。
つまり、ある意味で措置費
制度というもので守られながら措置費
制度の枠内でしか仕事ができない、そういうものにならされてきてしまいまして、言ってみれば単なる国の代行機関になってしまう、行政の代行機関になってしまうような傾向が出てまいりまして、そして、これだけの
高齢化社会を迎えて、そして、これだけ
資産価値が高まっている中で、
民間福祉法人が持っております土地なりあるいは
資産を十分に活用して、しかも
高齢化社会というふうな我が国が初めて経験するような社会自体に
民間福祉法人が生き生きと積極的にかかわりを持つ、そういうふうなことにはならないで、むしろ措置費に守られ過ぎてというと語弊がありますが、措置費が十分だというわけじゃなくて、措置費
制度のスタイルをそのまま
民間福祉法人が持ってしまって、そして、どうにもこうにも行かなくなっているのではないかと私は感じるわけです。
きょうは、措置費
制度というものを国が実施している中で、将来
民間福祉法人に対して一体国はどういう期待をし、また、どういう方向に行ってもらいたいと思っているのか、その辺を特に児童養護を
中心にしてお尋ねしたいと思うわけであります。
まず、措置というような言葉も私は非常にひっかかるわけであります。行政用語としては何でもないのかもしれませんけれども、やはりそれを、
民間人も措置、措置というようなことを言いますので、どうも役所的になってしまうわけであります。私がちょっと調べましたものでは、ちょうど児童
福祉法ができます昭和二十二年に
厚生省がGHQに
福祉の措置と保障という法案を出した、それを英文に訳してGHQに出したそうでありますけれども、それはウエルフェア・プログラム・アンド・セキュリティーと書いてある。ウエルフェア・プログラム、要するに社会
福祉のプログラムなんだというふうになっているわけでありまして、それが措置ということになってくると非常に問題を感じるわけであります。
そういうことを前置きにいたしまして、まず措置費
制度は一体どういう経過で決められて、そして措置費
制度に措置費というお金が裏づけされるわけでありますが、それはどういう根拠に基づいて決められているのか、お知らせいただきたいと思います。