○羽田
委員 ただいま
各党から、それぞれの
政党がお考えになっております
政治改革、なかんずく
選挙制度改革等を含めてお話があったわけであります。その間にありまして、我が党が先ごろ提案いたしました要綱、これについての御
批判もあったところであります。この点からまず申し上げてみたいと思うわけであります。
先ほど社会党さんの方からもお話があった中で、実は私ども特に申し上げておきたいと思いますのは、我が党が提案をいたしました要綱というもの、これが何か自由民主党の
党利党略的なもの、これは今共産党さんの方からも御指摘があったわけでありますけれども、そういった中で進められたこれに対しては、我々としてはどうしても、というお話があったわけであります。しかし、我が党は別に
党利党略ということでこういった問題を提起したのじゃないということをまず申し上げておかなければならないであろうと思っております。
我が党の
党利党略であるということでありますと、過去の実績というものが示しますように、
現状の中
選挙区制であるならば私どもはこれからも永久に政権を続けることができる。共産党さんの方からも、どうも小
選挙区
導入というものを加味したこの案というものはまさに
自民党の永久政権をと言っておるのですけれども、少なくも片山内閣以後のあれを見ただけでも三十数年間も続いておるということは、まさにこれは我が党の永久政権であろうと思っております。そして、よその国から見たときに、こんな政権の交代のないもの、これはまさにあなたの国は
民主主義の国なんですかということを実は指摘されているぐらいであります。そのことはおくといたしまして、いずれにしましても、我が党は現在の中
選挙区制であるならば永遠に勝ち続けるであろう、これは過去の歴史が示すとおりでありまして、そういう意味で我が党の
党利党略というものでないということをまず申し上げておきたいと思います。
だったらなぜなのかということは、この間細かく説明いたしましたから余り細かくは申し上げませんけれども、いずれにしましても、今の状況下というのは、我が党が余り複数で多くのものを、政権を確保するために過
半数をとろうということのために、たくさん出てくるために余り
政策の論争がないということ、しかも、与党と与党のぶつかり合う中で、ほかの
政党をはじき飛ばしてしまっているという現実がある、やはりこういったことでは本当の意味でのあれにならぬなということと、もう
一つは、十数%確保すればこれは当選してしまうということですから、実際に
政策というものについての収れんがなし得ないということ、そして、今もお話がありましたけれども、どうも皆さんの御
意見の中に断固
反対であるという言葉がよく出てくるのですけれども、今までもいろいろな法案の
審議の過程でも断固という言葉が出てくる。十数%とっていれば、御自分
たちの主張だけを断固守っていれば何とかまた次も確保できるという中で、今度我が党とはあれを置いた場合に、
各党も、三分の一
政党、四分の一
政党、五分の一
政党に何か流されてしまっているのじゃないか、そこに安住してしまっているのじゃないのかということをつくづく感じ、そして、ここまで大きく国内であってもあるいは国外であっても
一つの転換期にあるときにこういう
状態では、私どもは本当の
政治ができないなということ、これがやはりどうしても
選挙制度というものにさかのぼらなければいけないだろうということであります。
第二点目は、これは金の問題というのは、残念ですけれども我が党などいろいろと問題を起こしたことも事実であります。しかしこの問題というのは、同じ
政党の中で複数で争っているということになりますと、どうしてもサービス合戦になってしまうというのが実は
現状でありまして、その意味でやはりこれを直すためには
選挙制度そのものを変えていかなければいけないのじゃなかろうかというふうに思っております。
今御
意見の中にも、腐敗行為防止法ですとかあるいは
政治資金規正法ですとかあるいは
政治家の
倫理の問題ですとか、こういった問題について正せば今の中
選挙区の中でも何かうまくいくようにお話があったわけでありますけれども、過去においても、いろいろな事件が起こるたびに
政治資金規正法ですとかあるいは
公職選挙法ですとか、そういったものの手直しをやってまいりましたけれども、残念ですけれども、もうその手直しでは本当の
改革につながっていかないのだろうということを私
たちはみずからを反省しながら、ここで
選挙制度、いわゆる根本にさかのぼってやっていかなければいけないであろうということでこの
改革というものをしていこうということで、実は先ごろ来御提案をしておるところであります。
そして、そういう中でまとめられたものというのが、何か一方的に我々だけで、あるいは選ばれる側だけで考えたんじゃなかろうかという御指摘がありました。このことにつきましては、実は私どもが要綱をまとめるに当たりまして皆さんと
議論したときにも、我々は、まさに選ばれる側だけの
議論である、これではやはりならないんだということで、今社会党さんの方で、いろいろな日にちを追いながら、こういうことで
自民党の要綱がまとまったものであろうというふうに書かれておりますけれども、これはあくまでも表といいますか公の場の問題だけでありまして、我が党としては、これは四十七
都道府県あるうち二県だけはどうしても行くことができませんでしたけれども、四十五の
都道府県を回ってまいりました。しかも、そのときには、これは我が党が主催するのですから我が党だけになってしまうんですけれども、そうでなくて、できるだけ多くの団体、組織、そういったところにも呼びかけてほしいということで、このことをお願いし、まあ我が党だけの役員だけの集まりみたいなところもありましたけれども、そうでない
立場の皆さんも相当お集まりいただいたということであります。それから社会経済
国民会議が主催をしていただきまして、私どもが出ていってお話をした場合には、そこにはその地域を代表する報道
関係の皆さん、あるいは市町村等のいわゆる
理事者の皆さん、あるいは
議員の代表の皆さん、また経営者の代表の皆さん、それから労働組合の代表の皆さん、そのほか割合と幅広い範囲の皆様方の代表の方が実は御出席をいただきまして、率直な御
意見をいただいたところであります。
その意味で、これは完全というわけにはいきませんけれども、私
たちは選ぶ側の皆様方の
意見というものをできるだけ
反映すべきであろうということで、そういった
意見というものを
一つでも多く拾おうということで、我が党は、それこそ昨年の場合には夏休みとかそういったものをすべて返上しながら、そういったみんなの声を吸収するための、我々としては最大の
努力をしてきたということを申し上げることができるであろうと思っております。そういう中からああいった要綱というものがまとめてこられたんだということをぜひ御
理解をいただきたいと思っております。
それから、今御指摘のあった細かい点について、またそれぞれ皆さんから御質問があろうと思いますから余り数多く申し上げませんけれども、「
自民党に有利な農村部の
議席を増やし不利な都市部をカットしたこと」というんですけれども、私どもは
国会決議の中に、公平であるということが大事であるけれども過疎・過密にも配慮しなさいという中で、確かに一名ずつ各
都道府県にまず割り振って、あとを案分したということはありますけれども、これはまさに
国会決議というものを尊重しながらやったんだということ、これについても申し上げておきたいと思っております。
それから「
企業献金を認知しただけでなく、さらに例外とする
政治家への
企業献金の途をひらいたこと等」と書いてございますけれども、これにつきましても、我が党としても将来は
企業献金というものについて考えていかなきゃならぬ。しかし我が党の中で、一方では
企業といえども
一つの社会的な構成の一員であるという位置づけをしながらも、しかし
企業献金と言われるときにいろいろなことが言われる、また
政治に対する不信というものが生まれてくるであろうということで、こういったものについては外していく方向でいくのであろうけれども、現実というもの、
現状というものがある。そういう中で
公開性ということ、あるいは透明性ということを大事にしながら、できるだけ大きなものではなくて小さなものにしていきましょうということで、
政治資金についても考え、あるいはパーティーなんかについても透明性というものを重視しながら、今の
現状より相当厳しくやっていこうということであります。
それと同時に、腐敗防止法という御指摘があったわけでありますけれども、こういったものも加味しましょうということで、
公職選挙法でももし違反をした場合にはその
選挙区から五年間ですか出られないというようにいたしましょうというようなことを
一つ方向づけをしておりますし、
政治資金の場合にも同様のことが実はうたわれておるということでありまして、私
たちはやはり完全なものだなんということは言えるものじゃありませんけれども、大きく前に向かって前進したものであるということは認めていただきたいと思うし、そういったものについて
理解をいただき、
各党全部が一致してそれこそ理想的なものができるということはなかなか難しいんですから、やはり一歩一歩間違いない前進というものをするために、ぜひともひとつ皆様方の御
理解をいただきたいと思うのです。
私どもも
国会決議というものは重視している
立場でありまして、何かその上を行ったことを、
定数是正もやろうということを言っておるということでありますけれども、そうではなくて、
定数是正というものを今度の
選挙制度の
改革の中に含んでおるんだということでありまして、そういう中で実現しようということであります。
定数是正、そして
選挙制度を考えたらどうだという御指摘が
各党からもありましたけれども、そして
各党の皆さんも今の
選挙制度にはやはり飽き足らないんだということを皆様がお認めになっておるように、私どもといたしましてもそういったことを考えたときに、
定数是正には大変なエネルギーを必要とする、そういうことを考えたときに、やはりこの際
選挙制度もひとつ一緒にやっていこうじゃないかというのが我々の提案であるということを、きょう改めて申し上げておきたいと思うわけであります。
そして、特に皆様に御質問をしてみたいと思いますのは、一点だけに絞りますけれども、私
たちはこういった要綱を昨年の十二月にまとめたことはもう御案内のとおりであります。そして、これは我が党だけでやるべきものではない。やはり
民主主義の土俵であるということであるのだから、
各党ともできるだけ話し合っていこうということで、それまでの間、非公式な話し合いをしてまいりましたけれども、まとめた以上、やはり公式に
議論していただきたいということで、この
委員会でも発表させていただくと同時に、我が党の総裁から
各党の党首の皆様方に対して、こういった
制度の問題も含めて
議論をする場をぜひとも
国会の中につくっていただきたい、代表する皆様方によってつくっていただきたいということをお願いをいたしておるわけでございまして、こういったことに対して皆様から御
理解がいただけるかということ。
そしてもう
一つ。今、皆さんの御指摘の中にも
定数是正、そして
選挙制度、あるいは
政治資金、公的助成というようなお話と同時に、
国会改革なんということについても実は御指摘があったわけでございまして、こういったものを、やはりだれもがみんな問題があるという意識は持っているのですから、私はできるだけ早いときにこういった問題だけを専門に
議論する、いわゆる
政治改革国会といいますか
臨時国会、こういったものを我々は今提唱しようとしておりますので、ぜひこの点について皆様方の御
理解をいただきたいということ。そして、これについて、それぞれの
委員の皆様方の
意見を承れればありがたいなというふうに思っております。
長くなりましたが、以上です。