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山下(八)
委員 列車の車両がこれだけたくさんあるから難しい面がある、これだと、
事故解明も、あるいは今度は
事故から事前に守る、このことにとっても大きな前進はしないと私は思うのです。
飛行機にしましても、一方では大変危険だからあれだけブラックボックスをつけまして、それからやはりプライバシー問題がございますから、会話は三十分で自然に消えていくという
システムをとっているのですね。飛行機だと三十分前からわかればいいだろうということで。
列車にしましても、もしそういうプライバシー問題が出てくるのであれば、例えば
事故の起きた十五分前ぐらいから解明できれば大体よくできるだろう、そういうことは技術的に簡単なんです。設置ができないほど莫大な——この
事故一点を考えてみますと、それほどかかるものではないと思うのです。ですから私は、後、解明をして、そしてより安全にしていくということにとっては大変重要なものだと思うのです。同時に、今日の技術からいけばこんなものは簡単にできるわけですから、私は、ブラックボックス的なものを
列車にもぜひ設置するということを強く要望しておきたいと思います。
それから、時間がありませんからちょっと飛んで急いでいきたいと思うのですが、私は、
JRにいたしましても今回の高原
鉄道にいたしましても、どうも営利第一主義じゃないかなという気がしてなりません。特に
JRにつきましてはそのように思うわけです。
今回のこの
列車事故を起こしました
JRの
列車には、定員が二百五十二名のところに約二・四倍、六百名ぐらい乗っていたのではないかな、そのように推測されております。同時に、ここにも
新聞記事を持っておりますけれども、京都駅あたりでは窓から女性を二、三人乗せた、車掌さんがホームの駅員さんにやめると言ってもそれを無視して乗せたというような記事もございます。これは終戦直後なら別でございますが。
また同時に、私は時々思うのですけれども、年末年始やらあるいはお盆の時期に、新幹線二四〇%などと誇らしげに、またマスコミも報道しているわけですけれども、これは
自動車でしたら大変なことなんですね。乗用車の定員五人のところへ六人乗せたら反則金と反則点をすぐ取られちゃうのですよ。だからといって、今のこの東京圏を中心としました通勤地獄、通学地獄、このことを考えますと、私は一方的に、定員オーバーだめですよ、そういうやぼなことも申しません、正直言いまして。やはり通勤通学の足を
確保するのも大変重要なことでございます。だけれども、今回の
事故は、どちらかといいますと半分は、言葉は悪いのですが、レジャーと申しますか、この通勤通学よりはみ出した、ちょっとゆとりのある乗客だと思うのです、日常的な通勤通学でない。そういうことを考えますと、定員問題というのはもう少し厳格に
指導すべきではないかなというような気が私は強くしているわけでございます。
と申しますのは、
普通鉄道構造規則というものがございまして、これには「旅客用座席は、次の基準に適合するものでなければならない。ただし、寝台車等特殊な車両に設けられたものにあつては、この限りでない。」ということになっておりますが、その中で、旅客用立席につきましても、「立席人員一人の占める広さは、〇・一四平方メートルとする。」「立席には、つり革、手すりその他旅客の安全を
確保する
設備を設けなければならない。」とか、あるいは「旅客定員」というところがございまして、「前条第二項第三号の旅客定員は、座席定員と立席定員との合計を超えないものでなければならない。」と一応あるのですけれども、罰則やらそういうものはないのですね、私はまだ見つけ切れなかったのかもわかりませんけれども。ですから、とにかく客がいれば全部乗せてしまえ、荷物がわりに乗せてしまえというような感覚で、営利第一主義がこのような大惨事を起こしたのではないかと私は思うのです。
特に、今回の
事故で
JR側に乗っておられて亡くなられた約七割の方は圧死なんですね。圧死ということは、それだけ大勢積み込んでいたから圧死したと思うのです。そのことを考えますと、この定員問題というのはかなり重大な問題ではないかと私は考えますが、いかがでしょうか。