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岡田参考人 お答え申し上げます。
東葉高速鉄道につきましては、西船橋から八千代までの間、この間につきまして
平成三年三月三十一日を目途として工事を進めてまいったところでございますが、まことに残念なことでございますが、今
先生お話がございましたように、この間の開業の
目標を
平成五年三月ということで二年間延ばさざるを得ない
状況でございます。
その原因は何かというお尋ねでございますが、用地買収にかかわる問題でございます。この間の必要な用地面積三十・二ヘクタールございますが、現在までに大方の
皆様方の御
協力をいただきまして、二十七・五ヘクタール、率にいたしますと九一%の買収を終わっているという
状況でございます。現在残っております地区は一部の夏見地区の都市
計画変更に絡む地区を別といたしますと、百平米でございますとか、あるいは五百平米でありますとか、非常に小規模の一部の地主の方々が値段の点についてなかなか御納得いただけない。周辺の地主の方々は私どもの提示価格でもう既に数年前にお譲りいただいている。しかし、一部の地主の方々がそれの数倍の単価の要求をされておられるとか、あるいは過大な代替地の要求をされておられるというようなことで、まことに残念でございますが、買収が完了していないという
状況でございます。私どもといたしましては何とか任意協議で円満に解決すべく、今の段階におきましてもほとんど毎日のようにお邪魔をして
努力をしているというところでございます。今お話し申し上げました五年の三月までには、勝田台までの区間を含めましてぜひ所定の工期どおり完成をしたいということで全力を挙げているところでございます。
それから二点目のお話にございました習志野台トンネルのその後の経緯でございますが、御承知のとおり、
平成二年三月二十七日に薬液注入工事におきまして注入量の不足があるのではないかという懸念が持たれましたので、三月二十七日に工事を中断いたしまして薬液注入工事の
実態の
調査に取りかかったわけでございます。この
調査は、コアを採取いたしましての強度並びに薬液の納入量、それを原票にまでさかのぼっての徹底的な
調査をいたしまして、これが完了いたしましたのは
平成二年六月五日でございます。その結果、注入量は設計数量に対しまして六九%、すなわち三一%が不足をしている、また、強度もそれに見合って不足をしているということが判明をしたわけでございます。
これらの処置といたしましては、既にトンネルが完成しておりました区間につきましては、御承知のように薬液注入工事と申しますのはトンネルを掘る補助工法でございますので、ここにつきましてはあえて再注入をするという必要はない、しかし、契約どおりの数量が入っていないということから、その契約数量と実注入数量と考えられるものの差につきまして請負代金額の減額あるいは戻入という
措置をとったところでございます。まだトンネルを掘っていなかった区間につきましては、その注入の
状態では強度的に見ましてもトン
ネルを予定どおり掘り進めていくことに不安があるという
状態でございましたので、請負
業者の全額負担におきまして再注入を命じたわけでございます。再注入を七月七日に命じまして、再注入の
状況につきましては、強度試験並びに再注入の
状況における薬液注入量のチェックという両面からチェックをいたしてまいりました。そして十分な強度が得られたという判断のもとに、九月四日にトンネルの掘削の開始を命じました。全体工事が完成いたしましたのが十月二十五日、おかげさまで無事に完了することができたわけでございます。
しかしながら、当初の契約上の工期に対しまして百四十一日間の履行遅滞が生じましたので、この間に対する延滞償金を契約書の条項に基づいて徴取をしたところでございます。また、
業者に対する
行政上の処分といたしましては、確認書の効力停止を六カ月ということで処置をいたしてございます。
なお、今回の事件にかんがみまして、大変地元の
皆様方にも御不安を与え申しわけなかった、また御迷惑をおかけしたということを強く感じておりますけれども、非常に難しい工事でございますので、施工管理を一層強化する必要があるということから、
運輸省、
建設省の御
指導をいただき、また薬液注入工事の施工管理に関する検討
委員会というところにも私どもの職員を出しまして、いろいろな角度から検討をいたしまして、例えばチャート紙の管理をより以上強化するとかあるいは材料の
使用数量の管理を強化する、すなわちそのタンクからミキサーまで行く間に大規模工事におきましては積算流量計を
設置して確認をするとか、そういった方法を講じまして、二度とかかる不祥事が起こらないように努めているところでございます。