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薮仲委員 私は、
河川法の一部を
改正する
法律案、この
河川法に関します質問をさせていただきたいと思います。
河川法に関します質問は今
国会この時間が最後だと思いますので、何点かお伺いしたいわけでございます。非常に重要な事柄があるわけでございますが、きょうは時間がございませんので、そのうちの幾つかに絞って
建設省のお
考えをお聞きしたいと思っております。
本日審議されます
河川法の中で、
一つは超過洪水に対してスーパー堤防はどうするかという課題ですね。同じように私は、この超過洪水も大事でございますけれ
ども、我々
国民として非常に関心というよりも気にかかりますのは異常渇水です。超過洪水も大変ですけれ
ども、異常渇水はどうなっているのか。現在
建設省は、渇水に対しては十年に一度の確率といいますか、その異常渇水に対する
対策を立てておられます。四全総のフレームでも、ちょうど西暦二〇〇〇年の時点で東京圏を例にとりますと、人口フレームを大体三千三百万、人口の構成比率を全国に対して二五・二%というフレームをつくっております。では現在、
平成二年度の時点で四全総のフレームどおり人口の推移が行われているか。これがフレームどおりいけばいいのですけれ
ども、前に私ちょっと
指摘しましたように、調査結果の中で三千五百万ということになりますと、約二百万人の水が足りませんということはこの間申し上げました。現時点、
平成二年におきましては二五・七と、二〇〇〇年の予定するフレームを上回っているわけです。これが異常であるということは私申し上げませんが、そこに向かって
努力をなさるということは
承知いたしております。現時点において、確かにこの東京都の水がめであります利根川水系七ダムの貯水量は、
局長も御
承知のように平年貯水量を上回っております。現時点においては非常に安心かなという期待を私は持っております。しかし、またことしの夏異常渇水が起きて、取水制限や給水制限などということになりますと、本日論議しておりますこの超過洪水と同じように都民にとっては心の痛む問題ですので、きょうは御答弁は結構ですが、やはりこのことも超過洪水と同じように私は非常に関心を、持っておる。時間があれば事細かに
一つ一つただしたいのでございますが、きょうはやめておきますけれ
ども、
国民の一人として異常渇水にも非常に関心が深いということだけは心にとどめおいていただきたい。どうかことしの夏、今は十年に一度ではなくて十年で二番目か三番目の渇水に対しても非常に利水安全度が下がっておりますので、不安定取水に頼っておりますこの
状況に心して対処していただきたい、これを
お願いしておきます。
さて、本論に入るわけでございますが、いわゆる超過洪水、スーパー堤防について質問させていただきます。
我が国は約一〇%の洪水はんらん区域に五〇%の人口が集中し、その区域に全資産の七五%が集積している。
我が国の
河川の治水の
整備目標は、基本的に時間雨量五十ミリの降雨に対して災害を防除するという形になっているわけでございます。しかし、中でも大
河川については、三十年もしくは四十年に一度の発生するであろう大降雨に対しても
整備していこうということになっておるわけでございますが、現在
整備の進捗率は六〇%程度と
承知いたしております。
〔笹川
委員長代理退席、
委員長着席〕
日本と欧米とを比べますと、
アメリカなどは、ミシシッピー川は五百年に一度の洪水、フランスのセーヌ川は百年に一度の洪水、特にセーヌ川などでは
整備が完了しておると言われておりますし、イギリスやオランダは、千年に一度の高潮に対する
対策、これも完成しているわけです。
日本は、確かにこの治水の
計画を立てて着実にやっていらっしゃる
河川局の御
努力に私は敬意を表します。しかし、それならば絶対安全かというと、きょう
河川法で論議しますように超過洪水というのは当然来るわけでございますから、安全なのかと言われれば、私はやはり建設
委員の立場として言うならば、心にかかるものがございます。
ですから仮に一〇〇%
整備をしても、今日論議しますように
計画高水位を超えれば、超過洪水になれば、大
都市においては非常に大きな災害が発生することは予測されるわけです。ですから私は、この
河川法の
改正の中で言っておりますスーパー堤防、これは基本的に重要であるという認識に立っております。特に、
計画を立てられる荒川などは、二百年に一度の確率でやろうとしておりますけれ
ども、これも全体、全水系では治水安全度はまだまだ十分とは言えません。このスーパー堤防は、
建設省が今までおやりになった淀川の出口あるいは守口地区、利根川の矢口地区、そういうところの経験を踏まえていよいよ法律の
改正に踏み切られたと思うのです、地権者の権利をどうするか等々。ただし私は、今までおやりになったところは背後地が非常にやりやすかったのではないか、やりやすかったということを仄聞いたしております。しかし、これを成功させるかさせないかは、一にかかって、これからおやりになる人口の集積度の高い、人口密度の高いところにきっちりとこの
事業が遂行できるかどうか、私は大変な難
事業であり、また、非常に重要であろうと思っております。
そういう意味において、今まで経験したことのない
都市計画であるとか
住宅政策であるとか、あるいは
道路構造であるとかいろいろな問題が一遍に出てくるわけでございますが、私が
局長に
お願いしたいのは、何としてもこの困難を乗り越えて成功させてほしい。と申しますのは、確かにこのことによってテラスの部分ができますと、親水性のすばらしいオープンスペースもできます。人間として非常に水に親しみのわくようなこともできますし、また、
河川のしゅんせつや、あるいは現在問題になっております建設残土の処理、こういうものが一挙に解決できるわけでございますから、私はこの持っている意味合いはプラスの面も非常に大きいと思うのです。しかし、困難も多々あって、初めての
事業でございますので、私は基本的にこのことの必要性と重要性を認識した上で、
河川局長としてこの
事業だけはどうか
都市部における超過洪水の安全のためにこれからが正念場であり、しっかり取り組んでいただきたいと思いますが、その決意をちょっとお伺いしておきます。