○
薮仲委員 これは、公明党が家賃
対策補助を何とかできないかということを言っておるわけでございますが、これも大臣、ちょっと記憶にとどめておいていただきたいのです。
私は、政策というのは、的確に明確な政策
目標を立ててきちっとやれば、家賃
対策補助もきちんとできるのじゃないか。今、全国で動いているのをじっと眺めていて整理いたしますと、どういうことがあるのだろう。
一つは、やはり定住したい、定住させたい、定住させていかなければという町づくりの考えがあると思うのです。それから、いわゆる高齢者のためとか年金が意外と低いとかお体の不自由な方のために、福祉的な家賃
対策補助ができないだろうかというのが
一つあると思うのです。それから、今問題になりました中堅サラリーマンの
住宅対策ができないか。
こういうことを考えますと、高齢者
対策として、やはりお年寄りが今まで住んでいたところに住み続けるということは、今、大臣の
お話の中にあったように、お友達もいるしそこで一生を終われるということがお年をとった方には非常に幸せだと思うのです。そういうように住み続けられるような高齢者向けの政策、各
地方自治体のやっているのを、やはりこれからは国としてもこれを政策的に何とかできないかということが
一つございます。
それから、定住させるために、新婚さんいらっしゃいとかいろいろな形態があるかもしれませんけれ
ども、定住させるためにはどうしたらいいのだ、このことをひとつ考えていっていただきたいと
思いますし、そういう点でのこの家賃
対策補助もいつも——きょうはじっくりとやりたいのですがほかの問題をまだ抱えておりますので、この点は、
地方でやっていることをこの次の機会にまた論議をしたいと
思いますが、国のレベルで
検討をいただきたいと思っております。
そこで、ちょっと話題をがらっと変えさせていただきたいのです。ほかの問題はきょうはやめます。
ちょっと
委員長、大臣に資料を渡させていただきたいのですが、よろしいですか。済みません、これをちょっと
建設大臣と、河川
局長はいいのですけれ
ども資料をつくってきたので敬意を表して、
建設大臣と
国土庁長官に渡してください。
大臣、私は災害にずっと十年間やってまいりまして、自然災害で人命をなくすことをやめたいというのが私の当選以来の十年間、私はこのことを訴え続けているのです。防災マップをつくってほしいとか、防災情報を伝達してほしいというのがあれなんです。
今お渡しした資料をちょっと御説明いたしますと、ほかの
先生方にお渡ししなくて申しわけないのですが、一番最初にあるのが河川情報
センターの、これは
東京センターの案内がついているのです。これは順番に言いますから。それから、
国土庁長官のために高松
センター、これは四国のをつけてあります。それから何がついているかといいますと、一番最初は、一番は台風による被害です。これは、
日本の今まで三大台風と言われた室戸、枕崎、伊勢湾。このとき死者、行方不明の方の合計が、室戸台風で三千名、枕崎で三千七百名、伊勢湾台風で五千名の方がとうとい人命を失われているのです。台風でこれだけの方が亡くなった。
その次のページ、二番は、これは御
承知の防災白書でございます。これでいってグラフを見ていただきますと、これは自然災害で亡くなっている方が昔は千名のオーダーだったのですが、最近ではだんだん減っている。これは
建設省、
国土庁、関係省庁の御尽力でこういうことになっていると思うのです。その次は、自然災害による死者、行方不明の原因は何なのだろう。その次のグラフを見ていただきますと、黄色い緑色の棒グラフがありますが、これはいわゆる土砂災害で一番死ぬのです、人命は。台風のときに土砂災害が主なのです。その次は何かといいますと、洪水とか高潮で人命が失われるグラフがこれ。これは
国土庁のデータ、消防庁、警察庁のデータですから、私がつくったものではございません。
その次に出ているのが雲画像ですね。これは、台風十九号のやつを気象庁からいただいたのです。枕崎と同じと言われた、室戸と同じと言われる巨大な台風ですね。十九号の雲画像です。これはNHKのテレビに最初に出ると思うのです。この次を開いていただきますと、台風の予報円が出てくると思うのです。台風がこっちの方向に進みますよという丸い輪がかいてありますね。これが、予報円というのがNHKの次の画像に出るわけです。その次にアメダスの雨量が出てくる。これはもう、大臣が台風のときのことを
思い起こしてもらうとわかるのです。
その次に、カラーのこういうのが出ていると思うのです。これは郵政省、
建設省、
国土庁、あらゆる省庁が努力して、敬意を表して、静岡のテレビに安倍川の警戒水位の上昇したときに、こういう警戒情報を流してもらったのです。これが第一号なんです。それでその次には、
東京の荒川の同じような画面が出ております。これをテレビの上へ流していったらどうなんだろうかということなんです。
今、資料の説明は終わりましたけれ
ども、私がここで申し上げたいのは、何が一番大事かといいますと、今私は台風十九号の例を引いたわけですが、これは気圧がいわゆる第二室戸と同じと言われるほど物すごい低気圧だったわけですね。巨大な台風だったのです。大臣も御
承知だと思うのですが、一時間に八十ミリから百ミリ近い雨をだあっと降らした台風です。このとき、読売
新聞にこういう記事が出たのです。これをちょっと読みますと、「急げ土石流
対策 台風十九号の教訓」「明暗分けた避難勧告」こうあるのです。これは何が書いてあるかといいますと、簡単に言いますと、台風常襲地帯の奄美大島でとうとい人命が失われたのです。十名の方が亡くなったのです。台風常襲の奄美で亡くなったのですよ。これは亡くなった方が非常に少なくて、四十人程度で終わっているはずなんです、この台風十九号は。ところが、奄美で、あの台風銀座と言われるところで亡くなっているのです。
ところが四国の小豆島、これは大臣の近くですね。この小豆島では、物すごい雨が降って河川もはんらんしたのですが、一人も死ななかった。千名の方が逃げちゃった。これは
建設省ちょっとごまするよう——ごますっちゃいけませんね。
建設省を
評価しますけれ
ども、逃げなさい、こう言ったのですね。奄美大島では、避難勧告したときにはもうがけ崩れが始まったのです。ところが小豆島では、避難勧告の信頼度を高めるために科学的な根拠が必要になる、こう書いてある。小豆島では、
建設省が
昭和六十二年から推進している土石流発生監視装置があり、勧告を出す際の重大な判断材料になったものですから、逃げろっと逃げちゃったのですね。一人も死ななかった。千名から逃げたのですよ。これが私の言う、情報がしっかりしていれば大丈夫なんだということなんです。
これで、そのときの
新聞をちょっと読んでみますと、「列島縦断台風が残したもの」という社説の中で、幾つか大事なことが書いてあるのです。あれほど室戸や何かで三千、五千と死んだのになぜ死ななかったのか。
一つは、早くから防災関係者が、来るな、こう構えたのです。それでみんなが用意できた。これが
一つですね。もう
一つは、
建設省を初め関係省庁が努力して治水が十分進んでおった。河川の治水がよく進んでおるなと
評価されているのです。三番目には、情報伝達が正確であり早かった、これが人命を救ったと書いてある。これがこの教訓なんです。ただし、この中にもありますように、地域に住む人にはどこが危険箇所かわかってないのですね。もしもわかっていますと、きちんと地域の人が逃げられたろう。また、もう
一つ悲しいことが書いてあるのです。現状では、これは危険渓流や何かが何万カ所とあるのです。でもこれが、現状では危険箇所の周知、警戒、避難体制をやっているけれ
ども、土砂災害は毎年確実に人命を奪っている。
私は、ことしの台風の前に、また人命を失うことが少なくなるように、両大臣にわざわざ重ねてこの資料をお見せしたわけですけれ
ども、今どこまで進んでいるかといいますと、今
建設省の河川局あるいは郵政省、
国土庁、気象庁、消防庁、関係省庁が協議機関を設けられて、どうやったら大丈夫なのか。今大臣、NHKの台風のときの情報をこう
思い起こしてください。十二時過ぎますと、一時間ごとに次の台風情報はといって出るのです。あそこで出てくるのが、今ここに申し上げたように雲画像、予報円、雨量なのです。この三つで、果たして私にとってどんなことが起きるかということがわかるかどうか。それだけではとてもわからない。例えば、
国土庁長官あるいは
建設大臣、奥様に、十ミリとNHKで言っているけれ
ども、十ミリってどんな被害が起きるかわかるか、三十ミリってどんなことが起きるかわかるか、五十ミリは何だ。これは奥様方余り、わかっているという方もいらっしゃるかもしれないけれ
ども、大方は正確には御理解いただけない。言葉で言っている十ミリとか三十ミリとか五十ミリというのはわからない。
それで
建設省の河川局にお願いして、今申し上げたように土砂災害で一番死ぬのです。ですから国民に、三十ミリでどんなことが起きるのか、五十ミリでどうだ。そのために今お見せした河川情報
センターのことがございますが、これはちょっと大臣見てください。
東京なんかの河川情報
センターの資料をちょっと大臣にあけていただきますと、ここに小貝川のデータが出ていると思うのです。
東京の
センターでは、小貝川でも荒川でも神田川でも目黒川でもわかっていますが、時々刻々の水位の情報が全部わかっているのです。ここに出ていますね、小貝川の情報
センターの資料が。それから、
国土庁長官の高松
センターをごらんになっていただきますと、高松
センターでも、ここにありますように、私はよくわかりませんけれ
ども、大臣ならわかると思うのですが、磯の川の水位が時々刻々わかるようになっているのです。
このように、今この
建設省河川情報
センターの持っている情報は、リアルタイムで河川の水位がわかるのです。ですから台風が来たときに、今
九州から東へ向かっているのですから、雲の移動によって
九州で大雨が降ったり、あるいはもっと先の前線が刺激されて伊豆半島に降ったり、紀伊半島で大雨が降るかもしれませんが、いずれにしても台風の進行と並行で雨が降ってくるわけです。そうしますと怖いのが、今言った雲画像とか雨量だけではなくて河川の水位の状態がもしもわかれば、長大河川がこうなってきた——長大河川は大体安全なのです。でも、小さい河川が危ないのです。こういう小さい河川が危険だったら逃げてくださいよということがわかればいいじゃないか。ですから、河川の水位の情報をもっとわかるように流してほしい、それを研究していただきたいのです。
これは
建設省の河川局がおやりになった紙芝居、NHKの全国版で流れたのです。これは気象情報の中で雨の目安なのです。これは私、最も大事だと思うのです。例えば、十ミリ降ると雨の音が聞こえて水たまりができますよ、二十ミリになると一面に雨になって音が聞こえませんよ、三十ミリになると
中小河川がはんらんしますよ。ここからが五十ミリなのです。五十ミリになると土砂災害の危険が起きます、そして斜面から小石が落ちたりしたら、あるいは斜面に亀裂が発生したり山鳴りや地鳴りがしたら危ないですよ、わき水が異常に出たら危ないですよ、避難は早目にと、こうなるわけです。こういうふうに、これはこの十九号でやったわけですけれ
ども、国民の側ではわかるわけですよ、三十ミリで危ない、五十ミリで危ない。これをテレビで流してください。国民に情報を伝達してください。あの雲画像と雨量だけでは、河川がどれだけ危ないか。三十ミリ雨が降ったら裏のがけが崩れますよ、急傾斜地は気をつけてくださいと言えば、国民は逃げちゃえば助かるのです、この小豆島の例のように。ですから、私はこれをずっと言っているのです。
ここまで来たのですから、後は
建設大臣、
国土庁長官、我々よりはるかに優秀なスタッフと力を持っていらっしゃるのです。何とかこれを、ことしの台風のときに人が死なないようにやってほしい、これが私の念願でございますので、郵政省の担当
課長にこの今の進行
状況と、あと大臣の御
決意を伺って、河川
局長もいるでしょうけれ
ども、もうこれは私以上に詳しいでしょうから……。